ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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北朝鮮とシリアの非道な独裁システム

 3月28日、国連人権理事会で北朝鮮政権の人権侵害を告発する決議が採択されました。ヒューマンライツ・ウォッチ日本代表の土井香苗さんがこの問題の本質を突く、非常にわかりやすい解説レポートを書かれています。
▽今日そこで起きているホロコースト:北朝鮮の驚くべき真実(ヤフーニュース 3月29日 土井香苗氏レポート)
 ぜひ皆様にも読んでいただきたい文章です。金正恩政権の何が最大の問題なのかが、ここにあります。
 北朝鮮でこうした国家犯罪がまかり通っているのは、かの国が独裁政権だからです。独裁とは、同国人を抑圧することでのみ存続できるシステムです。世界のどこにも「良い独裁」などはありません。
 こんなことは北朝鮮に行ったことのない人でも、ちょっと考えればわかると思うのですが、日本でもほんの15年前くらいまで、政治家にもジャーナリストにも学者にも、北朝鮮シンパのような人がいました。
 私が以前、北朝鮮に行った際、マスゲームやらモデル小学校やらを見てゲンナリしていたときも、本気で喜んでいた人もいました。良く言えば「素直な人」、悪く言えば「騙されやすい人」ということでしょうか。
 上記した元北朝鮮シンパの方々のなかにも、実際に北朝鮮に行ったことのある人や、北朝鮮側といろいろ接触のある人もいました。北朝鮮の人はサバイバルのために指導者崇拝を貫かなければならないわけですが、そういうことがわからないのですね。いわゆるリベラルとか進歩的文化人とかの系統に多かったですが、そういうのは反米バイアスとかいうよりも、インテリジェンスのリテラシーの欠如であり、もっと言えば人間としての洞察力の欠如といえるかと思います。

 シリアの問題もまったく同じです。今度の内戦前から、かの国でも、いたるところに独裁者の写真が掲げられ、テレビも新聞も独裁者賞賛プロパガンダばかりでした。
 小学生は1年生から指導者崇拝を強要され、大人は選挙で独裁者への投票を強要されます。独裁者の批判をした人は刑務所に入れられて拷問を受けます。そのために国じゅうに秘密警察の監視網が敷かれていました。
 北朝鮮では終身強制労働も広く行われていますが、シリアの場合は、面倒なのか簡単に処刑してしまいます。現在の内戦はそのメンタリティの延長の結果です。
 なぜそんなことが行われてきたかというと、理由は簡単な話で、独裁だからです。そんなことはちょっと考えればすぐわかると思うのですが、これも上記したちょっと前までの北朝鮮と同じで、シリアとアクセスがある人も含めて、そこを理解できていない言説を散見します。
 北朝鮮に関する情報は、北朝鮮政府側からのものと、そうでない側からのものがありますが、どちらをより参考にすべきかは明白です。シリアの場合もまったく同じです。
 北朝鮮では戦慄の人権侵害が続いていますが、シリアでも独裁者による直接的な国民の殺戮が今も進行中です。独裁とはそういうものです。

 上記レポートの最後には、こう書かれています。
「国際法廷による裁きがただちにもたらされると期待するのはナイーブすぎるのは言うまでもありません。ただし、現時点から法的責任を問うステップを踏み始めることは、それがICCへの付託であろうと特別法廷の設置であろうと、とても重要です。
 なぜなら、国際的訴追という強いシグナルは、北朝鮮指導者たちに対し、新たな人権侵害を行うのを思いとどまらせることにつながる可能性があるからです。そしてもちろん、将来的に法廷での審理が可能になる日に向けて証拠収集を続ける取り組みは、被害者たちにいつの日か正義がもたらされることにもつながるのです。
 横田めぐみさんが拉致されてからまもなく40年。そして政治犯収容所ができてからも半世紀以上。北朝鮮の人びとはもう待てないのです。日本政府が始めた今回の歴史的なステップ。安倍首相には、最後までやり遂げるべき道義的責任とチャンスがあるのです。
 試されているのは21世紀の私たち人類の良心なのではないでしょうか」

 とても深い、重い文章です。
 北朝鮮もシリアも、独裁権力がもたらしている想像を絶する悲惨な状況を、放置するわけにはいきません。
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  1. 2014/03/29(土) 10:34:47|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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