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ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

ポスト田中防衛相は?

 昨日、TBS「ひるおび」に電話コメントを採用していただきました。北朝鮮ミサイル(衛星)問題と田中防衛相問責問題について話をさせていただきました。
 消費税国会の政局カードとして野党がぶち上げていた田中防衛相問責決議案ですが、どうも昨日頃からトーンダウンしています。報道によると、「北朝鮮ミサイル問題の最中での提出は時期尚早」論が出ているということですが、要するに政局カードとして今ひとつというところなのでしょう。

 もっとも、北朝鮮ミサイルの問題で、防衛相が独自に決断する局面はまずありません。実際のところ、政治判断は首相ですし、オペレーションは統幕長や航空総隊司令官となります。
 それよりも、防衛相のいちばんの役目は、防衛省・自衛隊と官邸・内閣の調整をきちんとやることで、とくに防衛相・自衛隊の要望を官邸・内閣に適切に伝達し、それを通すことが要求されます。他の省庁の大臣と同様に、そこは官僚(防衛省の場合は制服幹部含む)の代弁者という側面はありますが、単に代弁するのではなく、自ら大局的な政治的判断を行い、内閣での防衛政策をリードするとともに、政策を現場に適切に指示することも必要です。
 昨年の震災のときはちょっと例外でしたが、普段は、オペレーションよりはマネージメントの部分で、政治面での指導力が要求されるわけですね。もっとも、そこまで出来たら理想ですが。

 大臣のもっとも重要な役割はポリティクスですが、そうとなれば、今ならやはり懸案事項は米海兵隊再編&普天間移設です。
 田中防衛相は31日、名護市の稲嶺市長ら沖縄県北部12市町村の首長、続いて仲井真知事と会談し、辺野古移設への理解を求めました。この問題は、首相が路線変更しないかぎり、防衛相は何もできません。誰がやっても同じですね。できれば首相に政策変更を説得できればいいのですが、それは実際には田中氏以外でもなかなか難しいものがあります。
 一方、昨日はアメリカでF35調達延期が決定されました。これで空自のFX計画が大混乱に陥ることが確実です。海兵隊再編もそうなのですが、今後、アメリカの防衛予算削減を震源とする想定外の(F35遅延は想定内でしたが)難問が次々と生じる可能性が高いわけです。日本はその都度、それまでの防衛政策の変更を余儀なくされますが、そこで政治と現場を調整し、最適の政策を探る役目が、防衛相には要求されます。ただし、どんな政策をとっても誰かからは批判されるし、しかも上手くいかなかったときは責任者として徹底的に糾弾されます。
 いずれにせよ、今、防衛相というポストは地雷のようなものになっています。とくに普天間問題が好転する材料はなく、誰がなっても損な役回りになっています。
 政治家たるもの、この難役に挑んでこそ男子の本懐ではないか!などと批判するのはたやすいですが、自ら火中に飛び込むのはなかなか勇気の要ることでしょう。実際、ちゃんとした「なり手」がいないので、田中氏にババが廻ってくるような状況になっていたわけです。野田総理も、「私は素人」発言をきっかけに自爆した一川大臣の後任にさらに素人の田中大臣では、こうなることはわかっていたのでしょうが、他に人がいなかったのでしょう。主な防衛通の政治家の先生方も、外からは「逃げ回っている」ようにしかみえません。
 さて、いずれにせよ田中大臣は近い将来更迭されるでしょうが、沖縄県の方々からは罵声を浴び、国会では怖い怖い石破議員や、玄人の佐藤正久議員などから抜き打ちテストを受けなければならない防衛相ポストを、誰が引き受けるのでしょうか?
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  1. 2012/03/31(土) 17:47:11|
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100kg衛星を飛ばすことは可能か

 昨日、TBS「Nスタ」にてコメントを採用していただきました。
 北朝鮮のロケット打ち上げについて、「現時点で1トン級の弾頭を1万キロ以上飛ばすICBMは無理だろうが、100kg程度の衛星なら飛ばせる可能性はある」ことと、ちょうど米国防総省高官が「韓国、沖縄、フィリピン、インドネシアなどに破片が落下して被害が出る可能性がある」と発言したことに対し、「沖縄の島に落下する確率はきわめて小さい」ことをコメントしました。
 航空自衛隊は、イージス艦に護衛のF-15をつけるそうです。いい訓練にはなりますね。
  1. 2012/03/30(金) 10:04:14|
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北朝鮮衛星は100kg?

 イランの衛星が50kgだったので、北朝鮮の衛星も50kg以下ではないかと書いていたのですが、本日、北朝鮮は衛星が100kgだと発表しました。イランの2倍ということは、そこそこ自信を持っているのかもしれません。
 もっとも、自己申告ですから、実際はわかりません。あの国のことですから、2倍くらいは平気で過大申告しそうですね。重量など外部の第三者には確認のしようがありませんし。
  1. 2012/03/29(木) 17:59:58|
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JBPRESS「北朝鮮の衛星を撃ち落とす?」

「破壊措置命令」などということになり、なにやら大げさな話になってきています。日本に落ちる・・・まず考えられないですね。というわけで、JBPRESSに寄稿してみました。
▽北朝鮮の衛星を撃ち落とす? 政府の過剰反応は国民向けパフォーマンスだ(JBPRESS)
 また、同じ北朝鮮ネタですが、現在発売中の『週刊朝日』『週刊現代』にコメントを採用していただきました。
 さらに、TBS「ひるおび」でも電話コメントを録りました。ボツでなければ明日(もう今日ですが)、声のみ出ます。
  1. 2012/03/29(木) 02:18:42|
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朝鮮労働党第225部&保衛司令部

 北朝鮮で2009年に党から内閣に所属が変わって縮小再編されたとされる秘密工作機関「内閣第225局」(旧・朝鮮労働党対外連絡部)が最近、韓国メディアでときどき「朝鮮労働党第225局」と表記されるようになってきたので不思議に思っていたのですが、北朝鮮情報の第一人者である関西大学教授の李英和先生から、その経緯をご教示いただきました。
 李先生によると、いったん2009年に内閣所属に格下げされた「第225局」は、その1年後に再び党所属に格上げ改編され、正式には「朝鮮労働党第225部」となったそうです。北朝鮮では内閣所属と党所属では格がかなり違うので、いったん内閣所属に都落ちした組織が、内閣で持て余され、党に再び引き取ってもらったことになります。
 とはいえ、第225部の凋落は明らかで、以前ほどの権勢はありません。ちなみに、中井洽・衆院予算委員長(元拉致問題相)と拉致問題で交渉予定だったとされる宋日昊・日朝交渉担当大使はこの旧・対外連絡部(現・第225部)から外務省へ出向している人物だそうです。
 
 ところで、ちょっと前の朝鮮日報に興味深い記事がありました。
▽北朝鮮軍を震え上がらせた「死の3人組」(朝鮮日報 3月23日)
 今年初めの北朝鮮軍部の粛正は、金正覚・軍総政治局第1副局長が主導し、禹東測・国家安全保衛部第1副部長とチョ・ギョンチョル保衛司令官が大きな役割を担ったという情報があるようです。つまり、軍総政治局、国家安全保衛部、軍保衛司令部が組織だって行ったというわけですね。
 このうち、、金正覚(次帥)と禹東測(大将)が軍や国民を監視しているということは両人の出世からも明らかでしたが、ここでチョ・ギョンチョル保衛司令官(上将)の名前が出てきたことが注目ですね。
 保衛司令部は事実上の軍内秘密警察である憲兵部門で、一時期は故・金正日が重く扱い、国家安全保衛部に匹敵する実力組織とみられていました。が、金正日が08年に脳卒中で倒れ、世襲体制を睨んだ権力構造の再建に取り組んだ際、国家安全保衛部に再び権限が集中され、保衛司令部の権限が若干縮小された形跡があります。
 そのとき、それまで保衛司令官だった金元弘(大将)が総政治局組織担当副局長に回され、チョ・ギョンチョルが跡を継いでいますが、軍内思想警察としての機能・権限は総政治局が強化された印象がありました。現在もどちらかといえば総政治局と国家安全保衛部の権限が突出していると思いますが、再び活動を活発化しつつある保衛司令部と、その責任者であるチョ・ギョンチョルの、今後の動向にも注目です。
  1. 2012/03/26(月) 16:24:29|
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シリア爆弾テロの犯人について

