ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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北朝鮮・昨年4月の「特別行動宣言」はやはりサイバー攻撃だった

 現在発売中の『週刊現代』の記事「アメリカはCIAを送り込んだ 北朝鮮 金体制を転覆せよ」にコメントを採用していただきました。アメリカ政府は公式には現在も、軍事作戦・対テロ作戦以外の政治的暗殺を大統領令で禁じていて、記事中に言及されている暗殺作戦の部分は私にはまったくわかりませんが、CIAの仕組みや軍事オプションの仮定などをお話させていただきました。

 ところで、今年1月16日のアルジェリア人質事件発生から、その後の一連の北朝鮮核実験関連などのニュースが続き、他のトピックのフォローが疎かになっていました。ひとつ紹介します。
 アルジェリア事件の発生と同日の1月16日、韓国警察庁サイバーテロ対策センターは、昨年6月9日に『中央日報』のシステムがハッキングされ、新聞製作用サーバーのデータが削除されるなどの被害を受けたサイバー攻撃について、「北朝鮮によるものとみられる」との捜査結果を発表しました。
 当局の発表によると、不正アクセスは少なくとも韓国内のサーバー2台と外国のサーバー17台(10カ国)が経由されていたことが判明。それらのサーバーのうち11台を解析したところ(4カ国の計8台はデータ開示を拒否した模様)、最終攻撃である中央日報の新聞製作用サーバーへの攻撃に使用された1台が、過去の北朝鮮サイバー部隊によるサイバー攻撃で使用されたものと同じサーバーだったことが判明。しかも、そのサーバーは北朝鮮国営の朝鮮逓信会社(KPTC=Korea Post and Telecommunications Corporation)が使用するIPでアクセスされていて、その接続元のPCは「IsOne」と名づけられていたということも判明しました(今回のサイバー攻撃では中央日報のサイトの改竄も行われましたが、その際、サイト画面に「Hacked by IsOne」と表示されるようにされていました)。
 また、一連の解析で、北朝鮮が過去のハッキングに使用したものと同一の悪性コードが使用されていたことも判明しています。
 北朝鮮の攻撃は周到に進められていました。初めて中央日報のサーバーにアクセスしたのは昨年4月21日。その後、1か月以上にわたって密かな情報収集と攻撃準備が進められ、6月7日にサーバー管理者のPCをハッキング。同9日に集中攻撃に出ました。
 タイミング的には、北朝鮮が昨年4月13日の銀河3号初号機の打ち上げ失敗の後、韓国との中傷合戦が過熱した際、4月23日には朝鮮中央テレビが「革命武力の特別行動がまもなく開始される」と宣言。攻撃の対象には韓国の保守系主要メディア各社も含まれるとしていたことに対応しているといっていいでしょう。
(しかも、北朝鮮はサイバー攻撃直前の6月3日にも、中央日報はじめ保守系メディアに対する攻撃を予告していました)。

 ちなみに、昨年4月にこの「特別行動」声明が発表された際、私は「サイバー攻撃の可能性が高い」と当ブログや「ひるおび」で予想してしていました。それほど難しくもない予想ですが、私の予想が当たることなどあまりないので(昨年4月と今年2月の核実験予想もマグレで当たりましたが)、いちおう書き留めておきます。
▽北朝鮮軍の特別行動(ワールド&インテリジェンス 2012年4月23日)
▽北朝鮮核実験と新軍部の動向(同4月27日)
▽北朝鮮のサイバー部隊(同4月30日)
(上記後者は北朝鮮のサイバー部隊の概要を紹介しています。ご興味のある方は是非どうぞ)
 ちなみに、上記記事でも言及していますが、サイバー攻撃は、とくに不正アクセスの部分で同じ手が通用しない世界なので、通常戦力とは違い、どこの国も自分たちの手の内を見せたりはしません。なので、今回の攻撃が彼らの本気のレベルのものかどうかはわかりません。決して侮ってはいけないと思います。
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  1. 2013/02/27(水) 12:28:55|
  2. 著作・メディア活動など
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黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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