ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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シリア首都郊外で戦闘激化

 シリアではここ数日、ダマスカス東部郊外のドゥーマを中心として反乱軍が大攻勢をかけ、28日までにクファルバトナ、サクバ、ジスリーン、アルビーンなど首都周辺部の多数地点を掌握しました。緑の入った旧国旗がいまや革命旗になっているのですが、あちこちに掲げられた模様です。
 下は27日取材のBBCとCNNの現地レポート。同じ取材ですが、もうまるで革命前夜のような雰囲気ですね。
▽サクバを掌握した自由シリア軍 (BBC)
▽サクバを掌握した自由シリア軍 その2 (CNN)
 両方ともダマスカス特派だと思います。ということは、情報省・秘密警察による監視がここに来て混乱している可能性がありますね。
 しかし、アサド独裁政権がそれで収まることはありません。本日、外電多数が伝えていますが、政府軍がさっそくその討伐に乗り出したようです。本日付BBCによると、少なくとも兵員2000人+装甲車50台が投入されたとの情報もあります。
 残念ながら、かなり大規模な流血が予想されます。一昨日、シリア軍から一度に300人の部隊が離反したとの情報が流れましたが、今後は「徹底弾圧」と「軍からの離反の動き」との競争になります。
 国際社会では国連安保理での攻防がまもなく始まりますが、現地では独裁政権軍による大弾圧が不可避ですから、それに対するシリア政府非難の準備とロシア包囲網の準備が急務ですね。
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  1. 2012/01/30(月) 00:30:26|
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シールズがソマリアで人質救出

 1月25日、アメリカ政府は「海軍特殊部隊がソマリアで拉致されていた人道支援団体の職員2人を救出した」と発表しました。救出されたのは、デンマークの援助団体のアメリカ人ジェシカ・ブキャナンさん(32)とデンマーク人のポール・ティステドさん(60)。2人は地雷撤去プロジェクトに携わっていて、ソマリア中部のガルカヨで昨年10月に地元武装集団に拉致されていました。
 米メディアの報道によると、投入されたのは昨年のビンラディン襲撃と同じ部隊だったとのことですので、ネイビー・シールズの精鋭で、統合特殊作戦コマンド指揮下の特殊戦開発群(通称「シールズ・チーム6」)の可能性がありますが、現時点の情報でははっきりわかりません。
 報道によると、米特殊部隊は夜間にパラシュート降下し、武装集団を急襲。人質を奪還した後、ヘリで離脱したとのこと。その際、抵抗した武装勢力9人全員を殺害した模様です。その後、部隊はジブチに帰還しています。
 ソマリアでは欧米人の拉致事件は結構あります。2009年にはフランス軍特殊部隊が人質救出作戦を行いましたが、作戦中に人質1名が殺害されています。
 同年、米海軍シールズは海賊を急襲して米国人船長を救出しています。なお、シールズは数年前からソマリアで活動しています。同じ2009年にはアルカイダの幹部を殺害しています。
 日本人でも2008年9月にエチオピア東部で活動していたボランティアの日本人女性医師が同僚とともにゲリラに拉致され、そのままソマリアに連れ去られて拘束された事件がありました。この女性は翌2009年1月に解放されましたが、こちらは救出作戦ではありませんでした。どうやら身代金交渉で解放されたものと思われます。
 今、ジブチには自衛隊がいますが、仮に日本人が再び拉致された場合、自衛隊が救出作戦できるかというと、無理ですね。
 ただ、前述したようにフランス軍は失敗していますし、かの世界最高峰の特殊部隊SASを擁するイギリス軍でさえ、昨年11月に拉致されたイギリス人をまだ救出できていません。今回のケースはやはり米軍ならではというところはあると思います。
 それにしても、またシールズですね。陸軍のデルタフォースはここのところ、ちょっと影が薄くなってしまっています。
  1. 2012/01/26(木) 18:06:59|
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金正恩側近の新顔

 本日、韓国紙『東亜日報』日本語電子版が、興味深い記事を配信しました。金正恩の軍視察に必ず同行する軍人が3人いるそうです。
 1人は金明国・軍作戦局長(大将)で、2人目は金元弘・軍総政治局組織担当副局長(大将)。この2人は、党中央軍事委員会の委員にもなっており、故・金正日が任命した「金正恩派」軍人の主要メンバーですから、納得です。
 ですが、3人目が初めて知る人でした。李ドゥソンという名前の中将だそうです。『東亜日報』は李中将について、以下のように言及しています。
「正確な職位や経歴はわかっていないが、情報当局は、李ドゥソン中将が正恩氏の宣伝・広報を担っていると推定する。10年9月、正恩氏が大将の称号を受けたtき、李ドゥソン中将も少将から中将に昇進したことから、正恩氏の護衛のために抜擢された可能性が高いと分析されている」
 この李ドゥソンなる人物の動向に、今後は注目する必要がありそうです。
 こうした韓国発の各報道から判断すると、金正恩体制は現在、トップが張成沢・国防委員会副委員長と李英鎬・総参謀長、以下に金正覚・軍総政治局第1副局長、禹東測・国家安全保衛部第1副部長と続き、さらに金正恩の側近として金明国・軍作戦局長、金元弘・軍総政治局組織担当副局長、李ドゥソン中将が控えるといったかたちになっているものと思われます。
  1. 2012/01/25(水) 11:16:29|
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アサドはなぜシリア国民に嫌われるのか

