ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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南スーダンで戦闘

自衛隊派遣が検討されている南スーダンで、戦闘がありました。29日、「南スーダン解放軍」(SSLA)のチンピラ武装集団による狼藉で、北部のユニティ州の村が襲われ、住民を殺害。南スーダン政府軍と交戦になったとの由。南スーダン政府の発表では住民15人、武装集団60人以上が死亡といいます。

 アフリカでは、こういうことは頻繁に起きます。アフリカを舐めてはいけないと思います。
 こういうところだからこそPKOが必要で、自衛隊が派遣される意義があると思うのですが、最低でも自衛隊に世界標準の武器使用基準(交戦規定)を付与し、充分な兵器を支給された第一線の戦闘部隊を派遣する必要があります。
 また、どんなかたちで派遣されるにせよ、自衛隊が現地で戦闘行為をすること、誰かを殺害すること、そして自分たちから戦死者が出ることが充分に起こり得るということを、事前にきちんと想定し、対応をクリアにすべきです。
 これまでのPKOや有志連合海外派遣で、戦闘行為が一度もなく、誰も殺さず、誰も殺されないできたというのは、外務省・防衛省の危険回避のギリギリの努力の賜物であって、奇跡みたいなものです。関係者のご苦労はお察ししますが、世界の一員として、はっきり言って卑怯な根回しだと感じます。
 それでも、こうした関係者のご努力によって、損耗ゼロなどという結果が続いてきたため、今後もこれまで同様でも問題ないというような雰囲気がありますが、南スーダンへの地上部隊派遣ですからね。むかしルワンダ派遣というのがありましたが、あれはいちおう主要な戦闘は終結した後で、せいぜい敵が強盗団だったから何とかなりましたが、あれも実際には危ない局面が何度かあったと聞いています。(機関銃1丁論争とか、信じられない議論が国会でありましたね)
 とにかく、アフリカを舐めてはいけないということを、強く指摘したいと思います。

私は「平和ボケ」という言葉は好きでないのでこれまで使ったことはないのですが(代わりに「一国平和主義」というのを同様の揶揄表現として多用してきました)、単に現地事情をよくご存知ない方が多いということなのだと思います。それは当然なことですが、外務省や防衛省はそれでは済みませんね。最終決定権は政治家にあるにしても、政治家はそのあたりの事情をまったく知らないわけですから、外務省・防衛省には積極的に動いていただきたいと思います。
「これまでわが自衛隊は海外ですばらしい活躍をしてきた!」なんて言って終わっているだけではダメだと思います。
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  1. 2011/10/31(月) 10:41:52|
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印象操作

 最近、他人様の記事の紹介がやたら多くてすみませんが、面白いものは皆様にもご紹介したいので、お許しください。

▽嘘をつかずに印象操作をする手口には要注意
 先日、拙ブログにもコメントを頂戴しました企業研修コンサルタントの開米瑞浩氏の記事です。インテリジェンス分析そのままの情報整理技術について、非常にわかりやすく解説されています。
 上記記事で例に挙げられているのは、放射能脅威扇動派による印象操作の記述ですが(これがまた非常にわかりやすくて面白い!)、こういうことは、どの立場の人の文章にもしばしば見受けられますね。
 必ずしも主義主張が背後にある場合に限りません。出版業界でいえば、たいしたことのない情報を大きく扱うため(要するに、記事を商品化するため)に、じつによく使われている手法です。私たちライター/編集者は、あくまで商品としての記事を作っている以上、常に一般読者へのアピール、さらに言えばメディア間/メディア内での競争を意識しますが、そこでこの匙加減について、良心とプロ意識(いろいろな意味で)の狭間で葛藤することになるわけですね。
 読み手としては、タイトルをそのまま鵜呑みにしないことや、微妙な言い回し/不自然な記述はゴマカシの場合が多いことに注意して、文中のファクトを読み取ることを心がけると、かなり間違いは少なくなると思います。

▽パレスチナ分割決議拒否はアラブの犯した間違い(アッッバス議長の告白)
 元外交官の野口雅昭氏のエントリーです。パレスチナ問題について、一方的な立場からの言説を展開する論者が少なくありませんが、野口氏が当エントリーで書かれた認識・評価はたいへん現実的なもので、私も全面的に同意です。
  1. 2011/10/30(日) 22:14:21|
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殺されていく子ども

▽シリア治安部隊発砲、反政府デモ40人死亡(読売新聞 10月29日)
 ハマとホムスを中心にまた軍やアムン(治安部隊)が人々を殺しまくっています。殺戮が恒常化し、あまり日本ではニュースにもなっていませんが、下記のような映像が日々撮影されています。

▽装甲戦闘車両で無差別攻撃
 本日のホムスです。政府軍の装甲車両(ちょっと種類までわかりません)が、住人のいる建物をバンバン銃撃・砲撃しています。ちょっとひどいです。

▽子どもの犠牲者
 27日、ダラアにて。正直、ちょっと泣きそうになりました。
 子どもが大量の血を流して死んでいく場面。父親らしき男性が抱きかかえ、母親らしき女性が寄り添います。これは私が今まで見た映像のなかでも、もっとも残酷で、心がえぐられた衝撃的なものです。
 こういう映像は、あえて見ない人も多いと思います。でも、たとえば上記リンクした新聞記事の文面からは、おそらくほとんど人はまったく何も感じないと思いますが、こちらの映像を見て心が痛まない人はいないと思います。世界中のどんな子どもも、こんなふうに殺してしまってはいけないはずです。
  1. 2011/10/29(土) 22:06:02|
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国土地理院サイバー攻撃/チュニジア選挙で「ナフダ党」勝利

 今度はここ。
▽国土地理院にもサイバー攻撃 大学・企業侵入への足場に(朝日新聞/10月28日)
 もうあちこちやられてますね。
 もしも私が機関員なら、政治家の秘書とか政治部記者とか外務省・防衛省職員の個人パソコンなんかも狙いますね。機密情報の盗み出しは結構面倒ですが、標的のプライベートを探り、不正行為や不貞行為、変態性癖などを掴み、それをネタにエージェントに仕立てるとか。こうなってくると、いといろ想像は膨らみますね。

 さて、話は変わりますが、チュニジアではこういうことになっています。
▽チュニジア制憲議会選挙、イスラム穏健派が圧勝(28日/読売新聞)
 読売によると、イスラム穏健派政党のアンナハダが、得票率41・5%で90議席を獲得し、圧勝したとのことです。
 今でこそ「アンナハダ」=ナフダ党はイスラム穏健派に分類されますが、弾圧時代は完全に地下組織で、ときに武装闘争もやっていました。98年出版の拙著『世界のテロと組織犯罪』および01年出版の拙著『世界のテロリスト』では、イスラム過激派の2組織のうちの穏健なほう、という分類をしています。
 以下、引用。 
◎「ナフダ党」(EN NAHDA=復興/覚醒)
 70年代前半より成長してきたエジプト「モスレム同胞団」系のイスラム勢力が79年に分裂し、過激派が武装闘争を主張して「イスラム集団」(エジプト「イスラム集団」とは別組織)を結成したのが源流。
 81年、民主化政策での多党制移行を機会に、「イスラム集団」は「イスラム博愛運動」(MTI)と改名したが、強硬派が過激テロ路線をスタートさせた。
 88年5月のベン・アリ新政権による民主化政策で、投獄されていた党首ラシド・ガンヌーシらは恩赦され、89年4月の総選挙に際しては、MTIは「ナフダ党」と改名して合法政党となる。
 ところが、その総選挙で17パーセントの得票(都市部では40パーセント)を得ると、政府は危機感を強め、ガンヌーシを国外追放にする(後、欠席裁判で再び終身刑判決)。ガンヌーシはロンドンを拠点にナフダ党を遠隔操作し、かえって組織の先鋭化が進むこととなった。
 91年、ナフダ党は再び非合法化され、大弾圧を受けた。そんななか、湾岸戦争をめぐって党内も分裂。強硬派(親イラク)のガンヌーシ派と、穏健派(親サウジ)のアブドル・ファタ・モロ派に分かれた。主流派はガンヌーシ派が握ったが、徹底的な弾圧に遭い、その後、ほぼ完全に地下潜行することとなった。
 91年9月、ベン・アリ大統領暗殺未遂事件が発生した。準備されたスティンガー・ミサイルは、追跡調査により、アフガニスタン「イスラム党ヘクマチアル派」に供与されていたものと判明した。
 90年代末の時点で、メンバーの多くはスーダンに潜伏し、スーダン政府の全面的支援を受けていた。スーダンでは、エジプト「イスラム集団」らと合流し、イラン革命防衛隊の軍事訓練を受けたほか、若干名はイランでも訓練を受けた様子だ。尚、ガンヌーシら幹部は、スーダンの外交旅券を支給され、ロンドンを拠点とした。
 アフガニスタン・ゲリラ人脈のテロ・ネットワークに参加し、さらにはスーダン=イラン枢軸のイスラム原理主義ネットワークの中枢にも参加。本国チュニジアでの活動よりも、近年はむしろこうした国際テロ人脈への関与が注目されている。
 ただ、2001年に入り、スーダンのイスラム勢力の総帥ハッサン・トラビ「国民イスラム戦線」議長が完全に失脚したため、その庇護下にあった「ナフダ党」ゲリラの現在の状況は流動的とみられる。どちらかといえばイラン保守勢力との関係が注目された「ナフダ党」だったが、もちろんアフガニスタンを拠点とする「アル・カイダ」との関係も深い。

◎ラシード・ガンヌーシ(党首)
 41年、リビア国境近くのアル・ハマ生まれ。宗教学校で学んだ後、シリア留学を経て渡欧。パリのアラブ移民貧民街で生活中に、イスラム原理主義運動と出会う。
 70年代初頭に帰国後、イスラム過激グループの首領格になる。モスレム同胞団系イスラム勢力から分裂し、79年に「イスラム集団」創設。81年に「イスラム博愛運動」、89年に「ナフダ党」と改名した。
 アフガニスタンの旧「イスラム党ヘクマチアル派」および「イスラム連合」、スーダン旧与党「国民イスラム戦線」、イラン情報部、イラクのサダム・フセイン政権、エジプト「イスラム集団」らとコネクションがある。 
(以上、拙著からの引用)

 つまり、もともとアルカイダとも関係がある、そこそこ過激なネットワークに位置していたわけですね。それから年月が流れ、穏健化したということなのでしょうが、党内にはさままざまな考えのメンバーがいそうです。
 ちなみに、拙著ではさらに過激なイスラム・テロ・グループとして、以下の組織も紹介しています。
◎「チュニジア・イスラム戦線」(FIT:FRONT FOR THE ISLAMIC TUNISIA)
 アルジェリアの超過激テロ組織「武装イスラム集団」(GIA)の下部組織として創設。アルジェリア国内のGIAキャンプで訓練を受ける。
 93年2月、アルジェリア国境近くで警察官7人を殺害。チュニジア内のテロ予告と全外国人退去勧告を発表。
 同年5月、再び警察官4人を殺害する。
ーー独裁が打倒されたわけなので、こういう連中も再び出てきそうですね。
  1. 2011/10/28(金) 16:37:15|
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中国が邁進するサイバー攻撃の深層

