ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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『坂の上の雲』と明石元二郎

 話題のNHKスペシャルドラマ『坂の上の雲』がもうじき始まりますが、数日前に発売された『21世紀「坂の上の雲」読本』(洋泉社ムック)に、「明石元二郎は何をしたのか? 謀略の日露戦争~明石工作の虚像と実像」という記事を寄稿しました(→アマゾン
 明石大佐は、ヨーロッパでロシア反政府勢力に反乱資金を流すという謀略工作で有名ですが、近年わかってきたところによると、ロシア秘密情報部にがっちりマークされていて、それほど実績は上げていなかったようです。
 なお、同ムックは往年のA5版・別冊宝島の体裁で、しっかりとした読み物記事で構成されており、他の執筆者の方々の記事もたいへん面白いものが多かったです。なかでも、フリーライター赤木智弘さんの「無作法な『坂の上の雲』を翼賛する人々」という記事が面白かったですね。『坂の上の雲』はフィクションなのに、それで「明治の日本人は偉かった!」と短絡するノリを痛烈に批判しています。確かにそのとおりですよね。いやあ、まさに私のことです。反省です。
 なお、私は前述したように明石元二郎について解説記事を書いたのですが、今のところNHKのサイトでは、明石役俳優が決まっていないようです。というか、明石工作は『坂の上の雲』ではサイドストーリーなので、もしかしたらバッサリ省略されてしまう可能性もありそうです。
 
 ところで、旧陸軍の元祖スパイ・マスターとして〝歴史通〟にはたいへん有名な明石元二郎ですが、じつは日露戦争モノの映画やドラマなどのフィクション作品では、これまでそれほど登場してきませんでした。波乱万丈のストーリーを描くなら、まさに格好の人物であるのに、不思議なことです。
 そんな数少ない登場作品を探してみると、以下の3作品がありました。制作された順に『日本海大海戦』(1969年/東宝)、『ポーツマスの旗』(1981年/NHK)、『日出づる国の密使/明石元二郎とコンニ・シリアクス』(1992年/RKB毎日放送)。明石役は順に仲代達矢、原田芳雄、夏八木勲です。このうち、私の記憶に強烈に残っているのは、原田芳雄版の明石大佐ですね。
『ポーツマスの旗』は同名の吉村昭の小説をドラマ化したもので、NHKではドラマスペシャル枠の連続ドラマとして放映されました。本筋は小村寿太郎外務大臣(石坂浩二)を主人公に、ロシアとの講和交渉の裏側を描くというストーリーなのですが、当時高校生だった筆者には、石坂浩二の登場シーンよりも、サイドストーリーとしてパラレルに挿入されていた原田芳雄の登場シーンが強く印象に残っています。それというのも、原田芳雄の当時のヘアスタイルが、明治時代の帝国軍人にはあり得ない〝肩下まであるソバージュの超ロン毛!〟だったからです。
 テレビ版『ポーツマスの旗』では、ロン毛の明石大佐が文字通りに髪を振り乱し、ロシア秘密情報部と壮絶なバトルを繰り広げていました。なぜか逆境の日本人女性ナターシャ(秋吉久美子)なんかも登場し、その窮地を原田芳雄が救います。たったひとりで、まさに鬼神のような大活躍なんですね。
 私はいわゆる〝戦争もの〟や〝スパイもの〟の作品を山のように視てきましたが、この原田芳雄版の明石大佐は、キャラ立ちという点では圧倒的です。仮に今度の『坂の上の雲』で明石が登場するとしても、誰が明石役をやってもロン毛大佐の存在感にはとうてい太刀打ちできないでしょう。
 ところで、このテレビ版『ポーツマスの旗』はちょっと前に衛星チャンネルで再放送していましたが、いま視直してみても面白かったですね。石坂浩二のメイン・ストーリーは凡庸なんですが、サイドストーリーがよく出来ているのです。
 原田芳雄と秋吉久美子の奇想天外なスパイ物語だけではありません。なぜか薄幸の日系移民の娘としてツッパリ女優・三原順子が登場するのですが、その三原を助けるのが、当時まだ無名に近い存在だった佐藤浩市。彼は当時まだ実年齢が20歳そこそこで、どう見ても〝小僧〟なのですが、ストーリー上の役はなんと『ニューヨーク・タイムズ』紙の特派記者です。どう考えても無理のある配役なのですが、佐藤浩市にしろ三原順子にしろ、なんとも言えない不思議な存在感があり、それが妙な魅力を作品に与えています。
 ちなみに、『ポーツマスの旗』で主役の小村寿太郎役を演じた石坂浩二は、『坂の上の雲』では帝国海軍の大ボス=山本権兵衛役だそうです。他方、その小村外相役は怪優・竹中直人ということで、これも楽しみですね。

 ところで、NHKドラマといえば、私の雑誌記者時代の大先輩でもある麻生幾さんが原作を書いた同局土曜ドラマ『外事警察』が明日夜より放送されます。私もほんの少しですが、テロ対策とかに関して制作の方にアドバイスしました。といっても、麻生さんがいるわけですから、私なんぞの出る幕はほとんどなかったですが。
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  1. 2009/11/13(金) 18:39:15|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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