ワールド&インテリジェンス

ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です)

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金正恩と3人の兄妹の今後

 張成沢粛清に関して、さまざまな憶測が出ています。面白い仮説の中には、張成沢粛清は正恩の兄・正哲が主導したなどという説もあります。
 いずれも想像の話ですが、ひとつの仮説として、「金正恩は故・金正日の遺訓に従っている」と仮定してみましょう。
 では、晩年の金正日は、年若い三男・正恩世襲を決めたとき、どのような世襲体制を望んだでしょうか?
 まず明白なのは「正恩による鉄の独裁体制の維持」ですね。少なくとも、張成沢粛清はその文脈に合致します。
 と、ここでもうひとつの仮説を考えてみます。
「金正日は父親として、4人の子供がいずれも生涯を全うできることを望んだ」
 つまり、本来なら長男が跡を継ぐべきところ、三男に権力を持たせることによって、自分の死後、周囲の取り巻きが妙な画策をして、兄弟の骨肉の争いが発生する芽を除去しておきたいと考えた可能性があります。
 この場合、もっとも合理的な解決策は、「正恩に圧倒的な権力を持たせる。そのうえで彼には『兄たちに手を出すな』と約束させる」ということになります。
 事実はわかりませんが(私だけでなく、誰にもわからないことです)、こう仮定しても今の流れに矛盾は生じません。
 長男・正男は事実上、海外に排除されています。彼に繋がる国内勢力はすでにことごとく権力機構から排除されています。中国が正男を支持しているとの見方もあるようですが、現状すでに権力の枠外にいる正男は、正恩政権の脅威にはなっていません。正恩とすれば、正男が海外で公然と正恩批判を行うようなことがない限りは、捨て置くことが可能です。
 次兄・正哲はその消息がまったく不明ですが、今後もいわゆる飼い殺し状態に置かれるでしょう。正哲は性格的に正恩の脅威になるような存在ではなさそうですが、それでも正恩より年長ですから、不満分子に利用されないとは断言できません。
 なので、正恩が正哲に政治的存在感を高めるような動きを認めることはまず考えにくいといえます。したがって、正哲が張成沢粛清を主導するということは、普通に考えればちょっと考えられない話です。
 今回の張成沢粛清の効果としては、とにかく金正恩による恐怖支配が強化されたということに尽きます。ファミリーの結束、つまり正男や正哲が弟を支える体制が進んだという文脈は、考えにくい状況だと思います。
 末妹の金汝貞は、正恩独裁にとってまったく脅威にならない存在ですから(結婚すれば、婿が正恩の義弟となるので、その存在が浮上しますが)、逆に実体以上に正恩を支える存在として内外に喧伝される可能性が高いでしょう。現在、国防委員会の課長(何の?かは不明)といわれていますが、いずれ何らかの高位の役職に就く可能性が高いと思われます。
 
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  1. 2013/12/11(水) 13:55:52|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

張成沢の派手な女性関係や金慶喜との別居説が出てますね。張成沢の権力の源泉が金一族との血縁関係ですので、本当だとしたら愚かな人物という事になります。

あと、張成沢が国際情勢の先を読みすぎて鬱陶しくなったとかはどうでしょう。張成沢は中国や日本にも情報を漏らして北朝鮮国家(及び自己)の存続を図っていたと言います。

金正恩がそういう老獪さを理解出来ずに側近の「囁き」に耳を貸してしまったとか複合的な理由があるのかもしれません。

いずれにしても昨年一年で五万人の朝鮮人が餓死する一方独裁者専用アイランドでジェットスキーを楽しむ屑は自国民二十万人を戦車や戦闘機や化学兵器で大量虐殺したバシャール・アサドと共に嬲り殺して死体に豚の小便を掛けなければなりません。
  1. URL |
  2. 2013/12/12(木) 07:05:47 |
  3. 道楽Q #-
  4. [ 編集]

『シリア難民キャンプに初雪、厳冬期到来も支援不足』
http://jp.reuters.com/article/jp_mideast/idJPTYE9BB04620131212

アサド一人が腹切れば済む事なのですが。アサド馬鹿夫婦は今頃暖かい宮殿で「雪が綺麗ね」とか言ってアメリカ映画でも見ている事でしょう。
  1. URL |
  2. 2013/12/13(金) 05:46:43 |
  3. 道楽Q #-
  4. [ 編集]

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プロフィール

黒井文太郎

Author:黒井文太郎
 63年生まれ。『軍事研究』記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、現在は軍事ジャーナリスト。専門は各国情報機関の最新動向、国際テロ(とくにイスラム過激派)、日本の防衛・安全保障、中東情勢、北朝鮮情勢、その他の国際紛争、旧軍特務機関など。

 著書『ビンラディン抹殺指令』『アルカイダの全貌』『イスラムのテロリスト』『世界のテロと組織犯罪』『インテリジェンスの極意』『北朝鮮に備える軍事学』『紛争勃発』『日本の情報機関』『日本の防衛7つの論点』、編共著・企画制作『生物兵器テロ』『自衛隊戦略白書』『インテリジェンス戦争~対テロ時代の最新動向』『公安アンダーワールド』、劇画原作『実録・陸軍中野学校』『満州特務機関』等々。

 ニューヨーク、モスクワ、カイロに居住経験あり。紛争地域を中心に約70カ国を訪問し、約30カ国を取材している。




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