 連日「新事実」が報道されているサイバー攻撃ですが、今度は「在外公館が感染したウイルスは、中国のサーバーへの接続を指令するものだった」「このサーバーのドメインは09~10年のグーグル攻撃に使用されたものと同一だった」と報じました。
 サイバー攻撃の犯人特定は、理論上ほぼ不可能に近いことはすでに書きましたが、これは状況証拠的には中国が真っ黒といっていいですね。『24』級のプロットとして、どこかの第三者が周到に中国をハメた可能性はゼロではないですが、そこまでやりますかねえ・・・というのが正直な感想です。

 ここで出てきたグーグル事件というのは、以下のような話です。

 そもそも米グーグル社は、中国語版「グーグル・チャイナ」を立ち上げる際、中国当局と交渉し、当局のフィルタリングを受けることになっていました。
 しかし、実際には検閲のない英語版の「グーグル・コム」へのリンクを貼っていたことから、それを削除するように09年4月頃から中国当局が再三要求。グーグル側が拒否すると、同サイトに対するウイルス攻撃などの露骨な圧力が加えられるようになります。
 同年12月にはグーグルのサーバーに対するサイバー攻撃も行われました。主に中国の人権活動家のGメール・アカウントが標的だったのですが、その侵入経路を解析したところ、攻撃者がアクセスコードを盗み、パスワードを管理する基幹システムに侵入していたことが判明しています。どうやら攻撃者はグーグル側も気づいていなかった〝穴〟を攻略していたようで、その技術は本格的なサイバー戦といっても差し支えないレベルの高度なものだったようです。
 また、10年1月には、中国在住の外国人ジャーナリストらのGメール・アカウントも不正侵入を受けたています。同3月にも数人のジャーナリストへのサイバー攻撃があり、その数日後には外国人記者クラブのサイトも狙われました。こうした事態に、10年3月、グーグルは中国本土から香港に拠点を撤退することを余儀なくされています。なお、この時期はウーグルだけでなく、中国に関係が深いアメリカ企業や、中国当局とトラブルを抱えていた企業など、他にも約30社が中国のサイバー攻撃と思われる攻撃を受けています。
 なお、真偽は不明ですが、このグーグルへのサイバー攻撃について、ウィキリークスが興味深いアメリカ外交公電を公表しています。
 まず、09年5月18日に在北京アメリカ大使館発で発信された秘(コンフィデンシャル)指定の公電には、以下のように書かれています。
「中国政府は検閲の厳しい中国語版『グーグル・チャイナ』サイトから、検閲のない英語版『グーグル・コム』へのリンクを外すなど、検閲の強化を迫ったが、それは政治局常務委員の命令だった」
「その常務委員は自分の名前をグーグル検索したところ、自分に否定的な記述があったことに激怒して、そうした措置をとった」
「その他にも2人の政府最高幹部がグーグルへの圧力に関わった」
「グーグル側が検閲強化を拒否したため、中国政府は国内の3大通信会社にグーグルとの取引停止を命じた」
 では、実際にどのような中国側からの圧力があったのでしょうか? グーグル側の主張が、発信日/秘密指定区分などがウィキリークスの判断によって伏字とされている北京発の別の公電に記述されています。
「07年以降、グーグルは常に中国当局から圧力を受けてきた」
「09年6月より、有害エロサイトに繋がるとの名目で、中国側はグーグルへの圧力を拡大した」
「中国側では新聞弁公室を中心に、国務院の工業・情報化部(工業和信息化部)や公安部などがこうした活動に関与している」
「09年6月24日、ウイルスによって24時間アクセス停止に追い込まれた」
「09年3月にもユーチューブへのアクセスが停止したことがあり、グーグルは中国によるサイバー攻撃と考えている」

 では、このサイバー攻撃はいったい誰の仕業だったのでしょうか? やはり日付や秘密指定区分が伏字とされた北京発の公電に、ある中国側情報源からの情報として、以下のように報告されています。
「グーグルへのサイバー攻撃は、政治局常務委員会レベルでの指示だったとの情報がある」
「別の政府最高指導者のひとりが、中国最大の検索サイト『百度』と連携してグーグルへの攻撃に加担しているとの情報もある」
「新聞弁公室がグーグルへの圧力の中心的存在だ」
「胡錦濤国家主席や温家宝首相がこれらに気づいているかどうかは不明」
 これらの情報がすべて事実だとすれば、グーグルへの圧力は▽政治局常務委員Aが自分への批判情報をサイトで見つけてグーグル規制を指示→▽別の政権最高幹部Bが、グーグルのライバルである「百度」と結託してグーグル規制に加担→▽もう一人の政権幹部Cがグーグルへのオモテの圧力に加担→国務省新聞弁公室がグーグルへの圧力工作を主導→▽工業・情報化部や公安部も加担→政治局常務委員クラスがサイバー攻撃を指示、という流れになっていたことになります。
 右記の人物名については、公開された公電では伏字とされていましたが、ウィキリークスと提携する『ニューヨーク・タイムズ』が10年12月4日に記事中で明記しました。それによると、最初にグーグルへの圧力を指示した大物政治家Aは李長春・常務委員(思想・宣伝担当)で、それに加担した最高幹部Bは周永康・常務委員(治安・司法担当)、検閲強化をグーグルに迫った政権幹部Cは劉雲山・党中央宣伝部長(政治局員)で、サイバー攻撃は李長春と周永康の指示のもとで新聞弁公室が主導して行われたということでした。
 以上はあくまでアメリカ当局者の報告に基づくもので、事実かどうかは不明ですが、こうして中国最高幹部の実名が名指しされたというのは、非常に興味深いものがあります。
 なお、李長春は党内序列5位で、党中央精神文明建設指導委員会の主任(委員長)として、党の思想・宣伝を統括しています。プロパガンダ政策の実務を取り仕切る党中央宣伝部はその指導下におかれます。同委員会の副主任は、直系の部下である劉雲山・党宣伝部長です。
 ちなみに、党中央宣伝部の指導下に、党の対外プロパガンダを担当する党中央対外宣伝弁公室が置かれていますが、じつはこの中央対外宣伝弁公室は、国務院の新聞弁公室と事実上同一の組織です。なので、中国のネット統制は李長春⇒党中央宣伝部⇒党中央対外宣伝弁公室(=国務院新聞弁公室)という指揮ラインで統率されていることになります。前出の王晨・新聞弁公室主任は同時に党中央対外宣伝弁公室主任であり、さらに党中央宣伝部次長も兼任しています。
 他方、周永康は党内序列第9位の元公安部長で、現在は党中央政法委員会書記兼党中央治安綜合治理委員会主任として、公安部を影響下に置いています。李長春も周永康も、ともに反胡錦濤派の重鎮ですね。
 グーグルへのサイバー攻撃に周永康が関与したとすれば、公安部も動いた可能性があります。百度と結託して加担したという情報が事実なら、百度側の利害と公安警察の利害が一致したということなのかもしれません。
 なお、百度は2000年にアメリカのベンチャー資本も参加して設立された中国語検索サイトの会社で、10年のグーグル・チャイナの中国本土撤退を受けて、検索エンジンの国内シェアをいっきに増やし、現在は70%以上を独占しているといわれています。10年第4四半期の売上は3億7130万ドルに達するなど、いまやグーグルに次ぐ世界第2位の検索サイトになっています。
 また、10年2月19日付『ニューヨーク・タイムズ』によると、グーグルへのサイバー攻撃の発信源を同社とアメリカ情報当局が調査したところ、上海交通大学と山東省のコンピューター技術者養成学校「山東藍翔高級技工学校」が浮上したということです。とくに後者は人民解放軍のサイバー部隊系列の教育機関と目されています。党中枢からの指示ということで、軍も含む国内のさまざまな組織が加担していたということと推定されます。

 現在、中国ではさまざまな機関が、競うようにサイバー戦(サイバー防御/ネット監視を含む)に乗り出しています。国務院公安部、新聞弁公室、工業・情報化部、中国インターネット・ネットワーク情報センター、党中央宣伝部、国家安全部第13局(科学的偵察技術担当)、人民解放軍総参謀部第2部(情報部)、同第3部(技術偵察部)、同第4部(電子戦部)、中国信息安全测评中心(中国情報技術保安評価センター)などです。そのなかでも中心になっているのが、総参謀部の第3部と第4部であることは、すでに当ブログでご紹介したとおりです。

 中国にはきわめて優秀な民間ハッカーが多数いますが、彼らと中国当局との関係も極めて深いものがあります。 中国では、政府機関や軍のサイバー戦部門は、中国各地の技術系の教育機関や企業と密接に繋がっていて、アメリカ留学経験者なども含む優秀な技術者を集めて巨大な「民兵部門」を運営し、いまや世界有数のサイバー戦能力を獲得していると推定されます。
 こうした国家規模のサイバー戦に、民間のハッカーが協力している形跡があります。中国には有名な「中国紅客連盟」などの大規模なハッカー・グループがいくつもありますが、彼らも水面下では政府機関・軍と繋がっているとみられています。中国紅客連盟は01年のアメリカ政府機関サイト攻撃で中心的な役割を果たしたグループで、しばしば反日ネット活動を行っていることでも知られています。
 この中国紅客連盟に関しても、ウィキリークスに興味深い情報があります。09年6月29日に極秘指定で国務省が発信した外交保安日報に記述されていた報告によると、中国当局は中国情報技術保安評価センターの事実上の傘下にある民間ITセキュリティ会社最大手「天融信」(TOPSEC)社と「启明星辰」(VENUSTECH)社を通じて、サイバー攻撃のための優秀な人材を集めている疑いがあるというのです。
 たとえば、中国情報技術保安評価センターは、03年にウインドウズのソースコードへのアクセスをマイクロソフト社と合意していますが、その直後に軍の通信連隊の幹部が天融信で何らかの研修を受けていたようです。当時、紅客連盟の創始者のひとりであるリン・ヨン(通称ライオン)という人物が、少なくとも02~03年に同社に雇用され、そうした研修の監督を請け負っていたというのです。

 これはほんの一例ですが、とにかく中国のハッカーは侮れません。たとえば、聞くところによると、中国に進出している主要外国企業は、そんな地元の民間ハッカーと高給で契約しているそうです。中国はネット監視・検閲を非常に強化していますが、そのため、ネット通信がしばしばダウンすることがあります。そうなると、通信が回復するまで、企業は仕事がストップして損害を被ることになります。
 そんなとき、地元のハッカー(企業側はハッカーとは呼びませんが)に依頼すると、サクサクとファイアウォール回避のプログラムを作成してしまうそうです。私が聞いた話はおそらく話が多少誇張されてはいるのでしょうが、ネット通信対策のために地元の優秀な技術者を雇うということは、日本企業でも欧米の企業でも、結構よくあることではあるそうです。
 しかし、そんな技術者(ハッカー)なら、背後で中国当局と繋がっている可能性もあります。となれば、会社の機密情報がダダ漏れになってします恐れもあるのではないかと思います。
 そのことをある中国進出企業の人に尋ねてみたことがあるのですが、「そうだろうけど、まあしかたないね。あの国で商売やる以上はね」との答えでした。
 それが嫌ならグーグルのように撤退するしかない・・・というわけですが、いまや多くの外国企業が、中国と手を切っては生き残れない時代になっています。結局、中国には勝てないということでしょうか。
  1. 2011/10/28(金) 11:02:04|
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カダフィ次男が命乞い

