特殊部隊経験者のイスラエル新首相 若手指揮官時代の「ダメ」疑惑
現地を見ていた日本人ジャーナリストのレポート2021年06月18日
FRIDAYデジタルhttps://friday.kodansha.co.jp/article/1881536月16日、5月以来停戦状態だったガザ地区で、空爆が行われた。イスラエル/パレスチナではなかなか平和は訪れない。そうした紛争が日常的なこの国で、今後のイスラエル政府の指揮をとるのは、13日に就任したばかりのナフタリ・ベネット新首相だ。
ベネットは1972年生まれの49歳で、71歳のベンヤミン・ネタニヤフ前首相から、22歳も若返る。軍人を経てIT企業家となり、その後、2006年にネタニヤフの補佐官として政界に転身。右派政党の党首になるとともに、ネタニヤフ政権で経済相や国防相を歴任した。
ベネット新政権は、反ネタニヤフで連携した8党の連立政権で、中道派から右派、アラブ政党まで含む寄り合い所帯だ。主導したのは議会第2党の中道派政党「イェシュアティド」で、ベネットは第5党の右派政党「ヤミヤ」の党首だが、連立のカギを握る立場だったことで首相の座を得た。首相の任期は4年だが、前半2年をベネットが、後半2年をイェシュアティドのヤイル・ラピド党首が担うことが合意されている。
ベネット新首相は右寄りだったネタニヤフ以上の右派強硬派だが、中道派が主導する連立政権である以上、政策的にはあまり新規の路線にはならないだろうとみられている。イスラエルで連立政権は常だが、これほどの雑多な寄り合いは初めてであり、早期の分裂を予想する声も少なくない。
イスラエルの政治指導者は軍人出身だが…さて、イスラエルは周知のように建国以来、イスラム圏の各国と敵対関係にあり、国民にも兵役を課している。政治指導者は歴代、それぞれ軍人としての実績を持つ人物が多い。
ネタニヤフ前首相も青年期に5年間、特殊部隊「サイェレット·マトカル」に所属して現場指揮官を務めており、対レバノン戦やハイジャック救出作戦など実戦経験が豊富にある。その後、第四次中東戦争でも特殊作戦を指揮した。
(以下略)
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- 2021/09/27(月) 15:54:14|
- FRIDAYデジタル/黒井文太郎・執筆記事
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