 アサド軍がすぐに奪還作戦に動くと思っていたザバダーニですが、今のところまだ自由シリア軍の支配下にあるようです。山岳地帯なので、アサド軍にとっても攻略はそう容易ではないですが、火力で打撃を与えるだけならそう難しくないはず。今更アサド軍が住民の安全を考慮することは考えられませんから、なぜまごついているのかはよくわかりません。
 ひとつの可能性としては、軍内部に離反兵続出の動きがあって、上層部が内部統制強化を計っているということが考えられますが、実際のところはわかりません。いずれにせよ、バダーニがこのまま反乱軍の拠点として定着すればベストですが、どうなるでしょうか。

 自由シリア軍はザバダーニに続き、現在、ダマスカス北方郊外のランクースと東方郊外のドゥーマでの攻略戦を進めています。ダマスカス近郊はアサド軍も死守の構えですから、なかなか難しいようではありますが、部分的にはすでに自由シリア軍が押さえた場所も増えてきているようです。
 もしもこの2点が自由シリア軍の手に落ちれば、レバノン国境からザバダーニ=ランクース=ドゥーマと繋がり、ダマスカス北方を横断するラインが完成します。ダマスカス郊外の自由シリア軍は、トルコ国境からイドリブ=ハマ=ホムス(ホムスにはレバノン・ルートもあり)と連なる自由シリア軍主力と断絶していて、離反兵の組織化がまだまだ遅れていますが、ドゥーマあたりまできっちり自由シリア軍を組織化できれば、ダマスカス包囲網に向けて大きな前進となるでしょう。

 反体制派の中には、いまだに「内戦化に繋がる」として自由シリア軍の活動に批判的な声がありますが、現実問題として、反乱軍が動かなければ、アサド独裁は倒せません。アサド政権が単なるデモだけで、たとえばアラブ連盟の勧告を受諾して自ら政権を放棄することなど考えられません。
(昨日お伝えしたアラブ連盟の政権交代行程案ですが、国内直接行動派を代表する地域調整委員会がさっそく拒否していましたね。アサド政権がまともに交渉に応じることはないとわかっているのです)
 ここまで来れば、自由シリア軍にすべてがかかっています。彼らがある程度、反乱軍としてのプレゼンスを高めて初めて、大規模な離反兵あるいは政権幹部の離脱が期待できます。現時点で、たとえばNATO軍の軍事介入の目はありませんが、アサド軍と自由シリア軍の戦闘が激化することで、飛行禁止空域設定・安全地帯設定という話も具体化するのではないかと思っています。
 とにかくアサド政権は王朝ですから、妥協する考えなど露ほどもありません。外交的な圧力も意味ありません。力で追い詰めないと、何も状況は動かないと思います。

 最近こそようやく反乱軍による反撃も出てきましたが、シリア革命の経緯を振り返ると、昨年3月から、国民が街頭デモに立ち上がり、治安部隊や政権側民兵に一方的に殺害され続けてきました。殺されても殺されても、多くの国民は前身し、銃弾を撃ち込んでくるアサド軍に対し、丸腰で「ノー」と叫び続けています。
 このパワーはいったいどこから来るのか? ということを、ときおり大手メディアの方と話すときに話題になります。群集心理にしても、3ヵ月くらいは盛り上がることもあるでしょうが、もう1年近くになるわけです。私自身、アラブの人がここまで自己犠牲の姿を見せたことに、ちょっと驚いています。
 そもそも私の知っているアラブ人の多くは、口先と行動が伴わず、原則的に自己利益・自己保身を優先する現実主義者が多かったように思います。恐怖政治と同調圧力と弱肉強食が同居している社会なので、ある意味それが当然ともいえるのですが、今回の反独裁の渇望は、世界中の誰もが独裁下の暮らしを望んでなどいないということを証明しているように思うわけです。

(なお、アサド政権も、サダムやカダフィやムバラクやその他の中東独裁政権も、要は権力闘争に勝ち残り、後ろから殺されないために強権政治をやってきたことは同じと思います。なので、独裁政権の功罪ということでは、彼らの功など何もないと考えています。
 ちなみに、以前も書いたことがありますが、ときどき聞く「中東では欧米式の民主主義はそぐわない」との言説はあまりに表層的な理解だと思っています)

