ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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イランの暗躍

 イスラム過激派ネットワークの歴史と構造を検証するとわかるのですが、スンニ派の場合はモスレム同砲団、湾岸のワッハーブ派、エジプト中南部の対コプト教徒勢力、パキスタンやバングラデシュのイスラム協会など、いわば草の根の土着の民間ネットワークが核になっているのに対し、シーア派の場合はほとんどケースで、背後にイランが関与しています。
 とくにレバノンのヒズボラの内部には、イラン特務機関の「枝」のような人脈があって、過去、世界各地でイランの代理人としてテロを行ってきました。イラクでもイランの息のかかったシーア派の民兵組織があります。イラクもそうですが、パキスタンなどでも、地元でスンニ派勢力と抗争しているシーア派のグループがあると、そういうところにイラン情報部は食い込んでいきます。
 なので、シリア政府軍にシーア派外人部隊が加わっていても、なんら不思議ではありません。イランの工作でしょう。統括者はおそらくイラン革命防衛隊で独自の実力をもつ海外工作部門「クドス部隊」でしょうね。
▽Assad deploys foreign fighters in capital to protect Shiite shrines(アサドは首都のシーア派寺院を守るために外国人戦闘員を配置/アル・アラビーヤ 5 April)
 戦闘員の国籍はイラン、レバノン、イラク、パキスタンだそうです。
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  1. 2013/04/06(土) 11:53:28|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

いつも拝見しています。

今回のエントリーですが、黒井様の見解と違う意見もあるようですね。

つまり、「アルカイダ」や「アブニダル」などシーア派テロ組織にイランが支援を行っているという見方です。
最近では「シークレット・ウォーズ」のロネン・バーグマンが、そう書いています。
これは、「シーア派組織のメインスポンサー」であるイランは「スンニ派組織のサブスポンサー」でもある、という解釈でよろしいでしょうか?
それとも、イランのスンニ派組織への支援は、かなり限定されているか、ゼロで、上記の記述は誇大な意見なのでしょうか?

お時間のあるときにご教授いただければ幸いです。
  1. URL |
  2. 2013/04/06(土) 21:53:15 |
  3. sin #-
  4. [ 編集]

 細かい個別のケースではそれぞれ事情が違ういますが、大まかにいえば、イランは90年代から2000年代はじめにかけて、スンニ派の反米系過激派に触手を伸ばしていました。パレスチナのハマスやイスラム聖戦などが典型例で、他にもパレスチナ各派、アルカイダ系の一部末端など。90年代にクドス部隊はイラン国内のキャンプで、世界中の過激派を訓練したとの未確認情報があります。また、スーダンでのイスラム過激派訓練キャンプにイランが資金の一部を出していたとの情報もあります。
 アルカイダ本体の場合は、ビンラディンが当初からイランを信用していなかったようなので、深い関係はそれほどありません。ただし、アルカイダ海外工作部門幹部のアブ・ズベイダはイラン情報部と接触はあったようです。
 ただし、モスレム同胞団系はそんなでもないのですが、ワッハービ系はシーア派敵視風潮が強いので、シーア派と衝突することが多く、イランとはそれほど深い関係になっていません。
 とくにイラク戦争後にイラクでスンニvsシーアの殺し合いがエスカレートしてからは、イスラム過激派全体にスンニvsシーアの構図が定着しています。今でもイラン資金が入っているスンニ派は、ハマスやイスラム聖戦などに限られていると思います。これはイランのスンニ派支援というよりは、イラン=シリア=ヒズボラの枢軸の流れですが、ハマスとアサドが決裂してからは、ハマスとイランの関係もだんだん疎遠になっていくと思われます。
 以上、ざっくりというと、もともとイランとスンニ派過激派は同志ではないですが、反米目的でイラン資金が入り込んでいたのは事実。しかし、今では一部を除き、スンニ派vsシーア派の反目が顕著なので、イランの影響力はほとんどない・・・といったところかと思います。
  1. URL |
  2. 2013/04/06(土) 22:51:38 |
  3. 黒井文太郎 #-
  4. [ 編集]

 補足します。もともとスンニ派過激派はイランを信用していなかったけれども、支援してくれるなら、ということで関係があったグループはあります。けれども、現在、アサドをイランが支援していることで、イランに対する反感はスンニ派過激派の世界ではマックスに高まっています。結果、いまイランが動かせるのはシーア派の手下だけになっています。逆にいえば、シーア派でイランの手下だったグループは、スンニ派の圧を受けて、ますますイランの庇護を必要としています。
  1. URL |
  2. 2013/04/06(土) 23:03:01 |
  3. 黒井文太郎 #-
  4. [ 編集]

早速のお返事、ありがとうございます。
かつては、イランの支援を受けたスンニ派組織もあったのですね。
勉強させていただきました。

ちなみに、2012年10月上旬に、「クドス部隊」メンバー275名が、シリアから撤退した、という報道があったそうです(「中東研究」誌 516号 イランシリア関係の推移と今後のシリア情勢)。
直接の人員派遣をやめて、傭兵を送り込んだとすると、内戦終結後の調査で発覚するのをおそれているのかもしれませんね。

今後とも、よろしくお願い致します。
  1. URL |
  2. 2013/04/07(日) 15:19:30 |
  3. sin #-
  4. [ 編集]

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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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