ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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北朝鮮を倒せ!?

 今度は弾道ミサイル再実験が秒読みのようです。国連安保理の動き次第で、日本も本格的に船舶検査に乗り出す可能性も出てきました。自民党では自衛隊に敵基地攻撃能力を付与せよという意見が出てきています。
 これまで書いたように、北朝鮮が核ノドンを配備したら、これはエラいことになりますので、なんらかのアクションはすべきですが、6カ国協議みたいなユルユルの枠組みではほとんど役に立たないので、やっぱり軍事制裁しかないのかも。つまり戦争(大小の段階はありますが)でしょうかね。
 ですが、アフガンやイラン問題を抱える今の米軍にはそれほど期待できないことは以前にも書きました。核ノドン配備というレッドラインに直面している日本と、そうでないアメリカとでは安保の条件が違いますから、ここは日本は独自戦略が要求される局面です。
 ということで、じつはここ数日、いくつかのメディアからコメントを求められました。日本はどうすりゃいいのか?と。で、いろいろ考えてみたのですが、当然ながら私ごときでは妙案が浮かぶはずもありません。
 ちょっと前に当ブログでお気楽にいくつか案を書いてみましたが、まあそれらも実際にはほとんど現実的ではありません。たとえば、「金正日を応援する作戦」。独裁政権が安泰なうちは核ノドンも撃たないだろうということでの逆説ですが、そりゃ論外ですよね。いかに人々の犠牲を抑えてあの政権を始末するかというのが、世界の課題になっているわけで、たとえ自国の安全保障のためとはいえ、将軍様の軍門に下るわけにはいかんでしょう。
 あるいは、「核ノドン配備前に北朝鮮をボコボコにする作戦」。北朝鮮と日本の全面戦争ですが、自衛隊の長距離爆撃作戦能力や渡航強襲揚陸能力が不足していることから、現状ではこれも実際には難しいです。相当数の巡航ミサイルを新たに装備し、自衛隊3軍が玉砕覚悟の決死的作戦でもすれば多少はなんとかなるやもしれませんが。
 ということで、日本はじつは八方塞がりな状態です。では、まったく方策はないのでしょうか?
 現状でいちばん合理的なのは、「MD大量配備」+「敵地攻撃能力導入」のセットでしょう。MDについては、私はこれまで述べてきたように、どちらかというとあまり期待はしていませんが、現在開発中のもの含め、ものすごい数を揃えて「迎撃ミサイルの弾幕を張る」くらいの防御態勢をとれば、抑止力とはならないまでも、万が一の場合の迎撃成功確率がそれなりに上がります。
 また、敵基地攻撃能力も、長距離巡航ミサイルの導入に留まらず、対地攻撃機、爆撃機(&地下貫通爆弾)、電子戦機、偵察機、空中給油機などを順次導入していくことで、時間はかかるでしょうがそれなりに向上させることが可能かと思います。陸自の一部を海兵隊化するための大型の強襲揚陸艦や、特殊部隊を送り込む潜水艇も不可欠でしょう。
 もちろんこれらの施策には当然ながら相当の時間と資金が必要です。で、とくに資金ですが、私は「海兵隊化部分以外の陸自の本土防衛部門」をいっきに大リストラするというのも検討に値するのではないかと考えています。どこかの国が海空自衛隊および在日米軍の防衛網を突破して日本列島に上陸してくるなどという局面は考えられないからです。米軍のボディガード役として破格の予算があてられてきた海自のP3C部隊とか、空自の要撃機部隊なんかも思い切りリストラしていいのではないでしょうか。それは周辺各国の潜水艦部隊や空軍も増強されてはいますが、まだ政治的に切羽詰まった状況ではありません。それよりは核ノドンのほうがずっと現実的な脅威ではないかなと思うわけです。
 それでも、そんな戦闘シフトを導入している最中にも核ノドン実戦配備が行われる可能性があります。そうなったらもう安全保障は不可能ですので、なんとかその前に戦争を起こしたいとなったとします。ということで、これも日本政府が採用することはないでしょうが、ひとつだけ手がありました。「米軍引きずり込み作戦」です。
 まず日本は独自に北朝鮮を攻撃します。もちろん現有の自衛隊の戦力だけでは効果は知れてますが、とりあえず攻撃します。これは、「自国を恫喝している〝ならず者国家〟が核ミサイルを実戦配備するのを食い止める自衛権の発動である」ということにします。国連のお墨付き抜きで他国攻撃に踏み切った米軍の対アフガン戦と同じ理屈ですから、アメリカはその日本の行動を認めないわけにはいきません。
 そうなれば当然、北朝鮮は反撃します。日本と北朝鮮が戦争状態になるわけです。その状況で通常弾頭ノドンを撃ち込まれる可能性はありますが、いずれにせよそうとなれば日本は日米安保条約にしたがって米軍に参戦を要求できます。これまでアメリカは自国の自衛戦争に自衛隊の参加を要求してきたわけですから、当然のことです。しかし、アメリカはもちろんそんなことは望んでいませんから、もしかすると助けてくれないかもしれません。ですが、それでは安保条約は死文化も同然。そこで、勇気をもって在日米軍の閉鎖を通告しましょう。それはアメリカはたいへん困るので、本気で動かざるをえません。以上が「米軍引きずり込み作戦」です。
 同じように、「中国引きずり込み作戦」も一考に価します。たとえば、これまで私は、「日本の核武装は北朝鮮に対する抑止力にはならない」と書いてきましたが、中国引きずり込み作戦には「核武装宣言」がいちばん効きそうです。
 いずれにせよ、現状では北朝鮮の脅威にもっとも晒されつつあるのは日本です。米中はそれほど切羽つまっていません。ということで、もしも近未来に北朝鮮が暴発した場合に日本だけが割を食う可能性があります。なので、これまで無害な草食系男子としてバカにされていた日本が、急に敵基地攻撃能力導入だの核武装だのというブラフをかますことは、対北朝鮮だけでなくアメリカや中国に対しても案外有効なのではないかなと思います。
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  1. 2009/06/02(火) 10:26:17|
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  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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  1. |
  2. 2009/06/02(火) 12:20:28 |
  3. #
  4. [ 編集]

「核武装宣言」賛成!
ブラフと思われないように本気で開発するフリをしなければなりません。

核武装論者(攘夷論者)になったフリをしなければ、
北朝鮮核武装解除(倒幕)はできないって感じですかね。
いままで、核武装論者のフリをしていた人たちが一番の戦略家だったかもしれません。
#本気の人たちはアレですが。

他にも、イスラエルから購入済みとか、情報戦を専門家には期待したいところです。
  1. URL |
  2. 2009/06/08(月) 00:25:20 |
  3. しまだ #1wIl0x2Y
  4. [ 編集]

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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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