 では、バシャール・アサドはなぜこれほど人々に嫌われているのか?
 じつは、バシャールは昨年3月まで、アラブ世界の中ではそんなに嫌われてはいませんでした。もともとは死んだ長兄が跡取りだったので、次男バシャールはシリア国内では文字通りの「馬鹿息子」扱いされていました。なので、イギリスに出されて眼科医研修をしていたわけですが、その経験からも、親世代のガチガチのアナクロ反米ではなく、今風の国際感覚を持っているのだろうと、「馬鹿だけれども」なんとなく期待されました。
 実際、父ハフェズの時代の恐怖体制を多少緩めた部分はあります。携帯やインターネットの解禁もそのひとつ。欧米圏への経済開放もひとつ。あるいは、ハフェズの取り巻きとして不正蓄財と暴力のかぎりを尽くしたドゥバやハイダルなどの軍の古参幹部を引退させたのも、人気の種となりました。
 もともと父ハフェズ自身、「隣国イラクのサダム・フセインよりはマシ」といった消去法で支持されていた人物でしたが、バシャールは「馬鹿だけれども、あの怖いハフェズよりはマシ」と大方のシリア国民にも思われていた時期がかなりありました。
 しかし、それはあくまで従来の独裁強権政治を前提としての人気であって、チュニジアやエジプトで夢のような革命が実現した後になってみれば、独裁制そのものが打倒すべき悪ということになるわけです。おそらくバシャール自身、革命初期の段階では、自分は国民人気があるものと自分で信じていた可能性が高いでしょう。
 私は革命草創期からその動向をウォッチしていますが、革命を求める国民の側も当初は「バシャールなら、もしかすると民主化に同意してくれるかもしれない」との期待が少なからずあったように思います。ただ、それが単なる希望的観測に過ぎなかったことが、すぐに証明されてしまいましたが。
 これまで他人様に説明するとき、私は何度か「北朝鮮の世襲政権みたいなもの」と表現していました。それでおおよそのイメージをわかってもらえましたが、中には「北朝鮮ほど洗脳されていたら、信奉者も多いのでは?」との指摘をする方もおられました。私は北朝鮮の洗脳などそれほど信じていないですが、それはともかく、私の印象では「アラブ世界で洗脳? んー、ちょっと違うなあ」といったところなので、今はこんなふうに表現することにしています。
「山口組が独裁政権を握ったようなものです」
 どうでしょう? これもちょっと違うかなあ。でも、シリア国民の大方のイメージでは「アサドはヤクザのボス」に近い気がしますね。サダムやカダフィなら文句ナシな感じですが、アサドも似たようなものでしょう。こちらはコワモテ幹部に囲まれたボンクラ2代目といったところですが。
 堅気からは憎まれて当然でしょう。まあ、組員でもないのに、親分をヒーロー視するファンもいないわけはありませんが。
  1. 2012/01/24(火) 11:30:09|
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アラブ連盟がアサドに退陣要求

 昨日のアラブ連盟の外相級会合で、ようやくアサド退陣要求がまとまりました。内容は以下。
▽2週間以内にアサド政権と反体制派が対話を開始
▽2カ月以内に与野党による与野党による国民統一内閣を発足
▽暫定政権ではアサド大統領はシャラ副大統領に全権委譲
▽3ヵ月月以内に新憲法制定のための委員会を発足
▽その後、国際社会の監視下で大統領選挙および議会選挙
▽暴力行為を調査する独立機構を設置

 主導したカタール外相は、アサド政権が受け入れない場合、国連安保理に付託するだろうと述べています。
 アサド政権は即座に拒否しています。世襲独裁すなわちアサド王朝ですから、当然の反応です。反乱軍が増えてきたといっても、いまだに政府軍圧倒的優勢の状況に変わりはないですから、アサド政権としてはこのまま国際社会の要求をのらりくらりとかわしつつ、徹底的な弾圧を継続するしか道は残されていません。退陣などすれば、これほどの大量殺戮をやってしまった以上、いずれ新政権下で死刑になる可能性が非常に高いので、これは独裁者側も後へは引けないわけです。
 
 さて、今後の見通しとしては・・・
▽2週間以内にアサド政権と反体制派が対話を開始
⇒まずここからして難しいですね。反体制派にも大きく分けて3派があります。①海外在住者グループ ②国内の武闘派・直接行動派 ③国内穏健派ですが、アサド政権と交渉と言っているのは、今のところ③です。が、③は反体制派全体にはほとんど影響力がありません。いま状況を動かしているのは圧倒的に①②で、彼らは口と行動が合致しないアサド側と交渉など信じてませんね。
 アサド退陣の今回のアラブ連盟案を前提とすれば②も③も異論はないでしょうが、おそらくアサド政権はアサド退陣は拒否しつつ、反体制派との交渉は望むところと称して、③グループの、まったく実のないかたちだけの交渉ということになろうかと思います。