 少し前のエントリーで、シリアの爆弾テロに関して言及しました。政府側は「テロリストの犯行」、反体制側は「政権の自作自演」を主張していましたが、いずれもそれらを断定する根拠はないことを紹介しました。
 その後、「レバント防御アル・ヌスラ戦線」(Al-Nusra Front to Protect the Levant)という組織が犯行声明を発表しました。レバントというのは、現在のレバノン、シリア、パレスチナ、ヨルダンを合わせた地域の呼称です。同組織はいわゆるスンニ派原理主義の組織ということで、犯行は「スンニ派の復讐だ」ということになっています。
 このレバント防御アル・ヌスラ戦線に関して、反体制派のフェイスブックではさまざまな議論が発生しています。多くは「そんな組織名は聞いたことがない。アサドの自作自演テロのためのダミーだろう」という、いわゆる陰謀論です。
 同組織名でのステートメントはたしかに、今年1月23日が最初ですから、きわめて最近に出てきた名前です。ですが、私自身は、可能性としては、実在してもおかしくないと考えています。
 たとえば、イラク戦争の頃に、シリアからも多くの若者が義勇兵としてイラクに行き、スンニ派系の武装ゲリラに参加していましたが、その残党を中心とした仲間内グループが、おそらくすでにシリア国内いくつかあると思います。イラクのスンニ派系ゲリラにはアルカイダ系の人脈もあったので、そちらのつながりもあるかもしれません。
 アフガニスタンでビンラディンらと行動をともにしたシリア人も何人もいますが、その残党が参加しているかどうかはわかりません。なので「アルカイダ系」という括りでは考えられないかもしれませんが、少なくともイラクの反米スンニ派ゲリラの流れを汲む、すなわち爆弾(自爆)テロを常套手段とする勢力そのものは実在すると考えていいと思っています。

 それと、自作自演説にはいくつか無理があります。
 まず、シリアの現在の状況は、アサド政権側がまだまだ圧倒的優勢状態にあって、自作自演するほど追い詰められていません。陰謀は露呈したときのダメージが大きいですから、以前も書きましたが、それほど危険な橋をわたる意味が、アサド側にはないと思います。
 そもそも、アサド政権は反対派を殺戮することになんの躊躇も示していませんし、海外の圧力も無視するだけですから、わざわざ大掛かりな自作自演をする必要性がありません。そんなことより、国内はすでに反乱軍とのバトルになっていますから、純粋に「どちらが、より相手を攻撃できるか」を競う状況になっています。ダマスカス中心部の治安機関が狙われたとなれば、圧倒的に反乱軍側の得点になります。
 それに、仮に自作自演をしようとしたとしても、郊外の検問所あたりを吹き飛ばせばいいことですから、なにもわざわざ政権中枢の近傍を爆破する必要はありません。
 というようなことを考えると、これは私の推測にすぎませんが、やはり反体制派の中のスンニ派過激派の犯行ではないかなという気がします。

 ところで、いずれにせよ、ここまで国民の虐殺が続けられる異常事態のなか、反体制派にもさすがに武闘派が増えてきています。そんななか、国際人権団体「ヒューマンライト・ウォッチ」が先日、シリア反体制派による暴力を非難する声明を発表しました。
 昨日、CNNインターナショナルがその件をかなり大きく報じていて、自由シリア軍が捕虜にしたシャビーハに暴行した件や、処刑した件を詳しく伝えました。シャビーハを吊るし首にした場面の映像までそのまま放送していましたが、アメリカのテレビ局各社(新聞各社も)は原則的には残虐映像を流さないものなで、その点はちょっと驚きました。
 もっとも「戦場」とはそういうもので、シャビーハへの暴行・処刑くらいでは私自身はあまり驚きません。法的に問題がないわけではありませんが、自ら武器を持って住民殺戮に加担した以上、殺されても文句は言えないと思っています(そもそも、私はビンラディンやサダム・フセインやカダフィなどの最期に同情的な声が人権方面であることに、逆に違和感があります。戦場経験者だからでしょうか)。
 ただ、警戒すべきは「アラウィ派」コミュニティに対する報復暴力です。これは反乱軍といえども自制すべきで、そこは国際メディア、国際社会がきちんと注意を払うべきところかと思います。
  1. 2012/03/25(日) 11:58:40|
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中国首脳の権力闘争スパイ戦

 これは面白いですね。
▽解任の重慶前副市長、習副主席らを盗聴か 香港誌報道(朝日新聞)

 このたび解任された薄熙来・重慶市党委員会書記は、習近平次期政権のキーパーソンといわれていた人物。父親が元首相という太子党の筆頭格ですが、マフィア撲滅などの剛腕政治でポピュリスト的なスタンドプレーに批判はありましたが、手堅い官僚型政治家揃いの現中国共産党幹部のなかで、比較的大衆人気のあるニューリーダーでした。この薄熙来が失脚したということは、中国共産党ではそれはたいへんな権力闘争があったということを表しています。
 で、今回、その失脚の本当の原因について、香港誌『亜洲週刊』が、「薄熙来の右腕で、同じく解任された王立軍・副市長兼市公安局長が、市公安局を使って、重慶を視察した習近平や呉邦国・全国人民代表大会常務委員長、賀国強・党中央規律検査委員会書記、李源潮・党中央組織部長らを盗聴し、薄熙来にその内容を報告していた」「党中央警衛局からも個人的な秘密や行動の内容を入手していた」「それがバレて最高幹部の怒りを買った」というのです。
 北京の政略に直結している香港誌1誌の報道ですから、真相はまだわかりませんが、本当だったら凄い話ですね。
 江沢民以降、中国共産党指導部はなにか凄みのようなものがあまり感じられない顔ぶれになっていましたが、かの国で権力を維持するというのは、日本の政治家などには想像もできない凄まじい戦いがあるのかもしれませんね。
 で、上記が事実だったと仮定して。
 まず、中国の公安局は無制限に盗聴する能力があるということがわかったことが面白いですね。こういうことができてしまうなら、使いたいという潜在願望は権力者層には常にあるでしょう。もしかしたら、もっと日常的に行われているかもしれませんね。
 もうひとつ興味深いのは、こうしたダーティ工作の敷居が下がった反面、陰謀が露呈する敷居も下がっているのではないかと思われることです。この手の陰謀は、どこかから漏れたらアウトですね。なので、諸刃の刃なところがありますね。
  1. 2012/03/24(土) 18:01:16|
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報道の加害性

 現代ビジネスで下記の『フライデー』記事がアップされていました。良記事です。
▽原発事故直後、「患者を捨てて逃げた」と報じられた院長たち。誤報道はなぜ起きたのか 双葉病院(福島・大熊町)の奮闘を「逃亡犯」に変えた新聞・テレビ(現代ビジネス)
 ノンフィクション作家・森功氏の新著『なぜ院長は「逃亡犯」にされたのか』(講談社)を元にした記事ですが、非常に重要な内容だと思います。
 こうした事例は、双葉病院だけのことではありません。メディア報道の難しいところのひとつに、こうした問題が常にあることが挙げられると思います。正確でない報道が他人を不当に傷つけてしまうことは、日常的に発生しています。
 上記は週刊誌記事なので「新聞・テレビ」だけを批判していますが、雑誌でもウェブメディアでも同じです。私自身、週刊誌編集部に在籍したことがありますが、新人のときの訓練として、抗議電話の対応を命じられたことがあります。私自身、まったく関与していない事件記事でも、事件関係者が「事実と違う」と抗議してくると、それに対応しなければならないわけです。
 いろいろなケースがあって、どんな事件でも見る角度で見方が変わるのはよくあることですが、ときには相手の言い分が正しいということもあります。とくに殺人事件の場合などでは、わずか1~2日の取材でその深い背景などわかりませんが、それで安易に善悪のストーリーを報じると、真相から離れてしまうことが多々あります。
 なので、誰かをバッシングするような論調の報道では、どれほど深い取材がされているかが重要です。そこが甘いと、新聞・テレビほど影響力のない雑誌記事でも、当事者を大きく傷つけることがあるのだな、ということを、私自身はこの業界に入ってすぐに思い知らされたわけです。
 今の時代、報道は無敵の暴力装置でもあると思います。

 ところで、上記とは違う話になりますが、例の放射線報道で思うのは、危険派メディアの加害性が自覚されていないのではないかな、ということです。
 危険派は「(放射線)安全派は殺人者と同じ」と糾弾しますが、危険派もその報道によって、放射線被害妄想を伝播し、本来なら家や仕事を捨てる必要のなかった人に故郷や職場を捨てさせ、離れる必要のなかった家族を離散させ、本来行われるはずの復興事業を妨害し、もしかしたら高齢者を不当に早死にさせてしまっている可能性もあるわけです。
 放射能汚染を心から信じきってしまっている記者さんならしかたないですが、危険派メディアあるいは任意団体の中に、もしも自分たちの組織が主張していることに疑問を持っている記者さんがいたなら、この加害性をぜひとも考えていただきたいと思います。

 さらに上記とは違う話ですが、最初からダメダメな報道もあります。
 私の故郷は被災地なので、メディアがよく取材に訪れるそうです。取材を受けた経験のある知人も何人かいます。
 そんな中で聞いた話ですが、ある人がテレビの取材を受けたら、全く真意でない方向にコメントが使われ、それが原因で不当なバッシングを受けるはめになった人もいるということです。どうやら取材者が最初からある方向で報じたい意思を持っていて、なにがなんでもそういう構図でコメントを繋いだようです。完全に騙し討ちですね。
「取材の依頼が来たらどうすりゃいい?」と、故郷の友人に聞かれました。ちょっと考えて、私はこう言いました。
「なるべく受けないほうがいいと思う」
 私自身、取材側にいる立場として、どの口が言ってんだかと自問しつつ・・・
(上記は、「自分たちの声を聞いて欲しい」「忘れないで報じ続けて欲しい」という被災者の声があることを否定するものではありません。そうした報道は重要なことであることも承知しています。ただ、メディアはときにひどいことをすることもある、ということは指摘しておきたいと思います)