▽リビア:カダフィ大佐の次男が投降意向
 セイフ・アル・イスラムが、人道に対する罪で逮捕状を出していた国際刑事裁判所(ICC)へ逃げ込みたいとの意向。今さら命乞いかよ!
 現在発売中の『NEWSWEEK』は、カダフィ処刑を徹底的に非難していましたが、世界の独裁者をビビらせるということでは、それなりに良かったかなというのが、私の感想です。国民を殺すような独裁者は、いずれこういう目に遭うのだと見せつけられれば、早めに逃げ出そうと独裁者が考える可能性があります。
 同誌が書くように、法的な建前でも残党対策でも情報収集でも、生かしておいたほうがいいという考えもありますが、いま現実にいちばん重要なことは、まだ本国に君臨し、国民を殺し続けている独裁者をいかに早く「諦めさせる」ことなのではないかと思います。それには、同じ独裁者の悲惨な末路が、いちばん効果的ではないかと思います。
  1. 2011/10/28(金) 01:59:28|
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シリアで英国人が逮捕されていた

 最近、フランス人女性ジャーナリスト、BBC女性記者、英「チャンネル4」取材班(イラン系イギリス人女性レポーター&アラブ系の名前の男性ディレクター)が相次いでシリア国内に潜入して撮影した番組が放送されたことを紹介しましたが、うまくいった人もいれば、うまくいかなかった人もいたようです。
 25日、英チャンネル4が、同局の番組のためにシリアで潜入取材していたイギリス人ドキュメンタリー監督のショーン・マッカリスター氏が、ダマスカス市内で協力者とともに逮捕・拘束され、シリア当局が反体制活動家たちに拷問をしていたのを目撃していたことを、帰国した氏のインタビューとともに放送しました。
▽Journalist witnesses Syrian authorities torturing (10月25日/Channel 4 News)
 彼と一緒に逮捕された現地の活動家はまだ拘束されたままのようですが、それでも、ご本人だけでも無事生還できてよかったです。あんな国で逮捕されるなんて、私なんて想像するだけでビビっちゃいますね。戦場取材よりずっと恐ろしいです。
 それにしても、ヨーロッパのジャーナリストの勇気・行動力は素晴らしいですね。もっとも、日本人では風貌&言葉の問題で、たしかにちょっとハードルが高いですが。

 ところで、取材の失敗など、私はそれこそたくさん経験していますが、風貌&言葉ということで思い出した「潜入」失敗談をひとつ。
 91年の湾岸戦争の最終局面の頃のこと。私はイランの首都テヘランから、イラクに近い南西部の町アフワズに向かう長距離列車の中で、湾岸戦争終結のニュースを知りました。
 ですが、その後、すぐにイラクでは南部のシーア派の反フセイン蜂起が発生し、バスラなども反乱勢力の手に落ちて、無政府状態になりました。
 これをラジオで聞いて、私は俄然燃えました。世界のニュースの最前線となっていたバスラに、距離的には世界中のジャーナリストの中で、アフワズにいる自分がダントツで近い場所にいたからです。
「これは潜入すれば世界的な大スクープだ!」
 しかも、フセイン政権はそのとき、シリア南部のコントロールを完全に失っていました。ということは、目と鼻の先にあるイラク国境までたどり着けば、楽勝でバスラに入れてしまう可能性が非常に高いわけです。
 警察国家・イランの政府は外国人記者の自由な取材を禁じていましたし(なので、一般旅行者として入国しました)、イラン=イラク戦争の頃から国境地帯は地雷原になってはいましたが、こういうときは、現地の詳しい人間の手引きがあれば、なんとかなるものです。私は勇んで乗り合いタクシーに乗り込むと、バスラまでわずか30キロ足らずの国境の都市ホラムシャーに向かいました。途中、何度かイラン軍の検問がありましたが、乗り合いタクシーはまったく目を留められることもなく、カフィーヤで顔を隠した私は、ホラムシャーにすんなりと到着しました。
 町の中心部の市場でタクシーを降りた私は、すぐに案内人を探すことにしました。国境へのアクセスに詳しい住人をカネで雇うわけです。こういうちょっとウラの事情に詳しい地元民というのは、市場をメインに探すと見つけやすいものなのです。
 しかし、私は自分が甘かったことを、すぐに思い知ることになります。東洋人の風貌を持つ私は、あっという間に好奇心に満ちた人々に囲まれてしまったのです。
 しかし、現地語のわからない私は、人々とまったく意思の疎通ができません。が、人々はとても親切で、私が困っていると、すぐに警察官を呼んできてくれました。
 そのエラく愛想のいい警察官ともあまり言葉が通じなかったのですが、なんとかカタコトで「英語が出来る人を呼んだから心配するな」と言っていることがわかりました。そして現れたのが、泣く子も黙る公安警察「コミテ」。確かに英語が堪能でしたが、これでもうすべてがおしまいです。
 私はコミテの事務所に連行され、そのままアフワズに移送されました。珍しい東洋人の風貌と、現地語が出来ないことが致命的でした。
 もっとも、結果的にはそれが良かったのかもしれません。イラクではすぐにフセイン軍が反撃し、シーア派反乱勢力を駆逐してイラク南部を完全に掌握したからです。もしあのままバスラに潜入していたら、フセイン軍の大攻勢に巻き込まれていたか、少なくともフセイン軍に拘束されたであろうことは、まず間違いと思います。
 あんな国で、誰にも知られないまま密かに拘束される・・・考えただけでゾッとします。
  1. 2011/10/28(金) 00:34:36|
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被害妄想ニッポン?

 他人様の記事紹介ばかりですみません。すべて同意というわけではないのですが、示唆に富む記事をいくつか、ご紹介します。

①「週刊朝日」今週号より、「細野式数学的思考力~結局、こういうことですよね」(細野真弘氏コラム)
 今週のタイトルは「年金支給年齢引き上げ報道①」
 年金問題は「年金財政」ではなく、「世代間不公平」の問題だということ。日本の年金制度は諸外国に比べて恵まれていること。年金支給開始年引き上げに関して議論しただけなのに(すでに以前から議論されていたもの)、マスコミによってなぜか唐突に「年金は将来もらえなくなる」と短絡した報道が噴出したこと・・・などを指摘しています。

本当の専門家に聞いてみた放射能の真実~「分からない」から不安と恐怖が増殖していく(JPプレス/10月27日/鶴岡弘之氏)
『放射能の真実』の著者(辛坊治郎氏との共著)で、京都大学原子炉実験所の高橋千太郎副所長へのインタビュー記事。京都大学原子炉実験所といえば、マスコミ的には反原発派の梁山泊みたいなイメージですが、高橋氏はかなり違う見方をする専門家です。
 低線量被爆の人体への影響はよくわかっていないこと。それでも世界で長年の研究・検討の経緯があり、科学的議論とは別の社会の合意として、国際放射線防護委員会(ICRP)がかなり低めに設定した被曝限度を勧告していること。ただし、日本の暫定規制値もそれなりに厳しく設定してあるので、たとえば外部被曝のない京都などでは、暫定規制値の100倍くらいの放射線濃度のものを食べても問題ないこと。さらに、たとえば横浜のストロンチウムなど、報道されている放射線量はまったく問題のない数値で、検出されたというだけで大騒ぎする必要はないこと・・・等々を解説しています。
 本文はぜひ上記リンク記事の一読をお薦めしますが、重要な問題なので、以下一部引用します。
(質問)テレビで、東北の農産物を子供に食べさせてはいけない、捨ててくださいと訴えた学者がいました。東北の農産物は食べても大丈夫ですか。
「原発周辺に住まわれている方は、食品以外に外部被曝のリスクもあるし、ホコリの吸入による被曝のリスクもあります。暫定規制値は、そういう人たちを念頭に置いて定められた数値です。でも、それ以外の地域の方であれば、規制値をちょっと上回った食品を1カ月や2カ月食べ続けたって、健康にはなんの影響もありません」
(質問)放射能への不安と恐怖が蔓延しています。都内に住んでいる私の知り合いは、プールの底に放射性物質がたまっているといって、小学校のプール開き前の掃除に自分の子供を参加させませんでした。校庭の草刈りにも参加させないそうです。
「おそらく、見えないものに対する恐怖が極めて大きいんだと思います。人間の心情として、見えないもの、コントロールできないものを非常に危険視する傾向があります。
 また精神的にストレスが高い状態になると、極論に走りたがるものです。『危険かどうか分からない、だから危ない』と考えて、徹底的に遠ざけようとするんですね」
(質問)原発の是非は別にして、テレビや週刊誌、ネットなどの情報の中には放射能に対する不安を必要以上にあおっているものも見受けられます。
「放射能と戦う『正義の味方』になると、もてはやされますからね。また、『心配いりません』と言うより『こんなに危険です』と言った方が話題になり、注目してもらえるという側面もあると思います。
 しかし、一般の方がそれをそのまま受け止めていては弊害があります。もっと冷静に見つめて、この事態に対応していただきたいと思います」
 以上、引用。こうした専門家の声は、なかなか報道には乗らないですね。

被害妄想と時代錯誤の「黒船」~TPP論争問題は農業保護でも貿易自由化でもない(こちらもJPプレス/10月26日/池田信夫氏)
 TPPの脅威は、日本でだけ、反対派のあいだでだけ盛り上がっていること。反対派の言うアメリカ陰謀論=「アメリカの強硬な対日要求」など一向に出てきていないこと。経済の老化段階にある日本にはTPPが必要なこと・・・等々を指摘しています。

 これらの記事に共通するのは、短絡的な煽り情報の弊害への懸念ということですね。
 いま私が取り組んでいるサイバー攻撃関連でも、無防備でいることへの懸念を私は主張しているのですが、煽ってばかりいてはマズイのかも・・。
 サイバー攻撃は現実のもので、それに警鐘を鳴らすということ自体は間違っていないと思っているのですが、付け加えるなら、これはなにも日本ばかりが被害に遭っているわけではないことで、世界的なトレンドだということ。他国が欲しがる情報が少ない日本は、むしろ標的としてはマイナーなほうであること。サイバー攻撃の主舞台は、世界を動かしているアメリカ、ロシア、中国(&台湾・インド)、欧州主要国、あるいは紛争当事者の中東や朝鮮半島などであること、などもきちんと指摘したほうがいいのかもしれません。
  
 上記の②記事では、高橋先生がこんなことも言っています。
「テレビ局なんかはいきなり電話してきて、年間100ミリシーベルト以下の放射線は人体に影響があるんですか、ないんですか、どっちなんですかと聞いてくるんです。分からないとしか言えないんですよ、一言で説明するのは難しいんですよね、と答えていたら、いつの間にか取材されなくなりました」
 高橋先生はべつにそういうことをメインに言いたいわけではなく、インタビュー時に出た話のなかから、取材者が面白いと感じたエピソードを抜き出しただけなのでしょうが、私も似たような経験があります。
 欧州などでアルカイダ系のテロが続出した頃、「次は日本が危ない!」というような記事で、週刊誌などからコメントをときおり求められました。アルカイダの本なども出していたので、無名の私のようなものでも、ありがたいことに多少は需要があったわけです。
 でも、「日本でアルカイダのテロなんて考えられない」というような話ばかりしていたので、たいていボツでした。しょうがないですけど・・・(最後は愚痴ですみません)。