▽2カ月以内に与野党による与野党による国民統一内閣を発足
▽暫定政権ではアサド大統領はシャラ副大統領に全権委譲
⇒現時点でアサドが実質的に受諾することはないですね。内戦化し、離反兵続出でアサドが末期のカダフィみたいに地下逃亡を余儀なくされるような状況に至れば、アサド側が命乞いの意味でこれを持ち出すことになるでしょう。手遅れですが。

▽3ヵ月月以内に新憲法制定のための委員会を発足
▽その後、国際社会の監視下で大統領選挙および議会選挙
▽暴力行為を調査する独立機構を設置
⇒これが出来ればいいのですが。いちばんありそうなのは、「アサド政権が形式上の退陣(実権は保持)」→「アラブ連盟の選挙監視団受け入れを受諾」→②「翼賛選挙実施・国際監視団の行動を妨害」→「選挙結果を操作し、アサド当選を宣言」・・・という茶番でしょうか。制憲委員会も暴力行為調査機構も、形式だけの骨抜きのかたちでアサド政権が仕掛けてくる可能性があります。

▽主導したカタール外相は、アサド政権が受け入れない場合、国連安保理に付託するだろうと述べています
⇒さっさとやればいいのに、と思います。アラブ連盟が監視団を出し、それでアサド退陣要求という結論に至っているならば、ロシアの詭弁ももうなかなか通じづらくなるはずです。いきなり武力行使容認決議まではないでしょうが、とりあえず飛行禁止&安全地帯設定までなんとか持っていけないものでしょうか。
アラブ連盟は上記のアサド退陣要求と同時に、監視団の延長も決めています。が、監視団が弾圧を抑止する効果がないのは明白ですから、もう充分です。アラブ連盟には「白人が乗り出す前に、アラブ人に一回やらせてみる」というアラブ世論対策のアリバイ効果しかないので、さっさと監視団を引き揚げ、国連安保理に付託すべきですね。
  1. 2012/01/23(月) 12:46:53|
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日本vsシリア サッカーのロンドン五輪最終予選でもうすぐアウェー戦。でも、シリアは内戦状態

 2月5日にはサッカーのロンドン五輪最終予選C組第4戦の対シリア戦がアウェーで行われます。現在、日本は3勝を上げて勝ち点9の首位。2位のシリアは2勝1敗で勝ち点6。今度の試合は事実上の決戦といっていいですね。
 ただし、アウェー戦といってもシリアで行われるわけではありません。安全が確保できないとして、1月11日に急遽、ヨルダンで行われることが決定しました。
 シリアではここのところ、背景が不明なテロや、外国人への攻撃が多発していて、「テロリストがいるから、しかたなく軍を市内に出しているのだ」という独裁政権側の詭弁に利用されています。反政府側は関与を一切否定していて、シリア情報機関の自作自演説が濃厚ですが、サッカーの国際試合など、テロ宣伝にはもってこいの場ですから、仮にシリア国内でのアウェー戦を強行していたら、日本チームも冗談でなく、ちょっと危険なことになっていたかもしれません。
 それはともかく、シリア・チームは故郷がこんな状況ですから、試合どころではない心境でしょう。

 ちなみに、下はシリアでは有名な元シリア代表チームのゴールキーパー。ホムス出身で、現在はホムスのデモを主導する地域調整委員会のリーダーのひとりとして頑張っています。実弟が治安部隊に殺害されています。名前はアブドルバーセト・アル・サルートゥといいます。
▽デモを指導するアブドルバーセト・アル・サルートゥ

 アルジャジーラでも彼の特集が組まれています。
▽アブドルバーセト・アル・サルートの戦いアル・ジャジーラ)

 とにかくシリアの状況は急速に「内戦化」の一途を辿っています。
 イドリブ、ホムス、ダラアなど、反政府勢力の強い都市の一部で、自由シリア軍が部分的に支配権を確保した街はいくつかありましたが、1月16日、レバノン国境に近いアル・ザバダーニという街で、政府軍が撤退し、初めて町全体を自由シリア軍が掌握しました。
 その映像は以下。
▽ザバダーニ内部映像
 1月16日アップ。町を掌握した自由シリア軍の映像あり。アラビア語ですが、よくまとまっているレポートです。
▽ザバダーニを掌握した自由シリア軍
 1月18日撮影とあります。音楽かぶせてあります。

