ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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北朝鮮の思惑に対する過大評価と、核ミサイル技術に対する過小評価

▽ケリー米国務長官「北朝鮮、核実験で代価支払うことに」(中央日報)
 アメリカはこれまで北朝鮮問題を重要視せず、後回しにしてきましたが、核ミサイル武装を目前に、多少は危機感を持ちつつあるようです。実際、アメリカが軍事的にどのように動くかで、朝鮮半島情勢が決まってくる部分は非常に大きいでしょう。
 現時点では、仮に核実験を実行したとしても、すぐに米軍が大きく動くということはないでしょうが、朝鮮半島有事に備えた具体的な作戦計画とその準備が着実に進展するでしょう。
 アメリカが軍事的圧力を高めることが、現実には北朝鮮を押さえる唯一の道かもしれません。北朝鮮はアメリカを妥協させるために故意に軍事的緊張を高めているといった見方が多いですが、北朝鮮と米韓軍の戦力比は圧倒的なので、北朝鮮はむしろ「決定的な」軍事的緊張を避けたいのではないかと思います。
 過去にも、北朝鮮が唯一妥協したのが、94年の金日成=カーター会談だけです。当時は、クリントン政権が寧辺への限定的空爆をチラつかせたため、金日成が核開発凍結に応じました。それ以降、北朝鮮はバンコ・デルタ・アジアの口座凍結などで一時的・部分的に妥協の姿勢を見せたことはありますが、決定的な妥協は94年だけです。
 北朝鮮が核ミサイル開発でアメリカや国際社会を恫喝・威嚇しているといった見方も、北朝鮮を非常に過大評価していると思います。北朝鮮はむしろ、四面楚歌状態で常にアメリカに怯えているのではないかと思います。
 軍事的挑発についても、北朝鮮側よりもむしろ米韓軍のほうが恒常的に行っていますし、非民主主義体制、外交的孤立、経済危機、軍事的劣勢など、どれをとっても政権存亡が綱渡り状態の北朝鮮は、外部が想像するよりずっと強い危機感を持っているのではないかと推測します。したがって、北朝鮮の瀬戸際外交の虚勢をまとも受け取る必要はないと思います。

 上記したように、主要なメディア論調をみるに、「北朝鮮の思惑」に対して過大評価する傾向を感じるのですが、その反対に、核とミサイルに対しては、むしろ過小評価する論調をときおり見受けます。
 北朝鮮の全体の技術力は国際水準では圧倒的に低いものですが、それでも核とミサイルに関しては、すでにかなりの長期にわたり、国の資金の多くを投入して開発に邁進してきました。北朝鮮が国外で入手し得る民生コンピューターの性能もかなり高度なものになっていますし、イランとの技術提携もあります。その分野における(&サイバー戦部隊も)北朝鮮の力を過小評価すべきではないと思います。
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  1. 2013/02/06(水) 10:27:53|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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