ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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チャンネル桜に行ってきました

 昨日、日本文化チャンネル桜の「報道ワイド日本」に出演させていただき、インテリジェンスについて話してきました。スカパーの「ハッピー241」にて無料放送でしたが、昨日中に放送が終わってしまっているので、興味のある方は有料ですがネット放送でどうぞ(チャンネル桜のHPをググっていただけると手順がわかります)。
 それと、こちらももう時機を失してナンなのですが、雑誌の執筆記事を紹介します。

▽『SAPIO』5月23日号「〝対テロ戦争〟で人員も予算も〝冷戦時代〟を超えたCIAの〝情報一極集中〟体制」
→CIAがテロ対策の分野でそこそこ復活してきたことを紹介しています。

▽『エコノミスト』5月15日号「CIA機密解除文書で判明 〝大物フィクサー児玉誉士夫〟は虚像だった!?」
→CIAが戦後日本でのG-2の情報工作にかなり辛口の評価をしていたことを紹介しています。

 いずれももう書店では入手できませんが、興味のある方は図書館などでどうぞ。
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  1. 2007/05/29(火) 13:11:28|
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ファタハ・イスラムとは???

 取材という大層なものではなかったけれど、筆者が初めて、いわゆる「ゲリラ」「民兵組織」というもののメンバーに会ったのは84年のこと。当時、大学生バックパッカーだった筆者は、シリアの首都ダマスカスに滞在中、現地の安宿で知り合った日本人大学生に連れられ、市内のパレスチナ難民キャンプを訪問した。その際、そこを拠点に活動していたゲリラ組織「ファタハ/アブ・ムーサ派」(後の「ファタハ・インティファーダ」)の事務所を訪れる機会があったのである。
 このアブ・ムーサ派というのは、PLOの主流派ゲリラ組織「ファタハ」のなかから、シリア情報機関の息のかかった一派が分派したもので、当時、シリアの意向もあってファタハ主流派であるアラファトのグループと激しく対立していた。レバノン北部トリポリに籠城したアラファト派を83年に攻撃してレバノン国外に追い出したのも、シリアに強力に後押しされた彼らである。
 ファタハ幹部だったアブ・ムーサ大佐が率いたから「ファタハ/アブ・ムーサ派」というわけだが、彼らは自分たちでは自らを「ファタハ」と呼び、地元アラブ人たちは「アブ・ムーサ」と呼んだ。「ファタハ/アブ・ムーサ派」というのは、アラファト派と区別するために外国プレスが名付けた名称だった。
 その後、彼らは自身で「ファタハ・インティファーダ」という正式名称を採用したが、地元では誰もそんな名前では呼ばず、代々のボスの名前で呼ばれた。もっとも、ものすごく細分化されたパレスチナ民兵組織のほとんどは、それぞれもっともらしい正式名称を持ってはいるものの、面倒なのでボスの名前で呼ぶというのが現地では一般的である。ちょうど清和政策研究会とか平成研究会とかいうより、町村派とか津島派とか呼ぶほうが一般的なのと似ている。