(追記)
 今朝(24日)の読売朝刊の震災検証記事内に、原発近くの某病院(双葉病院ではありません)の話が載っていました。スタッフ60数人のうち、40人以上が自身の被曝を恐れて、入院患者を置いて逃亡したとのことです。双葉病院のデマ報道とは違い、これだけ時間が経過し、関係者の取材をきっちり行なっている記事ですから、事実なのでしょう。
 当時の原発隣接地は、誰もが「自分も死ぬかもしれない」と思うような状況ですから、患者を捨てて逃げた人を安易に責めることはできないでしょう。しかし、患者を捨てずに残った人は、紛れもなく素晴らしい方々だと思います。ここで難しいのは、結局、残った人を賞賛するということは、逃げた人に対する軽蔑が含まれてしまうわけですね。逃げた人も被災者ではあるのですが・・・。
 情報がまったくない震災直後に、パニックになるのはしかたがありません。いわき市の友人も、3月14日の2回目の水素爆発(3号機)のときは「もう終わりだと思った」そうです。
 しかし、その後、放射能汚染の状況も徐々に判明してきて、今では県内のほとんど地域が生活(健康)に問題ないことがわかっています。それでも、まだまだ医療従事者が不足していて、つい先日も、福島県が就職説明会を東京で開催したところ、300人を見込んでいた来場者が、たった5人しか来なかったそうです。
 自分の命を縮めるほどの被曝の危険があるなら、それもしかたないと思いますが、そうではないわけですね。医療スタッフが足りなければ、助かる命が助からないということも起こるかもしれません。
 そういうことを考えると、やっぱり報道の加害性ということを考えてしまいます。問題なのは、被曝を恐れる看護師さんたちではなく、メディアのほうだと思います。
  1. 2012/03/23(金) 11:14:39|
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JBPRESS「衛星を打ち上げる北朝鮮の理屈」

 JBPRESSに寄稿しました。

▽イランがやったのだから我々も! 衛星を打ち上げる“札付き”北朝鮮の理屈 (JBPRESS)
  1. 2012/03/23(金) 07:14:59|
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北朝鮮ミサイル発射の意図

 新聞各紙やテレビで北朝鮮のミサイル発射に関する評論をひととおり拝見しての感想です。

 北朝鮮の意図は外部にはわかりようもないので、結局は推測するしかないですが、私は、北朝鮮は単に金日成生誕100年の祝賀行事として、本当に衛星を打ち上げたかったのではないかなという気がします。
 周知のとおり、北朝鮮は先日、アメリカと食糧支援とウラン濃縮一時停止のバーターを骨子とする米朝合意を行っています。それだけ食糧事情が厳しいということですが、これは北朝鮮側の強い意思でまとめられたもので、北朝鮮側は本気だったのだろうなと思います。
 北朝鮮政府にしてみれば、なんとか一時しのぎの食糧を手に入れる算段はついたけれども、何か正恩の指導力を誇示するような派手な演出が欲しい。だが、核実験も長距離弾道ミサイル実験も先の合意で一時停止することになっている。対南挑発の軍事行動でもアメリカの反発も目に見えている。そうだ、人工衛星打ち上げなら問題あるまい・・・・というような発想だったのではないでしょうか。
 もちろん軍事的にみれば、人工衛星打ち上げは弾道ミサイル発射実験と同じことになりますが、北朝鮮政府はおそらくそうは考えなかったのでしょうね。人工衛星打ち上げは主要国が日常的に行っていることであり、国際機関に事前報告するなど正当な手順を踏めば、問題ないだろうと考えたのだと思います。
 実際、事前の報告も、予定軌道も、理に適ったやり方であり、北朝鮮側からすれば、なぜ世界中から反発されるのか理解できないかもしれません。
 北朝鮮の脳裏にあったのは、まず間違いなく昨日のエントリーで詳しく紹介したイランのサフィールがあると思います。事実上、テポドンとほぼ同レベルの中距離弾道ミサイルであるサフィールのシリーズで、イランは人工衛星を衛星軌道に乗せることに成功しています。イランだって結局は許されたことであるし、同じことをしてもなんら問題はない・・・と北朝鮮は考えたのでしょう。
 軍事的な実験が主な目的であれば、まだ実験していないムスダンが使われる可能性もありますが、今回は北朝鮮最大の祝賀行事の目玉として、絶対に「失敗は許されない」ことを考えると、すでに実績があるテポドン2改が使用される可能性が高いのではないかと思います。むろん数少ない発射の機会ですから、パワーアップしての射程延長の実験の面はあるでしょう。前回、3000km超でしたが、それをどれだけ延ばしてくるかがやはり注目です。

 あと、これは今後、注意深く見てかなければならない点ですが、北朝鮮政権中枢で、意思統一がきちんとされていない可能性もあるかもしれません。現在の金正恩政権は、このような重大事項は少なくとも張成沢と李英鎬総参謀長を中心に、党&軍部上層部のコンセンサスがまとめられているものと思われますが、北朝鮮側の揺れる対外政策は、意思統一のしくみが混乱していることを表しているのかもしれません。

 ところで、防衛省はPAC-3を沖縄に配備し、イージス艦も展開させて破壊措置の準備に入るようです。前回もそうでしたが、弾頭に爆弾が積まれていないミサイル本体が仮に失速したり、ブースターが計算違いの切り離しなどによってどこかの島に落ちてきた場合でも(確率的にはゼロコンマ・レベルですが)、直撃破壊しても落下物の危険性は排除できません。というか、破片が散って、確率的には余計に危なくなります。何をしたいのかよくわかりませんが、いずれにせよまず起きないだろうことではあるので、よい出動訓練にはなるでしょう。
  1. 2012/03/20(火) 09:23:22|
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ダマスカス中心部で銃撃戦

 ダマスカス中心部のマッゼ地区で政府軍と反乱軍の激しい銃撃戦が発生し、多数の死者を出した模様です。アレッポでも爆弾テロが発生し、シリアの流血はいよいよ2大都市内に及んできています。
 もっとも、反乱軍の武装はまだ弱体なので、政権を転覆させるほどの勢いはまだありません。海外からの武器援助が本格的に始まれば、事態は急速に変わってくるとは思うのですが。
 シリア国民を救うためのアナン元国連事務総長の調停活動などが、逆に事態の推移を遅延させているようにも見えます。国連停戦監視団を派遣するといいますが、アラブ連盟の調査団と同じ話の繰り返しになるだけと思います。
  1. 2012/03/19(月) 23:30:21|
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イラン衛星と北朝鮮ミサイル

 北朝鮮のミサイル発射実験(衛星打ち上げ)が、私の予想よりは大きく注目されています。
 けしからん、というのが当然ながら大方の見方ですが、じつは日本の安全保障を考えた場合、北朝鮮がどんどん長射程のミサイルを開発してくれたほうがベターだという逆説は、わかるでしょうか?
 というのも、北朝鮮の核・ミサイル開発のうち、日本が警戒すべきは、核の小型化による弾道ミサイル搭載だけです。ミサイルはすでに「ノドン」「ムスダン」の射程に入っていますので、いまさらテポドン2改の長射程化を気にする必要はありません。あれは、アメリカの問題です。
 ところが、アメリカは北朝鮮のミサイルの射程が短く、アメリカ本土にはまだまだ届かないため、北朝鮮の核問題に対してこれまで余裕がありました。中東や中央アジアの問題のほうが喫緊の問題なので、北朝鮮は後回しでいいというスタンスですね。たとえ日本が核ミサイルの射程に入っても「まあいいや」ということです。
 しかし、北朝鮮がどんどんミサイルを開発し、アメリカ本土が危ないとなれば、アメリカも本気で北朝鮮対策を考えることになります。(日本にとって)うまくいけば、アメリカが北朝鮮の核施設を軍事攻撃で破壊してくれるかもしれません。日本の安全保障を考えた場合、北朝鮮が核ノドンを開発する前に、アメリカが北朝鮮を軍事攻撃してくれるのが最良のシナリオです。本来なら、日本がやっちゃっていい局面ですが、自衛隊にその能力はありませんし、日本国民にもその覚悟はありませんから、他人任せが最良の選択なのです。
 とはいえ、そう簡単に日本に都合がいい戦争は起きませんが、少なくとも、アメリカがもっと本気になれば、北朝鮮の核ミサイル開発に何らかの大きな圧力をかけることができるかもしれません。具体的なイメージでいえば、アメリカが本気の軍事的措置をちらつかせて北朝鮮に迫れば、北朝鮮は震え上がって核ミサイル開発で妥協する可能性がきわめて高いと思います。1994年の金日成=カーター会談のときと同じです。
 要は、アメリカが本気かどうかということです。アメリカを本気にさせるために、北朝鮮にはどんどん長距離弾道ミサイルを開発していただきたいものです。

