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ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

反「プーチン」デモで露呈したロシア・圧政のほころび プーチンの国内支配システムに綻びか〜軍事ジャーナリスト・黒井文太郎レポート 2021年01月26日

反「プーチン」デモで露呈したロシア・圧政のほころび
プーチンの国内支配システムに綻びか〜軍事ジャーナリスト・黒井文太郎レポート


(タイトル一部割愛)

2021年01月26日(FRIDAYデジタル)

https://friday.kodansha.co.jp/article/158863

2020年8月にロシア連邦保安庁(FSB)によって毒殺されかけ、ドイツで治療を受けていたロシア人反体制活動家のアレクセイ・ナワリヌイ氏が1月17日、大胆にも母国ロシアに帰国。到着した空港で、即逮捕された。

これに対し、彼の釈放を求めるデモが1月23日、ロシア各地で開催された。デモは100都市以上で行われ、プーチン政権当局はこれを「未許可の不法集会」と断じ、弾圧した。集会に先立って当局は、ナワリヌイ派の活動家たちを事前に逮捕しており、デモ当日も警官隊を各地に展開させたが、人々はそれでも氷点下の街頭に繰り出し、ナワリヌイ支持を叫んだ。

参加者はモスクワだけで4万人以上。もちろんロシア全土でははるかに多い。シベリアのヤクーツクではなんと零下50度の極寒のなか、人々が集まり、抗議の声を上げた。当局に逮捕されたデモ参加者は3500人以上に達した。各地での同時多発的な数万人規模のデモは、治安当局が強力なロシアではきわめて異例のことだ。
(中略)
とはいえ、強権的なプーチン政権の統治機構は堅固なもので、これだけで政権が倒れる可能性は小さい。今回も多くの人々がすでに逮捕されているが、今後もデモ呼びかけに関与した人物などを数多く摘発していくだろう。

しかし、それでもなお、今回のデモの意味は大きい。プーチン政権の強権ぶりと腐敗ぶりがロシア国内でも広く可視化されたからだ。

プーチン政権は、反対派を弾圧するきわめて独裁色の強い体制だが、その基盤は制度的には独裁体制・権威主義体制ではなく、民主的な選挙制度にある。プーチン政権は、ナワリヌイ氏の大統領選出馬を妨害するなどもしているが、大統領も議員も国民の普通選挙で選ばれている。プーチン大統領は前述した年金制度改革などで支持率を落としてはいるが、それでもこれまで選挙で民主的に選ばれてきた。プーチン大統領を支持してきたロシア国民は多いのだ。

高い支持率を誇ったワケ

プーチン大統領の高い支持率は、いわゆる大衆扇動という意味でのポピュリズム的政治手法によるところが大きい。使われているのは、主にロシア民族主義・愛国主義である。欧米に対抗して国を守るプーチン大統領こそが真のリーダーだというキャンペーンだ。

また、さらに重要なのが情報統制である。プーチン大統領は2000年に権力を掌握した直後から、精力的に情報統制と世論誘導工作を進めてきた。そして選挙で権力をキープし、その権力で反対派を弾圧する。プーチン大統領の強権剛腕ぶりをスターリンに喩(たと)える言説もあるが、権力維持の手法としてはどちらかというとヒトラーのそれに似ている。
~以下、プーチン政権による愛国主義洗脳政策や情報統制・誘導工作の手法を解説
※全文は上リンクへ
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  1. 2021/02/03(水) 14:46:29|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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