 下はCNNのザバダーニ報告。こちらは英語です。
▽CNNのザバダーニ報告
 さすがはCNNです。いい仕事しますね。

 アル・ザバダーニはレバノンへの幹線道路にある山岳地帯の街で、もともと部族社会が強く、昔から密輸ビジネスの地下社会がありました。麻薬密輸組織なんかもあって、もともと軽武装集団があります。密輸ビジネスを通じてレバノン側とも関係が深く、今回の蜂起はそうした下地があるところに、アラブ連盟の視察団が入った機会にいっきに勝負をかけたといったところでしょう。
 ただ、アサド政権軍はいったんは撤退しましたが、再攻撃をかける可能性が大きいですね。今のうちに欧米のメディアがどんどん入り込み、反政府軍の拠点としてクローズアップされれば、アサド軍も無理な虐殺はしづらくなると思うのですが。
 ホムスでも、相変わらず政府軍と自由シリア軍の戦闘が続いているようです。
 ハマでも、自由シリア軍の映像が出てきました。
▽ハマの自由シリア軍
 1月19日アップ。ハマのアル・ハミディーエ地区。自由シリア軍の勢力については、誇張情報が飛び交っていてよくわからない部分が多かったわけですが、こうしてみると最近いっきに増えてきた印象があります。

 2月5日の五輪予選シリア戦は日本でも多くの方がテレビ観戦すると思いますが、シリアがこんな状況になっていることとか、ほとんど知られていないのが残念です。
 じつは私自身、シリア問題の企画をいろいろ持ち込んでいるのですが、なかなかメディア側の好感触を得られないでいます。カダフィのときなどは、そこそこ問い合わせもあったのですが、どうしてもシリアはインパクト的にマイナーなのですね。
 中国のサイバー戦や北朝鮮情勢でのお話は今もいろいろいただくことがあるのですが・・・。やっぱり遠い国なんですねえ。私自身は独裁政権が打倒される現在進行形の革命に、歴史の激流を目の当たりにしている感覚があるのですけれども。

(追記)
 反乱軍である自由シリア軍は、バース党政権を象徴する現在の国旗でなく、緑色基調の古い国旗を使っているのですが、昨年11月の日本vsシリアのホーム戦で、シリア側サポーター席で、体制派と反体制派がそれぞれの旗を掲げて揉めていたそうです。ネットにそのときの写真もありました。
▽日本vsシリアでのシリア側応援団の内ゲバ
 写真上部の緑色の旗が反体制派。下の赤色が入っているのが体制派。体制派は大使館員などでしょう。反体制派は留学生などでしょうか。どっちも人数少ないですが、どちらかというと体制派優勢ですね。行って反体制派に加勢したかったです。
  1. 2012/01/20(金) 14:10:54|
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日本政府の対北朝鮮インテリジェンス

 本日発売の『新潮45』に、「日本はなぜ金正日の死をつかめなかったか」という記事を寄稿させていただきました。日本政府の対北朝鮮インテリジェンスの概要を解説した記事です。
 拙ブログでちょっと前にも触れましたが、日本政府の対外インテリジェンスに過度に期待している方も世間には少なくないように感じましたので、実際のところはどの程度なのかということを書いてみました。
 正直言えば、もうちょっとなんとかならんものかとは思います。アメリカのCIAも韓国の国家情報院も今回の金正日死亡情報はつかめていなかったので、そこはスパイ組織の限界というものはあるわけですが、それにしてもですねえ・・・。
 日本では、明らかな問題点が2つあると思います。ひとつは、情報要求・分析・評価の部分できちんとした制度が出来ていないこと。分析を個人の職人ワザに頼っているようでは限界があります。これは基本だと思います。
 もうひとつはヒューミント、すなわち中朝国境での工作ですね。たとえば、今は朝鮮総連ルートよりも、中朝国境の商人ルートなどの情報源のほうが太いわけですが、そういうところに出張る人に接触するなどということよりも、直接行って工作すれば早いし効率的です。もちろん中国が煩いですから偽装身分でですが、そういう裏ワザ的なことを日本の役所は自分の手ではやりませんね。
 われわれの取材活動などもそうなのですが、他人に頼っても成果はさほど上がらないことが多いように思います。日本は核問題も拉致問題も当事者ですから、この点でもさらなる改善を希望したいですね。まあ、そうは言ってもヒューミントはあくまで従であって、基本は分析ではあるのですが。
  1. 2012/01/18(水) 03:47:13|
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CNNのシリア・レポート

 1月14日、CNNがフリーランス・ジャーナリストが撮影したホムスの激戦地バーバ・アムルの取材レポートを放送しました。
 今後の再放送は以下です。
1月17日(火)19:30-20:00
1月18日(水)02:30-03:00
1月18日(水)14:30-15:00
 ぜひお薦めしますが、昨日、すでにユーチューブでアップされました。
▽Homs: City Under Siege - CNN Report on Syria
    
 同じジャーナリストの取材(映像も部分的に重複)ですが、こちらは昨年末の放送。ホムスの自由シリア軍の様子、とくにその指揮官のひとりである「トラス元国防相の甥」に焦点をあてています。
▽ホムスの自由シリア軍CNN)