 ところで、北朝鮮は今度のミサイル発射実験(ロケット打ち上げ)を、外国のプレスや専門家に公開したいとの意向を示しています。で、いちおう衛星らしきものを搭載するでしょう。
 北朝鮮は2009年の発射実験では3段式のテポドン2改で飛距離3000km超を達成。衛星の軌道突入には失敗(いちおうやろうと試みたものと推定される)したものと思われます。
 今度の打ち上げで衛星が軌道に乗るかどうかはまったくわかりません。前回から3年でいっきにロケットの飛距離がアップとは考えにくいですが、重量がわずか数十kgで、大気圏への再突入体も不要な衛星であれば、パワーに劣る中距離弾道ミサイルでも最後の衛星体を秒速8kmレベルで衛星軌道に乗せることができるかもしれません。
 それを実際にやってのけたのが、北朝鮮と密接な協力関係にあるイランですね。イランは準中距離弾道ミサイルのジャハブ3を元に開発した宇宙ロケット「サフィール」で、すでに衛星打ち上げに成功しています。シャハブ3はもともと北朝鮮の協力を得て開発されたもので、ノドンをもとに作られたといわれています。サフィールは2段式なので、要するにテポドンに相当するものと考えていいかと思います。射程は推定2000kmで、イスラエルが射程に入ります。
 サフィールによる衛星「オミド」の打ち上げは、2008年に失敗し、2009年2月にサフィール2によって成功しました。オミドは推定30kgの小さなものですね。
 その後、サフィール1Bが2011年6月、試験衛星「ラサッド1」の打ち上げに成功。今年2月3日には、新型の「サフィール2/BLOCKⅡ」が、地球観測衛星「ナヴィード・エルモサナト」の打ち上げに成功しています。ちなみにラサード1の重量は約15kg、ナヴィード・エルモサナトの重量は推定50kg。サフィール2/BLOCKⅡは3段式で、おそらく性能的にはテポドン2改に相当するものと思われます。
 つまり、重量数十kgのものであれば、テポドン2改クラスの中距離弾道ミサイルでも衛星軌道に乗せることが可能だということです。
 ですが、そこからICBMへは大きな技術的な壁があります。弾道ミサイルとして運用するなら、やはり少なくとも700~800kg程度の弾頭は飛ばさなければなりませんから、桁違いの推進力が必要です。もちろん再突入体の開発も不可欠ですね。
(ちなみに、パキスタンのシャヒーン2の再突入体は約1トンあります。テポドン2改もほぼ同じくらいと推定されます。米露などの軍事先進国の核弾頭には数十kg級の小型のものがありますが、もちろん北朝鮮にはまだまだ無理な話です)
 なので、今回、友好国イランと同程度の技術を獲得していたとしても、せいぜい数十kg(最大50kgぐらいか?)の衛星モドキを軌道に飛ばすのがせいぜいだと思われます。軍事的には何より、第3段目ロケットの飛距離をどれだけ延ばしてくるかが注目です。
  1. 2012/03/19(月) 15:04:12|
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東京に「RUSI(英国王立防衛安全保障研究所)アジア本部」開設へ

 世界最高峰の安全保障問題研究機関「英国王立防衛安全保障研究所」(RUSI)が来月、ワシントンにに「RUSI-US」、東京に「RUSI-JAPAN」を開設します。RUSI-JAPANはアジア研究を統括する「アジア本部」という位置付けになります。(RUSIはその他、すでに2007年に中東研究拠点としてRUSI-QATARを作っています)
 RUSIといえば、『ワールド・インテリジェンス』誌でお世話になったNHK解説委員の秋元千明さんや防衛研究所主任研究官の小谷賢さんが客員研究員として活躍された研究機関ですが、そのRUSI-JAPANの初代所長(アジア本部長)に、秋元さんがNHKを退職されて就任されました。
 秋元さんといえば、軍事・安全保障問題の解説者として著名ですが、じつはインテリジェンス分野の専門家でもあり、これは今後の展開が楽しみになってきました。
 ちなみに、このたびRUSIの本部の副所長に就任したのは、あのジョン・スカーレット前MI6長官だそうです。対ソ諜報戦最後の大物としても有名な方ですね。

 ところで、『ワールド・インテリジェンス』でお世話になった専門家ということでは、『軍事研究』本誌で「インテリジェンス解題」シリーズを寄稿されている橋本力さんが、このたび米英共同のインテリジェンス専門誌『インテリジェンス&ナショナル・セキュリティ』の副編集長に就任されました。同誌はかのクリストファー・アンドリュー教授が編集発行人を務め、英米中心に世界的な著名研究者多数が編集委員に参加する権威ある学術誌です。
 橋本さんは現在、英国国立アベリストウィス大学大学院博士課程で研究を続けながら、同大学の学部でインテリジェンス論講座の教鞭をとられるなど、若手研究者としてキャリアを着々と進まれています。
 こうして多少とも縁のある方のご活躍を聞くのは編集者冥利(雑誌を潰してしまったダメダメ編集者ですが)に尽きるというか、たいへん嬉しいものがあります。
 もちろん自分への励みにもなります。よし、こちらも負けずに頑張らねば!
  1. 2012/03/19(月) 12:18:48|
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中国巡視船がガス田演習

尖閣の次はガス田、侵入中国船が領有主張の訓練(読売 3月17日)

 当然、そうなりますね。これは敵のやり方のほうが普通なわけです。重要なのは既成事実。言葉でいくら「抗議」なんかしても意味はありません。
 外交戦術上「領土問題は存在しない」と言うのは構いませんが、それで問題から目を逸らして無策を続けている間に、すっかり係争地にされてしまっています。「係争地ではない」と言い続けていれば係争地にならないと思っているのはわが日本だけです。どんな理不尽なことでも、事実上トラブルになれば係争地です。尖閣もガス田も、国際標準では領土紛争だと認識し、手を打たなければなりません。
 とにかく今すぐ実効支配の既成事実を積み上げないと、今後もどんどんやられる一方ですね。日本国民のひとりとして、ここは迅速な行動を政府に要求したいと思います。
  1. 2012/03/18(日) 17:49:51|
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ダマスカスで爆弾テロ

 17日、シリアの首都ダマスカス市内の空軍情報本部と税関・刑事治安部の前でほぼ同時に、車両爆弾による爆弾テロが発生。文民を中心に少なくとも27人が死亡しました。
 犯人は今のところわかりません。アサド政権は「テロリストの犯行」と主張し、反体制派は「当局の自作自演」と言っていますが、どちらもそれを裏づける証拠はありません。
 動機付けとしては、両者ともにあります。どちらが利益を受けたかといえば、これも両方あります。当局側は「やはりテロリストをやっつけないといけない」と言えるようになりますし、反体制派側も「もう政権中枢も安泰ではない」との宣伝効果があります。
 犯行を否定する材料も、双方にあります。政権側は、こうした陰謀が仮に当局側によって行われていたとすれば、それが露呈した場合には致命傷になる可能性があります。組織だった陰謀であれば、いずれ内部から告発される可能性もあるわけで、現時点で明らかに優位に立っている政権側が、あえてそれだけ危険な橋を渡るかは疑問です。
 他方、反体制派側も、こうしたテロはもともと宣伝効果を狙ったものが多く、犯行声明を出さないということは、なかなか考えづらいものがあります。反体制派にも諸派があって、必ずしも意思が統一されてはいませんが、少なくとも実行犯ならば、その成果を誇示したいのではないかと思われます。頑なに犯行声明を控えている理由がわかりません。
 いずれにせよ、確たる証拠がないので、このテロの犯人はまったくわかりません。
  1. 2012/03/18(日) 13:38:35|
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北朝鮮がICBM開発?

 今朝の朝刊をパラパラと読んでいたら、「アメリカ当局が、北朝鮮がICBMを実現化したかもしれないと考えている」というような記事が掲載されていて、ちょっと驚きました。3000kmのロケットと1万km級のロケットでは技術的に大きな差があり、2009年のテポドン2改(推定飛距離3000km)から急にICBMに進化するなどということは、ちょっと考えにくいものがあります。
 たしかアメリカのパネッタ国防長官(※訂正⇒すみません。ゲーツ前長官でした)は「北朝鮮が5年以内にICBM開発か」というようなコメントを出したことがありますが(昨年1月)、「5年」などというターム設定は「今のところまず無理」と言っているに等しいものです。また、昨年末に『ワシントン・タイムズ』が「北朝鮮はムスダンをもとにICBM開発中」と報道しましたが、ロケットは単に大型化すればOKということでもないので、実現化はまだまだ先と思われます。
 もちろん北朝鮮の内部情報は厳重に秘匿されているので、実際のところはわかりませんが、もしもICBM完成だったら、これは一大事ですね。アメリカが黙っていないでしょう。
 続報を待ちたいですが、今のところはまあ話が先ばしっているように思います。
  1. 2012/03/18(日) 13:05:22|
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尖閣・領海内に中国船侵入

