ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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ウラン型核実験?

 放送では使いませんでしたが、先日「ひるおび」に呼んでいただいた際、事前取材で「核実験の可能性は何%と考えるか?」と質問され、「49%」と答えました。
 合理的な判断を北の指導部がするなら、さらなる孤立を深める核実験をこのタイミングで実行することはないだろう・・・というのは、単なる当てずっぽうでの分析ではなくて、北の核問題をそれなりに継続して追ってきた結果の推測です。
 ですが、実際には米韓のメディアから「核実験の準備が急ピッチで進んでいる」との情報が毎日のように出てきます。実験場の動きは常にあるものなので、その細かな評価の経緯がわからないと、なんとも判断ができません。
 が、あれだけ情報が連続して出てくるということは、それなりに根拠があるのだろうという気もする反面、報道の情報自体がどうもそれだけでは根拠があやふやなものだったりするので、これもなんともわかりません。
 前々回エントリーで書いたように、北朝鮮の指導部が合理的な判断をするとの保証もないので、現時点での私の分析としては、核実験が実行されるか否かは「ほぼ半々」。しかし、完全に半々かというと、どちらかというと「やらない可能性が少し高いのではないか」というところになります。

 そんなおり、こんな報道が韓国から出てきました。 
▽米国「北朝鮮、早ければ今週にも核実験」(中央日報 2012年04月30日)
 情報源は「ワシントンの外交消息筋」で、情報は「26、27日に米ペンタゴンで開かれた統合国防協議の内容」だそうです。
 で、注目すべきは、その会合で米韓国防当局は、北が今度はウラン型爆弾の爆破実験を行なうと判断しているということです。
 以上は事実かどうかもわからない匿名情報筋情報ですが、仮に事実だとすれば、いったいどういうインテリジェンスに基づく評価なのか、非常に興味があります。
 ウラン型の実験を北朝鮮がいま行う動機・利益がちょっと思いつきません。
 平和利用という隠れ蓑で緒についたばかりのウラン濃縮計画を、完全に軍事目的と認めることになります。ウラン濃縮計画に本格的に動いた期間を考えると、すでに兵器級高濃縮ウランを入手しているとは私には考えにくいですが、仮に入手していてもせいぜいまだ数発分でしょう。それでいきなり切り札をきってくるでしょうか。
 ウラン型の実験が成功となれば、準中距離・核ミサイル武装と同じことになります。北はまだ本格的な核ミサイル戦力の確立に至る前に、猛烈な包囲網に晒されることになります。新体制発足直後の微妙なこの時期に、政権の存続に関わるそんな大博打を打ってくるとは俄かには信じられませんね。
 プルトニウム型であれば、起爆装置小型化が完成していれば、いずれ実験を行なうはずですが、それももう少し本格的な核ミサイル武装のメドが立ってから実行するほうが、北の対米戦略としては有効だと思います。
 もっとも、あの国は何をやってくるか予測がつきませんので、断定はできません。上記報道によれば、今週にも核実験だそうなので、近いうちに答えは出そうですが・・・。

 ところで、韓国の聯合ニュースは、複数のアメリカの専門家による核実験の予想を紹介しています。
▽「北朝鮮の核実験実施は間近」 米国に警戒感 (聯合ニュース 2012/04/30)
 朝鮮半島問題の専門家ジョエル・ウィット氏(米AP通信インタビュー)⇒「衛星写真などを見ると、北朝鮮がこの数カ月間、核実験を準備してきたことがはっきり分かる」
 科学国際安全保障研究所(ISIS)のオルブライト所長(米メディアとのインタビュー)⇒「(核実験は)いつでも起こり得ること」
 CIAや米国務省などで勤務経験のある軍事・情報専門家のフレデリック・フライツ氏(聯合ニュースなどの取材)⇒「北朝鮮が近いうちに3度目の核実験を行う可能性は50%未満」「現場の土砂の動きは常に見られるもの」
 私自身は上記したように、フライツ氏に非常に近い分析です。
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  1. 2012/04/30(月) 22:18:05|
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北朝鮮のサイバー部隊

 北朝鮮が宣言した韓国への「特別行動」ですが、文言を読めば読むほど、心理戦・情報戦としてのサイバー攻撃を示唆しているように読めてきます。
 つまり、政府機関や報道機関を標的にたとえばサイトをダウンさせたり、書き換えたりといったことが考えられます。実際にインフラをダウンさせることも、もしかしたらある程度は出来るのかもしれませんが、そこは全部手の内を明かしたりはしないので、ひとつかふたつのインフラに悪影響を与え、「自分たちはいつても韓国中枢を攻撃できるのだ!」と宣伝したいところかもしれません。
 さて、その北朝鮮でサイバー戦を担当するセクションですが、実際のところ正確なところはわかっていません。
が、韓国紙などが脱北者情報などをもとに、いくつか報じています。それらを総合すると、ほぼ以下のようなかたちになっているようです。ただし、以下はすべて推測情報ですので、そこは留意していただきたいと思います。

 まず、サイバー戦を担当するセクションは、軍の偵察総局。いまやイケイケ状態の金英徹が局長ですから、なにかはやりたい局面でしょう。
 偵察総局は金正日が脳卒中から生還し、正恩後継を決定した直後の2009年2月に、複数の秘密工作部門を統合して設置された組織です。内部部局は全6局と推定されます。第4局がどうやら欠番のようです、第1~7局まであるとみられています。
 ただし、その内部編成がはっきりしません。韓国の主要メディアでも情報が統一されていません。おそらく部内改編に絡んで、情報が錯綜しているものと思われます。
 参考までに偵察総局の編成に関する主な情報は以下。
▽ 第1局(作戦局 ※旧・党作戦部)はスパイ浸透・養成担当。海州、南浦、元山、清津の4カ所に出撃のための連絡所を運営。第2局(偵察局 ※旧・軍偵察局)は軍事作戦を担当。2010年の韓国哨戒艦撃沈事件にも関与したとみられる。第3局(対外情報局 ※旧・党35号室)は外国で対南情報を収集し、第三国を通した韓国浸透を支援する。第5局(交渉局 ※国防委員会政策室の実働セクション)は南北対話関与、交渉技術研究などを担当。第6局(技術局)はサイバーテロとスパイ装備開発、第7局(支援局)はこれらの工作を支援。(『中央日報』『朝鮮日報』などを元に筆者推測)
▽第1局(工作員養成)、第2局(秘密工作)、第3局(特殊装備開発)、第5局(情報収集)、第6局(不明)、第7局(不明)(※『デイリーNK』などの最新情報)

上記の2説は微妙に食い違っていますが、これについて私は確認する方途がありません。
サイバー攻撃については、上記のように偵察総局の第6局が統括していたとの情報もありますが、さまざまなOSINTを検討すると、偵察総局の「第121所」が昨年春までに「121局」に格上げされ、現在はそこが実働セクションとなっているものと思われます。偵察総局は中国各地、たとえば黒龍江省、山東省、福建省、北京隣接地域にハッキング基地を設置しているといいます。とくに遼寧省丹東市が中心とのことです。
第121局の要員数は、当初は500人程度とみられてきましたが、昨年5月頃の韓国報道では約1000人説が多く、その後、「3000人に増員された」(『朝鮮日報』2011年06月01日)との報道が出ています。
ただし、サイバー戦の戦力の優劣は、人数よりも個々の能力によるところが大きいです。
第121局は、金日成総合大学、金一軍事大学、金策工業総合大学、平壌コンピューター技術大学などの卒業生から選抜されるとのことですが、もともとは全国の小学校で算数の天才を選抜し、平壌の金星第一・第二高等中学校で徹底した専門教育を施している模様です。部隊に入隊した後も、優秀な人材は中国軍のサイバー戦教育機関などに積極的に留学させていると思われます。
したがって、北朝鮮のサイバー部隊の実力に関して、実際のところは不明ですが、かなりハイレベルの水準に達していると考えるべきではないかと思います。
 2011年05月08日付『中央日報』日本版が、北朝鮮ハッカーの興味深いインタビューを掲載しています。一部抜粋引用します。
「上部からの命令により中国に行き南朝鮮のサイトをハッキングする。また、指示されたプログラムを受け取り南朝鮮の動画ファイルに悪性コードを埋め込む作業もする」
「正直なところどの南朝鮮サイトもハッキングはとても簡単だ。指示さえ下されれば数百人ずつがあるサイトを攻撃する。それであっという間にダウンする。IPアドレスのためできるだけわれわれがやったことを知られないようプロキシサーバーを利用し第三国を迂回して入る方法を使う」
「南朝鮮の選挙の際には数十人ずつチームを作って中国に滞在し南朝鮮のサイトで世論を作りデマを広める。サイトに加入するために盗用した住民登録番号を使う。われわれは住民番号100万個を持っている。南朝鮮の人の名義で開通した携帯電話もある」
「私の友人らが中国で仕事をする際にはひとりが数百人分の住民番号を管理した」
「中国に行く期間は短くて10日、長くて3~6カ月だ。デマかく乱チームは2~3カ月ずつ滞在する」
「コンピューターウイルス製作のために働く人だけでも数百人になる」
 サイバー戦はハイテク勝負と一般には思われていますが、実際のところは多額の装備費も部隊運営費も不要で、教育勝負のところがあり、むしろ小国・貧国でも大国に伍することができる分野といえます。
 また、サイバー戦は攻撃力と防御力の総合力での戦いになりますが、インターネットが整備されていない北朝鮮は、その点でも非常に有利な立場にいます。そんな北朝鮮がサイバー戦に邁進するのは当然な話です。
 サイバー戦のもうひとつの特徴は、直接的な武力攻撃に比べて圧倒的に発動の敷居が低く、いわゆる「やり得」なことです。経路を偽装することで、犯行を特定されづらくできますし、うまくやれば相手に気づかれることなく犯行を実行することもある程度は可能です。
 北朝鮮と韓国はいまや日常的にサイバー戦の状況にありますが、そこで鍛えられた北朝鮮サイバー部隊が、日本を標的にしないわけがありません。DDoS攻撃のような表面化する攻撃はともかく、昨年問題になった中国のサイバー・スパイのような対日不正アクセスは、すでに広範囲に試みられていると考え、警戒を強化するべきでしょう。
  1. 2012/04/30(月) 08:14:13|
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やはり嘉手納統合を推す

