ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

日本の情報機構改革はなるか

 外務省OBの2人の元インテリジェンス専門家にそれぞれ別個にお話を伺う機会を得た。ともに国際情報局長を経験されている茂田宏・元国際テロ対策担当大使と孫崎享・防衛大教授である。
 茂田氏はその他にも、欧亜局ソ連課長、駐ソ公使、駐韓公使、駐イスラエル大使などの経験があり、孫崎氏は国際情報局分析課長、駐イラク公使、在ウズベキスタン大使、駐イラン大使などを歴任されている。経歴・任地からも明らかなように、2人とも外交のなかでも微妙なエリアで最前線にいた人だ。ともに情報収集衛星導入に主導的な役割を果たしてもいる。
 もっとも、同じ元外務省国際情報局長とはいえ、日本のインテリジェンス機能強化に関する考えは微妙に違う。そのあたりを『ワールド・インテリジェンス』次号でじっくり紹介するので、乞うご期待!

 また、ここでは名前を出せないが、警察関係者・防衛庁関係者数名からも同様に話を聞く機会があった。こちらはまたそれぞれの省庁から日本のインテリジェンスをみているわけで、また考えが違う。概して「目的は同じでも、その方法論がかなり違う」と言える。
 ただ、共通しているのは、日本のインテリジェンス機能が「今のままでいい」という人はほとんどいないということだ。
 たとえば、日本のインテリジェンス機能強化というテーマは、拉致問題や自衛隊イラク派遣などを受けて、まずは外相時代の町村議員が主宰し、大森義夫・元内調室長を座長とする懇談会が設置されて提言をまとめたのに端を発し、続いてその町村議員が座長、元防衛庁長官の石破茂議員が座長代理で自民党内に専属検討チームが設置されて提言をまとめたことで勢いづいた。
 ところが、たとえば同じ町村議員が音頭をとった外務省の大森懇談会での報告と、自民党の町村=石破チーム報告では、提言の中身が違う。詳しくはこれも弊誌次号でじっくりとりあげるが、ひとことでいえば、「外務省系主導から警察系主導」に変化しているのだ。前者は外相の諮問懇談会で、後者は政権与党の検討チームだから、あたりまえといえばあたりまえだし、わかりやすい構図ともいえるが、それでも両者は議論の口火を切ったものとして大いに評価していいと思う。
 ただ問題は「これから」だ。もっとオープンな議論があってしかるべきだろう。
 ここのところこうした関係者・専門家取材を立て続けに行なった印象でいうと、霞ヶ関のセクショナリズム・主導権争いは、たしかに存在するようだ。その主構図は「警察VSその他」といえる。
 日本のインテリジェンス機構における主導権はこれまで警察が握っていたのは関係者には周知のとおりだが、これまでの対KGBとか対日本赤軍・赤軍派よど号グループなど以外のインテリジェンス、たとえばアルカイダだとか北朝鮮や中国の軍事情報だとかをめぐり、各省庁・機関がしのぎを削る状況が生まれている。
 もっとも、こうした競争自体は、必ずしもマイナス要因ということにはならないと思う。ただし、主導権争いがメインになってしまっては本末転倒だ。とくに警察は、もしも自分たちがそれらのインテリジェンス活動を主導するのが最良と考えるのならば、その理由を堂々と述べていただきたいと思う。
スポンサーサイト
  1. 2006/07/21(金) 15:26:44|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<ジャパニーズ「スパイ組織」が急増!? | ホーム | 週刊エコノミストに記事>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://wldintel.blog60.fc2.com/tb.php/14-780da7ea
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




最近の記事

最近のコメント

カテゴリー

月別アーカイブ

最近のトラックバック

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

リンク

このブログをリンクに追加する

ブログ内検索

RSSフィード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。