南ア「暴動」とキューバ「デモ」似て非なるそれぞれの事情
大規模な抗議行動が起きた2つの国で、人々はなにを求めているのか〜黒井文太郎レポート2021年07月18日
FRIDAYデジタルhttps://friday.kodansha.co.jp/article/194041今、2つの国で大規模なデモが起きている。南アフリカとキューバだ。南アでは、暴動に発展して、ショッピングセンターなどでの略奪行為も拡大している。死亡者もでている。
この2か国のデモは、どちらもコロナ禍による経済低迷を背景とした「一般庶民の不満爆発」という共通点はある。が、それ以上に、両国ともに社会の根底に潜んでいた問題が顕在化したという側面を持っている。一見同じに見える「コロナ禍の暴動」だが、その深層は、当然ながらそれぞれに国の事情による。
南アが抱える問題の根底には暴力の蔓延と失業が
南アフリカの状況をみてみよう。
引き金は、6月29日にズマ前大統領に禁固刑が確定し、7月7日に自ら出頭して収監されたことだった。彼は在任中の汚職容疑で調査委員会への出席を求められていたが拒否していたため、法廷侮辱罪での有罪判決だった。
すると、ズマ前大統領の支持者が反発し、抗議デモが発生。それが10日から放火などの破壊行為に発展し、さらにそれに乗じて略奪行為が拡大した。13日までに600以上の店舗で、数十億ランド(1ランド=約7.5円)が略奪されたとみられる。
南ア政府は7月12日、軍の派遣に踏み切ったが、暴動・略奪は一向に収まらない。13日までに死者は72人、逮捕者は1234人となっている。死者の多くは、略奪にともなう争いで亡くなったとみられる。
この暴動の最大の要因は、ズマ前大統領とラマポーザ現大統領の対立だ。
(以下略)
スポンサーサイト
- 2021/09/27(月) 16:02:16|
- FRIDAYデジタル/黒井文太郎・執筆記事
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0