ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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テポドン航跡情報の怪

 それにしても「???」である。7月30日付新聞各紙は、「テポドン2が発射直後に墜落していた」との政府情報を報じた。ニュースソースは「政府筋」である。
 その根拠は、「アメリカ早期警戒衛星が発射地点での40秒のブースター燃焼だけを探知していた」「日米の偵察衛星が、発射基地付近でテポドンの残骸と思しき物体を撮影した」「日本海に展開していた日米のイージス艦が航跡を探知できていない」である。
 それはまあ納得できる。不思議なのは、では、発射直後に防衛庁が発表した〝ものすごくピンポイントまでわかっていたはずの着弾地点〝はいったい何だったのか?ということだ。
 当初の報道によれば、この着弾地点は、展開中の各イージス艦の位置からそう遠くない地点だったのではなかったか。航跡の一部を捉えたはずではなかったか。
 北朝鮮軍事情報ではいくつもヒットを飛ばしている『読売ウイークリー』誌も8月6日号で、米軍事筋から入手したはずの「独占! 北ミサイル着弾全データ」を掲載していたはずではなかったか。
 考えられることは次のようなことだ。
①軍事筋、政府関係者の誰かがさしたる根拠もなく適当な話をデッチ上げた。 
②ブースターが40秒燃焼したことで、なんとなく「このへんまで飛んだのだろう」と思い込んだ。実際、当初から「テポドン2は40秒飛行した落下した」と報じられている。
③(ほとんどあり得ないが)シギントで北朝鮮側が「ここまで飛んだ」と交信したのをキャッチした。
④(もっとあり得ないが)北朝鮮の情報源が、「テポドンはここまで飛んだ」と伝えてきた。
⑤テポドンが飛ばないと北朝鮮の脅威を喧伝できないため、わざと偽情報を流した。(いずれバレるわけだから、ちょっと考えづらいが)

 まあ、可能性としては①か②にような気もするが、それにしては着弾地点情報がリアルすぎる。あれをもとにいろいろな論評が飛び交っていたが(ハワイを狙ったとか、わざと日本列島を越えないようにセーブして撃っただの等々)、あれはいったい何だったのか。

 こうなると、スカッド、ノドンの航跡のほうもなんだか怪しい話になってきた。「直線上の方向に集め、しかも等間隔に撃ち込んだ精度は恐るべきものだ!」などという論評が多いが、それもデータが間違っていたら成立しない。
 
 そういえば、アメリカのヒル国務次官補は7月20日の米上院外交委員会公聴会で、「ミサイル発射にイラン人が立ち会っていた」という認識を持っていることを明らかにした。
 また、たとえば、前出『読売ウイークリー』誌の記事では、米軍事筋が「ロシア人が立ち会っていた。イランとパキスタンの関係者がいたという情報もある」と語っている。
 そんな情報がわかるなら、テポドン2の顛末も即座にわかりそうな気がするのだが。
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  1. 2006/07/31(月) 13:47:29|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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