 昨夜、朝生で普天間問題をやっていて、一部視聴しました。仕事があったのであまりしっかりは見てなかったのですが、見ていたかぎりでは、私自身は議論のほとんどに不同意でした。
 普天間移設は、やはり嘉手納統合がベターだと思います。他の道は普天間存続しかないでしょう。海外移設、県外移設、辺野古移設・・・これらが動く可能性はちょっと見えません。となれば、選択肢は現実的には「嘉手納か普天間か」しかなくなっています。嘉手納統合で必ず嘉手納の負担増となるともかぎりません。これは米軍のそのときどきの都合によりますが、ともあれチャンスがあれば、基地をひとつひとつ縮小させていくことが重要だと強く思います。
 沖縄に米軍基地が必要か否か?という議論はまた後でやればよろしいのではないかなと。嘉手納統合も、早くやらないと、米軍の再編計画が進むと目が消えます。
 以前も書きましたが、私自身は在日米軍必要論+在日海兵隊不要論です。ちょっと今、細かく自説を述べる余裕がないのですが、私見を述べると、在日米軍は横須賀(&厚木+佐世保)の第7艦隊、それと三沢・横田・嘉手納の空軍をしっかり機能させれば、日本防衛のための抑止力は十分担保されるでしょう。米軍がいるということはたしかに重要ですが、それだけいれば、残りは撤退(基地返還)交渉の俎上に乗せるべきかと思っています。
 とくに海兵隊は実際のところは、日本防衛とはあまり関係ありません。島嶼防衛などというのは自衛隊の仕事で、海兵隊も本気で考えていなどいないと思います。まあ、沖縄にいること自体が抑止力の足しになっているのは事実ですが、空軍があれだけいるわけですから、それだけで誰も手を出せません。
(ちなみに、「在日米軍の戦力を縮小すれば、その分は自衛隊を強化して補うべきだ」との議論があります。自衛隊の防衛力強化には賛成しますが、米軍に代わる抑止力の担保にはなりようがないと思います。在日米軍のプレゼンスが強力な抑止力になっているのは、それが世界最強の米軍だからです。極論すれば、中国軍もロシア軍も、怖いのは「米軍」であって「日本軍」ではありません。抑止力は単に局地戦力の優劣の問題ではありません)
(たとえば、ある暴力団が隣のシマを狙うとして、そこの地回りが組員20人の一本独鈷の場合と、組員10人の山口組の枝とでは、言うまでもなく後者が手強いことになりますね)

 海兵隊はすでに分散の方向性を打ち出しています。米軍は自分たちの問題は自分たちで考えます。地理的な問題で、どうしても沖縄に前進拠点が欲しいということであれば、米軍内部でやりくりすればいいだけの話です。
 台湾防衛の問題も、沖縄の拠点を縮小しても、米軍は米軍でなんとでもするでしょう。日本政府は台湾より沖縄県民のことを優先するのは当然じゃないかなと思います。なので、海兵隊撤退に向けた努力は必要だと思います。
 ですが、ものごとは現実的に考える必要もあると思います。現状、「とにかく返還」原則論を主張しても状況は変わらないでしょう。なので、ここは嘉手納統合を強く推します。
  1. 2012/04/29(日) 00:58:40|
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北朝鮮核実験と新軍部の動向

 本日、TBS「ひるおび」に呼んでいただきました。
 私の担当は、要するに「特別行動とは何か?」&「核実験はやるのか?」の2点でしたが、毎度のコメント力不足でうまく時間内に発言できなかった部分もあるので、こちらでまとめてみます。北朝鮮指導部のやることは本当に予測不能なので、以下はかなり直感に頼っています。

 まず「特別行動」ですが、私が北の指導者であれば、狙うはサイバー攻撃ですね。インフラを破壊するような本格的なものではなく、主要メディアのサイトをダウンさせたり、複数の政府機関のトップページを李明博侮辱メッセージに書き換えたりといったことをやり、それで「いつでも我が軍は南朝鮮の心臓部を壊滅させられるの。今回のところはこれで勘弁してやる。うははは」と発表します。
 これだけでは、韓国は北朝鮮を攻撃できません。サイバー攻撃にはサイバー攻撃で対抗するのが筋ですが、北朝鮮はネットワークそのものがほとんどないので、サイバー攻撃防御はきわめて強力です。韓国に出来ることはほとんどなく、北朝鮮側の一方的な攻勢で終わるでしょう。
 西海の国境にあるケモリ海岸に移動ミサイル発射基が集結との未確認情報がありますが、延坪島攻撃の可能性は低いでしょう。海に1発か2発、シルクワームを撃ったりするかもしれませんが。
 北朝鮮自身、ウェブサイト「わが民族同士」で、「延坪島砲撃と同じ水準の警告に過ぎないと思ったら、それは間違いだ」と言及している。彼らも「やらない」と言ったことはやらんでしょう。
 陸上の休戦ライン沿いでの砲撃はあり得ると思います。戦争にならない程度の、ごく軽めのジャブ的な攻撃ですね。韓国側の兵士に危害を加えるほどのことはやらないと思いますね。いま北朝鮮側も、戦争は望んでいません。
 北朝鮮指導部としては、今月はとにかく国家最大の慶事である金日成生誕100年の祝賀を盛大に終わらせ、金正恩体制をしっかりとキープすることが最優先。国内的にメンツが保てればそれでいいということだろうと思うのです。
 ただ、気になるのは、新体制中枢で、激しい権力の綱引きが起きていることです。たとえば、昨年末の金正日の葬儀で、霊柩車に付き従ったトップ8人のなかの軍人4人ですが、その中の2人はすでに失脚しています。そんな不安定な権力最上層部の中で、イケイケの強硬派が主導権を握る可能性があります。新軍部ナンバー1の総参謀長などはそのクチですね。
 北朝鮮軍だけでなく、古今東西どんな組織にもあてはまりますが、組織の指導部あるいは路線などが不安定状態の場合、しばしば声の大きな強硬派が主導権を握ることがあります。現実的で穏健な路線を主張すると、「この臆病者が!」とか批判されるわけですね。
 なので、北朝鮮の場合も、合理的な判断がなされるのであれば、これ以上の挑発ないし軍事行動は制御されますが、イケイケ幹部たちに押されて、危険な軍事行動に出る危険性がないとはいえません。そこは外部から窺い知ることのできない、北朝鮮政権中枢の力関係次第です。

 関連してひとこと指摘しておきたいのですが、しばしば「北朝鮮はアメリカに認めてもらいたくて、ことさら虚勢を張っている」「注目してほしくて、ことさら危機を煽っている」と解説されるのですが、短期的な駆け引きはともかく、構造的には違うのではないかと私は見ています。
 以前も書きましたが、北朝鮮の最大の狙いは「核ミサイル武装」です。とくに核開発への動きは、朝鮮戦争休戦直後、1950年代から始まっています。
 そのため、こっそり核ミサイル開発を行ってきました。誇示ではなく、隠れてこっそりです。そんな国家的悲願である核ミサイル完成が目前となっている今、北朝鮮は、できればアメリカにほっといてほしいのではないかと思うです。
 ただ、これもやっぱり北朝鮮が従来のように(是非はともかく)国家生き残りのために合理的判断をすることが前提です。イケイケ将軍たちが暴走すると、ちょっとわかりません。

 さて、他方の核実験ですが、これも合理的判断となれば、孤立化という大きなデメリットを引き起こす核実験を、あえて北朝鮮が選択する政治的意味は非常に希薄だと思います。
 なので、いずれ核ミサイル保有に向けた実験は不可避でも、今の流れではやらないのではないかと言ったり書いたりしてきたのですが、どうも各実験の準備が完了したとのインテリジェンスが多方面から出てきています。
 ただ、それらの情報も、わかる範囲で検証してみても、どうも確度のよくわからない話が多い。核実験の準備はおそらくかなり進められているとは思いますが、実際にやるかどうかはわかりません。
 これもどうなるかは実際のところはわからないわけですが、合理的判断ならまずやらないと私は推測しています。が、これもやっぱり、新軍部の暴走があれば、ちょっとわかりません。中国が翻意に動いていますし、張成沢の発言力が絶大ならば、そこは抑えると思うのですが。

 いずれにせよ、「やるのか、やらないのか?」というのは重要ですが、それより重要なのは、仮に核実験が実行された場合、以前も書きましたが、その後、北朝鮮が「核ミサイル武装宣言」をする可能性が高いことです。
 これは日本にとっては、死活的な大事件です。が、そこがいまひとつ伝えられないもどかしさを感じています。
  1. 2012/04/27(金) 19:06:31|
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自衛隊をシリアへ

 国連のシリア停戦監視団(非武装)に、日本へ要員派遣の要請がありました。
▽国連が日本にも派遣打診 シリア停戦監視要員(産経 4月26日)
▽シリアPKO、国連が派遣要請 日本の参加は難しい状況(朝日 4月26日)
 難しいとか言ってないで、ぜひとも参加していただきたいと思います。シリア問題では日本政府は珍しく、早い段階からアサド政権非難の立場を鮮明にしてきました。
 しかし、欧米諸国と違い、中東地域で武力を行使した前歴がなく、一般のシリア国民には「善意の第三者」的な印象をもたれています。そんな我が国だからこそ、今が出番だと思うのですが・・・。

 再三書いてきましたが、アサド政権には何も期待できません。今後も時間の浪費とともに、多くの人々が殺害されていくことになります。
▽シリア治安部隊、国連監視団と面会の反体制派を殺害か (CNN日本版 04.26)
▽監視団と接触した市民殺害か=シリアを批判-アナン氏報道官 (時事 04/25)
▽シリア政権 監視団と面会 9人処刑(東京新聞 4月26日)
 こうなることは、わかりきっていたことですね。
 フランス政府が頑張っています。
▽フランス外相、シリアへの武力介入の可能性示唆(朝日 4月26日)
 このプランに向かうには、いかにロシアを封じるかということが必要になってきます。
  1. 2012/04/26(木) 20:43:47|
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「北朝鮮が核爆弾を数十発もっている」説