 下は少し前ですが、CBSの女性記者の報告です。12月はじめの放送。
▽A rare look inside Syria's revolution (CBS)

 下は、同じ記者による自由シリア軍の取材。
▽Inside the Free Syrian Army  (CBS)

 国際メディアのシリア潜入ルポが本格化してきました。
 東洋人では風貌が目立つこと、アラビア語を解する人がほとんどいないこと、日本メディアの特派員には危険な取材が許可されないこと、フリーランスには資金面でのハードルが高いこと・・・・等々の理由があり、日本人ジャーナリストの手による潜入レポートは未だありません。
 日本のテレビ局はどうしても「日本人による日本語レポート」でないとオンエアされない傾向があり、それがないニュースはどれほど重要なものであっても黙殺されがちですが、海外局の映像の流用でもいいので、ぜひとも日本の局にもこうしたレポートを地上波で放送していただきたいと切に希望します。

 いずれにせよ、これらのレポートに登場する人たちは、今日も殺され続けています。デモの映像をみると、少年も多いですね。理不尽に殺され続けているホムスの人たちを、なんとか国際社会は救えないものでしょうか。 
  1. 2012/01/16(月) 14:05:29|
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インテリジェンス入門書の決定版

「こんな本を待っていた!」というようなインテリジェンス入門書の決定版が出版されましたので、皆様にも是非お薦めいたします。
▽「インテリジェンス~国家・組織は情報をいかに扱うべきか」(小谷賢・著 ちくま学芸文庫)
 拙ブログの読者の方には今更ご紹介の必要もないでしょうが、著者は今の日本のインテリジェンス研究を牽引されている防衛研究所の小谷賢・主任研究官。副題にあるとおり、単なるインテリジェンスの現状紹介ではないですが、とにかくインテリジェンスというものの概略が簡潔に網羅されていて、しかもそれぞれ豊富な具体例を引用してわかりやすく解説されています。
 かつて専門誌編集に携わってきた経験から言うと、この具体例引用のための確認作業というのは、意外と手間隙のかかることで、それが小谷さんらしく緻密に徹底して行われていることが、とにかく凄いなとの印象を持ちました。
 実際、インテリジェンスに関する書籍・雑誌記事・ネット記事等には、膨大な誤情報が混入しているものですが、本書には精査された情報が豊富に含まれていますので、私個人としては、「本書に引用された情報は間違いない」「それ以外の情報は要注意」というアンチョコとしても助かります。これまである程度インテリジェンス関連情報を読み込まれてきた皆様も、本書を参考にすれば、自分のうろ覚えのエピソード情報が確認できるのでお薦めです。
 とはいえ、本書の素晴らしいところは、そのバランス感覚ですね。著者はもちろん学術系の先生ですが、理論に偏ることなく、ナマの息遣いをもったインテリジェンの現状の全体像を示すと同時に、さらにインテリジェンスの本質を鋭く衝いてます。私自身も含めて、インテリジェンスの一面についのめり込む人は多いと思いますが、全体像&本質を押さえておくということは、まずは基本中の基本ですね。これからインテリジェンスを学びたいと思っている方にも、ある程度かじったことのある方にも、非常に有意義な本であることは間違いありません。
 ところで、自分は編集者でもあるのでつい気になってしまうのですが、上記したアマゾンへのリンクを貼った際にみたら、本日時点で全体ランキングが175位! 学芸文庫でこの成績は凄い!
 一時期のインテリジェンス・ブームが下火になり、関連書はもう難しいのではないかと思っていたのですが、内容の優れたものは、やはり需要があるということでしょう。編集者としても大いに勇気づけられます。
  1. 2012/01/15(日) 11:02:28|
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金正恩の妻?