中国船、日本の領海内に一時侵入 尖閣沖 産経 3.16
中国監視船、尖閣で一時領海侵入 付近「巡視」公表  政府、官邸内に連絡室設置  日経 3/16

 もうボヤボヤしていられませんね。あちらが攻勢に出てきたわけですから、こちらもそれを口実に迅速な行動に出るべきでしょう。単に言葉上の「抗議」しかしていないから、相手にどんどん付け込まれるのです。
 まずは海保と3自衛隊の合同演習⇒海保と自衛隊の無人施設建設⇒防衛相と首相が上陸・・・と、このあたりまでいっきにやったらいいと思います。
 フィリピンやベトナムと歩調を合わせて抗議・・・なんて温いことを言っていると、取り返しのつかないことになるでしょう。
 中国と軍事的に緊張するのではないか?との懸念があるかもしれませんが、いいんじゃないでしょうか。現状の軍事力であれば、中国軍は日米軍に手は出せないでしょう。それに実効支配している側は現状維持ですが、変更を求める側は軍事挑発をしないと状況を動かせませんから、国際社会でも一方的に不利になります。ただし、抗議の応酬で時間が経過すれば、軍事予算の多いほうがどんどん有利になっていきます。
  1. 2012/03/17(土) 16:41:45|
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シリア革命:SNS参戦記(その4)

 シリアで民衆蜂起が始まって1年が過ぎました。
 現在、アサド政権軍は中部ホムス、ハマなどで大規模な殺戮作戦を済ませ、北部イドリブ、南部ダラアで引き続き大量殺戮作戦を継続しています。首都ダマスカスとその近郊でも同様で、最近はこれまで比較的静かだった第2の都市アレッポで流血が拡大しています。
 アサド政権軍はいまや、町を包囲して無差別砲撃⇒町を制圧⇒住民を逮捕・即時処刑という動きに出ています。軍中枢の命令によって組織的に行われていることですが、現場部隊側に戦場の狂気が浸透しつつあり、かなり危険なレベルに達しつつあります。
 もはや政治の段階ではありません。人道問題として、国際社会は一刻も早く軍事介入すべき局面だと思います。

 JBPRESSで連載させていただいていたシリアSNS参戦記ですが、第4弾を寄稿しました。
 いちおうこれでひとまず連載は終了の予定ですが、シリア情勢は何も解決しておらず、問題はこれからです。遠い極東の地から、今後ともフォローしていきたいと思っています。
▽街頭デモから内戦状態に突入するまでの1年の軌跡シリア革命:SNS参戦記(その4)JBPRESS
  1. 2012/03/16(金) 18:54:16|
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北朝鮮ミサイル実験へ

 本日、北朝鮮の朝鮮中央通信が、「4月12~16日の間に、地球観測衛星『光明星3号』を平安北道鉄山郡の西海衛星発射場から、ロケット『銀河3号』で打ち上げる」との朝鮮宇宙空間技術委員会の報道官談話を発表しました。宇宙ロケットとしていますが、要するに弾道ミサイルの実験で、それを4月15日の金日成生誕100年に合わせた国威発揚、金正恩のレジェンド作りに利用しようということです。
 なお、北朝鮮は先月、ウラン濃縮停止と同じく、長距離弾道ミサイル実験の停止も約束していましたが、早くもそれを反故にすることになります。要するにまた「人工衛星打ち上げであって、ミサイル実験ではない」と強弁するのでしょう。だいたい北朝鮮のやることはいつも、そんなものです。
 北朝鮮は2009年のテポドン2改の発射実験で(それも人工衛星打ち上げとの名目)、3000キロメートル超を飛ばしたとみられています。テポドン2改は射程6000キロメートルを目指しているとみられているので、今回、その飛距離を延ばしてくる可能性が高いでしょう。
 ちなみに、今回の発射地点は西部の中国国境近くですが、それも有事を想定した予行演習とみるのは穿ち過ぎでしょうか。

 ところで、その2009年のミサイル実験の際、東北上空をテポドンが横断するということで、日本中が大騒ぎになったことを覚えておられるでしょうか。日本に落ちてくる!とパトリオットが展開したりもしましたね。
(※以下、第一報直後に記述した第一稿に前提誤認がありましたので、一部訂正しています)
 北朝鮮の発表によると、南方の黄海方向への打ち上げになるとのことで、今回は日本上空を横切るということにはならないようですが、いずれにせよ今回はさすがにそんなに大騒ぎになることはないと思います。人は慣れる動物であり、とくに1度目に何も問題が発生しなければ、2度目はあまり動揺しません。メディアも2度目では、ネタとしては地味だということになります。そもそもテポドンで日本が騒ぐのはおかしいですが、肝心の核問題でも、日本はどれだけ危機感があるのでしょうか。(※追記⇒いちおう政府は万が一を考慮して破壊措置命令を検討中だそうですが)
 日本では誰もがこうやって鈍感になっていくわけですが、その間にこうやって北朝鮮は着々と核&ミサイル開発を進めていくわけです。先日の当ブログで紹介した『中央公論別冊』の巻頭言じゃないですが、まさに「ニッポンよ おまえはすでに負けている」みたいです。
  1. 2012/03/16(金) 13:50:57|
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震災1周年inいわき市

 震災1周年を、故郷のいわき市で過ごしました。かつての悪友たちがみんな、復興に向けて立派に頑張っていました。
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 高校時代のバンド仲間だった同級生がボランティアで参加していた「勿来の希望 鎮魂祭」。いわきは原発問題ばかりが注目されますが、津波で亡くなった方々もおられます。(※以下、写真はすべて慣れない携帯で撮影したものなので、クオリティはご容赦ください)
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 壊滅した久之浜地区です。
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 海岸に花を手向ける人々。久之浜地区にて。
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 津波で壊滅した薄磯海岸にある豊間中学校の校庭に積み上げられた瓦礫。岩手や宮城の瓦礫でさえ引き取り手がない状況ですから、こちらは絶望的ですね。放射能なんか付いてないのですが・・・。
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 3月10日の実測(平白土地区)は毎時0・27マイクロシーベルトなり。もちろんゼロではないですが、騒ぐほどでもない数値ですね。
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 壊滅した薄磯海岸。子供の頃から泳ぎまくった浜です。
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 警戒区域の検問所。今回は取材ではなかったので、行けたのはここまで。テロ警戒なのか、写メを撮っていたら氏名・年齢など細かく尋問されました。
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 おなじみのJビレッジ。後ろは煙を吐く原発・・・ではなくて、広野の火力発電所。広野は役場が帰還して話題となりましたが、見たところまだまだ帰還者は少ないようでした。
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 地震発生時刻の黙祷。「勿来の希望 鎮魂祭」会場にて。

 夜は同級生たちと呑んだりもしましたが、いわきは今、不動産バブル状態にあるそうです。原発作業員や復旧工事業者が集まっているほか、警戒区域の人たちの転入需要が多く、どんなボロでも貸家、アパート、ホテルはすべて満室。古民家も軒並み買収されて、土建屋さんの事務所や寮があちこちに出来ています。それでも足らずに、原発作業員などは茨城から通っている人も多いとのこと。仮設住宅は余っているのですが、法的に被災者収容以外には使用できないのですね。
 不動産のほか、羽振りがいいのは土木業、建築業、運送業、飲食業あたりですね。夜の町では、昨年までは原発関係者が多かったのですが、どうやら東電の自粛命令が出ているらしく、今ではもっぱら除染に携わる重機・ダンプ関係の業種の方々が中心らしいです。ありがたいお仕事ですが、ワイルド系の方が多いので、ちょっと荒れてるとの話も聞きます。

 放射線に関しては、人々の考え方はそれぞれですが、いわきは線量が低いので、みなさん普通に暮らしています。農作物も普通に作られていますし、基準値を超えないで市場に出回ったものは、たいていの人は普通に食べています。ただし、県外ではなかなか買ってもらえないので、農業は将来的にもなかなか難しいように感じました。
 賠償をめぐっての問題はやっぱり出てきています。が、カネの問題は、被災者批判タブーもあって、なかなか表面には出ません。復興に向けて頑張っている人がほとんどのなか、ちょっと悲しい話です。
  1. 2012/03/13(火) 13:25:02|
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ウラン濃縮査察 米朝の思惑

▽北朝鮮外務次官、IAEA要員受け入れは「近いうちに」(朝日新聞)

 寧辺のウラン濃縮施設については、北朝鮮はかねて公式に自分から整備計画を公表し、米専門家に見学までさせていました。つまり最初から見せ餌だったわけですね。
 北朝鮮側はこれを交渉の道具として時間稼ぎ&見返りゲットに利用しつつつ、隠れて別の核開発を進めたいという腹積もりの可能性がきわめて高いと思います。
 おそらくアメリカ側もそれは承知していて、この寧辺のウラン濃縮施設査察を突破口に、他の疑惑についてどんどん攻め入るつもりと思います。
 なので、結果的にはあまりうまくは進まない・・・という気がするのですが・・・・。
 北朝鮮の考えは誰にもわかりませんが、ひとつ確実なことは、彼らは偽装・欺瞞を立派な戦術と認識していることです。なので、この米朝の駆け引きはそのウラを注意深く見ていかなければなりません。
  1. 2012/03/13(火) 12:44:52|
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「中央公論別冊 北朝鮮の真相」

 10日に発売になった『中央公論別冊 北朝鮮の真相」に、「日本の安全保障を崩壊させる『秒読み』の核ノドン開発」および「恐怖のウラ部隊 工作機関&秘密警察の実像」という記事を寄稿しました。
中央公論別冊表紙2034_issue_img
(⇒アマゾン
(⇒u>中央公論新社HP案内

 当該2稿は、「核問題」と「工作機関」という私がこれまで取り組んできた分野の集大成のようなもので、かなり気合を入れて書かせていただきました。
 また、他の先生方の論考も非常に有意義なものが多く、ぜひお薦めします。