 昨日と本日のTBS「Nスタ」でVTRコメント採用、本日の「ひるおび」で生出演させていただきました。(追記⇒明朝の「朝ズバ」でもVTR使用していただける予定だそうです)
 北朝鮮は何をやるかわからない国ですが、下記は正直よくわからないニュースです。
「北朝鮮、2週間以内に核実験か 米当局者『百パーセント』」(4月25日【ワシントン共同】)
 元は米NBCテレビ(電子版)の報道です。「複数の米当局者」が「3度目の核実験が、2週間以内に100%確実に実施される」と断定したそうです。
 その根拠は???偵察画像で確認されたということでしょうか???
 私自身は核実験に懐疑的なのですが、「100%確実」と断言するということは、いい加減な情報を元にしているわけではないのでしょう。

 ところで、上記記事では、こうもあります。
「当局者は、北朝鮮がすでに12発から数十発の核兵器を保有している可能性があるとしている」

 私はかねて「プルトニウム型を6~10発保有しているのではないか」と推定していたのですが、「数十発説」には驚きました。2kg起爆を完成させたのでしょうか???それにしても数十発は多いような・・・・。
 それとも、知らぬ間に高濃縮ウラン量産を実現していのでしょうか???
 この問題はずっと情報をフォローしていたのですが、数十発説は初めて聞きました。なんだかよくわかりません。
(追記)
 本エントリーに北朝鮮の水爆開発疑惑に関してコメントをいただきました。そういえば、1年半前のエントリーでこんなことを書いていましたので、ご参考まで。
▽ムスダン発射と核融合?(2010年11月25日付)
 当時は結局ムスダン発射は実行されず、核融合疑惑も立ち消えでしたが・・・
  1. 2012/04/25(水) 19:39:13|
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核実験準備完了情報の真偽

 これまでの核実験はおそらく技術的な要求で行われたもので、外交戦略というよりも、あくまで軍事的プロセスなのではないか?
 なので、対外アピール目的で貴重なプルトニウムを使わないのではないか?
 現在の北朝鮮は、平和利用を口実にウラン濃縮を進めているので、核実験は後回しなのではないか?
等々の理由で、「ミサイル発射と核実験はセットだから、次は核実験」というのは、今度の場合はちょっと違うのではないか?と言ってきました。
 そんななか、朝鮮日報が「実験場の坑道が埋められ、実験の準備が完了した模様」と伝えたことは、前前エントリーでお伝えしたとおり。これが事実なら、近いうちに核実験やるのでしょう。
 しかし、上記情報の信憑性がいまひとつわかりません。動きがあるのはたしかのようですが、「坑道を埋めた」というのは、上記『朝鮮日報』の一報以外、私の知る限りは出ていません。もし誤報であれば、予想がまた変わってきます。
 これはちょっとわからないですね。北は現在、なにやら対南挑発を激化させていますが、核実験は今すぐはやらないような気がするのですが・・・
  1. 2012/04/24(火) 08:18:05|
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北朝鮮軍の特別行動

 本日もTBS「ひるおび」に呼んでいただき、核実験準備に関する韓国メディアの情報などについて話をさせていただきました。
 毎日新聞の鈴木琢磨さんが「核実験の前に韓国への軍事挑発をやるだろう」と予想していましたが、放送直後、さっそく北朝鮮の朝鮮中央通信が「革命武力の特別行動がすぐに始まる」「始まれば3、4分、あるいはそれより瞬時に、特別な手段と我々のやり方で挑発者と根源を焦土化する」とする朝鮮人民軍最高司令部特別作戦行動団の声明を発表しました。
 3~4分以内で韓国の中枢部を焦土化する??? 核ミサイルしか考えられませんが、無論そんなことはやらんでしょう。では、何をやるのでしょうか?
 焦土にはなりませんが、政権中枢に宣伝効果の高いなんらかのダメージを与えるとすれば、サイバー攻撃でしょうか? 北朝鮮では、金英徹率いる偵察総局に、少なくとも数千人規模のサイバー戦部隊が編成されていると推定されます。サイバー戦は人数や装備よりも、ひとりの天才の存在が大きくモノを言うところ。偵察総局サイバー部門の詳細は不明ですが、侮ってはいけませんね。
 金英徹や韓国哨戒艦撃沈などで主導的役割を果たしたイケイケ司令官です。韓国に暗殺者を自ら送り込んだことも判明しています。そんなイケイケなら、サイバー部隊を使ってくる可能性はありますが、この部隊はできれば本番の戦争まで温存し、手の内を隠しておくものなので、このような示威行為にはあまり使われないものではあるのですが・・・・。しかも、通常、サイバー攻撃というのは自らは関与を否定し、誰がやったかわからないようにするのが普通ですね。ただ、あの国は何をやるかわかりません。
 普通に考えると、せいぜい休戦ライン沿いの拡声器あたりを狙った砲撃かなという気はするのですが、それだと2~3分以内に焦土になりませんね。
  1. 2012/04/23(月) 19:08:43|
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北朝鮮が核実験の準備完了?

 北朝鮮はおそらく衛星打ち上げは再トライ。でも、核実験はすぐにはやらないのではないか・・・・そんなふうに言ってきました。じつは、つい先ほど送稿した某誌の原稿でも、そんなふうな見立てを記述しました。
・・・とその矢先、韓国紙『朝鮮日報』が、「北朝鮮、3回目の核実験の準備を完了か」との記事を配信しました。
 注目部分は以下。

▽一方、北朝鮮は過去2回にわたって核実験を実施した咸鏡北道吉州郡豊渓里で、3回目の核実験の準備を事実上完了したことが分かった。
 韓国政府の消息筋は「最近、第3(南側)坑道の入り口で、坑道を埋め戻すために積み上げられた土砂がなくなった。坑道の中で核兵器の設置を完了し、埋め戻した可能性が高い」と語った。
 韓米両国の情報当局は昨年から、坑道の周辺に積み上げられた土砂の量を偵察衛星で測定し、作業の進捗度を推定してきた。
 同消息筋は「ケーブルの設置など、最終的な作業を終えたかどうかについては確認されていないが、技術的には2週間以内の核実験が可能な状態だ」と話した。
(以上、引用)

 平和利用とのタテマエを重視してきている近年の北朝鮮のやり方からすると、現時点で核実験には踏み込まないと思っていたのですが・・・。
 次に核実験をやるとしたら、政治的動機ではなく、プルトニム型爆弾の小型起爆装置完成を受けての実証実験となるのではないかと予測していたのですが、そういうことなのでしょうか??
 ちょっとよくわからないので、今後の情報に注目です。
  1. 2012/04/21(土) 17:16:15|
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「平和利用」作戦に警戒せよ

 本日、TBS「ひるおび」に、北朝鮮軍事パレード関連でコメントVTRを採用していただきました。あの軍事パレードに関しては、今週月曜日にもスタジオに呼んでいただきました。同番組はかなり北朝鮮企画に熱心ですね。視聴者の支持があるようです。
 ところで、先ほど流れたニュース。
▽北朝鮮、ミサイル開発続行を宣言 失敗原因「解明」(共同通信・平壌)
 このニュースのキーポイントは、北が「宇宙の平和利用をより一層進める」としたことですね。あくまでも平和利用というストーリーで、今後もミサイル開発を行っていくということです。完全にイラン方式の欺瞞作戦ですね。
 ですから、北朝鮮は今後しばらく、非軍事活動のタテマエを堅持します。衛星打ち上げはリベンジするでしょう。核実験はすぐにはやらないでしょう。
 ウラン濃縮に関しては、またのらりくらり交渉作戦に出るとは思いますが、イランに倣って進めるでしょうね。もし米朝協議を再開し、寧辺のウラン濃縮を本当に停止するなら、他に秘密施設があることを疑ってかかるべきです。

 今から振り返ってみると、2月の米朝協議で、たかだか24万トンの栄養食品供与だけで、ウラン濃縮停止や核実験停止などの大盤振る舞いを北朝鮮が呑んだことが、不自然といえば不自然に見えます。
 もしも、最初から4月の衛星打ち上げが外交問題になることを前提に、緻密に練られた計画だったらと考えると、辻褄が合います。
 考えすぎかなとは思いますが、仮に衛星打ち上げが成功したと仮定すると、北朝鮮は今頃「衛星打ち上げ成功」「ウラン濃縮継続」を手にしつつ、外交面では「自分たちは破格の譲歩を示したのに、平和的な衛星打ち上げにイチャモンをつけたアメリカのせいで妥協の道が閉ざされた」と、あたかも被害者のような言い分を強弁することができます。
 もちろん国連安保理決議違反ですが、北朝鮮としては中国の支持が得らて、国連安保理を議長声明どまりに出来れば、それでいいわけですね。もしそうだとすると、まんまと彼らの思惑どおりになっているわけです。衛星打ち上げ失敗だけが彼らにとっては想定外でしたが。
 実際のところはわかりませんが、とにかくあの国は核・ミサイル開発が最優先ですから、そのために有利な国際環境を作ろうとして、いろいろ企んでいた可能性はあります。
 ちなみに、こうした一連の北朝鮮の行動は、「援助を引き出すためのカード」ということはあり得ません。核・ミサイルの開発に要する資金は、瀬戸際外交で強請りとれる金額を大きく超えています。今回の衛星打ち上げは政治的な活動ですが、核・ミサイル開発は過去、純粋に軍事の要求スケジュールによって行われています。
 3度目の核実験は、小型起爆装置が完成したとき、行われるでしょう。ミサイル実験とセット、という見方をよく見ますが、事情が違うと思います。
 北朝鮮は今後、「自分たちは原発も衛星も、あくまで平和利用でやっている。なのに、アメリカがイチャモンをつけてくる。でも中国はわかってくれている」というスタンスで一貫して進めるでしょう。それで時間をかせぎ、その間に核&ミサイルの技術をますます獲得していくはずです。
 金正恩体制は改革開放に向かうのでは・・・という期待もあるようですが、それをやると世襲王朝がもちませんから、それはないでしょうね。改革のフリはするかもしれませんが。シリアと似たようなものです。
  1. 2012/04/19(木) 23:05:20|
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世界は北朝鮮に(さほど)関心がない