(追記)
 ところで、開米瑞浩さんの「原子力論考」新記事(▽人はメンツで理屈を語るもの(後編)で、興味深い2つの記事が紹介されていました。
▽日本の「被曝限度」は厳しすぎる~私が「月間100ミリシーベルト」を許容する理由(日経ビジネス・オンライン/10月17日/山田久美氏)
 オックスフォード大学名誉教授の物理学者へのインタビューです。
▽放射能を恐れすぎるな、フクシマの危機は過ぎたBLOGOS編集部/7月11日)
 こちらはロシアの原発事故専門家が、7月に自由報道協会主催で行った会見の起こしです。同協会は反原発派の牙城のようなイメージがあったのですが、こうして自分たちの主張に反する専門家の話もきちんと採り上げているところは流石ですね。こちらは専門家の中の専門家が、ニュートラルな立場から専門的な見地で原発事故・放射能汚染に関しての見解を述べています。少し長い記事ですが、この方のコメントの中に、今も続く「煽り情報」の問題点が語りつくされています。面白い内容なので、ぜひご一読をお薦めします。 
 とにかくいろいろな専門家の話を聞いて、(最近よく聞く言葉ですが)正しく怖がりましょう。
 少し前、山梨県に行く機会があったのですが、そこの飲食店で、私の同郷(いわき市出身)の従業員に会いました。放射能から逃れるために避難したのだそうです。
 この人を責めるつもりも、哂うつもりもありません。いろいろ悩みはあるはずです。今のところ自分の知るかぎりでは、故郷の友人で避難した人はいませんが、やっぱりみんな不安なのは知っています。
 とにかくいろいろな専門家の話を聞いて、正しく怖がるしかないと思います。
  1. 2011/10/27(木) 10:48:35|
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シリア反乱軍の映像

「シリアの反乱軍が1万人突破!」などという情報がネット上を飛び交っていますが、それを裏づける映像が出ていないので、実際のところはわかりません。
 ですが、ようやく一部の部隊の映像が出てきました。
▽デルゾールの自由シリア軍の映像
 25日のアップです。デモ隊に合流していますが、ざっと数えたところ30人くらいですね。
 まあ、小さめの1個小隊といったところですが、これまで出た映像の中ではいちばん多いです。
 また、今月21日にも、20人くらいの反乱軍の映像が出て、BBCで放送されてました。自由シリア軍といっても、これまではせいぜい10人くらいの映像しかありませんでしたから、BBCも報道したのでしょう。元素材はこちらですね。
▽反乱軍の映像その2
 こちらは自らを自由シリア軍の「カティーバトゥ・アル・カウカーウ」(カウカーウ大隊)所属の「サリアトゥ・アル・カッサム」(カッサム分隊)と名乗っています。カウカーウもカッサムも昔の英雄の名前ですね。
 もっと多数のまとまった部隊が編成されていれば、それなりの人数で映像を撮影するはずなので、まだまだ反乱軍の規模はたいしたものではないと思われますが、徐々に増えてはいるようなので、今後に期待です。
 ちなみに、映像をみると、とりあえずRPGは持っているようなので、小隊規模の部隊がいくつかあれば、そこそこゲリラ戦くらいはできそうですね。
 ただ、フェイスブックではデモ隊を守ることが期待されているようですが、シャビーハぐらいは何とかなっても、政府軍が出てきたら、ひとたまりもないでしょうね。
  1. 2011/10/26(水) 22:02:48|
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再び嘉手納統合案「検討」のすすめ

普天間「アセス年内提出」首相が米国防長官に表明(読売)
 で、片やこれ。
成算なき見切り発車 日米防衛相会談(琉球新報)

 なんだかまたもや問題先送りな感じにみえるのは、私だけでしょうか。しかも、先送る時間もそれほどないのに・・・。
 それにしても、どちらサイドからも嘉手納統合案が見事にスルーされていますね。普天間存続瀬戸際なのに・・・。
 せっかくこういう動きが米議会にあるのに、です。
▽嘉手納統合案の検討を要求 米議員、国防長官に書簡(共同配信・産経・20日)
 つい先日のエントリーでも書きましたが、嘉手納統合案はもともとアメリカ側から拒否られたプランでした。が、その後、一転して米議会から逆提案されています。
 米軍も米政府も反対していますが、米議会の力は絶大なので、それに乗ってみるのというのもアリなのではないでしょうか。こういうことを書くと、沖縄の人に怒られるかもしれませんが、普天間固定化瀬戸際だという現実もあるわけで・・・。

 アメリカは今、国防予算の大幅削減と、防衛政策の国内防衛シフト転換に大々的に乗り出しつつあります。この機会に、この案に乗ってみるのもアリだと思うのですが・・・。どのみち県外移転は絶望的ですが、それなら普天間固定や辺野古埋立てよりベターではないですか?
 で、なんだか話が噛みあっていない話→
▽玄葉外相:嘉手納統合「ない」 /沖縄(毎日・20日)
 外相が「ない」と言っているのは、日米合意遵守と言っているかぎり、責任問題が今すぐは発生しないからです。つまり、辺野古沖移転が前提。
 沖縄側が反対しているのは、もちろん県外移転が前提。双方、相手のホンネがわかっているくせに、話し合いを続けているフリ→で、時間浪費。
 こういうのを「茶番」というのでは? いや、大人の智恵ってやつ? なんだかなあ・・・。
  1. 2011/10/26(水) 14:49:46|
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サイバー攻撃対策の難しさ

 今度は各地の日本大使館がサイバー攻撃に遭っていたことが発覚しました。もうあちこち狙われてます。
 実際、ウイルスはどんどん作成されていますから、狙われたら感染自体を防ぐことは非常に難しいですね。検知して駆除しても、その頃にはもう未知の新ウイルスが送りこまれている可能性があります。ウイルス駆除はウイルスを特定してからの作業になりますから、どうしてもそこにタイムラグは生じるわけです。
 ただ、本当の機密情報はどこもそれなりにガードの厚いので、そう簡単に抜かれることはありません。しかし、それで油断はもちろん厳禁です。いずれにせよ、政府機関・先進産業界は非常に高度なサイバー攻撃で、意図的に狙われているという前提で対処する必要があります。
 問題は、サイバー攻撃は、攻撃者を特定できないということです。ネットをそこそこ利用している方はご存知のように、ネットは基本的には匿名で利用できません。トラフィックはログを完全に解析すれば、ほぼ完全に追跡することが、理論上は可能です。
 匿名でサイバー攻撃を行うには、いちばん簡単な方法は、使用者の身元を完全に偽装してネットカフェやどこかの第三者の端末を使用することです。こうすれば、サイバー攻撃に使用された端末は特定されても、使用者が特定できません。
 それ以外の場合は、サーバー管理者や通信事業者がデータ提供などで協力すれば、攻撃者までたどり着けることになります。ただし、事業者は信用が第一であり、通信の秘密も守らなければなりませんから、そう簡単には捜査当局に協力しません。ウィキリークスがスウェーデンの業者を使っていたのは、そのためです。
 ネット詐欺や愉快犯ハッカーなどの場合、司法当局による正規の捜査協力要請・命令などがあって業者が協力し、犯人逮捕にたどり着くことがあります。あるいは、用心深くない攻撃者であれば、不正アクセスを泳がせ、攻撃ルートの端末を逆ハッキングすることで、その先の攻撃者にたどり着けるかもしれません。
 しかし、国家機関によるサイバー攻撃の場合、その国が協力することはありませんから、攻撃者特定はまず無理です。いくらある国のサーバーにたどり着き、その国が怪しいからといって、「第3者の中継に利用されただけ」と主張されれば、そこでおしまいです。

 なので、サイバー攻撃の犯人を名指しするのは非常に難しいわけですが、状況証拠的には、中国が国家を挙げて、世界中でサイバー攻撃をやっていることは、まず間違いないと考えていいと思います。中国の機関が日本になんらサイバー攻撃をやっていないと想定することは、あまりに無防備すぎるでしょう。
 中国はかなり前から、サイバー戦能力の増強を国家目標として突き進んでおり、サイバー・スパイもその一貫として行っています。そのあたりを最近研究しているのですが、雑誌寄稿予定があるので、本日はこの辺で。
  1. 2011/10/26(水) 11:43:43|
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三菱重工と衆議院へのサイバー攻撃

 三菱重工へのサイバー・スパイに関して24日、新事実が発覚しました。これまで計83台の社内コンピューターがウイルス感染していたことが明らかになっていましたが、さらに数十台が感染していました。
 また、戦闘機開発や原発に関する社内資料が、本来のサーバーから別のサーバーに密かに移動させられていたことも判明しています。そこから外部に送信された痕跡はまだ発見されておらず、資料そのものにも防衛秘密は含まれていないとのことですが、次から次へと出てきますね。サーバーの解析が進めば、さらにいろいろ出てきそうな感じです。
 他方、サイバー関連では読売新聞に遅れをとっていた朝日新聞ですが、本日、新たなスクープを報じました。衆議院議員の公務用パソコンや、衆議院内のサーバーが、少なくとも今年7月にはウイルス感染しており、議員のネットIDやパスワードなどが流出していた可能性があるというのです。それで少なくとも1ヶ月間、議員たちのメールなどが外部から見られる状態にあったといいます。
 こちらも三菱重工同様、いわゆる標的型メールで感染したようです。

 どんどん明らかになるサイバー・スパイですが、こうして判明したものはまず間違いなく氷山の一角でしょう。サイバー・スパイにはたいして経費も要らず、バレても犯人特定はほぼ不可能ですから、言ってみれば「ヤリ得」です。しかも、成功すれば、とてつもなく重要な情報が大量に入手できる可能性も高い。となれば、「敵」は欲しい情報がありそうな対象はすべて狙ってくるとみるべきです。
 こうしたサイバー・スパイは現在、海外のケースも含めて、ほとんどが標的型メールで、いわゆる「トロイの木馬」を送り込むことで行われています。
 標的型メールとは、狙った相手にメールを送り、相手がそれを開くことでウイルス感染させる手口です。もっとも一般的な手法は、ウイルスを仕込んだPDFファイルなどを、添付することです。もっとも、不審メールでは相手を警戒させてしまうので、事前に相手の仕事関係などを調査し、それっぽい偽装を施すのが一般的です。その点で、サイバー・スパイは、カモが引っ掛かったら儲けものといったスタンスで偽装の粗いネット詐欺より、ひと手間かかってはいます。

 トロイの木馬は、ネット詐欺などでもお馴染みですが、密かに相手のコンピューターに入り込み、外部に情報を流出させたり、外部の指令に従ったりするものです。いくつか種類がありますが、サイバー・スパイでもっとも使われているのは、RATと呼ばれるものです。
 RATはリモート・アドミニストレーション・ツールのことで(リモート・アクセス・ツール、リモート・アクセス・トロイというときもあります)、要するに、外部の第三者がそのコンピューターの管理者に成りすませるようにするものです。これを仕込まれたコンピューターは、そのコードを知る敵に、いわば乗っとられます。
 こうして感染コンピューターは、「敵」のコマンドに従って、通信データあるいは内部のファイルを外部に送信したり、画面情報を送信したり、さらには内蔵・外付けのカメラやマイクを勝手に起動されて、室内の様子を送信したりします。三菱重工に送られたものは多種あるようですが、このRATがメインだったようです。
 トロイの木馬には他にも、パスワード・スチーラー(PSW)と呼ばれるタイプもあります。今回、衆議院で発見されたのは、こちらかもしれません。

