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ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

妹・金与正が語っていた「新型ミサイル発射」の本当の目的~「挑発ではない!」「党大会決定の活動だ」政治的アピールとは無関係か:2021年09月18日

妹・金与正が語っていた「新型ミサイル発射」の本当の目的
「挑発ではない!」「党大会決定の活動だ」政治的アピールとは無関係か〜黒井文太郎レポート


2021年09月18日
FRIDAYデジタル

https://friday.kodansha.co.jp/article/205532

<北朝鮮が15日、「短距離弾道ミサイル」の発射実験を行った。9月11~12日に行った「長距離巡航ミサイル」の発射実験に続くこの動きに、報道が錯綜している。軍事ジャーナリスト・黒井文太郎が、金正恩、金与正兄妹の「真意」を読み解いた。>

北朝鮮2つのミサイルの特徴は

巡航ミサイルはジェット・エンジンで推進するミサイルで、速度は遅いが概して命中精度が優れている。低速なので発見できれば撃ち落とすのは比較的容易だが、通常、きわめて低い高度を進むので、目前に現れるまでレーダーに探知されにくい。

他方、弾道ミサイルはロケット推進で高速で打ち上げられ、その勢いの慣性で飛んで標的を攻撃する。高い高度まで上がるので、遠くからでもレーダーで捕捉・追尾されやすいが、速度が速いので迎撃は困難だ。

日本全土が「射程内」になった

11〜12日に北朝鮮が発射した巡航ミサイルは射程1500㎞で、日本全土を狙うことができる。北朝鮮では今年1月の朝鮮労働党大会で、金正恩委員長(現・総書記)がそれまでの党の政治的成果と今後の方針を報告したのだが、軍事分野の言及の中に「中・長距離巡航ミサイルをはじめとする先端核戦術兵器も次々と開発」とあった。つまり彼らは巡航ミサイルを核ミサイルとして開発しているわけで、それが完成すれば、日本は従来の核弾道ミサイルに加えて、さらに核巡航ミサイルにも備えなければならなくなる。

ただし、これを核ミサイルにするには、数百kgレベルまで核爆弾を小型化しなければならず、おそらく北朝鮮はまだそれを実現していない。しかし、核爆弾でない通常爆弾でも、命中精度の高い巡航ミサイルなら、日本の各重要拠点をピンポイントで狙うことができる。1発あたりの威力は大きくないが、数多く使うことで成果が期待できる。
(以下略)
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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