 フェイスブックで教えてもらった記事です。私は北朝鮮とシリアの情報を両方かじっていますが、じつにわかりやすい指摘が同記事内にあります。
▽メディアで働く私が恐れること(フォーサイト/白戸圭一氏:04/17)
 結局、北朝鮮情勢など世界ではそんなに注目されていません。それは日本にとっては重要な問題だから、日本のメディアが大きく報じるのは当然ですが、世界は今、シリア問題です。
 日本はしょせん世界のセンターから外れた極東のローカル国なので、地球の反対のことなど関係ないというのもアリかもしれませんが、それでいいのか?という問いです。この問題は以前からあるのですが、メディアはなかなかグローバル化しないですね。
  1. 2012/04/17(火) 21:22:08|
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北朝鮮ミサイルの謎

 すでにニコ生のリンクはご紹介していましたが、ユーチューブにもアップされていたのでご紹介します。先週金曜のテポドン発射失敗直後の生放送です。
▽[ニコ生]ついにミサイル発射!打ち上げ失敗で、どうなる今後の北朝鮮!?
 もうひとりの出演者は朴斗鎮・コリア国際研究所所長。初めてお会いしましたが、非常に視点の鋭い方で、私も勉強させていただきました。

 ところで、その後、日曜日の軍事パレードで新型の19m(推定)ミサイルが初登場し、ウォッチャーの注目を集めました。で、いろいろ過去に遡って詳しく調べてみたのですが、ひとつあまり伝わっていないことを指摘すると、北朝鮮のミサイルの性能については、「正確なことは何一つわかっていない」ということかと思います。

 そもそも、失敗したテポドン2改も、その正体は判明していません。推進剤の種類も謎。1段目はノドン4基といわれていますが、その真相も謎。2段目がノドン系なのかムスダン系なのかも不明。3段目が液体系エンジンなのか固体系モーターなのかも謎。
 射程も、今のところ実績がわかっているのは、第2弾までで3千数百kmは飛ばせたということ。それ以上の射程(弾道ミサイルの射程というと、だいたい1トンの弾頭を想定)は謎。ムスダン系の第2弾であれば中距離弾道弾レベルの可能性はありますが、実際に第2弾の落下予定エリアをみると、それほど飛ばせるとは思えません。
 わからない部分を最大の推定値で考えると、射程6000km以上となる可能性はありますが、それが実現されているかは甚だ疑問があります。
 そもそも、2010年のパレードで初めて映像が公開された3000~4000kmの射程とされている1段式ミサイル「ムスダン」の性能も謎です。少し前のエントリーで紹介したように、6年前にイランに輸出されて発射実験が行なわれ、3200km飛んだという情報もありますが、これも真偽はわかりません。
 少なくとも北朝鮮自身は、ムスダンの発射実験を一度も行なっていません。ちなみに、ノドンも1300km以上の射程といわれていますが、実際に発射実験で飛ばした距離はもっとずっと短いですね。
 要するに、ノドン、テポドン2、ムスダンともに、よくわかっていないわけです。

 今回、初登場した19mミサイルも、何もわかっていません。外見の形状、大きさしかわかりません。
 16輪の強力そうな移動発射基に乗せられていますが、重量も推定するしかありません。形状からおそらく2段式に見えますが、システムとしてはノドン系なのか、ムスダン系なのか、あるいはまったく新型の固体燃料系なのか、あるいはただのハリボテなのか、外見だけから判断はできません。
 そのサイズから、仮にムスダン(これ自体、性能は推定値ですが)の大型化だとすると、最大で5000~6000kmの射程を持つ可能性があると”想像”はできますが、あくまで推定にすぎません。この点、発射実績も、それなりに信頼性の高いインテリジェンスもないなか、「射程6000km」だというような話になりつつあるのは、おかしな話です。
 最近出てきた未確認情報には、「(平壌近くの研究所で)全長40Mの大型ミサイルを開発している」「(東海岸の発射場で)固形燃料モーターの燃焼実験を何度も行なっている」「ムスダンをもとにICBMを開発している」などというものがあります。これらの情報は無視はできませんが、情報の出方をみると、あまり信用度が高いものとはいえないですね。
 新型ミサイルが6000km、テポドン2改も6000km。さらにこれらをもとに1万km級の長距離ミサイルを開発しようとしているのではないか・・・・そいった「可能性」はたしかあります。そのさまざまな可能性のなかから、蓋然性の高い推定を導き出すのがインテリジェンスですが、ちょっと現段階では情報材料が少なすぎますね。
 自国の兵器について、「実力以上のものに見せかける」ケースと、「実力を隠す」ケースがあります。北朝鮮の場合、どちらかというと実力以上に見せかけることが多いような気がします。技術者としても、新開発の兵器なら最大値のテストをしたいということもあります。
 もちろん各ミサイルは、その最大性能を付与したいという目的で開発が進められているでしょうが、それが実現できていると考える要素はありません。というようなことを考えると、私自身の当てずっぽうな直感ですが、北のミサイルはどれも、いわれているほどの性能はないのではないかなという気がします。
 もっとも、直感をもとに防衛政策をとるわけにはいきませんから、日本政府・防衛省は北のミサイルの脅威に備えなければなりませんが。
  1. 2012/04/17(火) 19:02:12|
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報ステでシリア潜入レポートを見る

 やっと日本人によるシリア潜入レポートが出ました。放送は昨日の「報道ステーション」。取材者は、私は面識ありませんが、われわれの世界では著名なベテラン戦場ジャーナリストの遠藤正雄さんです。
 トルコ国境からアレッポ北西部方面に潜入。戦闘シーンまでは難しかったようですが、かなり前方まで入っていました。さすが遠藤さん、Good Jobです。自由シリア軍の状況を伝えていましたが、とにかく貧弱な武装が印象的でした。
 自分もやっていない身でナンですが、ここ数年の戦場カメラマン・ブーム(?)で、日本人の戦場カメラマン/ジャーナリストが一部で注目されたりもしたわけですが、欧米のジャーナリストが昨年末頃からどんどん現地に入っているのに比べ、日本人はまったく動いていない寂しい状況が続いていました。
 欧米人記者に「殉職者」も出るなか、特派員や社カメの皆様は上の許可の問題があるのでしょうが、フリーの場合はおそらく「ペイできるか?」という問題があったと思います。PAC3を追いかけて大量の報道陣を石垣島に送り込む日本のメディアも、シリア問題にはほとんど興味を示しません。その点、遠藤さんはテレ朝でしっかり長尺をゲット。さすがです。
 報ステもこの時期にシリア・ネタを採用するというすばらしい判断ですが、ただひとつ残念だったのは、ぜひ遠藤さんをスタジオ出演させていただきたかったということです。現地がどれだけ厳しい状況にあるかということは、やはり取材者の口から聞くとリアリティが違います。キャスターとゲストの解説だと、どうしても国際政治方面の話に終始しますが、いま伝えるべきは、現地では毎日人が殺害されているという生々しい話ではないでしょうか。
  1. 2012/04/17(火) 10:48:05|
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狙われた日本大使館

 速報です。アフガニスタンの首都カブールや東部のパクティア州、ロガール州、ナンガハル州など7ヶ所以上で、タリバンのコマンドによる同時多発攻撃が行われました。
 標的となったのは、大統領府、国会議事堂、国際治安支援部隊(ISAF)本部、イギリス大使館などのほか、日本大使館も。日本大使館では、犠牲者は出なかったものの、RPG4発が撃ち込まれた模様です。
 タリバンは現在、交渉派vs徹底抗戦派の内部対立に陥っているとみられていましたが、戦闘力はいまだ健在です。タリバンはロイター通信などに声明を公表しましたが、それによると、数か月前から練っていた計画だったとのことです。
 それにしても、なぜ日本が狙われたのでしょうか? 何かウラがありそうです。

(追記)
 カブールは未経験なのでいまひとつ実感がわかないのですが、攻撃されたのは西側大使館も多く集まる高級エリア。つまり、日本大使館が狙われたというよりは、その一画そのものが狙われたということのようです。タリバンが日本の対テロ戦協力の経緯をそれほど根に持っているとも思えないので、わざわざ日本を狙うなんてちょっと変だなと思っていたのですが、とばっちりの可能性大。
 ただし、日本がざっくりと「欧米」の範疇に認識され、攻撃対象から「除外されない」ことは明らかになったので、今後とも注意は必要かと思います。(16日 08:00記)
  1. 2012/04/16(月) 02:20:19|
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テポドンの日

 昨日はテポドン関連で、メディアで結構お話をさせていただきました。
 まず、早朝からTBS「みのもんたの朝ズバ」に呼んでいただき、出番が終わった直後に発射の第一報が。飛んだら特番もアリと伝えられていたのですが、落下でナシに。ですが、そのまま「ひるおび」にも出させていただきました。
 さらに、打ち上げ失敗を受けて報道でコメントを撮影し、「Nスタ」「ニュース23クロス」で採用していただきました。
 また、夜間も大阪・毎日放送ラジオ「たね撒きジャーナル」で電話出演させていただき、最後はもう深夜でしたが、ニコニコ動画の「ニコニコ生放送」に呼んでいただきました。
 もっとも、失敗ということで、これで軍事方面のメディア需要は終了。あとは政治面の話に移っていきます。
▽20120413 [1/2]たね蒔きジャーナル「北朝鮮ミサイル まさかの失敗・・・」
▽20120413 [2/2]たね蒔きジャーナル「北朝鮮ミサイル まさかの失敗・・・」
▽ついにミサイル発射!打ち上げ失敗で、どうなる今後の北朝鮮!?(ニコニコ生放送/ニコニコニュース特番04/13)
 ちなみに、上のニコニコ生放送では、来場者数24637人でコメント数16751人でした。当ブログの×××倍!!
  1. 2012/04/14(土) 18:38:31|
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なぜに第一報ナシ?

