ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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ハマスについて

 ハマスについて追記します。
 古い話ですが、90年代の後半にハマスの軍事部門「イッザルディン・アル・カッサム隊」がイスラエル国内で怒涛の自爆テロ攻勢をかけた時期があって、当時、カイロに居住していた私も、ガザでハマスを取材したことがあります。もう10年ちょっと前の話であまり参考にならないかもしれませんが、ちょっと思い出しましたので、当時の様子を記してみます。
 自爆テロ頻発時期でしたが、当時はイスラエル国防軍の記者証(その頃はフリーランスでもわりと簡単に取得できました)があると、イスラエル側からガザに自由に行くことができました。で、外国人記者は誰でも簡単にハマスの報道官に会うことが出来ました。当時、現地で医師として働いていたマフムード・ザッハルという人物でした。
 で、この人は当時、ハマスのガザ指導部のなかで、穏健派指導者3人組の一人と目されていた人物でした。カッサム隊などの過激派は全員が地下活動なので、外国人記者が取材することは不可能でしたが(取材謝礼狙いの偽カッサム隊はいっぱいいましたが)、ザッハルに関しては、イスラエル側も「あいつなら、まあいいだろう」ということだったのだと思います。
 で、当時、私は彼とどういう話をしたかというと「自爆テロはよくないよねえ」「カッサム隊には困ったもんだよねえ」というような話でした。カッサム隊はハマスでもほぼ完全に過激路線のヨルダン支部の指揮下にあり、ザッハルら地元組とは違うラインで動いていたことを、そのときザッハルはちょっと愚痴りながら教えてくれました。つまり、当時はハマスでもザッハルら地元組は現実的な穏健路線が多く、国外をベースとする過激派を持て余していたのです。
 で、当時ハマスのヨルダン支部の中心人物だったのが、現在シリア在住のハリド・メシャルでした。過激派はメシャルだけということではなくて、他にもいましたが、97年にヨルダンでモサドに暗殺されかかったことなどで、過激派のなかで発言力をかなり高めました。
 パレスチナではその後、ハマスの最高幹部が相次いで殺害され、今ではザッハルが最高幹部になっています。ザッハルに関しては、「もともと強硬派だったが、後に穏健派に転向した」というような情報もありますけれども、以上のようなわけで、ハマスのなかではもともとは穏健派(あくまで「ハマスの中では」の話ですが)に入る人物です。
 ですが、実際のところ、ハマスは強力なリーダーシップの下に統制された組織ではないので、現在もザッハルは軍事部門を押さえていないと思います。強硬派の主流派でもっとも影響力があるのは(完全にハマス民兵のすべてをコントロールできているわけではないと思いますが)メシャルで、それゆえメシャルに影響力を持つシリアが重要になるわけです。   
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  1. 2009/01/06(火) 04:05:16|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
<<軍事部門を恐れるハマス指導部 | ホーム | ハマスに影響力を持つのはシリアだけ>>

コメント

元々平和にイスラム教徒やユダヤ教徒が仲良く長年住んでいた場所に
『我々は2千年前にこの地に住んでいたからここは我々の土地だ』
というメチャクチャな理屈で「軍事侵攻」し(米国の超バックアップ付き)
徹底的に武力で制圧して領土を奪い核武装までしたイスラエルの
どこに正義があるというのでしょうか?
日本は残念ながら米国の属国ですからメディアでは
あたかもハマスが悪者(テロリスト集団)のような報道がされますが
これはまさに大東亜戦争時に欧米列強に戦争をけしかけられ
植民地にされるか戦うかを選ばされた大日本帝国と同じ構図です。
パレスチナの人々が不憫でなりません。特に民間人の方々。。。
戦争自体もちろん悪いことだと思いますがこれは明らかな侵略です。
日本人みんなで声を上げていきましょう。
  1. URL |
  2. 2009/01/06(火) 08:18:53 |
  3. 博多っ子 #DKH/kKes
  4. [ 編集]

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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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