反体制派統一組織「シリア国民連合」を、国際社会が次々と承認しています。アサド政権はいずれロシアとイランとその他少数の国以外、相手にされなくなる方向にあります(中国はいまやこの泥船から足抜けしたがっていますね)。
また、内戦の戦況も、北部、南部、東部で自由軍がかなり優勢に進めていて、いよいよ首都ダマスカスが決戦場になりつつあります。アサド軍もダマスカス防衛に集中していますが、首都東部からはホムスなどからの自由軍が、南部からはダラアの自由軍が多数進出してきています。ただ、レバノン近くのザバダーニ方面からの街道はアサド軍がまだしっかり掌握していて、自由軍の侵入をほぼブロックしているようです。
要するに、シリア政府系メディアの大本営発表とは異なり、実際にはアサド政権包囲網が内外で着々と進行しているわけですが、それで追い詰められたアサド軍が、いよいよなりふり構わない軍事行動に出てきました。
アサド軍はまずは戦車や榴弾砲による砲撃で市街地を攻撃。これが自由軍の対戦車兵器の標的になると、次は航空機による攻撃。これも対空機関砲の標的になると(それと最近、濃霧が多いことも影響しているようですが)、今度はロケット弾を使ってきました。
西部でのロケット弾攻撃のシーンを昨日の当ブログで紹介しましたが、今度の標的はいよいよダマスカス近郊です。西南部のダラヤが攻撃されています。
▽政府軍がダマスカス近郊をロケット弾攻撃
ダマスカス近郊でこのような兵器が使用されたのは初めてではないかと思います。もう完全なる国民への無差別攻撃ですね。
世界の注目がガザに集中している間に、今のうちに持てる戦力を使ってしまおうということかもしれません。最後はホントに化学兵器まで使用しかねません。
ついでに、こちらはシリア国民連合から仲間外れにされたイスラム過激派の「ヌスラ戦線」がの戦果の映像。
▽ヌスラ戦線が政府軍ヘリを撃墜
撃墜といっても大破ではないので、政府軍兵士6人がそのまま拘束されました。撮影者は非常に興奮していますね。ヌスラ戦線ですから、捕虜の運命は非常に厳しいものになるでしょう。
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- 2012/11/21(水) 14:12:00|
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| コメント:2
>中国はいまやこの泥船から足抜けしたがっていますね
失礼ながら,「人民網」を読む限りでは,そうは思えないのですが……
- URL |
- 2012/11/21(水) 22:38:07 |
- 消印所沢 #-
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こういうのを見ると、なんとなく腰が引けているように感じたのですが、そもそもあまりシリア問題に本気でコミットする気はなかったのでは、という気もします。
http://thepeninsulaqatar.com/qatar/214751-syrian-rebel-alliance-a-positive-step-says-ex-chinese-foreign-minister.html
- URL |
- 2012/11/22(木) 02:06:35 |
- 黒井文太郎 #-
- [ 編集]