「北朝鮮のロケット打ち上げ施設より、きわめて強力な熱源が探知されました。ロケットが発射された可能性がありますので、今後の情報に注意してください!」

 政府はかねて徹底した情報周知を喧伝していたので、まずはこんな第一報が流れるものと予想していました。
 クロスチェックを待ったということですが、熱源情報があるのなら、このくらいは広報していいんじゃないでしょうか。
 本番(のミサイル攻撃)を考えると、とりあえず第一報は早いほどベターです。経路予測の分析が終わってから、との考えだったのかもしれませんが、次は「核爆弾」かもしれないわけで、瞬時の注意喚起ぐらいは必要だと思います。
 もっとも、熱源情報の提供者であるアメリカも、同じくアメリカから熱源情報を得るとともに、自らある程度は航跡をキャッチしていたと思われる韓国も、日本ほど遅くはありませんでしたが、この第一報を広報していません。広報に関して、なにか3カ国の取り決めがあったのでしょうか。
 日本は「レーダーからロスト」だそうですので、いったんは姿をとらえていたことになります。米軍から熱源情報があって、いったんはレーダーでキャッチできたのなら、経路予測はできなくても、「ロケットが発射された」ことはウラがとれたわけで、これも注意喚起の意味ですぐに広報すべだと思います。
 そうでなければ、訓練としての価値もないじゃないかなと思うのですが・・・。

 ところで、今回まさかの失敗をしたことで、メンツを重んじる北朝鮮が核実験まっしぐら・・・という可能性も考えましたが、なんとあの北朝鮮が失敗を素直に認めました。これはたいへんなことですが、これでおそらく従来の平和利用という物語を口実にこっそり核とミサイルを開発するという戦術は変えてこないと思います。
 当面、中国の支持を繋ぎとめられるだけの国際社会との協調路線をアピールし、平和利用で乗り切ろうとするのではないでしょうか。
 テポドンは成功しようが失敗しようが安保理決議違反で、アメリカも食糧援助中止を決めたようですが、安保理はおそらく中国の横やりで前回同様に議長声明に終わりそうです。
 北朝鮮は強硬路線よりも表面上は交渉路線で来る気がしますが(このあたりは誰にもわかりませんが)、油断してはいけないと思います。
  1. 2012/04/13(金) 19:05:09|
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金元弘が国家安全保衛部長に

 これは驚きの人事です。秘密警察である国家安全保衛部の部長に、金元弘大将が就任しました。
 金元弘はもともと、金正日の信任を得て、軍内の秘密警察である保衛司令部司令官として活躍していた人物。当時、軍の指揮系統から外れて金正日に直結した保衛司令部は、たいへんな権勢を誇り、秘密警察である国家安全保衛部に匹敵する実力を持っていたともみられていました。
 ところが、2008年に病気で倒れた金正日は、息子の世襲政権の基盤に、軍内の監視機関「総政治局」と、国民の監視機関である国家安全保衛部に権限を集中させることを決定。金元弘は翌2009年に総政治局の事実上のナンバー2である組織担当副局長に転出し、保衛司令部の陣容・権限が縮小されました。
 現在、金元弘は金正恩の視察にもっとも頻繁に同行する将官としても注目されており、金正恩の最側近となっている模様です。
 こうした人物なので、国家安全保衛部長就任もおかしくはないのですが、私が驚いたのは、国家安全保衛部はこれまで同部を取り仕切っていた禹東測・第1副部長(大将)の「縄張り」だと思っていたからです。
 秘密警察である国家安全保衛部は、北朝鮮でもっとも強力なウラ権力でもありますが、そこを完全に牛耳ったことで、北朝鮮では誰からも恐れられるようになったのが禹東測です。
 禹東測はもともと張成沢と近く、晩年の金正日から信任を得て、事実上、正恩の側近として国家安全保衛部を任されていました。金正日の葬儀でも霊柩車の随行したトップ8に入っており、新政権のキーマンとみられていた人物です。
 本稿執筆時点で、どうも禹東測の新ポストは発表されていないようです。金元弘の下で副部長ということもないでしょうから、おそらく別の重要ポストにスライドするものと思われます。
 金正恩政権も、幹部の人事をかなりいじってきました。重用される人あれば、冷遇される人あり。平壌では不満の声もくすぶり続けるでしょう。
  1. 2012/04/13(金) 03:17:29|
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衛星と称する事実上のミサイル?

 テポドン&PAC3の報道が過熱しています。知人のカメラマンは、イージス艦の姿を求めて沖縄海域を飛び回っています。なにせ海は広いですから、なかなか難しいようです。
 私ははっきり言って、今回の発射はまったく危機とは思っていません。よくあるロケット打ち上げのひとつです。自衛隊の訓練には最適なので、出動自体はたいへん結構なことだと思いますが。
 それより注目すべきは、いつも書いているように核開発です。前エントリーで書いたように、核ノドン配備が目前です。今回、訓練程度のMD展開に人々は反応していますが、そんなものじゃない本気の展開が必要になると思います。
 今回の衛星発射など「たいしたことじゃない」的な発言をすると、「危機感がない」と批判されるかもしれませんが、私はむしろ次なる核ノドンに強い危機感を持っていて、世間の反応の鈍さに歯がゆい思いを感じています。生意気を言わせていただければ、今回の衛星打ち上げでの幻の「万が一」に過剰反応しているほうが、よほど危機感のリアルな感度が鈍いのではないかなという気がします。
 もうすぐ日本全域が、この先どうなるかわからない超独裁国家の核ミサイルの射程に入ります。これは近い将来、確実に実現されます。たいへんな事態だと思いますね。イスラエルなら確実に空爆でしょう。アメリカだってやると思います。日本もそうやれとは言いませんが、それほど深刻なことだということです。

 ところで、北朝鮮の行動を読むうえで、ここ数年の北朝鮮が、徹底して「平和利用」を盾にして核&ミサイルの開発を進めていることが、あまり認識されていないように感じます。べつに北朝鮮の肩をもつわけではないですが、衛星を口実にした長距離ロケットの開発、発電を口実にしたウラン濃縮は、いずれも理屈が成立するものです。これは、前も書いたように、実際にイランがやってきた道で、北朝鮮はそれを真似ているわけです。
 ロケット発射は安保理決議違反ですが、イランもなし崩しにやってきていますし、中国の支持を引き留められる線なので、さらなる制裁の安保理決議を通すほどにはならないでしょう。
 北朝鮮を非難する根拠は国連安保理決議違反ということにつきますし、国連安保理としては違反にはペナルティが当然ですが、それはそれとして、衛星打ち上げをすべて軍事目的と断定するのが二重基準であることも事実です。
 これも北朝鮮の肩をもつわけではないですが、「衛星打ち上げと称する事実上のミサイル発射」という報道の表現にも違和感があります。
 今回、北朝鮮が行うのは、衛星打ち上げであって、ミサイル発射実験ではありません。ミサイルとするなら、弾頭に爆弾あるいはそのダミーを搭載し、放物線弾道で発射することになりますが、今回はそうではなく、衛星モドキを搭載し、衛星打ち上げ軌道をとることになります。
 衛星打ち上げ軌道では、弾道ミサイルの軌道より通常は低い高度を飛翔し、ある高度で高度を維持し、地球面に対してほぼ水平方向に加速をかけて第1宇宙速度に達します。両者は、飛ばし方がかなり違うわけです。
 なので、今回、北朝鮮はこれだけ世界に大見得をきって衛星打ち上げと言い切る以上、弾道ミサイル発射実験のコースをとることは考えられません。外見上は衛星打ち上げということでいいと思いますし、ミサイル発射とする表現は適切ではありません。ロケットならまだいいですが。
 ただ、衛星打ち上げのための強力ロケットは、技術的には弾道ミサイルとなんら変わりません。要は、どれだけ重いものを、どれだけ遠くに、どれだけ速いスピードで飛ばせるかという推力の問題です。大まかに言えば、弾道ミサイルの場合は「遠くに」優先、衛星の場合は「速く」優先ということになります。
 実際には、弾道ミサイルを衛星打ち上げに流用するためには、その特殊な運用と制御を実現し、最終段階で衛星を加速させる機能も必要になりますし、逆に衛星打ち上げロケットを弾道ミサイルに転用するには、高温に耐えて機能する再突入体の開発が必要になります。しかし、ロケットの推力強化という点では共通しています。
 要するに、衛星打ち上げは弾道ミサイルの性能向上、とくに飛距離のアップに直結します。だから、「ミサイル開発にも繋がる衛星打ち上げ」という表現が正確になります。ですが、すべての国の衛星打ち上げは、潜在的にはミサイル開発にも繋がるので、わざわざ言うまでもないことです。
 北朝鮮の言い分にも、言葉上ではそれなりに理があるとはいえます。

 なお、上記は決して北朝鮮を擁護するものではありません。国連決議違反ですし、すべて核ミサイルを持つためにやっていることは明白です。なによりあの国の政権はとんでもない悪い政権であり、他の民主国家のように扱うわけにはいきません。
  1. 2012/04/13(金) 01:59:34|
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核ノドン配備のとき、MDはいかに

 現在発売中の『FLASH』記事2本にコメントを採用していただきました。1本はいま話題のPAC3関連で、「深夜の密着撮」。もう1本は全然別の記事で、アメリカのネット監視の記事でした。
 また、衛星発射予告初日の本日、TBS「ひるおび」で生出演させていただきました。石破茂氏と久々にお会いしました。
 明日もTBS様に呼んでいただいていて、「朝ズバ」「ひるおび」に生出演させていただきます。
 また、明日夜は、何度もお世話になっている大阪・毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」にて電話解説させていただきます。

 さて、本日の「ひるおび」では、本日の発射がなかったことで、「では、いつ発射?」ということが話題に上りました。私はかねて12日発射と見ていたので、外しましたね。政治的な意味づけでの延期という見方が多いのですが、準備が間に合わなかったか、なんらかのトラブルがあった可能性もあると思います。とくに、自動燃料注入装置、ちゃんと作動したのかなあ・・・。
 仮に燃料注入の遅れ程度のことであれば、私はやっぱり早めに打ち上げると思います。あんまり遅くすると、トラブル対処のための時間がなくなり、現場にはたいへんな重圧がかかると思います。
 ただ、これがもっと深刻なトラブルだった場合、結局は16日期限に間に合わない可能性もあると思いますね。仮にそうなっても、北がミスを認めるわけもないですから、「地域の安定に配慮して延期」とか言うのでしょうか。責任者は収容所送りになるかも。

