ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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シリア爆撃への期待

 英米仏軍が地中海からの爆撃準備を進めています。化学兵器再使用への抑止が目的ということで、軍事介入のレベルとしてはきわめて限定的なものに留まりそうですが、それでもシリアの知人たちのあいだでは期待が高まっています。
 少なくとも主要航空基地を潰してもらえれば、部分的ではあるけれども実質的な飛行禁止措置に近い状態になりますから、一般国民への攻撃がかなり軽減されるでしょう。
 反体制派も攻勢に出ますから、戦局も大きく変わります。

 前回、前々回のエントリーに疑問の声をいくつかいただいております。
 基本的に、私のシリア分析のベースにあるのは、20年間、親戚としてシリア社会を内部からみてきた経験です。私の親族はバース党でも政府関係でもない一般のスンニ派住民で、秘密警察に監視される側、つまり大多数の国民の側にいます。
 ちなみにシリアでは、シリア人の夫に外国人妻というケースは珍しくないのですが、逆は極めて少なく、秘密警察の強い監視を受けます。私自身、結婚して初期の頃は、乃木坂のシリア大使館に何度も呼びだされていますし、自宅に大使館員が来たこTもあります。シリアの親族も何度も現地の秘密警察に呼び出されています。
 いずれにせよ、そういう親族がいて、その周辺の友人知人関係に本音で話し合えるネットワークがあります。
 革命が始まってからも、そうした人脈からさまざまな情報をいただいています。もちろん一部の情報源にすぎませんし、バイアスもかかっていますから、情報ということではワンオブゼムにすぎませんが、アサド政権の性質といった社会通念のようなものに関しては比較的、シリアの方々と意識が共有できているのではないかなと自分では思っています。
 あとは、シリア以外の紛争地での取材経験、多少のインテリジェンス分析の勉強の経験などもありますが、やっぱり自分では何と言っても大きいのは、このシリアとの関わりの経験値ですね。
 当エントリーにおける記述には、必ずしも個別のソースのあるインフォメーションに限らず、自分の経験に基づく「シリア社会での常識」も入っています。あの徹底した秘密警察国家では、世論調査などのようなものはまったく意味がありません。各人がどれだけ深くシリア社会と関わったかが大きいのですが、それ自体は個人的な分析・評価にすぎません。
 なので、他の意見があってもいいかと思いますが、私の経験からすれば、「アサド政権が国民に支持されている」などの見方は、シリアという国のことをまったく知らない人の空想でしかないですね。「アサド政権なら平気で国民に化学兵器も使うだろう」というのも、あちらでは常識の範囲です。シリアだけでなく、アラブ独裁国ではどこもそうで、サダムもカダフィも同じでしたが。
 このタイミングでアサド軍が化学兵器を使ったのは、私にも意外ではありましたが、考えられないわけではありません。その理由は前々回に書いたとおりです。
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  1. 2013/08/28(水) 08:34:29|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:3
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コメント

戦争を創るメディア

今回のシリアの問題に、アルジャジーラを始めとしたメディアがどうの様に係っているのか?
ネットの時代であっても、人々はメディアの影響を大きく受けます。
しかし、私達は、マスメディア以外の情報も入手する事がネットによって可能になりました。

シリアで何が起きたのか良く分かる映像です。
少なくとも、西側メディアの報道よりは信憑性は高いのでは?

http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=od0klQ1YqtA
  1. URL |
  2. 2013/08/28(水) 12:16:51 |
  3. 人力 #-
  4. [ 編集]

はじめまして。「インテリジェンス戦争」や「戦後秘史インテリジェンス」など黒井様の著書を愛読させてもらい、国内では数少ない諜報世界について深い見識をお持ちの方だと思っているのですが、今回のシリアの件だけはどうしても分析が偏っている気がしてしまいます。
アメリカが軍事介入の口実にしようとしている化学兵器の使用についても、直近のロシア、ラブロフ外相の発言にある
「そこ(シリア)で国連の専門家らが活動しており、政府側のほうが軍事的に優勢であり、近日中にジュネーブ会議を準備するための米ロ会合が開かれるという時に、シリア政府には、政治的および軍事的な意味において、化学兵器を使用する必要はまったくありませんでした」
のほうが説得力があると思うのですが・・・・
(まあロシアとシリアのツーカーの仲を考えるとこれはこれで割り引いて聞く必要もありますが・・)
アメリカのシリアへの行動は多分にイスラエルの安全保障兼、将来のイラン戦の地ならし・・という見方は出来ないでしょうか。
  1. URL |
  2. 2013/08/28(水) 22:37:05 |
  3. いちろう #SEFye3cg
  4. [ 編集]

 コメントありがとうございます。
 当ブログのエントリーはすべて、それなりに情報収集・分析したものです。単発で目にされると疑問点も多々あるかと思いますが、2年半前から継続してフォローしていて、ほぼ自分のスタンス、情報分析の根拠などはご説明していると思います。
 
  1. URL |
  2. 2013/09/09(月) 21:55:58 |
  3. 黒井文太郎 #-
  4. [ 編集]

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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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