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ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

ヘーゲル更迭でシリア政策の今後は?

 まずは告知より。
 今年後半期はイスラム国の関連にかかりっきりだったのですが、来月上旬、KKベストセラーズ様より新書で出版します。
 アマゾンで予約がはじまりましたので、宜しくお願いいたします。
▽「イスラム国の正体」)(黒井文太郎 ベスト新書 12月9日)
 これまで著してきた新書系はどちらかというとデータ重視だったのですが、今回、日本では馴染みのない、わかりにくいテーマでしたので、なるべく「視点」の提示を心がけました。

 11月16日、テレビ朝日『報道ステーションSUNDAY』で音声コメントを採用していただきました。中国での航空機事故の関連です。
 また、本日発売の『週刊現代』でコメント提供しましたが、採用していただいたかどうかは未確認です。尖閣問題です。

 アメリカのヘーゲル国防長官が更迭されました。シリア、イスラム国に対する政策で、ホワイトハウスと確執があったようです。おそらくライス安全保障問題担当大統領補佐官との路線の違いでしょう。
 今後のアメリカの対応が変わる可能性がありますが、どうなるかはまだわかりません。
 ヘーゲル長官はシリアへの介入に前向きでしたので、彼を切ったということは、オバマ政権の基本政策「アサド政権打倒には極力関与しない。イスラム国は、自分たちの負担にならない程度に叩く」が続くかもしれません。
 ただ、人事よりも注目すべきは、アメリカの世論動向でしょう。オバマ大統領は、歴代大統領の誰よりも世論に忠実に見えます。それで支持率が下がっているというのも興味深い現象ですが。
 今後、介入がどれほど強化されるのか? イラクでは政府軍のテコ入れでしょう。地上部隊の実戦投入は大々的にはやらない気がします。
 シリアも、焦点は米軍地上部隊の投入ですが、なかなかそこまでは難しいですね。反政府軍支援は南部戦線ならいけると思うのですが、北部はどうでしょうか。軍事支援がイスラム派に流れるのはしかたない状況です。
 アサド政権打倒への戦略転換があればいいのですが、なかなか難しいでしょうね。アメリカ世論次第ではあると思うのですが・・・
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  1. 2014/11/25(火) 11:37:49|
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「イスラム国」問題続くも、殺人規模はアサド軍が桁違い

 現在発売中の月刊誌『テーミス』でコメントを採用していただきました。北大生事件の件です。
 また、10月30日の『毎日新聞』でもコメントを採用していただきました。こちらも北大生事件の件です。

「イスラム国」の問題はまだま続いていますが、すでに日本のメディアでは消費されつつあるようにもみえます。
 海外ではまだ大きく報じられていますね。ただし、それによって今度はアサド政権による民間人空爆強化の情報がスルーされているようです。
 ちなみに、シリア人権ネットワークの報告(http://sn4hr.org/blog/2014/11/01/1819/)によると、10月のシリア内戦の犠牲者総数は1987人。うち 1231人がアサド軍に殺害された民間人犠牲者、492人(以上)がアサド軍に殺害された反体制派戦闘員の戦死者とのこと。イスラム国による殺人も許せませんが、規模としてはアサド軍による殺人が桁違いです。

 ところで、10月29日配信の時事通信の電子情報誌『e-World』に、「米空爆の限界を最前線コバニに見る-対イスラム国掃討の難しさを象徴」という記事を寄稿しました。同誌は有料ですが、こちらになります (http://www.jiji.com/service/e-world/
 ちなみに、同誌今月号はイスラム国特集で、他にも保坂修司・日本エネルギー経済研究所中東研究センター副センター長インタビュー、池滝和秀・時事通信外信部記者の論考「空爆も友軍不在で戦闘長期化へ-ジハーディストが跋扈するシリアの相関図」、福田毅・国立国会図書館調査員の論考「渋々空爆を決断したオバマ大統領-イラク、シリアのイスラム国掃討を検証する」など、非常に示唆に富んだ記事がいくつもあります。
 なかでも福田氏の記事は、オバマ政権サイドの選択肢について的確に分析されており、たいへん参考になります。シリア国民サイドからみれば、オバマ大統領の選択は悲劇としか言いようがないですが、オバマ氏側にもそれなりの理由があるわけですね。また、池滝氏の記事では、アメリカと反体制派側の複雑な事情がよくわかります。

 また、前エントリーを下地にした記事を、ヤフーニュースに寄稿しました。
▽「イスラム教徒」が必ずしもみな信心深いとは限らない(ヤフーニュース個人・国際 10月29日)

 また、来週発売の『軍事研究』にも寄稿しました。まだ現物をみていないのでタイトルは知らないのですが、こちらから送稿した原稿のタイトルは「バグダッド西方とシリア北部に大攻勢~イスラム国はなぜ残虐なのか」です。こちらもよろしくお願いいたします。
  1. 2014/11/07(金) 19:41:28|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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