 ところで、以前も書きましたが、今回のMD出動は良い訓練としても、近い将来、北朝鮮が核ノドン配備した際には、自衛隊MDはどこまで即応態勢をとるのでしょうか。イージスの常時展開や、PAC-3ももっと増やせということになるかもしれません。
「ひるおび」のCM中、そんな話を石破議員としました。石破氏は当然、北の核武装の脅威を理解されていますが、民主党政権はどうでしょうか。私自身は、北朝鮮が核ノドン配備したら、自衛隊の防衛態勢を根本的に見直すべきぐらいに思っています。その点、防衛省中枢がどう考えているのか気になります。
  1. 2012/04/12(木) 18:22:16|
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崔竜海と金正覚が中枢に浮上

 金正恩が「総書記」でなく「第1書記」に就任したことが大きく報じられていますが、いずれにせよ順当に党のトップに就任したわけで、それ自体は驚くことでもありません。
 それより、側近の去就に注目です。とくに、崔竜海書記が軍を監視統制する軍総政治局長という最重要実務ポストに加え、いっきに政治局常務委員と党中央軍事委員会副委員長にも抜擢されました。軍人の階級も次帥となっています。
 崔竜海は張成沢に近い人物なので、張成沢が引き上げたものと思われますが、それにしてもその出世ぶりは、公式ポストでは黒幕・張成沢以上ともいえる大物になりました。党政治局常務委員、党中央軍事委員会副委員長、次帥ということでは、軍の実権を握る李英鎬・総参謀長と肩を並べています。
 また、軍総政治局第1副局長として軍内の粛清を取り仕切った金正覚は、軍の名目トップの人民武力部長に就任。これまでの人民武力部長で、長老扱いであまり実権のなかった金永春は退任となりました。金正覚は先に次帥に昇格していましたが、今回はそれに加えて党政治局員候補から局員に昇格しています。
 金正日の急死後、新体制は張成沢と李英鎬が事実上のツートップでしたが、これで張成沢、李英鎬、崔竜海、金正覚の四人組体制になりました。4人の中では、やはり金正恩の後見人である張成沢が中心になるものと思われます。
 また、四人組のすぐ下に禹東則・国家安全保衛部第1副部長、金英徹・軍偵察総局長、金元弘・軍総政治局組織担当副部長などが続くことになります。
 なお、張成沢自身も今回、党政治局員候補から党政治局員に昇格しました。本来なら党政治局常務委員に就任してしかるべきですが、そうなると、すでに国防委員会副委員長でもある張成沢にとって、ナンバー2としての存在感が必要以上に目だってしまうということなのかもしれません。
 ちなみに、金正日の妹で、張成沢の夫でもある金慶喜は、すでに党政治局員でもありますが、それに加えて党書記に就任しました。とはいえ、金慶喜は実務とはほとんど関係ないので、金正恩および張成沢の後見人としてハクをつけたいということでしょう。
 
  1. 2012/04/12(木) 03:35:25|
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テポドン2改の謎

 早ければ明日発射されるテポドン2改(の、さらに改良型)の性能については、外見と過去発射時のモニタリング情報、その他のインテリジェンス参考情報(傍証)からの推測しかないわけですが、4月9日付のグローバル・セキュリティのレポート(過去レポートの改訂版)からいくつか引用してみます。執筆者は上級技術宇宙政策アナリストのC. P. Vick氏です。なお、これらもあくまで推測情報ではありますので、その点ご留意を。

▽予告の打ち上げ経路だと、極軌道でも太陽同期軌道にならない。これは、韓国と中国を刺激しないための措置。いずれにせよ、本気で地球観測衛星として運用する気はないのではないか。
▽第3段ロケットは2009年は固体燃料モーターで失敗したので、今度はイランのサフィール2の液体燃料エンジンを参考に改良したものを使用。
▽第2段はノドンB(ムスダン)。
▽ノドンBは射程3800km。イランにも輸出されていて、イランで2006年1月に発射実験を行ない、3200kmを飛ばしている。
▽ミサイルとして使用する場合、再突入体は直系1.35mの1,158kg。もしくは、より小口径の650kg。射程は6700~1万km。
▽全長40mで射程1万kmの3段式ICBM「テポドン3」を、4月15日の軍事パレードで公開するかもしれない。これは、米国偵察衛星が平壌北部のサヌムドン・ミサイル開発センター工場で撮影したと「朝鮮日報」が4月3日に報道していたもの。
▽北朝鮮はイランから移動発射技術を導入している。
だそうです。

 第3段目ロケットに関しては、もともとさまざまな推測がありますが、これだけの情報ではちょっとよくわかりません。
 第2段目がムスダン流用ということですが、これもよくわかりません。そうであれば、第2段ブースターはもう少し遠方まで飛ぶようにも思うのですが。
 で、肝心の性能ですが、弾頭が650~1158kgで、射程が6700~1万kmと、かなり高性能に見積もっています。もはやICBMですね。
 これもよくわかりません。一般的な報道では6000km程度(防衛省による推定値)。前回の実績からすると、せいぜい4000km超くらいの中距離弾道弾に思えるのですが・・・。
 あと、今のところ私もあまりマジには考えていないですが、4月15日の軍事パレードで、件の40mICBMが登場するかどうかも注目しましょう。
  1. 2012/04/11(水) 20:03:18|
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「核実験」はブラフかもしれない

 例のテポドン関連ですが、再びTBS様に声をかけていただき、昨日の昼ニュース(電話コメント)、夕方の「Nスタ」(スタジオ出演)、今朝の「みのもんたの朝ズバ」(コメントVTR)で採用していただきました。いよいよ金日成生誕100周年という国家最大の慶事なので、テポドン発射にかぎらず、いろいろニュースが出てきます。今後1週間近く、北朝鮮ネタが連日続くことになるでしょう。
 今回の北朝鮮衛星打ち上げ自体は、成功の可能性あると思います。そのとき、北のアナウンサーが「ついに成功した!」とか、つい言っちゃわないかな・・・と少々期待です。これまで2回「成功した」と頑なに言い張っていたわけですからね。

 打ち上げ実行の日について諸説ありますが、天候に問題がなく、準備が完了したなら、予定期間初日の12日にも実行する可能性が高いと私は見ています。
 どこの国でも、ロケット打ち上げの場合には、いざ発射となって不具合が見つかり、しばし延期ということは珍しくありません。予告期間に幅をもたせているのは、そのための保険であり、そもそも最初から15日とか16日とかを予定しているなら、12日からという設定の意味がありません。
 16日過ぎても打ち上げられなかったらたいへんな大失態になるので、技術陣としてはとにかく準備ができたらGOでしょう。

 他方、本当にやるかどうかわからないのが、3度目の核実験です。実験場に新たな動きがあることが衛星でキャッチされたため、今回もテポドン発射後に核実験をやるはずだとする見方もありますが、それはまだわかりません。
 核実験場でのそのような動きは過去にも何度もありました。もちろん将来の核実験のための準備作業ということでしょうが、それが具体的なスケジュールのもとに進められているとはかぎりません。
 過去2回、ミサイル発射⇒核実験というパターンを繰り返していますが、過去のケースは政治よりも軍事のスケジュールに沿ったものでした。
 06年の場合、テポドン2と初期の核爆弾が出来たので、せーので実験し、テポドン2が完全失敗、核爆弾は部分的成功。09年の場合は、テポドン2も核爆弾も改良できたので実験し、ともに成功(テポドンは3段目切り離し失敗ですが、弾道ミサイルとすれば1段目と2段目のロケットは成功です)したということになります。政治的動機ではなく、軍事的に技術段階が進んだので、必要な実験を粛々と実行したということになります。

 それらの過去のケースと比べて、今回は明らかに政治的な動機の割合が大きくなっています。テポドン発射(衛星打ち上げ)は、金日成生誕100年を祝うメイン・イベントです。使用されるロケットは09年に発射に成功したものとほぼ同じであり(外見だけでなく、ブースター落下予告地点を見ても、性能がほぼ同じであることがわかります)、新たなミサイル・テストという側面はあまりありません。絶対に失敗できないイベントなので、確実な方法を採用したわけです。

 今回、技術的に改良されているとすれば、第3段ロケットの加速がきちんと機能し、ちょっとした金属の箱を衛星軌道に投入できるかどうかが注目されますが、100kg(これも自己申告なので疑わしいですが)の箱を第1宇宙速度に加速できるかは、軍事的にはあまり意味のないことです(ちなみに、空気抵抗がないと想定して、地上0メートル高度で地球を周回する衛星軌道に乗るために必要な第1宇宙速度はおよそ秒速7.9kmですが、北朝鮮が予告している高度500kmだと、若干値が小さくなって秒速7.6km程度になるそうです)。
 弾道ミサイルの弾頭として実用化するには、700kgから1トン程度のものを飛ばせないと意味がなく、その意味ではテポドン2改の射程は、弾頭重量にもよりますが、約4000~6000km程度と推定されます。

 つまり、今回テポドン2改を使用するのは、繰り返しますが、軍事的に技術開発にはあまり意味がないことになります。
 では、北朝鮮は本当に衛星開発に取り組んでいるかというと、まったくゼロということはないでしょうが、ほとんど後回しになっていると見ていいでしょう。体制の生き残りにさほど重要でないからです。
 衛星は、とにかく国内アピールのための道具です。なので、衛星軌道に入れば、箱でもなんでもいいわけです。北朝鮮が衛星を公開したことで、「これは何だ?」という話になっていますが、要は「何でもいい」のですね。
 それでも、今回、北朝鮮が実行することは、間違いなく衛星打ち上げでしょう。細かくみれば、軌道も、弾道ミサイルが射程を延ばすための最適の軌道ではなく、衛星打ち上げ用の軌道をとることになると思います。