 ともあれファタハ・インティファーダなるシリア傀儡のパレスチナ民兵組織は、シリア軍が事実上支配していたレバノン北部トリポリ近郊のパレスチナ人居住地区(報道では「難民キャンプ」という表現が使われるが、テントやバラック暮らしをしているわけではないので、難民キャンプというイメージの場所ではない)=ナハル・アル・バレドを拠点とした。ここはレバノン国内の主要なパレスチナ人居住地区のひとつで、約4万人が住んでいる。最近になってシリア軍が撤退するまで、当然ながらシリア軍・情報機関のコントロール下にあった。
 ところが、2つの新たな出来事が発生する。1つは、2005年4月のシリア軍のレバノン撤退。もう1つはアルカイダやハマス、イラクのザルカウィ派など、イスラム過激主義の大流行である。
 そんななか、ファタハ・インティファーダのなかから、「ファタハ・アル・イスラム」と自称する組織が誕生する。結成は昨年11月と報じられているが、よくわからない。パレスチナ人はほとんどがスンニ派なので、スンニ派過激派という位置づけになるが、海外メディアの報道をみると、シリア情報機関のダミーとの見方もある。
 ただ、ボスがシャキル・アバシ(通称アブ・ユセフ/55年エリコ生まれ)というパレスチナ系ヨルダン人ということなので、シリアのダミーというよりは、やはりイスラム過激派に近い性格である可能性が高い。アバシはもともとザルカウィの仲間で、ザルカウィが中心になって計画された2002年のアンマンでの米外交官殺害事件にも参加している。ザルカウィとアバシはヨルダンで欠席裁判で死刑の判決も下されている。
 ところで、トリポリにはサイード・シャーバンが率いる「アル・タウヒード・アル・イスラミ」という地元のイスラム過激派組織がある。最大でも数百人程度の小規模組織で、スンニ派組織なのにイランから資金が出ているという珍しい組織(地元ではかなりコワモテなイメージがある)だが、このシャーバンがかねてザルカウィとコネがあった。ということでタウヒードとファタハ・イスラムの関係が気になるが、ちょっとまだよくわからない。
 レバノン、シリア、ヨルダンには、ザルカウィやシャキルの仲間だったイスラム過激派人脈が広く浸透しているが、そのなかで現在のファタハ・イスラムがどのポジションになるのかもよくわからない。
 一方、レバノン南部サイダ(シドン)近郊のパレスチナ難民居住区には近年、アルカイダ系のグループがかなり本格的に浸透しているのだが、彼らとファタハ・イスラムの関係もよくわからない。ファタハ・イスラム自体の力もそれほどではないと思うが、とにかくなんだかよくわらない組織なのである。
 ファタハ・イスラムのテロとしては、いまだ容疑段階ではあるが、今年2月にベイルート北東部のキリスト教徒居住地区=アイン・アラックで発生した小型バス連続爆破テロ(3人死亡)がある。ドイツの列車爆破テロ未遂事件の容疑者だったサダム・ディーブもメンバーである。

 レバノン政府はかねてこの過激派グループを追跡していた形跡があるが、今月20日、ついに両者はナハル・アル・バレドで交戦状態に入った。アル・ジャジーラなどの報道によると、ナハル・アル・バレドに入ろうとしたレバノン治安部隊をファタハ・イスラムが待ち伏せ攻撃したのが発端ということだが、その顛末の詳細は不明だ。
 が、いずれにせよレバノン治安部隊は装甲車も繰り出してナハル・アル・バレドを包囲して砲撃。籠城するファタハ・イスラムと激しく交戦している。
 21日現在、双方(もちろん一般住民も)合わせて70人以上が死亡している。無意味な流血である(前出したサダム・ディーブも戦死した模様)。
 筆者はいつも思うのだが、ヒズボラとかハマスとかもそうだが、アラブ人の自称「抵抗者」(ムカウメという)は、一般の住民を危険に晒すことに何の抵抗もない。むしろ「人間の盾」に利用している。
 アラブ社会をそれなりに知る者として強調したいのだが、あちらはとにかく物凄く「相互監視」がきつく、「群集心理」が作用している社会である。昔の社会は日本でも欧米でもそういうところがあったが、年月の流れとともにだんだん緩くなってきている。そういうところがアラブ社会は遅れている(レバノンはまだ進んでいるほうかもしれないが)。
 レバノンではシリアやイスラエルの思惑、それにイスラム原理主義の台頭もあり、どうも今後、さらに本格的に内戦化する懸念がある。「それいけ、者ども!」と声の大きいボス格が叫んだとき、「ウルせー! やるなら他でやれ!」と言える勇気を持てる社会にアラブ社会を変えること・・・が必要だろうと思う。

 最後に、まったく関係のない話で恐縮だが、ちょっと驚いたことがあったのでひとこと。
 冒頭に「筆者は学生時代にファタハ/アブ・ムーサ派を訪ねた」「現地で知り合った日本人学生に連れていってもらった」と書いた。
 この人は、向こうはもう筆者のことなど覚えていないだろうが、筆者にとっては〝この道〟に入るきっかけを与えてくれた大恩人である。日本帰国後に1度会ったきりだが、「どうしているのかなあ?」と思って実は先ほどグーグル検索してみた。当時から「将来は政治家になりたい」と熱く語っていた人なので、「もしかしたら・・・」と思ったのだ。
 すると、なんと本当に首都圏某県の県議会議員になっているではないか。政治家2世でも官僚出身でもないのに、初志貫徹・有言実行である。
 思えば、まだまだ円が安く、海外旅行にもそれなりの気合が必要だったバブル前に海外の僻地や紛争地帯で出会った日本人には、なかなか面白い人が多かったなあと思う。
  1. 2007/05/22(火) 14:40:57|
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タリバンの狂犬が戦死

