以前、当ブログのエントリーで、シリア人の義母がダマスカスを脱出してロシアの義兄のもとに身を寄せたということを書いたことがありますが、その後、彼女が再びダマスカスに戻ったとの話は聞いていました。やはり故国のことが気になってしかたなく、いてもたってもいられなかったようです。
昨日、その義母が亡くなったらしいとの報を受けました。詳細はわかりません。
なぜよくわからないかというと、実は数ヶ月前、事情があって妻が元妻となり、単身シリアの某隣国にわたって反体制派の活動に加わったからです。なので、正確に言うと、元義母が亡くなったということになります。
元義母は高齢ながら、非常にエネルギッシュな人でした。前にも書いたことがありますが、もともとはシリア共産党政治指導部派の活動家で、若い頃には東欧某国に派遣されて活動していたこともあると聞いたことがあります。
元義母は非常に優しい人で、私もシリアに行くと、たいへんお世話になってきました。元妻とは今も連絡はとっているのですが、ちょっと取り乱していて、事情がよくわかりません。
ですが、こんなことはすべてのシリア人にとって、ごく普通のことになっています。
シリアの人々が最初から反体制運動など起こさず、独裁政権の恐怖政治の下で我慢していれば、元義母も、昨年亡くなった元義父や元伯父も、死ぬことはなかったでしょう。ですが、そういうことは、今となっては言っても詮無きことですね。
すでに独裁者による虐殺は始まり、引き返せないところまで来てしまっています。ここまで国民を殺害し、国民の憎悪の対象となった政権が将来存続できる可能性はなく、いずれ打倒されるのは明らかですが、そこに至るまでは残念ながら、これからもさらに多くの人々が殺害されるでしょう。私は遠い極東の国で、一刻も早く独裁政権が打倒されることを願うばかりです。
(追記)
諸般の事情で長く消息がわからなかったのですが、元義母の健在が確認されました。よかったです。
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- 2013/05/11(土) 22:47:03|
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>実は数ヶ月前、事情があって妻が元妻となり、単身シリアの某隣国にわたって反体制派の活動に加わったからです。
えっ、もしかして奥様は銃を持ってシリア政府と闘ってる?黒井先生は体を張ってでも帰国を止めなかったの?それに奥様は日本に長い事いたのでしょう。多くの人がシリアから脱出しているのに何故?奥様は黒井先生と違ってナショナリスト?いずれにしても外国に長年住んだ既婚の女性の行動としては尋常じゃ無い。
ただ、愛国者としてのその勇気を尊敬せざるを得ない。
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- 2013/05/14(火) 07:07:50 |
- 道楽(どら)Q #-
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シリアではなく、とある隣国にいます。難民支援方面だと思うのですが、何をしているのか具体的には私も知りません
- URL |
- 2013/05/14(火) 09:38:12 |
- 黒井文太郎 #-
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