ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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松本清張特集

 かつて拙著『謀略の昭和裏面史』で、松本清張の『日本の黒い霧』や『深層海流』などについて触れました。で、その延長ということで、ちょっと畑違いではありますが、先月発売の別冊宝島『松本清張の世界』で2本記事を担当させていただきました。→<u>アマゾン
 1本は「陰謀論を世間に広めた『日本の黒い霧』」というコラム。もう1本は松本清張について、大御所・森村誠一さんへのインタビュー記事です。
 私以外は全員若者という宝島的布陣で森村さんのご自宅に伺いましたが、たいへん丁寧に対応していただきました。商売柄、著名な方に会う機会もたまにあるのですが、実際は結構冷たい仕打ちを受けることも少なくないので、とくに今回は一同感激です。やっぱり人柄は重要ですよね。
 で、私が興味があったのは、かの『悪魔の飽食』でやはり裏面史系ノンフィクションの大ヒットを持つ森村さんの情報源についてでした。森村さんも松本清張も共産党機関紙『赤旗』記者などの協力者がいたので、その共産党情報網の「凄さ」について聞いてみたかったわけです。
 実際、戦後日本で裏面史スクープを共産党系のメディアやジャーナリストが主導してきたことは事実です。『赤旗』そのものもそうですし、ゴシップ誌『真相』、ノンフィクション作家・吉原公一郎氏などもその流れに位置します。共産党ではないですが、『噂の真相』も左翼系ですね。しかも松本清張の場合、共産党に加えて、どちらかというと「右」の『文藝春秋』の取材網も使える立場にいました。左右に情報ルートがあるという、極めて有利な立ち位置だったわけです。こういう背景は、情報収集でどれほど決定的なものなのか?
 ところが、少なくとも森村さんの場合は、共産党ルートというのはあまり関係なかったそうです。そもそも森村さんご自身のところに読者から情報提供があり、『赤旗』記者と共同で取材したところ、その記者個人がたまたまものすごく優秀な方だった(オウム事件のときによくテレビで毒ガス兵器について解説されていた下里正樹氏)ということでした。
 昭和裏面史の分野では「共産党神話」とでも呼べるイメージがあって、権力側の裏情報を内部に浸透した共産党シンパが党に流すことで、ネタがバンバンと党に集まってくるというような印象もあったのですが、どうもかなり誇張された話のようです。 
 なんとなく、海外ネタの分野における「商社神話」に似てるかもしれません。日本の外務省やその他の省庁は外国のインテリジェンスを入手する力はないものの、代わりに日本の商社が「何でも知っている」というような神話です。これも8割方は誇張ですね。
 やはり自力で地道にコツコツ調べるしか道はないということなんですね。
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  1. 2009/07/13(月) 11:10:43|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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