 5月12日、タリバンの最強硬派野戦司令官ダドゥッラー・アーフンドが戦死しました。『ワールド・インテリジェンス』サイトに関連記事(※注・不快な画像アリ)→http://www.geocities.jp/wldintel/report/taliban.html
 ダドゥッラーは、10人で構成されるタリバン指導部の一員で、逃亡中の最高指導者ムハマド・オマルの側近。死体の映像もさっそくCNNに流れていましたが、左足がないところまで鮮明なものでした。
 アフガン内務省では、ダドゥッラーはアフガン治安部隊との戦闘で死亡したということを発表していますが、CNNではアメリカの情報機関(情報部隊?)がその所在を情報工作で捕捉しての殺害だったと伝えています。それが本当なら、その作戦の内容は如何に?

 さて、話は変わります。
 ちょっと前に某不良高校の先生と話す機会があったのですが、不良グループにもいろいろタイプがあるようです。いちばん多いパターンは、ごく少数の不良のリーダーがいて、彼らが全体を悪の道に引っ張っているタイプ。この場合、ボスたちが退学したりすると、自然と(組織的窃盗・カツアゲなどの)大型犯罪はなくなるとのことです。
 次に、学校そのものが不良ばかりのところで、そういうところでは、ボスが退学したり鑑別所送りになっても、また別のボスが出てくるだけということです。これはどうしようもない。
 それと、大規模なイジメや校内暴力というのは、いくらボス格を取り締まっても、ある期間はどうにもしようがないという話も聞きました。疫病の流行のようなもので、それがなぜか時間が経つと自然に沈静化するケースが多いそうです。
 これをテロに当てはめると、イラクなどはザルカウィが殺されても自爆テロが一向に収まりませんから、少なくとも最初のパターンではないですね。
 アルジェリアやペルーなどは、最後のパターンに近いかもしれません。アフガンやパキスタン、フィリピン南部、インド北東部、バルカン半島、アフリカの角、ブラック・アフリカなどは、どうしようもない不良校みたいなものかもしれません。
 殺されたダドゥッラーは、タリバンの狂犬のようなリーダーでしたが、彼が死んでもタリバンの勢力はしばらくは衰えることはないでしょう。
  1. 2007/05/14(月) 17:19:31|
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オカルトと銃社会と移民社会

