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ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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核実験 現時点でわかること

 核実験の情報は、まだ続報待ちの部分が多いですが、とりあえず現時点でわかること、わからないことは以下。

 まず、これが核実験かただの地震かということは、地震波の波形で判断できることで、今回、人工的な爆発によるものと断定できます。
 次に、核実験か、通常爆弾を使用した爆発か、ということは、実際には希ガスの検出がなければ断定はできませんが、今回の爆発規模が推定6~7キロトン(韓国国防部)ということですから、まず常識的に通常爆弾の線は除外していいでしょう。よって、なんらかの核実験が行われたと判断できます。

 実験の内容ですが、爆発規模から考えて、一部に推測が出ていた水素爆弾はまず考えられません。ブースト型核爆弾の可能性もまずないといえます。
 北朝鮮当局は「威力が高く、小型・軽量化したもの」との声明を発表していますが、やはりプルトニウム型の小型化実験の可能性がもっとも高く、次いで濃縮ウラン型ということになります。プルトニウム型の場合、ミサイル弾頭に搭載できない中途半端なサイズのものを実験する意味はまったくないので、やはりこの実験によって、核ミサイル武装を実現したと見なすべきです。
 濃縮ウラン型であれば、サイズの大きな爆弾なら、とくに実験などしなくても実用性がほぼ担保されますから、実験を行なったのであれば、ミサイル搭載可能なサイズの爆縮型とみていいでしょう。
 プルトニウム型の場合、北朝鮮がどれほどの効率化を実現化しているかにもよりますが、推定では現時点で6~10発分程度のプルトニウムの備蓄があると思われますので、今後、それを増やすために原子炉と再処理施設という生産ラインを復活するかどうかが注目されます。
 ウラン型の場合、仮にすでに公表済みの寧辺のウラン濃縮施設だけなら、遠心分離器2000個程度と思われますので、まだ量産体制にはなっていません。が、他に秘密の施設をどこかに作っていた場合、あるいは作りつつある場合、かなりやっかいな事態になります。
 なお、今回の実験がウラン型かプルトニウム型かは、地震波測定だけからは判断できません。早い段階で希ガスが採取され、その分析によって判断できる可能性がありますが、できない可能性もあります。

 今後ですが、日米韓がそれぞれ経済制裁を強化するとともに、国連安保理でも制裁決議が行われることになります。経済制裁の強化は当然ですが、今回はおそらくそれに加えて、戦略物資の密輸出入をブロックするための船舶検査が俎上に乗るでしょう。
 仮にそうなれば、日本も海保・海自が参加することになります。もっとも、臨検などは米軍などにお任せし、実際にはP-3Cなどによる監視活動がメインになる可能性が高いのではないかと思います。
 あとは、日米韓でミサイル防衛強化が模索されます。日本は巨額の経費と運用要員確保という難題はありますが、既存のSM-3、PAC-3に加え、THAAD導入を検討すべきと思います。
 米韓連合軍は、軍事演習を強化するなど、対北朝鮮圧力を高めるでしょう。米軍がすぐに北朝鮮を攻撃するような事態にはなりませんが、米太平洋軍の対北朝鮮作戦計画の準備の強化に、徐々に動いていく可能性があります。このあたりは中国との外交も絡んでくるので、どの程度の動きかは現時点では読めません。基本的には朝鮮半島でのことで、日本とは直接あまり関係ありませんが、いわゆる周辺事態の対米軍支援の部分が、さらに強化される可能性はあります。
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  1. 2013/02/12(火) 16:57:31|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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