北朝鮮は2月の核実験でおそらく核ミサイル武装を実現し、3~4月の米韓合同軍事演習を口実に「おれはもう昔のおれじゃない」アピールを全力で行なって、実質的な核ミサイル武装宣言を行いました。
その手順がおそらく予定通りに滞り無く行なわれ、次は対話・交渉のフリで時間を稼ぎつつ、国際社会による制裁を乗り切り、さらなる核ミサイル戦力の増強を目指していくことになります。
今回の飯島勲・内閣官房参与の訪朝は、当然ながらその流れからの心理戦・外交戦の一環でしょう。北朝鮮としては、核ミサイル武装のなし崩し的確保が優先事項なので、それ以外のことに周辺国の目を向け、国際社会の圧力を和らげることは彼らの国益に合致します(まあ日本からすぐカネが入るとまでは期待してないでしょうが)。
逆に言えば、日本にとっては拉致問題を少しでも前進させるチャンスではあります。北朝鮮にとっては、日本との拉致問題は、国家安全保障上の死活的問題である「核ミサイル武装国として認識されること」の重要性に比べたら微々たる問題にすぎません。自分たちからこうした対日工作を仕掛けているということは、何らかのタマを隠し持っている可能性があります(現時点で、楽観するのは時期尚早です。単に日本の関心をずらしたいだけのトリックの可能性もあります)。
日本に対するある種の懐柔工作でしょうが、拉致問題は誘拐犯との人質解放交渉のようなものですので、安全保障とは切り離し、人命優先で対応すべきと個人的には考えます。
いずれにせよ日本側としては、現実をしっかり見極め、適確な原則を確立して対応することが肝要かと思います。
▽拉致問題は重犯罪対処であり、安全保障とは切り離して人命優先で対応
▽北朝鮮とは「日本を射程に収める核ミサイル戦力のある国」として対応。つまり、政権の暴発やアナーキー状態の現出を回避することを優先
▽いざというときのための防衛戦力を整備
▽核ミサイル戦力強化を米中と協力して全力で妨害する
こんなところでしょうか。
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- 2013/05/16(木) 16:52:05|
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