 ちなみに目次は以下になります。

COVER STORY
▽三代目権力継承を検証する 金正恩新体制、権力闘争の発火点  
李英和

▽金正恩体制の「躓きの石」 在日の国母・高英姫「敵対階層」の血脈
李英和

軍事脅威篇
▽真の脅威に気がついているか 日本の安全保障を崩壊させる「秒読み」の核ノドン開発     
黒井文太郎

▽彼らなりには論理的だが…… 兵営国家・北朝鮮の思考回路を解読する
村井友秀

▽金正日が達成したもの 体制維持を勝ち取ったチキンゲームの中身
阿久津博康

▽北を支える真の権力装置を解剖する 恐怖のウラ部隊~工作機関、秘密警察の実像     
黒井文太郎

パワーゲーム篇
▽「拉致敗戦」・行き場を失った日本 アメリカが和解に進むこれだけの理由
レオン・V・シーガル×松尾文夫  

▽「旧」同盟国の本音 悪いけどロシアは北朝鮮に特別な関心をもっていない
ワシーリー・モロジャコフ

▽奇形の同盟、その行方を探る 中国・北朝鮮双方の算盤勘定と甘えの構造
ロー・ダニエル

歴史篇
▽金王朝成立史
田中健之
第一部 前史・日韓併合から抗日パルチザンへ
第二部 金日成伝説の真実         
第三部 圧殺された朝鮮独立と南北分断
第四部 朝鮮戦争から金王朝成立へ  

資料
1,北朝鮮権力抗争地図              
2,北朝鮮の国家組織               
3,北朝鮮の弾道ミサイル             
4,朝鮮半島の軍事バランス            
5,朝鮮独立運動関係史年表            
6,朝鮮分断史年表                
(以上)

 また、編集部作成の「まえがき」も、要点をコンパクトに押さえてあり、非常にわかりやすいものになっています。社の公式HPに全文アップされていましたので、一般公開文書と勝手に判断し、こちらに転載します。是非ひとりでも多くの方に読んでいただきたい文章だと思います。

(以下転載)
北朝鮮の真相
ニッポンよ、おまえはすでに負けている

 金正日が権力を世襲した時、彼を取り巻く環境は最悪だった。北朝鮮の生みの親であったソ連はすでに存在せず、経済危機は深刻化し国民生活は困窮、軍事力では韓国に大きく水をあけられ、国際社会の敵意も増すばかりであった。
 金正日自身、父親のような「革命伝説」をもたなかった。そのため、対外強硬路線や軍への依存を高めることで地位を固めなければ、後継者にはなれなかった。
 ゆえに海外の視線は「体制崩壊は近い」というものであり続けた。特に日本では、この期待を込めた論調が世間に充満した。そのことが北に対する優位や勝利を意味するかのように叫ばれ続けた。
 しかし、金正日は敗れ去ったのあろうか? 旧式の通常兵器を使った恐喝外交と、打ってかわった対話外交とを使い分け、時間という貴重な戦略資源を稼ぎ出し、ついにミサイルと核を手にした。われわれからすれば「手にされてしまった」である。ここまで来たら、もはや誰も自分から先に手を出せない。周辺国は急速に関与政策に舵を切り始めている。
 さらにその結果、金正日は自分の息子に権力を丸のまま継承させることにも成功した。
 三代目、金正恩の登場を、体制崩壊への序曲ととらえる見方が多い。確かに北がどうなるかは誰にも分からない。しかし、なぜ楽観できるのであろう。
 この恐喝国家は、体制を何も変えないまま、核弾頭搭載ミサイルの完成へ、刻一刻と、近づいているのである。
ソウルを射程に捉えた大砲の存在だけで、米韓は北の核開発に対し手足を縛られることになった。もし、日本全土を射程圏に入れる核ミサイルが完備したら……。
 この北東アジアのポスト冷戦の二〇年近くを振り返った時、金正日は明らかに勝者である。そして情けないことに、敗者はわが日本なのである。ただ、そのことにどれだけの日本人が気づいているのだろうか?
  1. 2012/03/13(火) 12:21:13|
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『軍事研究』2012年4月号「アメリカ資料で読む中国サイバー戦」

 明日発売になる『軍事研究』2012年4月号に「アメリカ資料で読む中国サイバー戦 ~サイバースパイ部隊の組織と能力、その全容」という記事を寄稿しました。(⇒アマゾン
 同誌では何度かすでに中国サイバー部隊に関する記事を書かせていただいていますが、昨秋に新たな報告書が数点、アメリカで発表されていて、その内容について詳細に解説しました。

 同誌4月号の特集は「アメリカの対中国『エアシー・バトル』構想。他にも中国関連の記事が充実しており、軍事研究の分野もすっかり対中国軍モードになりつつあることがわかります。

 また、毎度勉強になる河津編集長の「合衆国海兵隊マリーンズ」連載ですが、今回は「海からの機動展開&海軍アリゲーター戦力」。アリゲーターはもちろん獰猛なワニですが、要するに水陸両用部隊のことです。
 他に個人的に気になった記事は、1pの貰い写真グラビアですが、「海上保安官inソマリア」。これ4pくらい見たいですし、海保の人でいいので、現地報告読みたいですね。

 また、毎度真っ先に目を通す北郷源太郎氏の「市ヶ谷レーダーサイト」。今回も全開です。田中防衛相をねちねちといじめる野党やマスコミを逆に叱っています。
「あの怖い奥さんにも耐えながら~」
「政治家たるすべての者が所詮は素人にすぎないのであって~」
 読者も賛否二分しそうな書き方ですが、そこが北郷節の妙味で、今回も楽しく拝読しました。
 私も国会で石破議員が大臣をいびっている場面をテレビで拝見しましたが、なんだか可哀想でした。ときおり答弁指名された渡辺周・副大臣や玄葉外相がちょっと嬉しそうに見えたのは私だけでしょうか。
  1. 2012/03/09(金) 13:15:51|
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北朝鮮謀略機関「偵察総局」を警戒せよ

 本日発売の『週刊新潮』にコメントを採用していただきました。
 記事は、「被災地で行方不明者の戸籍が北朝鮮工作機関に詐取(「背乗り」という)される可能性がある」という内容で、その話自体は私はまったくわかりませんが、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの金英徹に率いられる謀略工作機関「朝鮮人民軍総参謀部偵察総局」について解説しました。偵察総局が局長直々の指令により、中国北東部や韓国で、暗殺計画を含め、非合法工作活動を強化している痕跡があることはたしかです(その具体例は、もうすぐ発売になる中央公論別冊の北朝鮮特集号で詳述しています)。
 ウラン濃縮や核実験の一時停止を言い出したからといって、北朝鮮が突然「いい国」なると信じるのは早計だと思います。
  1. 2012/03/08(木) 19:58:12|
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「プーチン発言」報道の誤解

 ちょっと前のエントリーに書いたように、日本の新聞各紙が報道する「プーチンは2島返還で決着をつけたがっている」という分析に、私は大きく異論があります。権力者がプーチンであろうと誰であろうと、ロシアが「既得権益を手放すわけないじゃん」という確信があるからです。
 その根拠は、私自身の取材経験と、実際「プーチンは『2島返還したい』と言ったことは一度もない」事実です。「日本の外務省はなぜこちらが言明していない話を、いつも都合よく解釈するのですか?」と、かつて取材したロシア外務省の役人に言われたのはもうずっと前のことですが、まったく変わっていないと思います。
 プーチンの論点の裏読みについて(とくに平和条約の条件の内容について)、私とは必ずしも同じ分析ではありませんが、袴田茂樹先生が北方領土交渉楽観論を批判する鋭い論考を発表しています。
▽ロシア高官が驚いた日本のナイーブさ ~北方領土に関するプーチン発言の真意と日本の誤解(日経ビジネス・オンライン/袴田茂樹氏)
 私の見方では、日本外務省はナイーブなのではなくて、交渉継続しなければならない立場上、ナイーブなふりをしているのではないかなと思います(無意識かもしれませんが)。

▽野田首相:北方領土の2島返還、引き分けにならない(毎日新聞)
 ですから、プーチンは「2島返還する」なんて言っていません。その気があれば、きっちりと「日本側が2島を放棄すれば、こちらも2島返還する」となぜ明言しないのでしょうか? 言わないのは返す気がないからと考えるしかないと思います。
 これもインテリジェンス分析の基本ですが、誰かが「何を言ったか?」と同じくらい、「何を言わなかったか?」が重要です。明言を避けているフシがあれば、避けている理由があるわけです。
  1. 2012/03/08(木) 19:38:11|
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海兵隊移転で米側の要求アップ

▽沖縄海兵隊、米が日本国内移転を再打診 (TBS)
 岩国のことですね。それは米側はそう言うでしょう。
 沖縄県民の負担軽減と言っても、今度は山口県民の負担という話が出てくるわけで。それで今度はやっぱり空母艦載機は厚木に戻ろうかという話にでもなれば、次は神奈川県民の負担という話が浮上します。
 日本政府はこういう場合、決断先送りでしょう。いちおう拒否するでしょうが、そのうち米側が強硬に迫れば、「沖縄の負担軽減のために、痛みの共有を」ということになる可能性がありますね。あるいは、すでに織り込み済みで、アリバイとしていったん拒否しているだけかもしれませんが。

