過激テロ指導者もいる「組閣」でわかったタリバン政府の今後
アフガニスタンで何が起きているのか。黒井文太郎緊急レポート2021年09月10日
FRIDAYデジタルhttps://friday.kodansha.co.jp/article/2042159月7日、タリバンが暫定政権の顔ぶれをようやく発表した。8月15日に首都カブールを制圧してから、すでに3週間以上が経過している。
これまでアフガニスタン情勢に関しては、タリバン新政権が穏健路線をとるのか、あるいは過去のような国内での厳しい弾圧をともなう強圧的な路線をとるのかが、最大の注目点だった。タリバンの対外的な情報発信を担ってきたのは、もともとカタールを拠点に対米交渉を担当してきた政治部門の指導者たちであり、この3週間も、対外的にはずっと穏健路線をアピールしてきた。
しかし、①彼らの言葉は本心なのか否か、あるいは②彼らの言葉はタリバン指導部の総意なのか否か、③彼らの方針にタリバンの末端勢力は従うのか否か、が不明だった。
〝過去のタリバン″ではなく、〝現在のタリバン″の内情については情報がほとんどなかったから、世界中のメディアも、アフガニスタンの今後について、あやふやな「憶測」を報じるしかなかった。
しかし今回のタリバンの「暫定政権の人事発表」によって、〝現在のタリバン″について、いくつか「推測」が可能になった。
タリバン組閣の「意味」を読み解く▽内部で綱引きがある前述したように、新体制の発表まで3週間あまりもかかった。これは、タリバン指導部内で、さまざまな陣営の間で話し合いが長引いたためと推測できる。
タリバンはもともとパシュトゥーン人を中心にした有力な部族指導者・戦闘指揮官の集合体だが、強い指導力・影響力を持つリーダーがいれば、話は基本的には上意下達で早い。しかし、おそらく新政権の統治方針と主導権をめぐって、話し合いがかなり紛糾した可能性がきわめて高い。
(以下略)
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- 2021/09/27(月) 16:17:02|
- FRIDAYデジタル/黒井文太郎・執筆記事
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