日本もスパイ協定に?河野防衛相が接近するファイブ・アイズとは
~インテリジェンス激弱国・日本が期待するもの〜軍事ジャーナリスト黒井文太郎の分析2020年08月21日(FRIDAYデジタル)
https://friday.kodansha.co.jp/article/129286日本は、主要国ではおそらく突出してインテリジェンス(情報収集・分析)能力が弱い。なにせ専門の「対外情報機関」もない。
そんな日本が中国や北朝鮮の脅威に備えなければならない厳しい状況のなか、8月14日付「日本経済新聞」電子版が、河野太郎・防衛相の興味深いインタビュー記事を掲載した。
UKUSAとの連携を意識する河野防衛相。その視線の先にあるものは?
河野防衛相は、米英が主導する機密情報共有の枠組み「ファイブ・アイズ」との連携に意欲を示し、「日本も近づいて『シックス・アイズ』と言われるようになってもいい」と語ったのである。
ファイブ・アイズとは何か?米、英、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの5か国が共同で、安全保障にかかわる情報を共同で収集しようという協定がある。UKUSA協定という。
このUKUSA協定加盟5か国は、日本や他のNATO加盟国などとは一線を引いた深い情報共有を行っている。なにせ米英主体だから、その情報力は圧倒的だ。その5か国の情報共有の連携ぶりが、各国当局内やメディアなどでは通称で「ファイブ・アイズ」と呼ばれているのだ。
しかし、ファイブ・アイズという名称の協定はない。正式にはUKUSA協定だが、UKUSAよりはファイブ・アイズのほうが通りがいい。ちなみにこのファイブ・アイズは「5つの目で監視する」という意味ではなく、彼らがやり取りする機密情報が「5か国でのみ閲覧可」つまり5つの目にしか見せない「5アイズ・オンリー」だったことから来ているという。
5か国の意味するものでは、なぜこの5か国なのか。これらの国々は、国際政治のなかできわめて強固な同盟関係にあるからだ。5か国はいずれも英語圏、すなわちアングロサクソン系という「近さ」がまずあるが、とくに米英の同盟は、単にNATOで結びついているだけでなく、両国同士が「特別の関係」とみなすほど深い。
UKUSA協定は、もともと第2次世界大戦中の米英の対ドイツ通信傍受作戦の枠組みを、終戦後に対ソ連・東欧に振り替えたものだった。UKUSAはUK+USA、すなわち「英米」協定という意味だが、その後、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドが加わった。東西冷戦が地球規模に広がり、通信傍受も地球規模で行う必要性が高まったからである。
衛星通信が発達すると、ますます地球規模の通信傍受が重要になった。カナダ、オーストラリア、ニュージーランドはそれぞれ地理的に傍受に役立つ場所にあったため、冷戦期を通じて徐々に役割が増した。
ちなみにこの「UKUSA」、日本では専門家含めて「ウクサ」と読む人が多いが、米国情報機関の2010年の公式文書に「読み方はユークーサ」と明記されている。ただ、海外の報道機関や専門家は「ユーケーユーエスエー」協定と呼ぶことが多い~以下略
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- 2021/02/03(水) 13:39:22|
- FRIDAYデジタル/黒井文太郎・執筆記事
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