グアム移転で1千億円負担増、米が日本に要求 (読売新聞)
 やっぱりそう来ましたね。いちおう日本政府は拒否したようですが、これもどうなるかわかりません。以前のエントリーで書いたように、グアム移転は日本のためではなくて、米側の戦略ですから、向こうも最終的には予算を支出するでしょうが、それまでは日本に揺さぶりをかけてくるでしょう。カネの交渉ですから、駆け引きが重要です。安易に妥協しないでいただきたいですが。
  1. 2012/03/08(木) 18:48:53|
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金正恩の側近を的中

 シリア問題の記事を書くため、過去の自分のエントリーをざざっと読み返していたところ、北朝鮮新体制のキーマンを的中させていました。こういうのはいろいろ書いていれば、当たることもあるし、当たらないこともあるのですが、ちょっと自分で嬉しかったので書き残しておきます。
 以下、昨年10月6日の拙ブログです。

▽後継者の金正恩。9月9日の朝鮮中央通信の報道では序列3位となっていますが、2位の金永南・最高人民会議常任委員長は半ば名誉職なので、実質上は正恩が2位。というか、あの国では金正日だけが「絶対1位」で、その他は等しく「それ以外」なので、あまり序列は関係なく、金正日が「正恩を後継者」と決めた以上は、そういうことになります。
 ただ、まだ20代で経験がないので、現在は李英鎬・軍総参謀長を後見人に、金正覚・軍総政治局第1副局長や禹東則・国家安全保衛部第1副部長あたりが脇を固めて、軍・公安機関を中心に帝王教育を受けているようです。
(以上、一部再録)

 この2カ月半後に金正日が急死したわけですが、葬儀の前に霊柩車に付き従った軍人4人のうち、3人が李英鎬、金正覚、禹東則でした(残る1人は軍の名目序列1位の金永春・人民武力部長でしたが、今は李英鎬の影で長老格扱いになっており、あまり実権はないものと思われます)。つまり、新体制の中核3人を的中させたわけです。とくに晩年の金正日が急ピッチで出世させた禹東則は、どちらかといえばダークホースといえます。
  1. 2012/03/08(木) 18:22:31|
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メディア出演のまとめ

 前エントリーの続き。たいして出させていただいていませんが、TVやラジオへのメディア出演のリストです。

放送メディア出演

ニッポン放送(89年)ニカラグア内戦報告(ゲスト出演)
テレビ朝日「ザ・スクープ」(95年)旧日本軍遺棄砲弾を現地追跡(スタジオ出演)
フジテレビ「ニュースJAPAN」(95年)日本人義勇兵と行くミャンマー内戦(取材レポーター)
岡山山陽放送ラジオ(01年)911テロ(電話解説)
JWAVE「ジャム・ザ・ワールド」(01年)911テロ(電話解説)

大阪朝日放送「ビーバップ!ハイヒール」(06年)スパイの世界(スタジオ出演)
TBS「ピンポン」(08年7月28日)ウイグル爆弾テロ(VTRコメント)

NHK-BS「世界史発掘!時空タイムズ編集部」(09年3月26日)スパイたちの告白~核戦争はこうして回避された(スタジオ出演)
NHK-BS「世界史発掘!時空タイムズ編集部」(09年6月16日)知られざる奇跡の行進~ベルリンの壁はこうして崩壊した~(スタジオ出演)
TBS「総力報道!THE NEWS」(09年7月16日)北朝鮮ミサイル問題(VTRコメント)
文化放送「ロンブー淳のニュースCLUB」(09年9月9日)911から8年(ゲスト出演)

フジテレビ「スーパーニュース」(10年2月19日)モサド暗殺(VTRコメント)
フジテレビ「知りたがり」(10年7月28)スパイの世界(スタジオ出演)
JWAVE「アンジャッシュ渡部のプラトン」(10年8月2日)スパイの世界(ゲスト出演)
大阪毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」(10年11月9日)警視庁資料流出事件(電話解説)
TBS「Nスタ」(10年11月23日)北朝鮮砲撃(スタジオ出演)
TBS-CSニュースバード「ニュースの視点」(10年11月23日)北朝鮮砲撃(スタジオ出演)
大阪毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」(10年12月8日)ウィキリークスについて(電話解説)

TBS「NEWS23クロス」(11年1月25日)ロシア爆弾テロ(VTRコメント)
TBS「スパモク」(11年2月17日)軍事評論家アニメ座談会(VTR出演)
JFN(全国FM局31局配信)「高野孟のラジオ万華鏡」(11年5月11日)ビンラディン殺害(ゲスト出演)
TBS「Nスタ」(11年8月10日)中国空母(VTRコメント)
TBS「NEWS23クロス」(11年8月10日)中国空母(VTRコメント)
TBS「みのもんたの朝ズバ」(11年8月11日)中国空母(VTRコメント)
フジテレビ-BS「プライム・ニュース」(11年8月24日)シリア弾圧(スタジオ出演)
TBS-CSニュースバード「ニュースの視点」(11年9月1日)シリア弾圧(スタジオ出演)
テレビ朝日「やじうまテレビ」(11年11月3日)現代スパイ事情(コメントのみ)
TBS「ひるおび」(11年12月28日)北朝鮮新体制(VTRコメント)

TBS「ひるおび」(12年1月10日)北朝鮮新体制(VTRコメント)
TBS「ひるおび」(12年2月16日)北朝鮮新体制(VTRコメント)
大阪毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」(12年2月24日)シリア弾圧(電話解説)
  1. 2012/03/07(水) 18:56:59|
  2. 著作・メディア活動など
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著作等のまとめ

 誰やねん、コイツ? というツッコミに対応するため、個人のHPには、よく実績一覧の項目があったりするのですが、ブログにはそういうものがないので、「カテゴリー」欄に貼り付けていた「自著作等の紹介」を少し拡大して「著作・メディア活動など」というものを作りました。
 それで、これからは本だけでなく、主要論文記事や(数少ない)TV・ラジオ出演なども項目を立ててお知らせしていこうと思うのですが、これまでの「自著作等の紹介」も適当にやっていて、なんだかとっ散らかってしまっているので、いったんまとめ直してみます。

著書

『世界のテロと組織犯罪』(ジャパン・ミリタリー・レビュー/98年)
『紛争勃発』(宝島社/00年)
『世界のテロと組織犯罪 増補改訂版』(ジャパン・ミリタリー・レビュー/01年)
『イスラムのテロリスト』(講談社/01年)
『世界のテロリスト~地下ネットワーク最新情報』(講談社/02年)
『自衛隊交戦』(宝島社/02年)
『北朝鮮〈空爆〉へのシナリオ 金王朝の恫喝vsアメリカの決断』(宝島社/03年)
『国際テロ・ネットワーク~アルカイダの全貌』(三修社/04年)
『日本の防衛7つの論点』(宝島社/05年)
『謀略の昭和裏面史』(宝島社/06年)
『北朝鮮に備える軍事学』(講談社/06年)
『日本の情報機関』(講談社/07年)
『謀略の昭和裏面史』(文庫改訂版)(宝島社/07年)
『インテリジェンスの極意』(宝島社/08年)
『謀略の昭和裏面史 新装・改訂版』(宝島社/11年)
『ビンラディン抹殺指令』(洋泉社/11年)

編共著

『生物兵器テロ』(宝島社/02年)(共著者・村上和巳氏)
『地震で壊れる町、壊れない町』(宝島社/02年)(共著者・村上和巳氏)
『自衛隊「戦略」白書』(宝島社/04年)(共著者・加藤健二郎氏)
『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』(大和書房/09年)(解説・佐藤優氏)
『戦後秘史インテリジェンス』(大和書房/09年)(序説・佐藤優氏)

プロデュース作品(企画・構成・編集・執筆)

『自衛隊の実力』(宝島社/99年)
『これから起こる戦争』(宝島社/99年)
『自衛隊の戦争』(宝島社/00年)
『自衛隊の実力』(文庫改訂版)(宝島社/00年)
『日本自衛隊的実力』(台湾国防部史政編訳局/00年)
『自衛隊のハイテク戦』(宝島社/01年)
『自衛隊のハイテク武装』(宝島社/01年)
『自衛隊戦争解禁』(宝島社/01年)
『自衛隊本土防衛』(宝島社/01年)
『未解決事件の謎を追う』(宝島社/01年)
『迷宮入り~昭和・平成未解決事件のタブー』(宝島社/01年)
『公安アンダーワールド』(宝島社/01年)
『公安アンダーワールド』(文庫改訂版)(宝島社/01年)
『自衛隊+在日米軍の実力』(宝島社/02年)(主執筆者・福好昌治氏)
『自衛隊の実力 新装改訂版』(宝島社/03年)
『迷宮入り 新装改訂版』(宝島社/09年)
『公安アンダーワールド 新装版』(宝島社/09年)
『自衛隊は北朝鮮に勝てるのか』(洋泉社/09年)
『戦後「裏」外交史』(洋泉社/10年)
『図解 在日米軍基地完全ガイド』(洋泉社/10年)
『戦後「裏」外交史』(改訂版)(洋泉社/11年)
『地図でわかる世界情勢』(洋泉社/11年)

