現在発売中の週刊『エコノミスト』に、「2009年・世界の軍事的脅威を読む~イスラム過激派勢力は拡大・第5次中東戦争勃発も」という記事を執筆しました。
なんといっても来年の“世界の火薬庫”はパキスタンとイランでしょう。なかでもイスラム過激派ネットワークの黒幕的存在である同国の国軍統合情報局(ISI)の動向、それに早ければ09年中にも核爆弾1発分の濃縮ウランを製造するイランの核開発が大問題です。あと、アルカイダの生物兵器テロも要注意ですね・・・というような記事です。オバマ政権はアフガン+パキスタンに集中するみたいですし、陸自にも派遣要請があるでしょうね。
ところで、いくつかのメディアが「日本に文民派遣が打診されている」というような記事を書いていますが、ちょっと違うのではないかと思います。アメリカ側が言っているのは、「輸送ヘリ班」とか「医療チーム」「復興支援チームを護衛する警備部隊」なんかを出せ、ということで、それは「べつに自衛隊でなくてもいいよ」ということだと思うのです。決して、文民の農業指導者を出せとか言ってるんじゃないのですね。
日本では、戦場にそんな任務で出せる文民の公機関がありますでしょうか? 陸自しかないですよね。そういえば、日本政府はお金もいっぱい上納させられそうな雲行きですが、なんとかならんものなのでしょうか。
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- 2008/12/25(木) 09:28:28|
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年明けですが、1月7日に新刊『インテリジェンス戦争 対テロ時代の最新動向』 (大和書房)が発売になります。アマゾンにて予約受付が始まったので、皆様よろしくお願いいたします。→
こちら 今回の本は、9・11以後の世界の情報機関の最新動向をフォローするという、『ワールド・インテリジェンス』がもっとも得意としていた分野にしぼっています。弊誌掲載記事の改訂がメインですが、その他にも書き下ろしや他誌寄稿記事改訂など、多方面からネタを集めており、現在のリアルなインテリジェンス世界の全体像が具体的に、かなり細かく網羅されています。
編者は黒井ですが、巻頭と巻末の総括的な解説を佐藤優さんにお願いしています。
執筆者はこの他に、本田善彦(在台湾ジャーナリスト)、李策(ジャーナリスト・元朝鮮総連専従職員)、菅原出(英危機管理会社大手「アーマーグループ」安全保障アナリスト)、橋本力(英国立アベリストウィス大学大学院国際政治研究科)、村上和巳(ジャーナリスト)の各氏。いずれもこの分野では“若手”に入るアラウンド30~40世代ですが、次代を担う本格派の方々です。また、インタビューイーとして、張友驊(台湾を代表する軍事ジャーナリスト)、高永(元韓国国防情報本部分析官)両氏も登場しています。
内容は以下のようになっています。
「インテリジェンス戦争 ~対テロ時代の最新動向」
佐藤優・解説 黒井文太郎・編
序章 世界インテリジェンス戦争を読み解くヒント//佐藤優
1章 東アジア諜報戦の内幕
▽これが中国インテリジェンス戦争だ!//張友驊(取材構成・本田善彦)
▽中国vs台湾 知られざる情報戦史//本田善彦
▽中国が推進するネット検閲システム『金盾』//黒井文太郎
▽朝鮮半島「情報戦」の真実//高永(取材構成・李策)
▽女スパイ事件で注目! 北朝鮮秘密警察「国家安全保衛部」の実力//黒井文太郎
2章 インテリジェンス大国・アメリカの実力
▽アメリカ情報機関VSアルカイダの死闘//黒井文太郎
▽情報世界の覇権を目指すCIAの勢力拡大//黒井文太郎
▽北朝鮮を監視する米インテリジェンス//黒井文太郎
3章 変貌する欧州インテリジェンス最前線
▽現代の007 イギリス情報部の全貌//黒井文太郎
▽リトビネンコ暗殺をめぐる英露情報戦//菅原出
▽フランス通信傍受機関の正体//橋本力
4章 復活するロシア情報機関
▽現代ロシア「インテリジェンス機構」のしくみ//橋本力
▽世界に浸透するロシア諜報機関の“長い手”//橋本力
▽暴露されたロシア機密文書//橋本力
5章 イラク&対テロ情報戦
▽ザルカウィ爆殺工作の内幕//村上和巳
▽英仏独伊の対テロ情報戦//村上和巳
▽CIA捕虜秘密収容所//黒井文太郎
解説 なぜインテリジェンス世界の動向を知ることが重要なのか//佐藤優
(了)
以上、私がこれまで携わってきた書籍のなかでも、内容のレベルはかなり濃いです。よろしくお願いいたします。
- 2008/12/19(金) 09:51:45|
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先日、渦中の田母神俊雄・前航空幕僚長にインタビューする機会があり、現在発売中の『週刊現代』に、「独占激白 田母神俊雄『米軍撤退・核武装宣言』」という記事を執筆しました。
同記事では私は完全に取材・構成者としての立場でしたので、田母神氏の言葉を引き出し、氏の主張を整理する作業に専念しています。
他方、本日発売の月刊『軍事研究』では、「田母神論文から紛争地でのヒューミントまで~認知心理学で考えるインテリジェンス」という記事を執筆しました。田母神問題の是非には触れていませんが、インテリジェンス分析の観点から、こちらの記事では氏の論文に批判的なスタンスをとっています。
実際にお会いした田母神氏は、本人が「私はけっこう他人に好かれるんです」とおっしゃるように、人物としてはたいへん魅力的な方だという印象を持ちました。
ただ、その主張の論拠については、やはり多くの分析ミスがあったように思います。
それと、両方の記事でまったく触れませんでしたが、私自身は田母神氏の歴史認識に全面的に不同意です。
それでも、言論の封殺については反対です。歴史認識はともかく、元空自トップの立場からの、現在の国防についての発言はなかなか興味深いことは確かです。
ところで、『軍事研究』では、先月号で「金正日の病状から権力の動向まで~北朝鮮を監視する米韓インテリジェンス」、先々月号で「精神異常者の犯行は止められない!~オバマ暗殺計画とアメリカの国内テロ対策」を寄稿しました。
「精神異常者の犯行は止められない!」などというどぎついタイトルは一般誌ではなかなか使えませんが、実際にはたとえば、これまでのアメリカ大統領や大統領候補に対するテロ・テロ未遂の90パーセント以上が異常者の妄想、ないし社会不適格者の暴発によるものです。日本でも「年金テロ!」と騒がれた元厚生事務次官襲撃がそうでしたし、異常な殺人事件の多くにもそうした背景があります。
差別問題が絡むだけに、なかなかホンネの議論ができない分野ですが、議論を封じては現実も見えないのではないかと考えます。
それと、ちょっと畑違いですが、別冊宝島編集部の依頼で、まもなく発売になる同シリーズの『昭和・平成コールドケース』という特集号で、作家の麻生幾さんとジャーナリストの門田隆将さんの対談のセッティング&司会をしました。おふたりとも私が業界駆け出しの頃からたいへんお世話になった大先輩で、麻生さんは元『週刊文春』、門田さんは元『週刊新潮』のそれぞれエースとして、週刊誌業界では知らぬ人のいない存在です。戦後裏面史に興味のある方は、こちらもぜひともよろしくお願いします。
- 2008/12/09(火) 15:29:25|
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