 犯人が誰かは特定できませんが、少なくとも三菱重工の件は、動機や作戦規模などの面から消去法で容疑者を絞り込むと、中国の人民解放軍のネット軍の可能性がもっとも高いと思います。ネット軍は中国軍の電子戦部門を統括する総参謀部第4部を司令塔とし、信号情報収集を担当する第3部のネット部門を含め、協力関係にある民間の研究機関や企業などの民間技術者、あるいは民間ハッカーなども含めた膨大な「民兵部門」を統括しています。
 中国が犯人とすれば、今回はスパイ工作なので、総参謀部第3部の工作か、そのフロントであるハッカーにやらせた可能性が高いのではないかと私は見ています。
 一方、衆議院のほうは、現時点での情報では、まだなんとも判断がつきません。もちろん中国ネット軍にも動機はありますが、他にも容疑者はいくらでも思いつきます。ロシアかもしれないし、北朝鮮かもしれない。中国の民間ハッカーかもしれないし、あるいは日本のハッカーかもしれない。もしかしたら、アメリカの可能性だって、あり得ないとは決め付けられません。

それにしても、ここのところ諜報の世界におけるサイバー戦の重要度がいっきに上がってきています。各国の諜報機関は、従来どおりのスパイ活動もやってはいますが、なんだかもう時代はすっかりサイバー空間の攻防に移ってきている観もありますね。
 私もここのところ、とくに中国のサイバー部門について研究・執筆する機会が増えてきました。諜報研究の分野も、新段階に入ってきた実感があります。しかもこの分野、知れば知るほど、たいへん興味深いです。軍事・安全保障分野のジャーナリスト業界も、最新兵器など以外の分野ではこれまでは文系の延長でもある程度は対応できましたが、今後はますます理系知識・マインドの勝負になりそうな予感です。
  1. 2011/10/25(火) 06:03:36|
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当然の死と崇高な死

 ここ数日、若干アクセスが増えているのですが、解析をみると、カダフィ死亡関連動画を紹介したエントリーでたどり着いていただいた方が多いようです。
 カダフィ処刑については、人道的観点からの異論などもあるようですが、私自身は、あれだけ人を殺してきた人物ですから、とくになんとも思いません。

 ところで、皆様は「人が人を助けようとして殺された瞬間」を見たことがありますでしょうか?
 もしも何かのはずみでたまたま当ブログを覗いていただいた方がおられましたら、他のエントリーはどうでも構いませんので、ぜひともシリアで撮影された次の動画を見ていただければと思います。
▽仲間を助けようとして射殺された人(ホムス・10月23日アップ)
 映像撮影としてはそれほどうまいカットではないですし、暗くてわかりづらいですが、私自身はとても衝撃を受けました。できれば少しでも多くの方に見ていただきたいと願っています。
 アサド政権側の狙撃者に撃たれて倒れた仲間(説明文によると、結局は死亡したそうです)を救おうとして、ひとりの勇気ある男性が駆け寄り、相手を運び出そうとした瞬間に自身が狙い撃ちされます。動画説明文によると、彼もそのまま死亡したようです。
 この映像から何をどう感じるかは人それぞれでしょうが、こちらの死は本当に痛ましいものです。銃撃戦の現場経験は私もありますが、このような状況で自分は同じような行動はとてもとれないだろうなと思います。
 独裁に異議を唱えて武器も持たずに立ち上がった人々の、現在置かれている状況というのは、こういうものです。残虐映像が苦手という方も、いわゆる損壊死体とか流血シーンとかいうのとは少し違いますので、できれば見ていただきたいと思います。

 また、昨日のエントリーでも紹介した映像を、もう一度貼ります。こちらも残虐シーンではないので、ぜひとも少しでも多くの方に目にしていただきたいと願っています。
▽装甲車に投石で立ち向かう男たち
(10月21日アップ。撮影は10月14日・ダラア)
 これがシリアで現在進行している現実です。

 紛争において、善玉vs悪玉という構図で状況を単純化するのは、理解を誤ることが少なくないことは承知していますが、少なくとも非武装の自国民を殺戮するような独裁権力は「悪」ですね。今日も殺害され続けている人々を、国際社会はなんとか救うことはできないものでしょうか。

 ところで、前回のカダフィ死亡関連のエントリーでは、ささっとユーチューブをチェックして目に入った映像をとり急ぎ貼ったのですが、それよりもっとはっきりわかる映像がありましたので、いちおう貼っておきます。
▽カダフィの最期
 やたら「神は偉大なり!」と興奮して叫ぶ声が被るので、音声が聞きとりづらいですが、わかる範囲でいうと、周辺の民兵たちの間ではこんなやりとりがあります。
「座れ!座れ!」(※カダフィに向かって言っている)
「もういい、充分だ」(※興奮する民兵のひとりに向かって、民兵仲間の誰かが制止している)
「やめろ、やめろ」(おそらく、カダフィを殺そうとする民兵に向かって、誰かが言っている)
「ミスラタ、ミスラタ!」(ミスラタに連れて行こう、という意味)
「馬鹿野郎、このケダモノ! この犬野郎!」

 この映像ではまだカダフィは息絶えてはいませんが、流血がありますので、血を見るのが苦手な方はご注意ください。
  1. 2011/10/25(火) 00:57:28|
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日本人をよく知っている米国防大学研究所

 明日24日から、米朝協議が再開しますが、核交渉進展はまずなさそうです。先日は韓国の国会議員が「北朝鮮が秘密のウラン濃縮施設を稼動中」と発言しました。真偽は不明ですが、あの国のことですから、いずれにせよどこかでこっそりやり続けてるものと考えていいでしょう。
 外交交渉で核廃棄などという夢物語を、もういい加減やめたらいいのではないかと思うのですが・・・。

 ところで、非常に興味深い記事を拝読しました。北朝鮮の政権崩壊時を想定したアメリカの国防大学国家戦略研究所(INSS)の報告書「朝鮮の将来=北朝鮮の政権崩壊の米国外交への挑戦」の概要を、産経新聞の古森義久氏がJBプレスで紹介していました。
▽米国は見透かしている~北朝鮮崩壊時の日本の中途半端な対応を(JBプレス)
 国防大学の所属である同研究所は、要は国防総省・国防長官のシンクタンクですね。そこが、北朝鮮の金政権崩壊が現実に発生する可能性があるとして、周辺国の対応を予測し、アメリカの対応策を検討しています。
 いろいろ興味深い部分は多いですが、なかでも面白いのは、日本の対応がドタバタになることを、はっきり見越していることですね。それがいちいち納得の分析です。日本というより「日本人」のメンタリティを非常に熟知していて、恐れ入りました。
 この報告書、ホントに同研究所の人だけで書いたのでしょうか? 非常に面白いので、上記リンクの古森氏の記事をぜひお薦めします。
  1. 2011/10/23(日) 17:54:47|
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女性ジャーナリストのシリア潜入

 今週、当ブログでいくつかのシリア潜入映像番組を紹介しましたが、さらに凄い番組が出ました。イギリスのチャンネル4の番組「アンリポーテッド・ワールド」が放送した「アンダーカバー・シリア」というドキュメンタリーです。
▽アンダーカバー・シリア(チャンネル4)
 制作は、紛争地取材に定評のあるイギリス・オックスフォードの映像プロダクション「クイックシルバー・メディア」。レポーターは若い女性ジャーナリストで、エンドロールをみると、実際にカメラをまわしている取材ディレクターはアラブ系(男性)ですね。
 番組は約24分間。ほぼすべてが現地ルポで、これまで紹介した他の番組よりかなりプロフェッショナルな作りです。まさに体当たりレポートで、夜間移動、デモ、さらには活動家のアジトで隠れるシーンなど、なかなか緊迫感もあります。全編英語なので、わかりやすいですし、興味のある方にはぜひお薦めします。
 レポーターのラミタ・ナバイさん。ちょっとカッコいいので、少し調べてみました。
 イギリス出身のイラン系イギリス人。03年に大学卒だそうですから、おそらくまだ30歳ちょっとくらいですね。大学卒業後に『ザ・タイムズ』のイラン特派員をやっています。アフガニタン、カシミール、イラクなどさまざまな場所を取材していて、他にもインデペンデントやガーディアン、サンデーヘラルド、アイリッシュ・タイムズなどのさまざまな媒体で仕事をしています。
 最近はチャンネル4の「アンリポーテッド・ワールド」がメインで、イモト並みに文字通り世界中を取材していますね。ジャーナリズムの受賞もあり、私は知りませんでしたが、イギリスでは著名なジャーナリストのようです。
  1. 2011/10/23(日) 14:12:32|
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シリア逮捕者増

 カダフィ殺害で「次はウチも!」と盛り上がるシリアですが、相変わらず軍・治安部隊による「虐殺」継続中。
▽装甲車に投石で立ち向かう男たち※死体場面はありません
(10月21日アップ。撮影は10月14日・ダラア。この人たち、なんて無謀なんだ・・・・)
▽軍による虐殺(※激しい場面があります)
(10月22日アップ。ホムス。当日流れたいくつかの衝撃映像の組み合わせ。こうした殺戮がこの7ヶ月、毎日続けられてきました)

 私の知る限り、少なくとも10日以上前から、シリアで一時切断されていたスカイプが復活したそうです。自然に復活するわけもないですから、明らかに当局が解禁したわけですが、その意図がよくわかりません。
 全土で相変わらず反体制デモが続いていますし、そのスローガンもますます「バシャールを殺せ!」的なものになっていますから、政権側からすると、締め付けを緩める状況ではありません。
 それでもスカイプ解禁の成果として、国内からの生の声が再び海外に出るようになってきたのですが、そうした情報をさまざまなルートから集めてみました。
 まず、最近顕著なこととしては、デモの主力が夜間に移ってきたことがあります。昼間よりも弾圧が緩いからだそうですが、それでも日々、治安部隊による殺人は行われているわけで、基本的な対立構造は変わっていません。
 それと、デモ時以外の反体制活動家の逮捕が凄まじい勢いで行われているようです。しかも、以前はよく調べもせずに闇雲な逮捕が多かったのですが、最近はしっかり人脈を内偵捜査していて、ホンモノの活動家を狙い撃ちしているらしいです。ネットを遮断しないのも、なにかの罠かもしれません。
 反政府デモは、ダマスカス中心部ではほとんど抑え込まれていて、比較的平穏な状態にあります。なので、スカイプで各地の住民と話した人からの情報では、ダマスカス中心部に住む人と、その他の人(ダマス郊外の住人含む)では、状況の認識に大きな差があるようです。要するに、前者にはアサド政権安泰に見えて、後者には革命前夜に見えるということですね。状況を動かすには首都中心部の攻防が最重要ですから、そういう意味では革命はまだまだ道半ばということでしょう。
 スカイプで集めた声のほとんどはアンチ政権ですが、ダマスやアレッポ中心部の、比較的政府がきっちり抑えているエリアの人には、たしかにときおり政府支持者もいるようです。10人に1人くらいは「アメリカの陰謀だ!」と大本営発表そのままの陰謀論を主張する人もいたそうです。
 ただ、スカイプも完全に安全とは言い切れないので、当局を恐れてわざとそう言っている可能性もあります。逆に、スカイプ利用者は革新的な若者層がほとんどなので、ネットをあまり使わない層には、政府支持者が多少はもっといるかもしれません。もっとも、そうした人ほどホンネを言わない習性が身に染み付いているので、本心はよくわかりませんが。まあ、いずれにせよたいていの人がアンチ政権であることには変わりないと思われます。