 10日(火)に、TBS「ひるおび」でVTRコメントを採用していただきました。一部巷で話題になっていたネタですが、金正日の葬儀の映像に若い女性が写っているのですが、それが金正恩の妻ではないかという話でした。
 映像では、金正恩はじめファミリーや最高幹部が歩いて整列するシーンで、比較的背の高い若い女性(画質悪いのではっきりしませんが、20代かせいぜい30歳そこそこぐらいに見えます)が、入れ違いのように、後方からソデにはけていくシーンがあります。その際、歩いている張成沢の前を悠々と横切っているため、「そんなことができるのは金正恩の妻ぐらいしかいない」と一部で話題になっているわけです。
 テレビのコメントでは、「妻の可能性も高い」という部分しか使われませんでしたが、実際のところ、この映像だけからは断定はできません。映像ではその後、最前列に並ぶ最高幹部・ファミリーを写したカットもありますが、そこでは金正恩の実妹の金ヨジョンは写っていますが、この「謎の女」はいません。
 これだけではあくまで可能性の話しかできませんが、考えられるのは3つ。ひとつは金正恩の妻。ただ、仮に新婚の妻だったとしても、いきなり張成沢に威張れるということもないでしょうから、そこは謎です。日本でもそうですが、上下関係・年齢関係に厳しい北朝鮮社会では、相手が張成沢でなくとも一礼くらいはするのが普通です。なので、これについてはどういういうことかよくわかりません。
 あと、いくつかの韓国メディアで指摘されているのが、金正恩の秘書説。故・金正日の秘書だった金玉が後に後妻になったように、場合によっては最側近のような権威があるようですが、秘書が葬儀の席で最高幹部集団の間でうろうろするかというと、どうもあまり説得力のある説とも思えません。
 秘書よりは可能性があるのではないかと私が考えているのは、単なる葬儀セレモニーの案内スタッフ説です。これは韓国メディアでもあまり指摘されていないようですが、参列の幹部たちを案内し、最後の喪主登場時にさらりと消えたという動きから考えると、案外そんな単純な話だった可能性もあります。
 ただ、それだと前述したようにいまや政権ナンバー2と目される張成沢の前を一礼もせずに横切った行為は「大丈夫なのか?」という疑問が残ります。単なる偶然の不注意だったということでしょうか?

 北朝鮮のメディア映像の場合、いずれもその効果を綿密に狙って発信されますから、この「チラ見せ」は「妻のお披露目ではないのか?」との説もありますが、この映像だけからすると、そういうわけでもないように私は思います。
 謎の女性が一瞬写りこんでしまったのは、金正恩が登場するシーンで、これは外せなかったということではないかなと思います。この後の並んだ参列者のシーンには一切登場していませんが、もしもお披露目だったらそういうことはないでしょう。実態は、外せない重要なシーンに写ってしまったが、単に「べつに放送しても構わない」と判断されたということではないかと思います。
 
 今回、この謎の女性について「金正恩の妻」説が出てきたのには理由があります。拙ブログでもちょっと前に紹介したことがありますが、金正恩には「既婚・娘あり」説があるからです。
 この情報は、最初は昨年5月30日に韓国の「統一ニュース」が、訪朝した海外在住韓国人が北朝鮮幹部から聞いた噂として「2010年に正恩が結婚していた」と報じ、さらに昨年10月28日に「デイリーNK」が、その結婚相手についての伝聞情報を伝えました。あくまで未確認情報ですが、それによると、結婚はやはり2010年。金正恩の妻は、金正日が病に倒れて金正恩が内々に後継指名された後、その後見人となった張成沢が人選して紹介したとのこと。金日成総合大学を卒業し、博士課程で学んでいる研究者で、実家は清津。父親は清津市大学の教員、母親は清津市第一人民病院産婦人科科長と、単なる噂にしては妙にディティールまで具体的です。
 また、昨年11月1日には聯合ニュースが、「2010年、ほぼ同じ時期に金正恩に娘、金正哲に息子が生まれた。金正日は孫たちのためにドイツやフランスから最高級の粉ミルクやブランド物の子供服を取り寄せている」「金正恩は2010年9月、正式な後継発表となった朝鮮労働党代表者会に合わせて結婚した」と報じています。

 ただ、噂の出所はそれだけで、信憑性に関しては何とも判断できません。結婚や娘の話が北朝鮮幹部に広く出回っているのだとしたら、もう少し多方面から情報が出てくるような気もしますが、可能性としては大いにあり得る話ではあります。
 金正日の大病を受けて世襲プロセスを急ぐなか、結婚を急いだということは充分にあり得ます。とにかく金正恩の最大の弱点は「若すぎる」ということ。せめて妻子をもって「理想的な家庭の長」というイメージを作ることは、「3代目のお坊ちゃま」の印象を払拭し、「国民の父」を標榜する独裁者の基礎的なイメージ戦略です。独裁者だけでなく、世界中どこの政治リーダーも基本として使っている手ですね。
 例外は故・金正日でしたが、彼の場合、その父・金日成に認めてもらえないようなドロドロの愛の遍歴があり、その複雑な家庭の実態はあまり積極的に公開していませんでした。ちょっと特殊な例といっていいでしょう。
 今月8日、朝鮮中央テレビは金正恩の誕生日ということで、『白頭の先軍革命偉業をお受け継げになりまして』という記録映画を放映しましたが、そこで金正恩が実母・高英姫(故人)について話す場面を紹介しました。これまでほとんど北朝鮮メディアで言及されてこなかった高英姫の神格化作業がおそらくこれから本格化するでしょう。
 仮に金正恩が本当に既婚で、子供までいるのであれば、金正日追悼がひと段落し、金正恩神格化が本格化する流れのなかで、わりと早い段階で「理想的な父親」としての金正恩のアピールが行われるのではないかと考えます。

 なお、以前のエントリーでも冗談で書きましたが、「2010年9月結婚」で「2010年に娘誕生」であれば、計算上はデキ婚になります。ですが、北朝鮮の独裁者ともなれば、子供を作るのも任務みたいなところがあますし、その私生活の情報公開はきわめて戦略的に計算して行われるので、実際のところは、公式結婚と妊娠の順序とかはあまり重要ではないと思います。
  1. 2012/01/12(木) 14:08:20|
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金正恩、過大評価されすぎ?