主な共著(執筆参加)

『生物災害の悪夢』(宝島社/00年)
『世界の特殊部隊』(デルタ出版/00年)
『戦友が死体になる瞬間~戦場ジャーナリストが見た紛争地』(三修社/01年)(共著者・加藤健二郎氏、村上和巳氏)
『タリバン戦争の謎』(双葉社/01年)
『暴走する検察』(宝島社/02年)
『太平洋戦争秘録 超絶 秘密兵器大全』(宝島社/06年)
『世界のスパイ』(宝島社/07年)
『日本を牛耳る巨大組織の虚と実』(宝島社/08年)
『世界を変えたテロ 決定的瞬間』(宝島社/08年)
『暴走する検察』(文庫改訂版)(宝島社/09年)
『昭和・平成コールドケース』(宝島社/09年)
『9大未解決事件の真犯人』(宝島社/09年)
『松本清張の世界』(宝島社/09年)
『山崎豊子 全小説を読み解く』(洋泉社/09年)
『21世紀「坂の上の雲」読本』(洋泉社/09年)
『読むだけですっきりわかる 日本と世界のニュース』(宝島社/10年)
『真犯人に告ぐ~未解決事件ファイル』(朝日新聞出版/10年)
『日本侵略Xデー』(宝島社/11年)
『戦場カメラマンという仕事』(洋泉社/11年)
『機密告発サイト ウィキリークスの真実』(宝島社/11年)
『日本を守る自衛隊』(徳間書店/11年)
『頼もしいぞニッポン自衛隊』(徳間書店/11年)
『激変と動乱の北朝鮮軍と中国軍』(徳間書店/12年)

劇画原作

『満州特務機関』(扶桑社/09年)
『実録 陸軍中野学校』(扶桑社/10年)

(以上、2012年3月現在まで)
  1. 2012/03/06(火) 14:42:40|
  2. 著作・メディア活動など
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放射線の問題

 読売新聞のアンケートによると、瓦礫受け入れ賛成派は75%。反対派は16%だそうです。反対派は少数派ですが、本気で「命が危ない」と信じているので、切実度のパワーで賛成派を凌駕してしまっています。
 双方、感情的な対立になっていますが、まあ人は誰しもエゴイストですから、「危険だ」と刷り込まれてしまえば、しょうがないです。問題は、なぜそんなふうに刷り込まれてしまったか?ということですね。
 というわけで、先日、放射線扇動報道について私なりのエントリーを書いたわけですが、アンチ扇動派の論客である池田信夫さんのブログで、氏の新刊『原発「危険神話」の崩壊』の前書きの一部が紹介されていて、なるほどと思いました。以下、紹介引用します。

▽従来の安全論争では、炉心溶融が起こるかどうかに大部分の労力がさかれ、それが起こったときは原子炉が全壊して大量の放射性物質が周辺数十キロメートルに飛散して数万人の死者が出ることは必然だと思われていた。しかし今回の事故では――あとからわかったことだが――炉心は完全に溶融していたが、圧力容器は(一部破損したものの)破壊されず、格納容器もほぼ無事だった。つまり今回の事故では、次の二つの神話が崩壊したのである。

安全神話:最悪の事態でも炉心溶融は起こらない
危険神話:炉心溶融が起こると数万人が死ぬ

 このうち後者はあまり気づかれないが、不幸な出来事の多かった中で唯一のグッドニュースである。放射能の健康被害は、従来の想定よりもはるかに小さかったのだ。だから30キロ圏内を避難させた政府の計画避難区域は過大であり、農産物などの出荷規制も不要だった。このような過剰規制によって11万人の人々が10ヶ月以上にわたって避難生活を余儀なくされ、農業に多大な被害が出て、その賠償で東電の経営が破綻することが懸念されている。
 
 もちろんこれは結果論であり、ほとんど情報のなかった事故直後に行政が「過剰防衛」したのはやむをえないが、その後もずっと避難勧告を解除しなかったことは被災者に大きな負担となった。この原因は、マスメディアだけでなくネットメディアも放射線の危険を誇大に報じ、「リスクゼロ」を求める人々が騒いだためだ。
 
 私は原子力工学の専門家でも放射線医学の専門家でもないが、NHKに勤務していた1980年代に原発訴訟を取材し、それからも関心をもってきた。エネルギー問題の特徴は、非常に複雑で専門分化していることだ。しかも物理学や医学と経済問題や政治問題がからみあっているので、ある分野のテクニカルな問題が別の分野に影響する。

 原子力工学の専門家は放射線医学については古い知識しかなく、放射線医学の専門家はエネルギー問題については何もいえない。それは専門家の節度としては正しいのだが、結果的には専門知識のないデマゴーグの跳梁を許してしまう。
(以上、引用おわり)

 たいへんわかりやすい解説で、ほぼそのとおりだと私自身も同意します。

 池田さんのブログ記事には、賛成派・反対派双方のコメントがいくつも付いていて、それもなかなか面白いです。(⇒こちら

(追記)
 と、以上まで書いた後で、ふと読み返してみて、「待てよ」と思い至りました。これはまさに、かつての原発論争での、反原発派と原発推進派の不毛な論争の再現ではないかという気がしてきたわけです。
 昨年、拙著『謀略の昭和裏面史』の新装版出版にあたって、正力松太郎と原発の昭和史についての1項目を新規に書き加えたのですが、当ブログですでに紹介したとおり、その文末を、私はこんなふうに書いています。

「こうして日本では多数の原発が建設されていったが、その陰で、安全性への充分な検討が行われたとはいえなかった。ひとつ指摘しておきたいのは、原発をめぐる賛否の議論が、不幸なことに最初から、保守陣営と左翼陣営の政治的対立の構図に陥ってしまったことだ。
 そもそも正力松太郎が原発導入に動き始めた当初から、対立軸は〝原発推進派の保守政権サイド〟と〝原子力は悪だとして原子力利用自体に反対する左翼サイド〟との議論なき対立になってしまっていた。東海村に日本原子力研究所を設立する際など、正力は警察人脈を駆使して関係者の身元調査を徹底したといわれるが、反原発運動はその後も左翼勢力の活動の場になり、公安警察の監視対象になった。
 本格的に日本全国に原発が建設されるようになっても、自民党の利権である原発に対し、反政府運動の立場から左翼が批判するという構図は続いた。左翼の反政府政治運動と結びついた反原発運動から一般国民は離れていき、原発推進側は組織防衛のために原発安全神話を繰り返すようになった。
 もともとはどちらの側も、それなりに真剣に日本の未来を考えての行動だったのかもしれないが、こうした政治闘争の構図になったことで、肝心の安全性についての議論が封印されてしまったことは、日本の原子力行政にとって、また日本国民全体の利益にとって、大いに問題だったといわざるをえないだろう」

 今まさに、放射線汚染の危険度をめぐって、同じことが繰り返されているように感じます。たとえば、今朝の新聞朝刊広告によると、週刊ポストに「目に余る放射能『煽り派』の犯罪」という記事が掲載されているようです。
 私が上記のようなエントリーをつい書いてしまうのも、福島県人のひとりとして、多少は似たような怒りの意識があるからですね。
 ですが、問題なのはどちらかの勝ち負けではなく、正確な情報と適切な対処です。今回もかつての反原発運動と同様、少数派の「扇動派」がファナティックに言論上の攻撃を仕掛けていて、それに対する多数派の反感が強まっているというのが、大まかな日本社会の世論動向に見えます。とくに瓦礫論争は、間違いなくそのフェーズに入ってきていると思います。
 しかし、扇動派が極論を仕掛けているからといって、アンチ扇動派が冷静さを失っては、結果的に適切な対処が阻害される可能性が出てきます。議論は大いにすべきですし、互いの論点の欠陥を指摘し合うことも重要なことですが、感情的な対立から、相手を否定するあまり、客観的な分析と対処が封殺されるような事態は避けなければなりません。以上、自戒もこめて。

(追記その2)
 開米瑞浩さんの原子力論考シリーズに、少数派が先鋭的・攻撃的になる心理メカニズムが解説されていて、たいへん興味深く拝読しました。
原子力論考(40)「反対運動」が先鋭化する病理をシステム思考的に考察すると
 反原発のような運動がいかに必然的に攻撃的になっていくかをわかりやすく図解しています。以下のような指摘には「なるほど」と思いました。
(以下、一部引用)
「こういうパターンは日本の戦後左翼運動の中ではいくらでも見ることができる典型的なもので、要はイデオロギーには関係なく、集団の中で生きる人間の心理が陥る落とし穴のよくある例なんですね。ですから、現在の原発問題においてはそれが起きない、と考える理由はありません。必ず起きます」
「起きるとどうなるか、というと、だいたいは仲間割れを始めます」
(中略)
「反原発運動についてもおそらくそういう展開が起きます」
(以上、一部引用)

 ま、そういう例はたしかにイデオロギーには関係なく、右翼・保守派とかでもよくありますね。
 私が各地で見てきた戦争の現場でも、そんな例はいくらもありました。
  1. 2012/03/05(月) 19:03:42|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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