ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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黄炳瑞と新「チーム正恩」実力者たち

 北朝鮮の黄炳瑞(ファン・ビョンソ)組織指導部第1副部長が朝鮮人民軍次帥の称号に引き上げられ、さらに党中央軍事委員会委員に就任していることが確認されました。政権ナンバー2格の崔竜海・軍総政治局長(国防委員会副委員長、党政治局常務委員、党中央軍事委員会副委員長)も次帥ですが、黄炳瑞もほぼ肩を並べたことになります。
 北朝鮮では昨年に当時ナンバー2だった張成沢が粛清されたことで金正恩の側近度序列が大きく変化しています。なかでも重用されているのが黄炳瑞で、彼はすでに金正恩の視察・行事同行頻度において、崔竜海を抜いて側近ナンバー1となっています。つまり、黄炳瑞の昇格は既定路線です。
 朝鮮日報によれば、「出身地や正確な年齢は判明していない。中国メディアは黄炳瑞氏が65歳だと報じたが、韓国統一部が発行した北朝鮮主要人士人物情報によると、1940年生まれ(74歳)となっている」「2010年9月に人民軍准将、11年3月に上将へと急速に出世したのに続き、今月15日には大将への昇進が確認された」とのこと。
 張成沢粛清後の北朝鮮では、表の権力では党組織指導部、ウラの権力では国家安全保衛部の権限が非常に強まっています。張成沢失脚を主導したのも、この2組織で、その中心にいた金元弘・国家安全保衛部長と黄炳瑞・党組織指導部第一副部長が重用されているわけです。 
 すでに金正恩は黄炳瑞をもっとも重用していますが、今後もしばらく最側近として重用し続けることになりそうです。
 ライバルの崔竜海は、もともと張成沢の側近で、張成沢の意向で引き立てられ、軍を押さえるために軍内監視機関である軍総政治局の局長に送り込まれた人物です。軍部の実力者というような解説もありますが、そうした立場ではなく、権力基盤はそれほど強くないと考えられます。
 また、今や北朝鮮の恐怖支配の代行人である金元弘・国家安全保衛部長ですが、こうしたウラ権力を握ったポストの人間はやがて粛清されるのが北朝鮮の恒例で、こちらも金正恩の機嫌次第ではサバイバルが危ういポジションにいます。
 現在、金正恩は比較的政治色の薄い党・軍のテクノクラート系を重用しています。党では朴泰成、馬園春、金炳鎬、姜寛一、ホン・ヨンチルら各部副部長クラス。軍では李永吉・軍総参謀長、張正男・人民武力相らですね。
 その他の実力者としては、人民保安部の崔富日部長、人民保安部隷下の政治警察である人民内務軍の李炳三・政治局長、憲兵部隊である軍保衛司令部の趙慶喆司令官などがいます。
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  1. 2014/04/28(月) 15:15:18|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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