 話を整理すると、今回の大まかな流れとしては、国家最大の慶事を祝賀するイベントとして、衛星打ち上げを計画したことがもっとも重要だと思われます。そのための準備を北朝鮮は前々から進めており、国内外にも広報しつつ、「軍事目的ではない」と強調して強行するわけです。
 ミサイルの実験というものがメインであれば、パワー不足でこれ以上の射程伸張があまり望めそうにないテポドン2改ではなく、他のロケットを使用するのが合理的です。どうせ打ち上げるなら、何かの技術向上の検証に利用するでしょうが、今回はそれは「ついでに」といった二次的なものにすぎないのではないかなと思います。
 
 それで核実験ですが、こちらは単なる対米交渉の道具として核実験を行うということもないと思います。
 まず、北朝鮮は現在、プルトニウムを核爆弾6~10発分程度しか保有していません。外交の道具として消費するほどの備蓄があるわけではありません。
 実験が必要になるとすれば、1回目実験でとりあえず核分裂を起こし、2回目実験で精度を上げた起爆装置が、相当程度小型化された場合に、それが本当に起爆するかどうかの実験ということになります。北朝鮮が起爆装置小型化にどれほど進んでいるのかはまったく情報がないのでわかりません。
 もしもそれなりに信頼性の高い小型起爆装置が完成していたら、3度目の核実験は当然、ありえると思います。しかし、それがまだ実現されていなかったとしたら、3度目の核実験はまだしばらく先のことになるでしょう。
 一部に、ウラン型爆弾の実験かもという見方もありますが、考えづらいですね。北朝鮮はかねてからイランの前例に倣い、軽水炉まで建設して、平和利用目的のウラン濃縮を進めると公言してきました。仮に密かに兵器級高濃縮ウランを製造していたとしても(その可能性は現時点ではまだほとんどないと思いますが)、それで実験すれば、そうしたイラン流の欺瞞工作が出来なくなるわけですから、まだその段階ではないと思います。

 これらのことを考えると、今回、3度目の核実験を実行するかどうかは、北朝鮮政権中枢の考えがわからない以上、これもまったくわからないと考えるしかありません。
 わからないことを当てずっぽうで言ってしまうと、私の直感では、3度目の核実験が行われるとの見方には疑問を持っています。
 北朝鮮は新たな核実験の可能性について、日本の朝鮮総連系の媒体に、それを仄めかすような記述を掲載させています。ずいぶん回りくどいやり方ですが、それだけあまり本気度を感じません。制裁あれば核実験・・・というのはブラフではないかなという気がします。

 結論。
「打ち上げは12日にも行われる可能性が高い」
「3度目の核実験は行われないのではないか」
 この2つが、私の「予想」ですが、はたしてどうなるでしょうか?
  
 ところで、先週、「日本文化チャンネル桜」様に声をかけていただき、「闘論!倒論!討論!2012 日本よ、今...」という討論番組に呼んでいただきました。 テーマは「朝鮮半島情勢とこれからの日本」。
 4月7日にスカパーで放送ということでしたが、先週末からちょっとバタバタしていて、告知を失念していました。放送はすでに終わっていますが、インターネット放送So-TV(http://www.so-tv.jp/)で見られるようです。
 また、ユーチューブでもアップされています。
▽1/3【討論!】朝鮮半島情勢とこれからの日本[桜H24/4/7]
▽2/3【討論!】朝鮮半島情勢とこれからの日本[桜H24/4/7]
▽3/3【討論!】朝鮮半島情勢とこれからの日本[桜H24/4/7]
 司会は日本文化チャンネル桜・代表の水島総氏。パネリストは軍事ジャーナリストの清谷信一氏、拓殖大学国際開発研究所客員研究員の高永氏、「救う会」全国協議会会長・東京基督教大学教授の西岡力氏、元陸将・元ハーバード大学アジアセンター上級客員研究員・日本戦略研究フォーラム政策提言委員の福山隆氏、統一日報論説主幹のホン・ヒョン氏、北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会代表の三浦小太郎氏です。
 上記は計3時間の長丁場ですが、錚々たる論客を前に私自身はほとんど発言できず。反省です。
  1. 2012/04/10(火) 10:33:41|
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独裁者の支持者という幻想

▽シリア軍攻撃で130人近く死亡、停戦期限前に弾圧激化 NGO(AFP通信 04月08日)
 アサド政権のやることなど、こんなものです。この他にもアサド政権は、戦車は引いても代わりに武装ヘリを増強したりしています。また、「警察部隊は残す」ことも明言しています。もっとも、こちらもどうせ同じ兵隊を残すだけですが。
 再三書いてきましたが、アナン調停などどうせ機能しません。アナン調停の行方を逐一報じる国際メディアの報道のほうが、なんだか喜劇のように見えてしまいます。

 ところで、最近、海外メディアを含むいくつかの報道で、アサド政権が打倒されない理由として、「アサド大統領は国内でそれなりに支持されている」というような記述を目にしました。こういうことを書く記者が欧米でもときどきいるのですが、全体主義・権威主義の独裁国家の怖さをまるでわかっていないと思います。
 アサド政権が倒れないのは、先代が築き上げた恐怖支配システムの強固さのせいです。「怖いから従う」というのと、「支持する」はまるで意味が違いますね。
 そんなにはいらっしゃらないかとは思いますが、もしも中東に行く機会のある方がいたら、アラブのどこの国でもいいのですが、そこの権力者を信奉すると公言する人と、誰もいないところで(たとえ家族でも、いたらダメです)、差し向かいで(酒類が手に入るなら、是非とも呑みながら)じっくり話してみればいいと思います。
 まず10人中9人は、言うことがガラリと変わります。世界中のどんな国でも、抑圧体制を喜んでいる人などいません。10人中1人くらいは、しっかり「洗脳」されている人もいるかもしれませんが、そんな洗脳は一晩酒呑んだだけですぐに解くことができます。

 当ブログでもすでに何度か書いてきていますが、シリアの場合、バシャール・アサド大統領を支持する人が、かつては「先代の父親よりはマシ」「先代の取り巻きだった将軍たちよりはマシ」「隣国のサダム・フセインよりはマシ」という消極的理由で、そこそこいました。そのときの印象で、上記のような誤った評価になる人もいるようですが、今となっては、ここまで国民を殺しまくった大統領を今さら誰も支持しません。
(こういう問題は、数字で表せるものではないので、結局は個人の経験&直感による分析・評価にならざるを得ませんが、それなりに自信があって書いています)
 いずれにせよ、今後も、アサド大統領の権力が1日延びるほどに、無用の犠牲者が増えるだけでしょう。
  1. 2012/04/08(日) 18:06:02|
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ある原子力専門家の意見

 自分が取材した話ではなく、単に読んだだけの話なのですが、今朝の読売新聞に掲載されていた田中俊一・元日本原子力学会会長のインタビュー記事が、賛同できる部分がたいへん多かったので、読売読者以外の方向けに内容を引用して紹介します。

▽除染なしには何も始まらない(中略)。住民が戻れない状況が続く限り、復興の議論もできない。
▽(国の動きは)スピード感も切迫感もない。何としても帰ってもらうという意識が希薄だと思う。
▽(質問・田中さんは国の不合理な基準が除染や復興の妨げになっていると訴えている)⇒役所ごとに基準がバラバラなうえ、科学的合理性を欠く変更を繰り返してきた。
▽新しい食品摂取基準もそうだ。そもそも従来の基準は欧州より厳しい。いま流通している食品からの内部被曝線量も目標の年間1ミリ・シーベルトより十分に低い。切り下げる合理的な理由はなかった。
▽(質問・むしろ悪影響のほうが大きいのか?)⇒そうだ。基準を厳しくする度に福島では住民の不安が増している。心配ない量の被曝におびえ、ストレスもたまる。農家は作付けが難しくなり、井戸水や山水が使えなくなる恐れもある。これでは住民は暮らしていけない。政府は東京の消費者の安心しか考えていないのかとも思う(後略)。
▽除染現場の基準も実態にそぐわない。政府は福島の住民に対し、年間の被曝線量が20ミリ・シーベルト以下ならそこで暮らせるとしている。一方、他の地域から来た除染ボランティアの被曝線量はずっと厳しい1ミリ・シーベルト以下に抑えろという。住民から見れば差別的な扱いだし、ボランティアには来るなと言っているに等しい。
▽(廃棄物問題について)このままでは廃棄物の行き場がなくなる。
▽私は福島の市町村ごとに最終処分場を作るしかないと思う(後略)。
▽(安全性について)きちんと管理すれば問題はない。原発の高レベル廃棄物とは違う。雨水などに混じって汚染物質が流出するのを防ぐことも難しくない。
▽(質問・地元は納得するのか?)⇒迷惑施設だし、嫌だという気持ちはよくわかる。しかし、この問題は国をあてにしているだけでは解決しない。住民は『最終処分場は自分たちで確保した。だから除染を早くやれ』と主張すべきだ。
▽この話を住民にすると、『田中さんがまた言ってる』と苦笑する人が多い。『国は県外と約束している』と怒り出す人もいる。だが、本音では、やはり受け入れざるを得ない、という気持ちもあると思う。真摯に、覚悟をもって住民と向き合うしかない。
▽(放射線のリスクについて)一部の科学者は根拠もなく微量の放射線の危険を唱え、不安を煽っている。研究者は他の研究者と違うことを言って生活している人種だが、いま必要なのは個人的見解の表明ではない。『分からないから危険だ』と言うのは科学者として無責任だと思う。
▽(質問・田中さん自身も原子力ムラの住人だった。はなから信用していない人もいるのでは?)⇒いますね。
▽(質問・どう説得するのか?)⇒事実に基づいて丁寧に説明し、最後は自分で判断してほしい、と話している。よりどころは国連科学委員会などが収集・評価したデータだ。
▽(原発再稼働について)節電などで乗り切れるという人もいる。その通りならいい。だが、そうでなかったときの社会的損失は計り知れない。大停電になれば、相当の犠牲者が出るかもしれない。
▽(質問・中長期的にはどうか?)⇒最近の炉は改良されている。しかし、今回の事故で古い原発には構造的な弱点があることが明らかになった。既存の原発をすべて動かすのは難しいかもしれない。
▽電力業界などでは『(現在の原発が使う)軽水炉の技術は実証済み。安全研究など余計なことはしなくていい』という風潮があった。だが、傲慢になったら終わりだ。すべての関係者は徹底した反省が求められていると思う。
(以上、抜粋)