『ニューズウイーク日本版』今週号を購入。表紙は、霊能者E氏のにこやかな笑顔がどーんと出ていました。日本人のスピリチュアル・ブームについてイギリス人のジャーナリストが論考を寄稿しているほか、E氏のインタビュー(かなり敵対的な雰囲気)も掲載されています。
 弊誌今号『世界&日本の地下社会』では、陰謀論をテーマにした論考も掲載していますが、スピリチュアルとかオカルトとかを信じるというのも、陰謀論を信じるということと、まあ似たり寄ったりではないかと思います。
 ところで、オウム事件で一時下火になっていましたが、オカルトはまた日本のテレビで大復活を遂げていますね。ジャニーズのアイドルが司会者の同スピリチュアル番組に加え、これも別のジャニーズ・アイドルがレギュラーの豪傑女史の番組もあり、いずれも高視聴率を誇っているようです。(ちなみに、この女性占い師は拙著『謀略の昭和裏面史』にも登場!)
 そう言えば、飯島愛さんの引退を扱った某番組でもまた他の女性霊能者が登場していましたが、これも別のジャニーズのアイドルが司会者の高視聴率番組でした。なぜジャニーズばかり!?
 ところで、こうしたオカルト番組に対する批判として、「視聴率狙い」ということがよく指摘されていますが、筆者の経験では、どうもそればかりではないようです。
 筆者はかつてテレビ業界にいたこともあって、こうしたオカルト番組制作に関わっている人物も何人か知っています。なにかの間違いで、超常現象番組のスタッフ会議に紛れ込んでしまったことすらあります(あまりに場違いなので次回から辞退しましたが)。また出版業界でも、オカルトや陰謀論系を取り扱っていた人を何人も知っています。
 そうした現場をみてわかるのは、編成や経営サイドはともかく、現場のスタッフには、なにも視聴率や実売部数目的の商売狙いということでなく、彼ら自身がこうしたオカルト・陰謀論を信じている人がじつに多いということです。当初は筆者も「どうせ商売のためにやってんだろなあ。あざといよなあ」などと思っていたので、彼らがあまりにマジなので戸惑ったことが多々あります。実際には「ホンネでは馬鹿にしつつ、仕事だからやっている」という人もいるのでしょうが、そういう人はかなり少ないのではないかと思います。
(詳しくは言いませんが、この点では、制作現場がタテマエを使い分けてカマトトしている皇室モノとはだいぶ〝空気〟が違いますね) 
 興味深いのは、オカルトが好きな人は、前述したように実際に陰謀論好きが多いのですが、この人たちの流れというのは、民間療法好き、右翼左翼好き、反米言説好き、な人脈とシンクロしているということです。以前、当ブログでもイデオロギー好きな人と反米言説好きな人の共通点に触れたことがありますが、これらの人々も、たいていは商売というより、ホントに信じている人が多いようです。
 カルト宗教もおそらくそんな感じなのではないかと思いますが、気になるのは、その大元の仕掛け人たちはいったいどうなのか?ということですね。この人たちも本当に信じているのでしょうか?
 興味深いのは、カルト宗教とキャッチセールス業界の経営者がシンクロしていることです。彼らには大衆誘導・マインドコントロールの手法が受け継がれているのですが、その源流を手繰っていくと、かつての「天下一家の会」の残党人脈が浮上したりします。弊誌でもいつか、心理戦の特集をやってみたいですね。
 また、カルト宗教についても弊誌最新号で触れていますが、宗教というものはみな多かれ少なかれファナティックなもので、キリスト教やイスラム教などの世界宗教でも、インテリジェンスの観点ではその作用は共通しています。ところが、大宗教を扱うのはメディア業界ではまだまだタブーになっていて、少なくとも既存の宗教世界の解説書はすべて、「一面だけの記述」に留まっています。
 世界の権力構造における宗教の裏表についてきちんと検証したものは、少なくとも日本語メディアにはほとんどなかったように思います(たぶん英語メディアでもあまりないでしょう)。弊誌はインテリジェンス専門誌を標榜している身ですから、いずれ世界の大宗教についても特集してみたいものです(書き手を探すのが問題ですけど)。

 さて、バージニア工科大学の事件を機に、アメリカの銃社会が日本のメディア各紙誌で取り上げられています。アメリカには現在、銃が2億丁も出回っているそうです。これは凄い数字です。
 実際、アメリカはかなり怖い国です。筆者はよく、「これまでいちばん怖かった国はどこですか?」という質問を受けるのですが、答えは初海外旅行だったロサンゼルスのダウンタウンです。安ホテルの窓から、警察のヘリがサーチライト付けて上空を旋回している光景をビビリながら眺めていた海外初夜の衝撃は忘れられません。
 なお、この初海外旅行ではニューヨークまで行ったのですが、そこでも警官隊が黒人男を逮捕する瞬間に出くわしました。シェパード2匹が男に飛びかかり、マジで血まみれにしていました。ということで、筆者の海外初体験は「アメリカ恐怖の旅」だったわけです。
(ちなみに、筆者はそのとき気まぐれで帰国フライトを変更してニューヨーク滞在を1週間延長したのですが、当初搭乗する予定で予約していた便は、サハリン沖でソ連軍機に撃墜された大韓航空機便でした)


