ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

20ヶ月前に予想できた「クラスター爆弾で子供殺害」

▽シリア政府軍が公園を砲撃か 子ども8人死亡(CNN日本語サイト)
 本日は、上記のニュースが欧米主要メディアで大きく報じられています(砲撃というのは翻訳ミスで、戦闘機からのクラスター爆弾の爆撃と報じられています。死者数はその後、10人となっています)。
 元の動画はこちら。かなりショッキングな映像です。
▽子供10人殺害の現場
 アサド政権のやることは、こんなものです。とにかく「酷い」の一言に尽きます。
1127SR2.jpg

1127SR3.jpg

1127SR4.jpg

1127SR5.jpg

1127SR1.jpg

1127SR6.jpg

 ただ、アサド政権が政権維持のためだけに自国民をいくらでも殺戮するだろうことは、もう20ヶ月も前にわかっていたこと。「子供」というキーワード(と、今回は「クラスター爆弾」というキーワードも)に敏感な欧米メディアは、今更な感じで「アサドは酷い」とさも驚いているような報じ方ですが、アサドが酷いのは、昨年3~4月頃に殺戮の映像が怒涛の勢いで発信されだしたときに、充分に認識できていたはずのことです。

 反米論者に言わせれば、欧米メディアは偏向的ということらしいですが、シリア社会と20年以上それなりに関わってきた者から見ると、アサド政権の言うことなど「口先だけ」「全部ウソ」というのは常識中の常識。なのに、「ネット映像など、どこまで本当かわからない」「反政府派にも問題がある」などというアサド側のプロパガンダの影響を受けて、欧米の報道も充分に本質を伝えていたとは言えないと思います。
 エビデンス重視のプロフェッショナルな姿勢といえば聞こえはいいですが、インフォメーションからインテリジェンスを導き出すのは、報道の重要な要素でもあります。中東とは関係の深い欧米ですから、専門家の中にはきちんと分析していた人はいくらでもいたと思いますが、それが充分に報道に活かされていなかった部分があったようにみえます。

 とにかく、事態がここまで進んだ以上、もはや一刻も早くアサド政権を倒すことが最優先です。今、フランスがいい動きを見せていますね。
▽シリア反体制派に緊急支援=仏(時事)
 ただ、これからは時間との戦いということにもなってきます。急がなければ、それだけ犠牲者が増えます。クラスター爆弾など、序の口だと思います。アサド政権は追い詰められていますから、今後ますます持てる兵器のすべてを投入して無差別殺戮を実行する可能性がきわめて高い状況です。

 ちなみに日本はこんな感じ。
▽治安悪化でゴランPKO撤収へ 自衛隊派遣、17年(共同)
 今や優先順位からいってもUNDOFなんてあまり意味がありませんから、撤収はいいと思うのですが、同記事中にこんな解説もありました。
「国際社会などから、日本が中東和平への関与に消極的だとの指摘が出る可能性も否定できない」
 ぜひ、日本政府にもシリア国民連合に資金援助をお願いしたいところですが・・・。

(オマケ)
自由シリア軍サイドの写真を2点紹介
1127SRPH1.jpg

1127SRPH2.jpg
 国際社会が今やるべきことは、自由シリア軍への強力な支援です。そして、そのことを通じて、彼らの一部でも「暴走」しないように誘導することです。
スポンサーサイト
  1. 2012/11/27(火) 09:23:59|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:3
<<週刊朝日でアイアンドーム紹介記事 | ホーム | PFLP-GC(&日本赤軍)はアサド軍の隷下組織>>

コメント

>ただ、これからは時間との戦いということにもなってきます。急がなければ、それだけ犠牲者が増えます。クラスター爆弾など、序の口だと思います。アサド政権は追い詰められていますから、今後ますます持てる兵器のすべてを投入して無差別殺戮を実行する可能性がきわめて高い状況です。

二ヶ月前にシリア政府は化学兵器の積めるミサイル実験をしています。それにはイランや北朝鮮の化学者が強力しています。残念ですが化学兵器は必ず使われます。そしてさらに残念ですが日本左翼は北朝鮮やシリアとの腐れ縁からダンマリを決め込みます。
http://www.spiegel.de/international/world/syria-tested-chemical-weapons-in-desert-in-august-eyewitnesses-say-a-856206.html
  1. URL |
  2. 2012/11/28(水) 01:24:23 |
  3. 道楽Q #-
  4. [ 編集]

訂正

以下を訂正
>イランや北朝鮮の化学者が強力しています

⇒イランや北朝鮮の科学者が協力しています。
  1. URL |
  2. 2012/11/28(水) 16:07:54 |
  3. 道楽Q #-
  4. [ 編集]

 シリア政府が通信インフラを遮断しましたね。嫌な予感がします
  1. URL |
  2. 2012/11/30(金) 08:59:39 |
  3. 黒井文太郎 #-
  4. [ 編集]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://wldintel.blog60.fc2.com/tb.php/1050-b575a573
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




最近の記事

最近のコメント

カテゴリー

月別アーカイブ

最近のトラックバック

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

リンク

このブログをリンクに追加する

ブログ内検索

RSSフィード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。