 インタビュアーは同紙の大塚隆一・編集委員。本音の発言を引き出し、なおかつ発言者が無用な批判にさらされないように配慮された構成の見事な記事です。同編集委員の短い後記も秀逸。「逃げない覚悟 必要」との見出しで、以下のような文章です。
(以下、引用)
 田中さんは取材後、「四方八方からたたかれるでしょうね」と話した。
 厳しい決断を先送りする政府を批判し、住民には反発を承知で処分場の確保を求める。不安をあおる研究者は無責任と断じ、原子力関係者にも傲慢さを戒める-ー確かに「よく言った」という人は少ないかもしれない。(以下省略)

 いえいえ、「よく言った」と思う人も少なくないと思いますね。
(・・・と読者に思われることも、おそらく織り込み済みの記述だとは思いますが)
  1. 2012/04/07(土) 12:48:51|
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破片はどうするのかな

 昨日、ある週刊誌の記者の方とテポドン関連で話していて、ふと思ったのですが、仮にテポドンが計画どおりうまく飛ばなかったとします。そのまま途中でどこかに落ちるとして、たまたま沖縄の島に命中するということは、確率的にはものすごく低いことだということは、当ブログでも再三書いてきました。
 ですが、それよりはありそうなのは、飛翔途中に爆発するかなにかでバラバラになることで、そのとき、場合によってはかなり広範囲に破片が散らばる可能性があります。速度によっては再突入時に燃えてしまいますが、燃え残ってそのまま一部が地上に落下することはあり得ます。多数の破片が拡散すれば、当然、人が住むどこかの島に落ちる確率は跳ね上がります。
 小さい破片などは、さすがにPAC-3も無視でしょうが、そうなった場合、「しかたないな」でちゃんと済むのかでしょうか?

 あと、もうひとつ思ったこと。今回のは練習ということでいいと思うのですが、近い将来、北朝鮮が核ノドンを実戦配備してしまった場合、自衛隊はミサイル防衛の常時臨戦態勢に入るのでしょうか?
 それとも「北朝鮮軍のノドン管理は厳格であり、誰かが勝手に発射することはできない」「政権も撃たないだろう」と信用して、臨戦態勢はとらないつもりなのでしょうか。?
  1. 2012/04/06(金) 14:09:59|
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アナン調停には期待できない

▽シリア政府軍、市街地から撤退開始(読売新聞 4月4日15時)
 だそうですが、この情報はダマスカスに入った特派員氏にシリア当局が語ったものなので、確認はできません。これまでの「前科」からすると、シリア当局の発表はほぼ偽情報、もしくは宣伝のための見せかけ情報と考えていいでしょう。特派員氏による記事自体は情報の断定を避けた適切な記述なのですが、残念ながら紙面の見出しがアレですね。末尾に「か」と入れておけばよかったのですが。
▽シリア:武力弾圧継続 「軍撤退開始」確認できず(毎日新聞 4月4日21時43分)
 こちらはカイロ発で、ソースは反体制派ですね。反体制派の情報にもバイアスは当然入りますから、実際のところはわかりません。なので、こちらの記事ではそのあたりの事情を正確に記述しています。
 とにかく現場取材ができないので、報道各社もなかなかご苦労されているようです。
 
 ただ、反体制派のSNSや関連サイトなどをざっと見ていても、アナン調停に期待する声はほとんどありません。国際報道とはだいぶ「空気」が違いますね。
 アナン調停では、国連の停戦監視団が200~250人、順次シリアに入ります。
 ただし、国連平和維持軍という位置付けではなく、あくまで非武装の監視要員です。国連側は彼らの自由行動をシリア側に要請していますし、アサド政権もそれを言葉上は拒否しているわけではありませんが、以前のアラブ連盟の監視団と同様に、「危険だ」という理由で官製ツアー限定を目論んでいるはずです。
 停戦などという約束も、口先だけでしょう。実際、住民殺害は続いています。
 おそらく国連監視団と外国プレス用に一部で撤退してみせるでしょうが、そこでデモが再燃すれば、▽「政府軍ではない」と強弁してアムン&シャビーハを投入して住民を殺害⇒▽「テロリストに反撃」との理屈で再攻撃、となるだけです。
 で、結局、監視団は「アサド政権の履行違反」を主張するでしょうが、ロシアがどうせ「反体制派も違反」と言って安保理決議を妨害・・・と、同じことの繰り返しになるでしょう。
 アサド側はそのあたりは見越していて、ロシアが味方についているかぎり、口先だけの時間稼ぎで充分対応できると踏んでいると思われます。
 いずれにせよ、ロシアがいるかぎり、シリア問題ではもう国連安保理は機能しません。アラブ連盟、国際刑事裁判所、国連人権理事会、国連総会などを総動員して、まったく新しいかたちの国際人道問題介入システムを模索する必要があります。
 アナン調停はおそらくそれを見越し、「やるだけのことはやった」とするための「手続き」にすぎないのでしょう。そんな手続きのために、また何千人か殺害されるわけです。直接自分の手を汚してはいませんが、ロシアの行為こそ「人道に対する罪」ですね。
  1. 2012/04/04(水) 23:25:16|
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やっぱりテポドンが怖い?

 私は関東在住なので放送されたかどうかわからないのですが、大阪・毎日放送の夕方ワイド「ちちんぷいぷい」にテポドン関係でコメントを提供しました。それでやっぱり感じたのですが、この雰囲気ですから、どうしても世間様は「迎撃」が前提なのですね。
 何日か前には、石垣島への修学旅行がキャンセルなどという報道もありました。もともと「万が一」という話だったのですが、「万が一」⇒「あり得る」⇒「備えよ」⇒「迎撃」というイメージのバブル状態みたいになっちゃっています。それはゼロではないですが、「ほとんどゼロ」という概念は今はもう通用しないようです。そのうち、交通事故の可能性がゼロではないから、修学旅行は中止!なんて話になってしまうかも。
 韓国や台湾でも似たようなことになっていますが、それも気分的なものですね。陸上に何かが落っこちるとすれば、確率的にはどちらかというともうちょっと先の、フィリピン、インドネシア、オーストラリアあたりのほうが可能性は高いと思いますが。
  1. 2012/04/04(水) 22:08:42|
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イラン女性忍者教室が暗殺者養成機関?

忍術習う女性を「暗殺者」と報道 ロイターにイラン抗議(共同通信)
忍術習うイラン女性を「暗殺者」と報道し、取材許可停止に(CNN日本版)
 ロイターが面白がって「イランの暗殺者養成で女性数千人が忍者修行」とのタイトルをつけてしまったそうです。東スポじゃないのだから……。

 元ネタはこちら。イランの英語TV「プレスTV」が1月に放送した番組です。
▽イランで女性忍者教室大流行(イラン「プレスTV」番組のユーチューブ映像。全編英語です)
 忍術というよりカラテに近い武術の一種ですね。ショー・コスギの「ニンジャ」シリーズみたいな感じです。戸隠流の流れをくむ武神館という流派のようです。
 ちなみに、ユーチューブでもっとも評価を集めたコメントが「Japanese people are also surprised.」でした。が、別に驚きはしませんね。なんとなく予想通り。


  1. 2012/04/04(水) 13:15:28|
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北朝鮮・軍部が外務省案を却下?

韓国紙『東亜日報』日本語web版の4月4日早朝の配信記事「外務省が申し出た打ち上げ延期、金正恩と軍部が黙殺」
 概要は以下。
▽ソースは「北朝鮮事情に詳しい消息筋」
▽2・29米朝合意の頃、北朝鮮外務省が金正恩に「5月に米朝合意の履行が難航するため、同月はじめにそれを口実にロケット打ち上げを発表すべき」と進言
▽朴道春・労働党軍需書記と李英稿・人民軍総参謀長、金英徹・偵察総局長が4月15日前後に実行することを主張。彼らは「平和目的の衛星だと主張すればいい。ウラン濃縮計画停止を求める米国が容易に局面を崩すことはできないだろう」と反対。
▽金正恩は軍強硬派の意見を聞き入れた。
とのこと。
 ウラがとれた情報ではありませんが、大方そんなところだろうと思いますね。
  1. 2012/04/04(水) 12:45:08|
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イージス艦は高高度を通過する中距離弾道弾も迎撃できそう

 先般のJBPRESS記事「北朝鮮の衛星を撃ち落とす?政府の過剰反応は国民向けパフォーマンスだ」で、イージス艦搭載の対空ミサイル「SM-3」の最大上昇限度について、確証がなかったので「推定で約250km程度」と書きました。よく知られているように、2008年2月に米軍が、不具合を起こした偵察衛星をSM-3ブロック1Aで破壊したのですが、それがほぼ高度250km。迎撃実験など過去の発射の中で、もっとも最高高度に達した実績が、その高度だったわけですね。
 ところが、そもそも同ミサイルは「迎撃高度70~500km」を目標数値に開発されたものだそうで、実際に欧州の陸上配備型バージョンの配備計画をみると、500km上昇できることが前提になっていました。当然、絵に描いた餅を前提に配備計画を立てるわけはありませんから、やはりSM-3は実際には500km以上の上昇能力を持っている可能性がきわめて高いようです。
 以上は『週刊オブイェクト』のJSF氏よりご教示いただきました。氏の下記まとめサイトが詳しいです。
▽togetter イージス艦ミサイル防衛SM3ブロック1Aの迎撃高度
 そうなると、たとえば今回の北朝鮮衛星打ち上げロケットが沖縄上空を通過する際、おそらく高度400km以上を通過するため、SM-3では届かないと思っていたのですが、届いてしまうことになりそうです(そんな高度の飛翔体を勝手に撃破したら政治的に大問題ですが)。
 今回の打ち上げは、北朝鮮の発表によれば高度500kmということですが、仮にさらに高い弾道軌道をとる中距離弾道ミサイルの場合でも、少なくとも上空通過高度が500km以下であれば、高度的には届くことになるようです。なお、上記の開発目標では、最大射程も1200km。凄い守備範囲ですね。
  1. 2012/04/03(火) 20:14:55|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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