ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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アルジェリア過激派の組織名

 アルジェリア襲撃事件について、本日、フジテレビ「とくダネ」でVTRコメント、TBS「ひるおび」で音声コメントを採用していただきました。また、明日放送のTBS「放送特集」でもVTRコメントの予定です。

 ところで、今回の事件を起こしたイスラム過激派組織について、とくに組織名に関してメディア各社の報道が混乱しています。この組織はつい最近、元組織から分派し、名前を変えたばかりなので、そうした混乱の元になってます。
 もっとも、ああいった組織は自分たちでは「誰それがボスの組織」という考え方をするので、組織名は結構アバウトです。そういったことを含んで、自分なりに整理しおきます(精査していないので、間違っている可能性もありますが、現時点での私の理解に基づきます)。
 さて、元「マグレブ・イスラム諸国のアルカイダ」マリ地区司令官モフタル・ベルモフタルが率いるこのグループは、「マグレブ・イスラム諸国のアルカイダ」からおそらく昨年10月頃に分派しています。この一派は「マグレブ・イスラム諸国のアルカイダ」の隷下部隊だった頃から「顔を隠した者部隊」「ハーレド・アブー・アルアッバス部隊」などの名称を名乗っていました。「顔を隠した者部隊」をいくつかのメディアは「覆面大隊」とか意訳していますが、日本語でいう「覆面」よりは「ターバンを顔に巻いた」というようなニュアンスのようです。
 また、「ハーレド・アブー・アルアッバス」はベルモフタルの別名です。これらはおそらく同じ一派を指すもので、別々の組織を指すものでも、上部組織・下部組織を表すものでもないようです。
 それで、ベルモフタルはその後、昨年12月に新組織「血の署名者」を結成します。結成といっても改名のようなものですね。ちなみに、この「血の署名者」ですが、やはりいくつかのメディアが「イスラム聖戦士血盟団」「血盟団」「血判大隊」などと意訳しています。「イスラム聖戦士」との語句はないのでそれは「盛り」ですが、「血盟団」「血判大隊」などはなかなか秀逸な意訳と思います。ただ、「血盟団」は日本語では固有名詞なので、そのまま使うのは混乱のもとになるかと思います。
 なので、用語的にいうと、おそらく「マグレブ・イスラム諸国のアルカイダ」隷下の「顔を隠した者部隊」(別名「ハーレド・アブー・アルアッバス部隊」)が「血の署名者」に改名したということなのでしょう。ただし、そのあたりの面倒なことには当事者たちがアバウトで、とにかくベルモフタルのグループという意識だけで、組織名の扱いなどはかなり、いい加減なのだと思います。なので、欧米のメディアでも、今暴れまくっているこの組織が「顔を隠した者部隊」なのか「ハーレド・アブー・アルアッバス部隊」なのか、はたまた「血の署名者」なのかが混乱しています。本人たちでも、わりと自由に混同して使っていますが、要するに、どれも同じものかと思います。

(追記)
 オリジナルを書くのを忘れてましたね。「顔を隠した者部隊」はKATIBAT EL MULATHAMEEN(カティバト・エル・ムラサミ-ン)。カティバトは英語にするとバタリオンなので「旅団」でもいいですが、とくに部隊の規模とは関係ないので、普通に「部隊」でもいいかなと(どちらでもいいですが)。
 一方、「血の署名者」は、EL MUAKAEEN BI ALDAMI(エル・ムアッカイーン・ビ・アルダミ)。ムアッカミーンは「署名した者たち」で、ビ・アルダミは「自分の血で」となります。
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  1. 2013/01/18(金) 23:47:54|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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