ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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普天間問題その2

 普天間問題に関して、沖縄の世論とか、日本の安全保障の問題とかについてもいろいろ議論されていますが、この問題はそういうことよりも、前前エントリーに書いたように、「対米交渉」が本質だと思います。返して欲しいけれども、アメリカ様が出ていってくれない。どうしたら出て行ってくれるのか・・・・・・まるで占有屋対策ですね。
 占有屋には、「カネ積んでウラで解決する」か、「あくまで法律に則って戦う」か、あるいは「カネでより大手のヤクザに処理してもらう」かですが、この場合はどの道が有効なのでしょうか。世界最強のアメリカを相手に、後者は無理ですね。2番目がいちばんいいとは思うのですが、この場合、本気で「戦う」姿勢が必要です。誠意で話し合おうなんて態度では、占有屋は出て行きません。で、なんだかんだ言って前者が現実的ですが、問題は「それでいいのか!」というところですね。
 明治期の不平等条約改正は結局、半世紀近くかかりましたが、当時はロシアvsイギリスなどのように列強同士の対立があり、それを利用することがある程度は可能でした。現在の対米交渉にはそういうものはありません。正面から交渉することしか出来ないわけです。
 
 私はかつて『日本の防衛7つの論点』(宝島社)という本を執筆したときに、元外務官僚で、官房長官・自民党幹事長として対米交渉経験も豊富な加藤紘一議員にインタビューしました。そこで加藤議員は、こんなことを言っていました。
「ある一点以上のことをアメリカに要求されると、そのときにはタテマエを使ったんですよ。それが憲法9条であり、社会党の存在ということだったんです」
 強いアメリカにひたすら追随して国家安全保障を享受するが、なるべく責任と負担を負わないように曖昧な態度で逃げまくるーーこれが戦後ニッポンの基本的な「生き方」だったということなのでしょう。番長の影に隠れながら、喧嘩になると逃げ隠れするヤツってところでしょうか。
 普天間問題で、社民党の存在を対米カードに使えないものでしょうか。タテマエとしてはアリなんだと思うのですが。

 一方、前エントリーで触れたアフガン支援問題では、社民党が小沢民主党に利用された感じですね。
 アフガンISAFに人を出せというのが小沢氏の持論で、ホンネでは自衛隊派遣ということなのでしょうが、それをやろうとすると寄り合い所帯である民主党内がゴタゴタすることが必至。しかもそれで死者でも出たら、マスコミ・世論のバッシング集中砲火を浴びることになります。参院選挙にも悪影響が出ることでしょう。
 ところが、連立与党に社民党がいたことで、小切手外交の責任をそっちに転嫁することができます。内向きの話ばかりで、そんなことばかりやっていてもなあ・・・という気もしますが。

 私の意見は、たとえ自衛官の戦死者が出ても(勇ましい右系の人も、ここゴマかさないでいただきたいですよね)、世界の治安維持活動に参加すべきというものです。
 現実に日々殺されている人がいて、放置するとそんな人殺しがますますのさばっていくという状況があります。今は欧米諸国が主に火の粉をかぶっていて、アフガンで人殺しが増殖しても日本に直接の被害はないかもしれませんが、世界の治安維持に参加するというのは、命懸けで取り組むに値する仕事ではないかと思います。日本が死活的な危機に陥っている状況でないので、「国益のために頼む」と言っても危険地帯に送り込まれる人にはピンと来ないかもしませんが、事実上の世界警察活動とあれば、納得できる人もいるのではないでしょうか。
 こう考えると、自衛隊派遣というのはけっこう人道主義な話だと思うのですが、人道主義を自認する方々がそれに反対というのも、よくわからない話です。対テロ戦を私は世界警察活動的に考えている(その意味で、評判のものすごく悪い、かの「ネオコン」に近かったりするんですけど)わけですが、左系の人は「米帝による侵略」とか考えているのかもしれません。外国軍がアフガンから引き揚げたら現地の人が幸福になるとも思えないのですが。

 アフガン支援問題でもうひとつ付け加えると、カネで済まそうという姿勢は問題ですが、そのカネを日本はあまりに安易に外国に渡しすぎているという気もします。日本人は金持ちだと当の私たち自身が考えているようですが、日本人は世界標準では、そんなに金持ちじゃあないと思います。
 たしかに外貨ベースでの日本人の所得は世界有数で、自動車や電化製品などの所有レベルも世界トップクラスですが、なんたって住環境が劣悪です。東京の賃貸アパートに住む独居老人とか、派遣労働者とかの暮らしは、少なくとも中産階級の外国人からみれば「可哀想」なほどの慎ましさだと思います。40平米の2Kマンションとかに家族4人で暮らすなんてパターンも、世界標準では明らかに「可哀想」な話です。物価・生活費も違いますから、欧米以外なら月収5~7万円くらいでもっと優雅に暮らしている人なんて大勢います。
 アフガン級の最貧国の場合はまた少し事情が違いますが、そこそこ中流層がいるような国にもけっこう日本から援助とかいってます。国連分担金なんかもそうですが、日本人ばかりカネを上納させられています。不況でカネ絡みの自殺者も後を絶たないなか、これもおかしな話です。少なくとも「思いやり予算」「米国債引受」「ODA]なんかは真っ先にばっさり減額すべきと思います。
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  1. 2009/11/12(木) 09:21:42|
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豊臣秀吉 刀狩り

世界の治安で 検索しました。英語が 世界共通語
人種差別 戦争の傷跡 ビジネス競争 物価の違い 税金の違い 世界が ひとつになって 生活 文化 などに がんばったら どうなるのかなぁ
現時点での 日本の輸出輸入 日本ビジネス
人の心 犯罪 人とのつながり 家族 労働 受験 
  1. URL |
  2. 2010/07/03(土) 09:37:37 |
  3. 村石太マン #5qBUWifg
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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