ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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秘密保護法私案

 特定秘密保護法案は今日にも採決という流れで、メディアでは反対の大合唱です。私の周辺のマスコミ関係者も、ほとんど反対の意見のようです。
 ですが、国家安全保障の観点から、秘密にすべき情報というものは存在します。なので、なんらかの規制法は必要だろうというのが私の考えです。
 ただ、今の法案が「政府が恣意的に秘密を無制限に指定できる」というのは、たしかに制度上は問題かと思っています。けれども、新法ができなくても、これまでの取材経験から実感することは、今までも充分、役所は恣意的に情報を隠してきたということです。
 今までどうなっていたかというと、役所は事実上、なんでもかんでも部外秘にしています。そのなかで、公開してもいいと思うものを、記者クラブ加盟社の「お友達」にリークするという慣習になっています。私自身、「加盟社以外には情報を出さない」と言われたことが何度もあります。
 なので、むしろレギュレーションを法的に明確にしたほうが、現実には秘密指定は減るのではないかなと思っています。
 これは、かつて通信傍受法が制定されたときと似ていますね。それまでは公安警察などは事実上、恣意的に盗聴をやってきましたが、同法制定後は逆に減ったといわれています。盗聴する理由を裁判所に明示しなければならなくなったからです。
 私の私案としては、まず役所内で秘密指定のハードルを上げることが必要かなということです。
 情報は原則としてすべて公開とし、秘密指定が必要と判断されたものに対しては、その理由を明記し(「国家安全保障のため」というようなざっくりとしたものではなく、具体的に「その情報が公開された場合、なぜ問題なのか」を明記することを義務付ける)、申請者および役所内の承認者すべての氏名を明記した記録を残すべきかと思います。
 そして、開示請求があった場合には、その記録を公開する。さらに、秘密指定された情報の内容については、国会に情報委員会を新設し、その監察を受けるしくみを作る。情報委員会は秘密会とし、メンバーの議員には重い罰則をともなう守秘義務を法的に科す。
 また、秘密指定された情報については、たとえばA、B、Cというようなランクに分類し、秘密指定解除までの期間を決める。たとえばA指定は5年、B指定は10年、C指定は20年というようなかたちです。解除までの期間は最長で30年くらいがいいかなと思います。無期限というのはダメです。ただし、30年後も解除が危険な情報に対しては、正当な理由があるかどうかを情報委員会で検討し、例外的に延長を認めるとします。
ちょっと細かく検討する余裕がなく、きわめてざっくりとした私案ですが、どうでしょうか?
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  1. 2013/11/26(火) 04:30:12|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

政府機関の秘密保持と情報公開は表裏の関係で、今後どの情報を出さないかが問題となる。イスラエルでは原則三十年後に文書公開されますが国防省など安全保障関連機関は四十年。

最近第四次中東戦争時の文書公開された影響で関連本が相次いで出版。尤も第四次中東戦争ではイスラエルのインテリジェンスの重要な内容が含まれている筈なので完全な形での公開はもっと先の話でしょう。(特にモシェ・ダヤン国防相の不審な動きなど)。

一九八〇年代後半から独立戦争時の文書が公開された影響でイスラエル軍の前身によるパレスチナ人大量追放計画の実行が知られ問題となりました。
http://en.wikipedia.org/wiki/New_Historians
  1. URL |
  2. 2013/11/28(木) 09:41:51 |
  3. 道楽Q #-
  4. [ 編集]

ご教示ありがとうございます
  1. URL |
  2. 2013/11/28(木) 15:07:51 |
  3. 黒井文太郎 #-
  4. [ 編集]

現行案だと、「なんでもかんでも部外秘」という傾向がそのまま継承されかねないとは感じました。
主要焦点の一つである海外との情報機関との連携ですが、例えば秘密にする際「提供国及び提供機関から内容については公表しない約束で提供された情報だから」という形で海外提供情報の秘密条項を設定する、というのはありなんでしょうか。

小谷賢氏にしろ、「公開」に重きを置いて論じているエントリーがあったのが印象に残っています。原則公開、秘密は例外という点で「諸外国並み」でないという問題は実のところこの法案以前から日本にあったと思うのですが、それを我々有権者が放置してきたツケ、と言う厳しい見方もできるかもしれないですね。インテリジェンスに限らず、研究は官庁内の部員だけで完結するものではなく、部外の民間の研究者に依るところも大きいので、これらの研究者が資料にアクセスできないというのは健全な国家戦略の策定には悪影響を及ぼすとも私には思われます。
  1. URL |
  2. 2013/12/05(木) 09:54:45 |
  3. AJAX #qXOZr2Kk
  4. [ 編集]

 いろいろ秘密指定検討・監査手順の形式は作るみたいですが、今回の新法だと事実上「役人が隠したい情報は部外秘」が基本的には継続すると思います。全然具体的でないアバウトな理由くっつければいいからです。エントリーで書きましたが、現行の国会質問主意書の回答と同じですね。
 ただ、本当にどうでもいい情報は公開が進む可能性があります。秘密指定が面倒臭いからです。
 要するに、実質的には、情報保全に関してはあまり事情は変わらないというところではないかなと感じます。個別にマスコミに情報を漏らす公務員・特別職公務員が減るので、新聞記者のスクープ競争が減るということはあるかもしれませんが
  1. URL |
  2. 2013/12/10(火) 15:50:26 |
  3. 黒井文太郎 #-
  4. [ 編集]

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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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