 一方、すっかりトルコを情報拠点とするようになった反乱軍「自由シリア軍」ですが、盛んに「離反兵1万人突破」「政府軍と反乱軍が戦闘」などという情報が流れているわりに、戦闘シーンの映像の流出がありません。最近は自由シリア軍もフェイスブックを作っているのですが、証拠としての映像がないので、彼らの情報もそのまま受け入れることはできませんね。
 彼らは自分たちで、トルコ国境を往来しているようなことを言ってますが、そういう情報こそあまり手の内を明らかにしてはいけないわけで、どういうつもりなのかわかりません。欺瞞情報かもしれませんが。
 あと、ホムスからハマに移ったなどという話も出しています。これもよくわかりません。

▽自由シリア軍のフェイスブック
  1. 2011/10/23(日) 11:01:16|
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シリアの原理主義組織「アル・ミニーン」

 アル・アラビーヤのベイルート支局が、珍しいインタビューを放送しました。レバノン内の秘密アジトでのインタビューということで登場したのが、ロアイ・ザウビというシリア人です。親アルカイダ系のシリア人の反体制派で「アル・ミニーン」というサラフィーン(イスラム復古主義者)組織の代表者とのことです。
 アル・ミニーンという組織は初めて知りました。(イスラムを絶対的に)信仰する者たち、というような意味です。
 ザウビはもともと、80年代にアフガニスタンで反ソ武装闘争に参加した人物です。アルカイダの草創期からのメンバーで、オサマ・ビンラディンとともに90年代前半期にはスーダンで活動したといいます。その後のアルカイダ全盛時から現在までのアルカイダとの関係は詳しく明らかにしていませんが、現在はレバノンに潜伏し、シリアの反アサド活動に関わっているといいます。
 アル・アラビーヤが採り上げるくらいだから、単なる泡沫組織ということでもないのでしょうが、ザウビ本人曰く、それほど大きな組織ではないそうです。シリアのサラフィーン組織は2派あるらしいのですが、アル・ミニーンはそのうち直接行動派(武装闘争派とは言っていませんが)だそうです。
 シリアの反体制派デモについて、アサド政権は当初から「サラフィーンの過激派が背後にいる」としていますが、ザウビは強く否定しています。とくに初期は「まったく関わっていなかった」と言っています。
 ただ、今後は武装闘争に乗り出すことを強く匂わせていて、「弾圧が今後も続き、シリア国内が大混乱になるようなことがあれば、それは自分たちによるものだろう」というような意味のことを言っています。
 イスランブールの国民評議会には5人の代表者を申請していますが、今のところ門前払いを食らっているそうです。
▽シリアのイスラム原理主義組織「アル・ミニーン」インタビュー
(アラビア語のみ。途中から切れています)

 ところで、話はまったく変わりますが、昨夜は仕事が長引いて一段落したのが深夜3時半頃。その時間から呑みに行くのも面倒なので、深夜TVをザッピングしました。テレ朝「朝まで生テレビ」のテーマは「首相公選制」。話は丁度、自民党と民主党に対立軸がないからダメ、というような内容でした。
 それは本来なら、憲法や国防も含めて「右(保守)」VS「左(リベラル)」で分けるとすっきりするのでしょうが、なにかやたらに理想化されている観のある欧米主要国だって、そんなにトップ2党に政策の違いがあるとは思えません。ただ、アメリカなどは政権が替わると、人がどっと入れ替わるところがミソですね。
 日本も、自民から民主になったからといって、べつに旧社会党チックなリベラル政策への大転換が望まれているわけではなくて、話を聞いていると、脱官僚かどうかということですから、なんだかずいぶん小っこい話な気がします。それならば、民主は単に「利権に疎い自民党」という存在意義でも、べつにいいんじゃないかなと思うのですが、ダメなんでしょうね。
 朝生が途中からマスコミ論にシフトしたので、ザッピング。CNNなどをチラ見した後、CS朝日ニュースターの「ニュースの深層」再放送が面白かったです。
 テーマは「格差社会アメリカの真相」。キャスターは朝生にも出演されていた金慶珠・東海大学准教授で、ゲストはジャーナリストの堀田佳男氏。私は面識はありませんが、在米経験の長い方で、鋭い取材をされている方です。
 長く入り込んで取材をされている方には、ときおり偏った感じの方もいるのですが、堀田氏はそういうところが一切感じられず、今回のウォール街デモの背景なども非常に説得力のある解説をされていました。キャスターの金先生のマシンガンのような進行も、インタビューというより対談のような感じですが、それがかえっていいですね。しっかりした視点での対談は、なかなか見ごたえがありました。
 堀田氏の話で興味深かったことのひとつに、こんな話がありました。ウォール街デモの参加者は、何か建設的な目的があって来ているというわけではなくて、失業して暇だからいるというような若者が多いそうです。ま、そんなものでしょう。
 それに対し、黒人の貧困家庭から立志してピザ店チェーンの経営者になり、現在は共和党大統領候補になっている人物が、「そんな暇があるなら、自分で努力して道を拓け! 貧困は自己責任!」というような発言をしたというのです。己の努力でアメリカン・ドリームを成し遂げた人物なだけに、アメリカ社会ではそれなりに説得力を持って受け入れられている模様。アメリカではちょっとしたニュース・ネタのようですが、私は恥ずかしながら初めて知りました。
 たしかに正論。自分を振り返って、まったく言い返せないっす(・・・反省)。
  1. 2011/10/22(土) 16:14:59|
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カダフィ死の映像

 こういうの、何でも撮影され、あっと言う間に世界中に公開される時代なのだなあ・・・と、時代の変化にしみじみ。ユーチューブにはたくさん出てますが、そのほんの一部です。

▽捕まって、まだ生きているときのカダフィ(画質悪)

▽撃たれた直後(アルジャジーラより。画質悪)

▽カダフィの死体&喜ぶ民兵(死体映像アリ。ちょっとエグいですが、急速拡散中。アサドもサーレハも国民を殺しすぎましたから、いずれそのうち同じような運命じゃないでしょうか。金正日とか正恩とかも他人事ではないですね)
  1. 2011/10/21(金) 19:43:42|
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速報 カダフィ拘束(戦死?)

 まだ第一報ですが、シルテが陥落し、カダフィが拘束されたようです(負傷したとの情報があります)。リビアの人々も、長い圧政がこれでようやく終焉しました。前途はまだまだ多難ですが、まずはおめでとうございますと申し上げたいと思います。
(と書きましたが、たった今、「死亡」の速報が出ました。殺されて当然の男ですが、出来れば生きて辱めを受けさせて、アサドやサーレハをビビらせたかったですね)

 それにしてもカダフィ、結局最後までシルテにいましたか。国外逃亡するのではないかと思っていましたが、そこは覚悟していたのでしょう。さっさと諦めてくれていれば、犠牲者はもっとずっと少なかったはずなのに残念です。

 さて、次はアサドですね。シリアも結局、内戦化しか道はないかもしれません。リビア新政権がシリア反体制派のサポートに廻るでしょうが、国境は接していませんからね。まだまだ長い道です。
  1. 2011/10/20(木) 21:21:41|
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BBCのシリア潜入取材

 昨日、ドイツで放送されたフランス人女性ジャーナリストによるシリア潜入取材映像を紹介しましたが、BBCでもホムスへの潜入取材レポートがありました。こちらも女性記者です。
 アラビア語字幕付きでユーチューブに昨日アップされていたものを見つけましたので、紹介します。こちらは音声自体は英語なので、ドイツ語のよりはわかる人が多いと思います。
▽BBCのホムス潜入取材
 また、BBCは看板番組「パノラマ」でも、9月26日にシリア特集を放送しています。目撃者証言でダラアで起きたことの検証、さらにトルコ取材で活動家や反乱軍リーダーの取材などもやっています。こちらも女性記者(けっこうオバサン)です。ユーチューブにアップがありました。
▽Panorama: Syria Inside the Secret Revolution-BBC
 さすがパノラマ。例の銃撃映像もかなり使っていて、気合が入っています。日本のテレビ局もぜひ使ってほしいものです。たくさんありますよ。

 それにしても、ヨーロッパの女性ジャーナリストは凄いですね。その勇気と実行力に脱帽です。とても敵いません。
  1. 2011/10/20(木) 16:01:45|
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放射線量???

 ちょっと放射線関連で調べ物をしていて、あるブログの記事を見つけましたが、よく理解できずに悩んでいます。反原発派の著名な先生の書いたものです。(以下、一部引用)

「(前略)10京ベクレルの放射性物質が日本国土に落ちたとすると、日本人1億人で一人あたり10億ベクレルを背負い込んだことになります。食品や水の規制値が、おおよそ10ベクレルとか100ベクレルという単位であることでもわかるように、人間が一日に処理できる放射線量は約100ベクレル程度とすることが出来ます。
 ということは、10億ベクレルを100ベクレルで割りますから、1000万日で処理をしなければなりません。ところが、人間の寿命は80年で、その日数は80×365ですから、約3万日です。つまり、今回の事故は一人の人間が、一生かかって処理できる放射線量の300倍にもなっているということを示しています。
 福島近辺にお住みの方を含めて、日本人全体で被曝の被害を防いで行くことが必要だと私が言っているのはこのことです」

 んんん、仰っていることの意味が、マジでわかりません・・・。
  1. 2011/10/20(木) 14:43:24|
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ギリシャのデモ

 ギリシャは中東取材の中継点でもあるので何度も行きましたが、人々がなんだか遊んで暮らしているように見えて、「羨ましいなあ」とよく感じました。それこそ隣の芝生というやつで、単なる旅行者なんぞには見えないご苦労は当然あるのでしょうが、それでも「仕事量は絶対に少ないよなあ」とは思うわけです。
 先ほどニュースでギリシャのデモをやっていて、まるでカイロのタハリール広場みたいな雰囲気になっていましたが、なぜかあまり同情できませんでした。
 緊縮財政に反対して、じゃあどうするのかな?と。暴れれば借金踏み倒せるのか???
 アテネ中心部の官庁を占拠中の公務員は、「自分たちばかりが犠牲になって、金持ちは助かるなんて許せない!」と怒っていました。その通りではあるのでしょうが、借金で金持ちだけが恩恵被っていたのでもないわけで・・・。
 だいたい私の認識では、たとえばウォール街でデモやっているようなアメリカの失業青年のほうが、ギリシャの失業予備軍よりずっとシビアな境遇だと思います。(追記→日本のフリーターとかフリーライターだって厳しい境遇ですね。ギリシャの公務員が暴れていいのなら、世界の30億人ぐらいが暴れていいのでは?)
 番組では、スタジオのキャスターの方が、「アラブの春」も引き合いに出して、国民の不満とか不遇とか貧困とかを強調していましたが、「命がけで独裁に立ち向かったアラブ人と一緒にすんなよな!」と、私自身は当事者でもないのにちょっと思ってしまいました。
 番組では、さもグローバリゼーションが元凶みたいな物言いもありましたが、そういうことでしょうか??
  1. 2011/10/20(木) 02:12:20|
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シリア官製デモに大動員

 本日(日本では日付が変わって「昨日」になっていますが)、シリアのアレッポで政府支持の官製大集会が行われました。聞いたところでは、職場や学校に警察が来て、そのまま自動的に大動員されたとのこと。先週はダマスカスでも同じような官製集会があって、やはり同様に動員がかけられたということです。
 いずれの集会でも、国連安保理でシリア制裁に反対したロシアと中国の国旗が掲げられました。シリアと関係が深く、NATOに押されているロシアは、対米対抗という意味もあってアサド政権の後ろ盾になっていますが、比較的シリアと関係の小さい中国は、単に民主化反対ということでのアサド支持ですから、こうしたかたちで非民主主義枢軸みたいなイメージで世界で孤立化するのは得策とはいえないのではないでしょうか。

 そういえば、デモ隊の攻撃目標になるということで、街中のアサド大統領の肖像画や写真が激減しているそうです。町によって違うらしいですが、一部の町では、代わりに増えたのがヒズボラの指導者ハッサン・ナスララの肖像画。以前からありますが、たしかに増えているそうです。あと、なぜかチェ・ゲバラの肖像も。何故???

