ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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実際には難しい生物兵器テロ

 日付的には昨夜になりますが、テレビ東京「実録世界のミステリー」でVTRコメントを採用していただきました。題材は、2002年11月にニューヨークでペスト感染者が出た事件。警察が当初、生物兵器テロの可能性も疑っていたということで、生物兵器テロに関してひとこと語らせてもらいました。

 さて、生物兵器テロですが、これは大きく分けると、「生物毒を凶器(毒物)として使用するテロ」と、「病原体を使用するテロ」に分かれます。通常、「生物兵器テロ」と聞いて連想するのは後者と思いますが、実際にはリシンやボツリヌス毒素など、前者のほうが実例は多いです。
 では、この後者のほうをみると、さらに2つに分けられます。「感染拡大が期待できる病原体を使うテロ」と「人から人へは感染しない病原体を使うテロ」です。これも生物兵器テロのイメージだと後者でしょうが、実際には炭疽菌のように、後者が多いです。
 生物兵器は核兵器、化学兵器に並んで大量破壊兵器とされていますが、それは「感染拡大が期待できる病原体を使う」ことを想定した評価です。ペスト(肺ペスト)、天然痘、出血熱、コレラなどですね。また、感染力の強い病原体と、致死性の高い病原体の遺伝子を組み合わせたスーパー病原体(キメラ・ウイルスと総称されます)もあります。
 ですが、こうした潜在的大量破壊能力のある生物兵器がテロで使われ、実際に大きな被害をもたらしたという事例はありません。テロリスト側には、こうしたテロをやらない、それなりの理由があります。
①病原体が入手しづらい
②効果的な使用方法が計算しづらい
③人類に対する犯罪とみなされ、世間の支持を得られない
④テロリスト側も感染の危険がある
 他にもいろいろあると思いますが、主な理由はこのあたりでしょう。自爆テロを行うようなテロ集団なら、④は除外されるかもしれないですが・・・
▽生物兵器テロ(宝島社新書)
biotero.jpg
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  1. 2013/03/05(火) 03:19:01|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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