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ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

北朝鮮人民武力部長 金正覚から金格植へ交代

 金正恩政権がまた大胆な人事を行いました。人民武力部長を、金正覚から金格植に交代です。
 金正覚は4月に人民武力部長に就任したばかりですが、わずか半年での更迭となりました。これで、昨年末の金正日の葬儀で霊柩車に付き従った軍部トップ4人は、全員が第一線から弾かれたことになります。かなり強引な人事が続いているといっていいでしょう。
 なお、金正覚は2007年3月から、軍内の強力な監視機関である朝鮮人民軍総政治局第一副局長となり、金正恩体制発足後も軍内粛清で中心的役割を果たしていた人物。別格の張成沢以外では北朝鮮指導部でもトップ級のポジションにいましたが、半年での更迭はおそらく失脚に近い扱いになっているものと思われます。
 他方、サプライズはやはり金格植の復権ですね。金格植は野戦指揮官畑の軍部強硬派の大物で、元総参謀長でしたが、一時降格されて第4軍団長となり、延坪島砲撃事件などを指揮しています。
 軍部強硬派の最右翼の実力者でしたが、昨年末の金正日の葬儀委員会名簿から漏れ、完全に失脚したものとみられていました。それが今月、再び大将にカムバックし、その直後の完全復活です。
 張成沢とは合わない人物かと思っていましたが、どういう経緯で復権がなったのかはわかりません。先に失脚した(現在、温泉施設で軟禁中と報じられましたね)李英鎬・前総参謀長のライバルだったので、李英鎬の失脚が関係しているのかもしれません。
 あるいは、テポドン発射や核実験などを金正恩は本当に考えていて、対外緊張激化が予想されることが関係しているのかもしれませんが、そのあたりも部外者にはわかりません。
 韓国の聯合ニュースや中央日報によると「金第1書記が自身に対する忠誠心を基準に、軍首脳部を入れ替えている兆候が明確」「70~80代が中心となっていた軍団長級幹部の30%以上が入れ替わり、40~50代が前面に登場するなど、大々的な世代交代が行われた」ということです。
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  1. 2012/11/29(木) 22:43:07|
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黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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