(追記)
 書き忘れていました。イランのアハマディネジャド大統領の写真もやたら増えているそうです。イラン=シリアはいまやすっかり新「悪の枢軸」ですね。

(追記その2)
 ヒズボラ代表団がロシアを訪問しました。まさか新「悪の枢軸」にロシア参入?? プーチン次期大統領がそこまでKYだとはちょっと信じられませんが・・・。
  1. 2011/10/20(木) 01:09:44|
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シリア内部取材映像

 珍しい海外のドキュメンタリー番組をユーチューブで発見しました。フランス人の女性ジャーナリストがシリア国内に潜入し、反体制派グループに密着して各地を取材しています。これまでシリア国内で外国人記者が許された取材は、すべて当局監視の官製取材のみなので、これは画期的な取材ですね。ドイツのテレビで放送されたそうです。番組自体は反体制派提供映像やニュース素材などもミックスしていますが。
▽「SYRIE/SYRIEN」(シリア国内取材番組)
(10月15日アップ。全52分間。ただし、番組ナレーションはドイツ語で、字幕はアラビア語のみ)
 内容で私が注目したのは、これまでしばしば噂になっていながら、確認されなかった「イラン兵暗躍説」について、反体制派への取材で細かく情報を追っているところですね。直接撮影されたわけではないので、とても決定的証拠とはいきませんが、シリア国内でこの話がかなり広がっていることは事実で、実際のところは非常に気になります。

 一時少し沈静化していた反政府デモも、再び勢いを増しています。また、今は各地の軍からの離反兵が続々出ていますが、それに対しては政府軍が容赦ない弾圧を続けています。とくに現在、首都ダマスカス周辺部の離反兵殲滅のため、マーヘル・アサド率いる第4機甲師団と共和国防衛隊が続々と展開しはじめているようです。ハマ、ラスタン、ホムスのような激しい殲滅戦になることが懸念されます。
  1. 2011/10/19(水) 00:15:02|
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元原発保守担当者の文春記事・その他

 世田谷ラジウムは一件落着しましたが、まだまだ「東京は汚染されている!」などと主張されている方々も、実際に多くおられます。
 よくわからない根拠を思い込みでこじつけていることの多い「反原発派」の言説には、個人的には違和感のあるものが多かったりするのですが、現在発売中の『週刊文春』に掲載されていた蓮池透氏の手記は、非常に説得力がありました。拉致被害者のお兄さんとして有名な方ですが、もともと東電の社員で、32年間にわたって原子力畑を歩いてきた方とのこと。5年半にわたり、福島第一原発の保守も担当していたそうです。
 詳細はぜひ本記事のご一読をお薦めしますが、元現場担当者として東電側の問題点についても非常に率直に語られています。こうして現場からの視点で、具体的に冷静な立場で語っていただけると、部外者にも非常にわかりやすいですね。安全対策が後手にまわった背景の、地元やマスコミからの批判に対する萎縮。旧通産省のメンツへの配慮。コスト削減への圧力・・・東電の原発保守現場はどんな意識でいたのか、実際にはどんな不具合があったのか、多くの方にぜひ読んでいただきたい記事だと思いました。
 蓮池氏は記事中で脱原発すべきと明言していますが、その論拠も明快です。どこへももって行きようのない核廃棄物が出ることが避けられないからというのです。
 まったく同意。天災時の安全性をめぐっては、よく議論が分かれていますが、核廃棄物に関しては、これは誰がどう見ても地球環境への最悪の汚染源だということがわかります。仮に完全に安全な原子炉や核廃棄物処理施設ができたとしても、原発は出来ればないに越したことはありません。今後、脱原発を無理なく進めていくために、どういった代替エネルギーが可能なのか、智恵を集めることが必要なのだと思います。

 また、同じ週刊文春の鈴木智彦さんの原発作業員潜入ルポ第2弾。めちゃくちゃ面白いですね。原発作業員をひたすら持ち上げている報道に対する違和感なども正直に書いていますね。これもお薦め記事です。

 ところで、政治も軍事もまったく関係ない個人的な話で恐縮ですが、柳ジョージさんがお亡くなりになりましたね。学生時代によく聴きましたし、野外ライブで見たこともあります。当時、私は横浜の野毛という町に住んでいたのですが、近所の桜木町の駅裏一帯が再開発で更地になっていて、ライブはそこでありました。今ではすっかり見違えて、「みなとみらい」という名前になっています。
 私は福島県の田舎町から高校卒業後に横浜に出てきたのですが、正真正銘の田舎モノだった私の中で、ヨコハマのイメージといえば、横浜銀蝿のツッパリ暴走族イメージと、柳ジョージ&レイニーウッドの「フェンスの向こうのアメリカ」なイメージでした。実際に来てみると、どちらもちょっと違いましたが・・・(見るからにツッパった若者は、むしろいわきのほうが多かったかも)。
 とはいえ、関内のディスコに行ったら、常連客のジャパニーズ全開な兄ちゃんに「おれ、ジョニー。おたくは?」なんて言われて戸惑ったこともあります。マイケルのビリージーンとかマドンナのマテリアルガールなどが流行っていた頃の話です。
 もうあまりマイケルやマドンナを聞く機会はなくなりましたが、今でも車のCDには、柳ジョージ&レイニーウッドのナンバーがあります。もちろん一面識もない方ですが、一ファンとして、ご冥福をお祈りします。
  1. 2011/10/16(日) 18:44:11|
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正常性バイアス・愛他行動・同調バイアス

 昨日の深夜、NHKスペシャル「巨大津波 その時ひとはどう動いたか」再放送を見ました。オリジナルの放送時に御覧になった方も多いと思いますが、NHK取材班は地震当時の被災地の人々の動きを詳細に検証し、分析を行っています。たいへんな労作といえます。
 そこで浮き彫りになったのは、人々の多くが迫り来る危機を認識せず、危機回避行動に出なかったという事実でした。番組では、その行動の要因に、3つの心理作用を提示しています。
「正常性バイアス」
「愛他行動」
「同調バイアス」
です。
 正常性バイアスは、突発的事態に際して、正常性を保とうとする心理状態です。これはいわゆる「冷静」というのとはちょっと違い、ストレス回避のための心理作用です。
 愛他行動は、危機に際して自身の危機回避を最優先せず、他者を救済しようという行動に出ることを指します。立派な行動ではありますが、これも突発的事態においては、ある種のストレス回避の心理作用になります。
 同調バイアスは言葉どおりです。周囲と同調することで安心を得ようとするストレス回避作用ですね。
 被災地では地震発生後、多くの方が上記の心理作用を受け、津波に対する適切な避難に失敗し、犠牲になっています。ただ、これらは突発的事態にはどんな人間も捉われ得る心理作用であり、「意識」していないと誰もが回避できないものだと思います。
 拙ブログで何度か関連のエントリーを書いてきましたが、心理学でいうところの「認知バイアス」というのは、インテリジェンス分析の最大の難物です。それを完全に回避するのは、まず現実的に不可能だといえますが、軽減するためには、少なくともそうしたバイアスの存在を「意識」することが重要です。
 上記の各バイアスについてネットでググると、詳しい情報がいろいろありました。なかでも、防災・危機管理アドバイザーの山本武彦氏のサイトが、わかりやすく解説されています。是非ご一読をお薦めします。(→こちら)

 内外の紛争・災害・事件などをそこそこ取材してきた実感から言うと、日本人は他国の人に比べると、パニックになることが非常に少ないことは事実だろうと思います。また、少なくとも私の周囲の在日外国人の多くが、同様の指摘をしています。「落ち着いている」というと美点ですが、それは同時に「危機意識の欠如」であり、「非常時の反射神経が鈍い」ということにも繋がります。
 原発の水素爆発の際も、報道関係者も含めて在日外国人の多くが、ちょっと日本人には理解できないパニックを起こしていました。彼らも人間ですから、「正常性バイアス」「愛他行動」「同調バイアス」の心理作用を受けるはずですが、それは日本人よりずっと小さなものだったと考えられます。
 というか、むしろ日本人のほうこそ珍しいわけですが、それはおそらく日本社会の同調性、集団行動経験値、社会・他者に対する信頼度とその裏返しのお任せ受身主義などなど、さまざまな日本社会の特徴が関わっているのだと思います。
 緊急時の行動・思考停止もパニック化も、どちらも問題だと考えるべきでしょう。「冷静さ」は情報分析と行動には非常に重要ですが、上記のバイアスの存在を自覚することで、より適切な判断・行動ができる可能性が高まるということですね。言うは易し、ですが。
 おそらくいちばん対処が難しいのは「愛他行動」でしょうね。自分に出来る範囲を見極めるということに尽きますが、その見極めこそが難しいわけです。自分と周囲の人間の生存の成否を分ける判断になりますが、そんな境界線はまず非常時には認識できません。
 とにかく自分だけ助かろうと全力を尽くせられれば問題ないのですが、なかなかそれも難しいでしょう。各人がどこまで適切な判断・行動ができるか・・・・非常時にならないとわかりません。

(追記)
 ただ、考えてみれば、上記のバイアスに陥るのも、非常時に対応できない心理ということでは、パニックと同じともいえます。
 そこで重要なことは、上記にリンクした山本武彦氏の解説にあるように、突発的な危機に際し、「平常」から「非常」へ、「通常」から「異常」へと瞬時に意識を切り替えることだろうと思います。それで危機を現実のものとして認識し、なおかつパニックに陥らずに冷静さを保つという離れワザが求められるわけですね。
 しかし、どんな人でも、予想外の突発的事態で多少のパニックに陥る(上記の各種バイアスに捉われることも含みます)ことは避けられないと思います。それに備える最善の方法は、常日頃から「非常」「異常」に慣れることでしょうが、通常の生活ではなかなかそう頻繁に非常事態に陥る機会はないですね。
 ですから、やはりさまざまな危機を想定し、対処訓練を積むということが必要でしょう。訓練はあくまで訓練にすぎませんが、それでも「さまざまな危機を想定」する経験自体が、いざというときに役立つものと期待されます。結局、ありきたりの結論になってしまいましたが。
  1. 2011/10/13(木) 11:21:24|
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イスラム・テロの源流「コプト教徒vsイスラム・サラフィスト」