 本日発売の週刊現代で、コメントを採用していただきました。北朝鮮暴発の脅威に関する記事で、「ノドン発射基は見つけられない」ことを指摘しました。
 12月19日以降、さまざまな識者やメディアが北朝鮮の今後について予想していますが、それぞれいくぶんバラバラなのが逆に興味深いですね。誰も北朝鮮指導部中枢の情報を知っているわけではないので、私も含め、みんな当てずっぽうで言っているところはあるのですが、さて誰の予想が当たるでしょうか?
 上記「週刊現代」同号では、鈴木琢磨さんと佐藤優さんの対談記事もあるのですが、鈴木さんの解説は非常に説得力があるように思いました。記事タイトルは「三代目・金正恩は張り子の虎」。
 私も、金正恩の権力基盤は過大評価されている印象を持っています。前エントリーで書いたように、金正恩の「軍事天才」レジェンド作りがすでに始まっていますが、鈴木さんは「おそらく北朝鮮はこの年明けからそう遠くない時期に、韓国に向けて限定的な軍事行動に出るはずです」と予想しています。他方では「喪に服する期間中は北は動かない」と見る識者も多いですが、さてどうなりますか? 私は「必ず」とまでは言えませんが、鈴木さんの見方に同意なのですが・・・
  1. 2012/01/04(水) 10:38:01|
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新年のご挨拶

 おめでとうございます。となかなか心から言えない年明けです。日本の被災地もそうですが、拙ブログで昨年からフォローしている中東の情勢が混迷度をますます深めていて、今後もたくさんの人が殺害されることが予想されます。
 2012年の予想としては、なんといってもシリア革命とその後の中東和平問題の複雑化があります。ここまで国民を虐殺してきたアサド政権はいずれもちませんが、内部崩壊がこのまま起きなければ、まだまだ長い流血の道のりが続く可能性があります。外交的な圧力を強化し、なんとか飛行禁止・安全地域設定まで持っていき、独裁政権を揺さぶって、いっきに内部崩壊を仕掛けるのがベストの道ですが、まずは飛行禁止・安全地域設定までがひとつの大きな壁です。それにしても、予想されていましたが、アラブ連盟の視察団は役に立ってませんねえ・・・。
 いずれシリアがひっくり返れば、イスラエルとの問題が複雑化します。レバノン情勢も激変する可能性があります。今年中かどうかはわかりませんが、バーレーン、サウジアラビア、さらにはイランに波及する可能性もあります。いずれにせよ2012年も引き続き中東イヤーとなるのは間違いありません。
 もうひとつの注目は、やはり北朝鮮の金正恩政権ですね。当面、正恩神格化でいくのでしょうが、いずれ経済危機に直面したとき、私は大方の専門家の方々が解説される以上に、張成沢と李英鎬の権力基盤は磐石ではないのではないかと考えています。

 元日の朝刊では、読売が防衛省のサイバー兵器開発をスクープしていましたが、万能のアンチ・サイバー兵器などありません。自分たちが開発している以上のものを相手も開発継続しているわけですので、実際のところイタチゴッコにならざるを得ないですが、やはり国家を挙げて取り組んでいる国のほうが圧倒的に有利です。この分野での日本の劣勢は、2012年も埋まりそうにないというのが率直な感想でした。

 ところで、私の世代としては、なんといっても驚いたのがオウム平田の出頭ですね。あれだけ目立つ風貌ですから「もう死んでるんじゃないの?」と大方の事件記者の間では噂されていたのですが、生きてたのですねえ。
 平田信はとにかく国松警察庁長官主犯説があるわけですが、じつはその根拠はたいしてありません。ですが、オウムがかなり多額の逃走資金を投入して組織的に逃がしているため、何か重要な秘密が隠されているのではないかとの疑惑はたしかにあります。
 とはいえ、「警察庁長官事件で新事実」という展開になる可能性はあまり期待できません。そうなると、あの事件の真相はますます謎ということになります。

 私事ですが、昨年末は、かねて「年内に」とオファーされていた原稿を、本当に大晦日までかかって脱稿。が、ダメ出しが出て、ただいま七転八倒中。三が日明けくらいにようやく大掃除というような感じです。
 皆様、本年もよろしくお願いいたします。
  1. 2012/01/02(月) 11:07:09|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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