 それから5年くらい後のことになりますが、ニューヨークはブルックリンというかなりハードボイルドな町に住んだこともあります。ちょうど殺人件数でブルックリンがブロンクスを抜いてニューヨークのトップに立った頃です。
 筆者はキューバ系貧困層が多かったコブルヒルという地区と、プロスペクト公園近くの黒人地区の2カ所に住んだことがあるのですが、とくに後者は悪名高きスラム街のワシントン・アベニューの近くで、かなりハードボイルド指数の高い地区でした(ハイチ難民とアフリカ系ギャングが抗争していたようですが、詳しく知りません)。その頃はまた、ちょうど黒人と韓国人グロッサリーが殺し合いになっていて、ごく近所でベトナム人が韓国人に間違われて殺害された事件もありました。
 ところが、です。筆者はそんなところに2年弱くらいいたのですが、その間、銃声は1発も聞いたことがありません。強盗事件は頻発していましたが、どれもナイフ強盗でした。筆者のルームメイトも3夜連続強盗被害に遭ったりしてますが、拳銃で脅されたわけではありませんでした。
 もちろん、ブルックリン全体では拳銃強盗はそれなりに起きていましたが、ご近所で毎日のように起きているナイフ強盗のようなメジャーなものではありませんでした。これはどういうことでしょうか?
 アメリカの犯罪はそれは日本などとは比べものにならない凄まじいレベルにあります。ニューヨークの黒人街などに行けば、犯罪者はものすごい数がいます。ギャングのメンバーでなくとも、そこらの少年が平気で窃盗・ナイフ強盗を日常的に繰り返しています。
 けれども、犯罪の中で銃が使われる頻度は、実際にはそれほど多くはないのではないか。とすれば、銃を規制したところで、大量猟奇殺人は減らすことが出来ても、日常的な犯罪は減らすことはできないのではないか。
 アメリカの銃社会について、西部開拓時代からの伝統のようなことがよく言われますが、実際にアメリカのスラムに住んでみて思ったことは、アメリカ人は犯罪を失くすということ自体の現実性を信用していないのではないかということです。それは『刑事コロンボ』に出てくるような殺人事件ではなく、単純な貧困層の犯罪ということです。
 ですから、中流以上の所得者層は、自宅に銃を置き、貧困層犯罪者の侵入に備えなければなりません。サバイバルしていくための必需品ということです。
「銃をなくせ」という理想はいいのですが、生きるために犯罪を行なう者たちをそのままにして、各家庭や商店から銃を取り上げればどうなるでしょうか。
「犯罪にはしる貧困層を減らす努力を!」なんて言う人もいますが、まあアメリカのスラムはそんな生易しいものじゃないです。実際にご近所を見て思ったのですが、スラムの子供たちはおよそ道徳的な価値観というものがない家庭や社会に生まれ育ちますので、それが当たり前になっています。

 こういうことを考えていくと、人種問題にブチ当たります。要は黒人問題になるからです。人種差別は当然、許されないことですが、黒人問題を避けてこの問題を考えることはできません。
 人種問題というのは21世紀の今日でも歴然として存在するものです(私たち日本人でも、自分たちを世界の一等人種と思っている人が多いかもしれませんが、世界に出ればイエローとして扱われます)。
 ところで、フランス次期大統領にユダヤ系移民2世のニコラ・サルコジ氏が当選しました。移民やプア・ホワイトに厳しいということで、若者たちがサルコジ当選に抗議して暴動を起こしたりしていました。
 サルコジはかつてそういう連中を「社会のクズ」と呼んで物議をかもしましたが(実際には報道は言葉尻を誇張して伝えていたようですが)、まあ選挙で負けたからといって車両に火をつけるような輩は社会のクズと呼ばれてもしかたないでしょう。
(ただし、そういう連中もいての社会なので、なんでも排除すればいいとは筆者は思いませんが。自分自身、人間としては明らかにダメダメな系統ですし)
 いずれにせよ、フランスでもイギリスでもドイツでも、これからさらに人種問題が先鋭化する可能性があると思います。フランスではアラブ系、イギリスではインド・パキスタン系およびアラブ系、ドイツではトルコ・クルド系の数が多く、まずはそのあたりでトラブルが顕在化していくのではないか。
 ただ、欧州主要国の首都圏のスラムなどを歩くと、その犯罪社会の中心がすでに黒人系(アフリカ系)になりつつあることがわかります。ここでも黒人問題がいずれクローズアップされることになるのではないかと思います。
  1. 2007/05/10(木) 13:49:30|
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「女スパイ列伝」記事延期について