 エジプトでコプト教徒のデモにエジプト治安部隊が発砲し、多数の死傷者を出した事件がありました。同地ではコプト教徒とイスラム原理主義者(いわゆる「サラフィ主義者」)との抗争が激化しています。ムバラク独裁が打倒された後、宗派抗争が激化するのではないかとの指摘がありましたが、そんな雰囲気になってきました。

 拙著『世界のテロと組織犯罪』(ジャパン・ミリタリー・レビュー)『イスラムのテロリスト』『世界のテロリスト』(ともに講談社)で詳述しましたが、現在のイスラム・テロを「人脈」という観点から検証すると、大雑把に分けて、3つの源流があります。
「エジプト中南部の好戦的イスラム」
「南アジアのイスラム原理主義」
「イラン政府の秘密工作機関」
の3つです。
 このうち南アジアでは、インド亜大陸での社会的主導権を多数派ヒンズー教徒と争った少数派のイスラム教徒が先鋭化し、対ヒンズー教徒の戦いのなかで、戦闘性を高めてきた経緯があります。
 また、イランの場合は、国の諜報機関・秘密工作機関が、世界に散らばるシーア派人脈や、中東・北アフリカの反体制テロ組織に浸透し、テロを煽ってきたという経緯があります。

 他方、アラブ系のスンニ派のテロリズムに関しては、オモテの部分ではサウジを中心とするワッハーブ派の教義やサラフィの過激な復古主義、タリーカというイスラム神秘主義の存在などがありますが、実際のウラの部分では、「血の復讐」の社会慣習が、過激なテロが育ってきた根っこにあるのではないか、というのが私の考えです。
 実際、アラブ系イスラム過激派人脈の源流を手繰っていくと、エジプト中南部の「血の復讐」にいき当たります。現代のイスラム過激原理主義はたかだか100年以下の歴史しかありませんが、エジプトのナイル川上流にあたるミニヤやアシュートといった地方では、隣接するコプト教徒の村とイスラム教徒の村が、もっとずっと以前から血みどろの抗争を繰りひろげてきました。
 復讐が復讐を呼び、常に抗争状態にあるこの土地から、やがてエジプトのイスラム過激派は誕生し、アラブ全域にその過激な思想を広めていったという経緯があります。このエジプトにおけるコプト教徒とイスラム過激派の抗争は、長い血塗られた歴史のある問題で、一朝一夕に解決は難しいでしょう。
 イスラム過激派というと、なんとなく「アメリカ&イスラエルと戦っている人々」というイメージがありますが、世界のイスラム過激派の大多数は、地元の敵と戦っています。

 ところで、当ブログのトップページのはるか右下のほうにリンク欄があります。これまでほぼ放置していましたが、私がしばしば参考にさせていただいているサイトをいくつか張ってみました。管理者の方を個人的に知っているサイトもありますが、まったく存じ上げないサイトもあります。
 他にもときおり覗いているサイトがいくつかあります。気がついたら随時リンクしていきます。
  1. 2011/10/12(水) 18:33:36|
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イラン革命防衛隊「アル・クドス(アル・クッズ)部隊」とは

イラン特殊部隊員、駐米サウジ大使暗殺を計画か10月12日 読売新聞
駐米サウジ大使暗殺企てた疑い 米、イラン系米国人逮捕朝日新聞
米政府、イランによる駐米サウジ大使暗殺計画を阻止CNN日本語サイト
 まるで『24』みたいなテロ阻止事件です。
 アメリカのホルダー司法長官が11日、「イランによる駐米サウジアラビア大使の暗殺計画を阻止」し、「容疑者2人をニューヨーク連邦地裁に起訴した」と発表しました。黒幕は、イラン革命防衛隊の特殊工作部隊として有名な「クドス部隊」ということです。

(報道では「クッズ部隊」とも表記されていますが、同じものです。[Quds]とは聖地エルサレムのことで、正式には「クドス」、口語では慣習的に「クッズ」と発音されます。欧米の研究者の間では主に「Quds Force]=クドス部隊と表記されますが、英語報道ではしばしば「Quds Brigade」とも表記されるため、日本の報道ではときに「クッズ旅団」「クドス旅団」と表記されます。が、軍隊組織であるイラン革命防衛隊のなかでは、部隊構成上のいわゆる「旅団」単位とは別種の特殊工作部隊なので、私は「クドス部隊」と表記しています)

 上記の各報道によると、そもそもの事件の発端は、米国に帰化したイラン人のマンソル・アルバブシアル容疑者(56)が、メキシコで麻薬カルテルの構成員を名乗る人物と接触し、サウジのアデル・ジュベイル駐米大使殺害を依頼したことだったとのこと。というのも、この麻薬組織メンバーというのが、じつはアメリカ麻薬取締局(DEA)の協力者だったからです。
 そこでFBIが捜査に着手。この麻薬組織メンバーに接触を継続させて情報を収集し、アルバブシアルがクドス部隊の正規工作員であるゴラム・シャクリ容疑者の指示で、今年春から米国内でのテロを計画していたことが判明したとのことです。
 DEAの協力者はこの間、何度もアルバブシアルと話し合い、大使が頻繁に訪れるレストランの爆破などが検討されていました。また、その他にも、、ワシントンやアルゼンチン・ブエノスアイレスでもイスラエル、サウジ両大使館を攻撃する計画が検討されていたともいいます。
 駐米サウジ大使暗殺に関しては、DEA協力者は報酬として150万ドルを要求。実際に手付金として10万ドルが8月にFBIの偽装口座に入金されています。
 アルバブシアルは9月にFBIに逮捕されましたが、クドス部隊のシャクリは所在不明のままの起訴になります。

 クドス部隊の関与というのは、実際にDEA協力者に接触したアルバブシアルの情報だけのようですが、10万ドルを支払っている事実からみても、信憑性は非常に高いといえます。米司法省もこの起訴には、かなり自信を持っている様子です。イラン革命防衛隊がなぜ今の時点で、そんなテロを企図したのかはよくわかりませんが。
 
 クドス部隊は、イラン最高指導者アリ・ハメネイに直結する秘密工作部隊で、実質的な国際テロ実行部隊です。イランには他にも大統領府情報部や情報省隷下機関などいくつかの工作機関があると思われますが、クドス部隊は高度に訓練されたテロ実行能力が突出しています。
 もともとは80年代初期のイラン=イラク戦争の最中に編成された特殊部隊でしたが、イラン指導部の直属の精鋭という立場から徐々に秘密工作担当にシフトし、対レバノン工作(ヒズボラを支援)、対イラク工作(クルド民兵を支援)、対アフガニスタン工作(アフマド・シャー・マスードのタジク人部隊を支援)、対ボスニア工作(イスラム教徒軍を支援)などに従事。その他にも、国内の秘密訓練施設で外国のイスラム系テロ組織メンバーの軍事訓練も担当しました。現在も、とくにレバノンのヒズボラの国際テロ部門を事実上指揮しているほか、各国にテロ人脈ネットワークを広げていると目されます。
 テロ対象は主に、外国で活動する反体制派イラン人および、イスラエル、アメリカ、イギリスなどの関連施設や権益などとなっています。ヒズボラの故イマド・ムグニヤの一派を傭兵として使ったテロを、広く世界中で実行してきた過去があります。
 現在の指揮官はカッセム・スレイマニ准将。要員数は数千人規模ともいわれていますが、実態は最高度の機密で、よくわかっていません。各種情報を総合すると、私はおそらく中心的な活動要員は1000人以下ではないかと推定しています。
 いずれにせよ、イラン最高指導部直属の工作機関で、世界のイスラム過激派とも繋がるクドス部隊は、アメリカCIAにとっては、アルカイダに匹敵する「最大の標的」でもあります。イスラエルのモサドにとっても「最大の敵」となっています。
 今回、狙われたのはサウジの大使ですが、中東の主導権をめぐってサウジ総合情報局とも水面下の激しいバトルも、かなり以前から続いています。
  1. 2011/10/12(水) 12:41:00|
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震災とソマリア

 SNSで知ったのですが、アグネス・チャンさんが「ソマリアに募金を!」と呼びかけたところ、「豪邸に住んでいるお前が言うな!」「日本が大変なときに、そんな余裕あるか!」等々、ネットで叩かれているそうです。
 募金活動に関しては各人の考えでやればいいことですから、それについて私の意見はとくにありませんが、ひとつ指摘しておきたいことは、状況の深刻さに関して、「ソマリアは東北の比ではないほど、とてつもなく酷い」ということです。
 日本がたいへんな状況にあるのはその通りで、被災された方々のご苦労やご遺族の方々の悲しみやに関して比較はできませんが、「状況の深刻さ」というのは、現状の切迫度ということですから、ソマリアのほうが桁違いに深刻です。
 このあたりのことは、なかなか実感が難しいですが、ソマリア取材経験者としての実感から言えば、子供たちが日々飢死している場所というのは、もう想像を絶する地獄です。私の世代は父母たちから終戦後の食糧難の話を聞いていますが、アフリカの飢餓というのは、そんな生易しいものではないです。
 アフリカの飢餓のかなりの部分は人災であり、アフリカの施政者・武装集団の責任ではありますが、だからといって部外者が傍観していいかというと、私はやはり、世界はそうした子供たちをそのまま餓死させ続けてはいけないと思うのです。
 アフリカは遠い地球の裏側ですし、ネットの人たちは平気で「土人」とか書いたりしますが、子どもたちに土人もイエローもないんじゃないかなと思うわけです。

 もっとも、われわれ日本人の暮らしは、ドルベースの所得比較では計れない部分(とくに住環境や、生活の時間的余裕など)に関し、世界のなかでは全然「金持ち」だとは思えないので、国連の予算の多くを負担したり、多額のODAを支出することに、私は断固反対だったりもします。
 ただですね、私の知る限り、アフリカの飢餓は他の途上国なんかとも別格の悲惨さです。

 先日、ある制作会社の方から、ソマリア支援活動の関連で、拙ブログに収録した私のソマリア取材時の写真を使用したいとの連絡をいただきました。古い写真ですが、少しでもお役に立てれば、これほど嬉しいことはありません。
▽写真館⑯ソマリア避難民
  1. 2011/10/10(月) 09:09:14|
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スーダンPKO自衛隊に交戦許可を

武器使用基準の緩和なし 南スーダンPKO第2次調査団出発産経新聞10月8日
 もう散々言い尽くされてきたことなので繰り返しませんが、交戦の手足を縛ったままで軍隊を派遣するなど狂気の沙汰としか思えません。
 日本軍の非常識な交戦規定のせいで、海外の現場で他国軍兵士や地元住民が見殺しにされることも充分にあります。人の生命に直接関わってくる重大な問題なのですね。なんとかならないものでしょうか。

 ところで、先日、何かのTV番組(ザッピングの途中だったので番組名と詳しい内容まで覚えておりません)で、出演者の方々が「日本には軍隊がない(だから弱い)」という前提で全員が話していて、心底驚きました。
 しかし、国民一般の意識はそういうものなのでしょうし、そうした世論が政治を動かすわけですね。・・・しみじみと脱力。
  1. 2011/10/09(日) 10:27:12|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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