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ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

総裁選で話題の「敵基地攻撃能力」 ~その有効性をリアル想定で分類してみる:2021年09月22日

総裁選で話題の「敵基地攻撃能力」
その有効性をリアル想定で分類してみる〜黒井文太郎レポート


2021年09月22日
FRIDAYデジタル

https://friday.kodansha.co.jp/article/205866

9月10日、高市早苗前総務相がテレビ番組で、
「敵基地を一刻も早く無力化した方が勝ちだ。使えるツールは電磁波や衛星ということになる」「強い電磁波などいろいろな方法でまず相手の基地を無力化する。一歩遅れたら日本は悲惨なことになる」
などと語り、注目された。
高市氏は19日の候補者テレビ討論でも「敵基地の無力化」の重要性を指摘し、今度はそのために精密誘導ミサイルの必要性を主張している。

岸田文雄前政調会長も、13日の記者会見で、敵基地攻撃能力保有を「有力な選択肢」と評価した。

他方、河野太郎行政改革相も13日の記者会見で言及。北朝鮮ミサイルを想定した質問に対し
「敵基地攻撃は随分前の議論だ」
と指摘。
17日の記者会見では対中国軍を想定した質問の流れに
「敵基地攻撃能力は昭和の概念。抑止力は日米同盟で高めていく。短絡的な議論は避けるべきだ」
と言及。導入に慎重な姿勢を示した。

「敵基地攻撃」とは、具体的に何なのか

自民党総裁選での各候補の安全保障政策に関し、なにやら「敵基地攻撃能力」の是非が論点になってきている。
これは、北朝鮮や中国のミサイルの脅威から日本を守るため、従来のミサイル防衛に加えて、敵の基地を攻撃する兵器を新たに導入・配備しようという議論だ。

日本の次のリーダーを選ぶ重要な自民党総裁選で、各候補の安全保障政策の違いが論点に上がるのは悪くない。テクニカルな分野に踏み入る分野だが、候補者たちにも正面から取り組む姿勢が見えて、それ自体は評価できる。

ただ、こうした質疑の場で、尋ねるメディアも、答える候補者側も、それぞれ想定している敵基地攻撃の状況の認識が統一されていない印象があり、見ていてしばしばチグハグなやり取りになっている。
それでは、せっかくの「議論」も迷走してしまう。敵基地攻撃能力とは具体的にはどういう状況での、どういう目的で、どういうことをやる能力を想定しているのか。リアル想定で分類してみたい。
(以下略)
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  1. 2021/09/27(月) 16:26:13|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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