 弊誌前号のグラビアで「女スパイ列伝」を特集した際、「記事は次号に掲載」と予告していましたが、今号での掲載を見合わせました。
 その件で読者の方より指摘がありました。読者の方のなかには当然、記事予告を見て御購入いただいた方もいらっしゃると存じますので、まずはひらにお詫びいたします。
 じつは近い将来にスパイ史を主題とした特集号の出版を思いつき、当該記事はそちらにシフトすることにいたしました。ただ、これは確定的なことではなく、そのときどきの編集作業進行の具合で随時変更があり得ます。
 予告はなるべくそのとおりに実行したいのですが、なかなかそう予定通りにはいきません。今後もこうしたことが起こる可能性がありますが、何卒御容赦のほどをお願い申し上げます。
  1. 2007/05/07(月) 17:59:31|
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ワールド・インテリジェンス6号のお知らせ

『ワールド・インテリジェンス第6号』が4月27日に発売になりました。特集テーマは「世界&日本の地下社会」です。
以下、構成です。

▽地下社会vs情報機関 その知られざる関係 菅沼光弘(元公安調査庁調査第2部長)
▽香港・台湾から米国・欧州、新宿歌舞伎町まで 中国「黒社会」最新動向 江建(フリーライター)
▽大物政商「ベレゾフスキー」と大親分「ヤポンチク」 カネと暴力のロシア地下社会 田中健之(アジア・ナショナリズム研究家)
▽欧米の暗黒街を席巻するアルバニア・マフィア 菅原出(安全保障アナリスト)
▽世界の「麻薬事情」最新動向 村上和巳(ジャーナリスト)
▽南米の魔界都市 「神の街」と「シウダー・デル・エステ」
▽いまやインターネットで戦車やミサイルも販売! 現代「武器商人」の実像 菅原出
▽拡大する世界の地下経済 平田裕(フリーライター)
▽すべては秘密組織が裏で糸を引いている!? なぜ「陰謀論」はなくならないのか 野田敬生(ジャーナリスト)
▽宗教ネットワークの研究 キリスト教右派=保守系陣営の怪しい人脈 野田敬生
▽日本暴力団21組織と深い関係!? 韓国のヤクザ事情 李策(フリーライター)
▽東アジア「組織犯罪動向」の読み方 ベリサリオス・カトゥラス(元ニューズウイーク東京特派員/インターナショナル・ヘラルド・トリビューン東京支局長)
▽在日外国人アンダーワールド 李策
▽日本ヤクザは山口組だけになる!? 進行する暴力団の一極集中 平田裕
▽レバノンのテロに神奈川の盗難車が使用されていた! ヤクザ=マフィア=テロの「点と線」 李策
▽公安当局もマーク!? オウム事件以後も増殖する日本のカルト宗教 李策
▽情報活用への提言 情報デジタル化のメリットとは 吉川由紀枝(ライシャワーセンター・ビジティングリサーチアソシエイト)
▽安倍版NSCの致命的弱点を問う 前原誠司(民主党前代表)
▽アメリカHUMINTの展望 落合浩太郎(東京工科大学准教授)
▽イラク式の「斬首」計画まで登場! 2007年・英国テロ事情 小谷瑠以(テロ問題アナリスト) 
▽米太平洋海軍&海兵隊の情報部隊 福好昌治(軍事ジャーナリスト)
▽民間人通訳が見たサマワ派遣自衛隊始末記 金子貴一(イラク復興支援隊付通訳)
▽アメリカの外交暗号も解読していた! 知られざる旧日本軍のインテリジェンス 小谷賢(防衛省防衛研究所教官)
▽フランス情報機関史④ 「対外情報防諜局」と戦後フランス 柏原竜一(情報史研究家)
▽イスラエル情報工作機関史② アイヒマン連行 稲坂硬一(近大九州短大非常勤講師)
▽巻頭グラビア 世界マフィア列伝/世界麻薬ルート①アフガニスタン(桜木武史)②アルバニア&ペルー(黒井文太郎)/警察と自衛隊の対テロ合同訓練(野口卓也)
▽インテリジェンスNEWS 後継者で明暗わかれたイタリア・マフィア/カナダ・マフィアの勢力地図に変化/偽ドル偽造する南オセチア/バルト犯罪グループの活動が拡大/アイルランド犯罪組織が活発化・ほか
  1. 2007/05/02(水) 00:56:01|
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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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